近くて遠い日本と韓国。溝だけが広がり続ける歴史認識問題に発する政治・外交上の冷え込み。反比例するように日本社会に受容される韓流文化。ストックの日本・フローの韓国を軸として、両国が真の意味で歩み寄るために必要な議論を様々な角度から検証する。 ◆目次 プロローグ[尹喜粲 駐横浜大韓民国総領事館総領事] 編者のことば[鞠重鎬] 第1章 日本経済の停滞と日韓関係の諸問題[鞠重鎬] 1.韓国に追い越された日本の所得水準 2.日本経済の位置付けの低迷 3.政策評価から見た日本経済低迷の要因 4.日本経済の課題と展望 5.アナログ日本・デジタル韓国の協働への模索 6.日韓関係の諸問題 第2章 韓国の第20代大統領選挙、尹錫悦新政権と韓国外交、そして日韓関係[木宮正史] 1.韓国の第20代大統領選挙 2.日韓の政治、選挙の比較 3.文在寅政権の業績投票から見た第20代大統領選挙 4.保守と進歩リベラルの政治的亀裂 5.韓国政治における社会的亀裂:地域・世代・ジェンダー 6.尹政権の内政課題 7.尹錫悦政権の外交:何がどこまで変わるのか 8.日韓関係に変化はもたされるのか 9.日韓関係の再考 第3章 こんにちの日韓関係から私たちが学ぶべきもの――構造的変化と「人災」にさらされる近隣外交――[箱田哲也] 1.政治指導者が招いた「人災」 2.日韓の構造的な変容 3.無知と悪意に彩られた対立 4.有効なカードを欠く韓国 5.異なる未来像抱く日韓 6.政治が関係悪化の責任を 第4章 21世紀を革新するための日韓哲学[小倉紀蔵] 1.かろうじて成り立っている日韓関係 2.「併合植民地」とはなにか 3.「日韓モデル」とはなにか 4.和解はプロセスである 5.新しい価値に向かって 6.おわりに 7.追記:コメントに答える 第5章 被害・生存者なき時代の「従軍慰安婦」問題と政治的責任[南基正] 1.「被害・生存者なき時代」を控えて 2.政治的現実主義が試みる和解政策の問題 3.再び、「被害者中心主義」とはなにか? 4.再び、「政治的責任」とはなにか? 5.「和解の国際政治」と被害者中心主義 6.韓日関係で「被害者中心主義」の登場と展開 7.「2015年合意」の再検討――被害者中心主義による解決の道を開くため 8.現実的解決の出発点としての「2015年合意」とその履行のための条件 9.被害・生存者なき時代に「2015年合意」をいかにすべきか? 第6章 文化交流とコンテンツビジネスの変貌[黄仙惠] 1.日韓文化交流の架け橋、「コンテンツ」 2.世界を席巻する韓国のコンテンツ、国家イメージへの影響力 3.文化交流の20年、韓流の底力 4.コンテンツビジネスの変遷、そのストーリー 5.もう一つの韓流、「嫌韓」をめぐって 6.日韓の協業による文化交流の取り組み 第7章 日韓の考え方の比較と補完性[鞠重鎬] 1.日韓の考え方の3つの軸 2.ストックの日本VS.フローの韓国 3.アナログの日本VS.デジタルの韓国 4.「狭く深く」の日本VS.「広く薄く」の韓国 5.目指すべきは 第8章 日韓の認識の差と日韓関係の構築[鞠重鎬] 1.認識の差と歴史教育 2.歴史的背景と価値観の差 3.安倍・菅政権における日韓関係 4.岸田政権の韓国への見方 5.国際情勢と日韓関係 6.日韓関係の展望と取り組み 7.相互活用戦略とバランス感覚 8.提言 エピローグ[小山内いづ美 横浜市立大学理事長]
※2026年7月21日 23:31時点
日韓関係が悪化し、嫌韓と反日のスローガンが騒がしいなか、日韓の研究者が両国の対話の糸口を見出そうとシンポジウムを開催した。本書は、思想的、文化的、歴史的な開かれたコンテクストに日韓関係を接続させ、台湾・沖縄といったより広く東アジア、またジェンダーの視点から考える論集である。
※2026年8月1日 12:32時点
今、日本国内では、2018年の韓国大法院の判決以降、植民地期の徴用工や「慰安婦」制度被害者への賠償の問題をめぐって、1965年の日韓請求権協定の文言にのみ問題を矮小化し、「韓国の国際法違反」を批判する言説がまかりとおっている。日韓両政府の対立が深まる中、まるで被害加害関係が逆転したかのような歪な現状に対して、1910年の「韓国併合条約」や、安重根裁判の管轄権の正当性・合法性にかかわる1905年の「保護条約」に著者は着目。国際法を含めた長年の研究により、この「保護条約」が存在しなかったことを明らかにした。本書では、日本社会に広く問題提起すべく、この事実についてわかりやすく解説している。「最悪」とも評される今日の日韓関係の改善のためには、韓国大法院判決が示した日本の朝鮮植民地支配の「不法性」の問題に、日本政府と日本の社会が真摯に向き合うことが不可欠なことを明らかにしている。
※2026年7月21日 11:35時点
なぜ対立は収まらないのか 歴史教科書、「慰安婦」、竹島、「徴用工」… 日韓関係の全貌と構造、そして変化を解明する。 三〇年にわたる平成時代は、日韓関係において重要な転換期である。この時期は、冷戦終結・バブル景気・民主化によって楽観的な展望が語られていた日韓関係が、「慰安婦」問題の表面化や竹島問題の激化などを経てかえって対立を深める時代に当たっている。日韓両国はなぜ、この時期に関係を悪化させることになったのか。本書では、この問題について、各時期における日韓両国内外の具体的な動きに注目しつつ描写する。 【目次】 まえがき(木村 幹) プロローグ──「ヒロヒト」の死(木村 幹) 第I部 相互信頼から相互不信へ 第1章 希望に満ちた始まり──盧泰愚来日と天皇訪韓構想、一九八九~九〇年(木村 幹) 1 国内外の基本状況 2 盧泰愚と明仁天皇 3 皇室外交 4 盧泰愚訪日をめぐって 5 難航する交渉 6 「お言葉」の政治化 7 盧泰愚訪日 第2章 慰安婦問題の展開──元慰安婦の告発から河野談話まで、一九九一~九三年(金 誠) 1 慰安婦問題の記憶 2 市民団体の結成 3 慰安婦問題の本格化 4 日本政府の対応 5 金泳三の大統領就任から河野談話へ 第3章 過渡期の日韓関係──村山談話と靖国問題、一九九四~九六年(浅野豊美/木村 幹) 1 現代史の起源としての一九九〇年代 2 国家的和解と国民的和解、そして村山談話 3 自民党による歴史を踏まえた国際交流の推進──宮沢内閣と河野談話 4 自民党と社会党の歴史認識をめぐる政策的接近 5 村山内閣の戦争責任政策に対する融合と反発 6 村山談話後の国内外政治の共振としての靖国参拝 第4章 小春日和の時代──アジア通貨危機から日韓共催ワールドカップまで、一九九七~二〇〇二年(田中 悟) 1 「IMF危機」と金大中政権 2 小渕恵三内閣の誕生 3 日韓パートナーシップ宣言 4 小泉純一郎内閣と盧武鉉政権の誕生──変化への希望がまだありえた時代 5 日韓共催ワールドカップ──水平的関係への契機 第II部 対立激化への展開 第5章 転換期の日韓関係──領土問題の相克と定着化、二〇〇三~〇七年(山下達也) 1 進展する日韓交流 2 高句麗(間島)問題 3 日韓新政権の出帆 4 漁業問題という視点 5 「小泉改革」の思わぬ影響 6 島根県で動き始めた竹島問題 7 中国の影 8 日韓関係への波及 9 竹島問題は何を残したか 第6章 政権交代への期待の消滅──民主党政権と李明博政権、二〇〇八~一二年(金 世徳 木村 幹) 1 二〇〇〇年代の変化 2 李明博政権と短命自民党政権の時代 3 民主党政権 4 ロマンと現実 5 安定から破綻へ 第7章 「慰安婦」問題解決への合意──朴槿恵政権の対日外交、二〇一三~一六年(李 元徳) 1 外交争点としての「慰安婦」問題 2 朴槿恵政権前の慰安婦交渉の経緯 3 二〇一五年の慰安婦合意とその評価をめぐる論争 4 朴槿恵政権の対日外交に対する評価 第8章 〝初めから掛け間違えたボタン〟──文在寅政権の転換、二〇一七~一九年(金 容民) 1 平穏に始まった日韓関係 2 二〇一八年の局面転換 3 歴史認識問題から経済問題、そして安全保障問題へ 4 我々はどうしてここに至ったか むすびにかえて──鼎談:平成以後の日韓関係を振り返る(木村 幹/李 元徳/澤田克己) 1 平成以後の日韓関係 2 九〇年代初頭の変化 3 日本側の要因 4 韓国の民主化と市民運動 5 転換点はどこか 6 中国の影響 7 金泳三政権と「韓国疲れ」 8 韓国司法の役割 9 メディアはどんな役割を果たしたか 10 日韓関係の今後 あとがき(金 容民) 平成日韓関係史年表(木村 幹) 韓国主要政党変遷図 事項索引 人名索引
※2026年8月14日 15:31時点
開かれた関係をつくるための基礎知識を提供
※2026年8月6日 19:33時点