「日韓協力は可能なのか」との話題を安保面から見てみる
■日韓で協力できること、もうひとつありました
先日、イランでの戦争勃発に伴って日本政府がチャーターしたエチオピア航空機に、韓国人も搭乗したことが話題になりました。
3月11日のサウジ発のエチオピア航空機には邦人が281人。韓国人が12人。
13日の全日空機では邦人とその家族(外国籍)が42人、韓国人が4人。
さらに15日には韓国軍機に日本人2名が搭乗して帰国したことが報道されています。
近隣国であることから、非常時にはこうした人道的措置はありでしょう。
距離が近いですからね。
24年に「両国で有事の際の帰国について協力する」との覚書が交わされているとのことです。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/pressit_000001_01137.html
■「日韓協力」って可能な部分もあるんですね
以前に日韓の協力ができる範囲はなにか、といった主旨のnote記事を書いています。
ここでは「天然ガスの共同購入はできるかな……」といった主旨の話を書いています。
逆にいうとそれ以上の日韓間での協力は無理なのだという話をしていました。
協力できること、もうひとつありましたね。
人道的な意味あいでのこうした航空機の空席を利用する(させる)のは充分にありでしょう。
物理的な距離が近いですからね(2度目)。
■日韓間での安保協力は成り立つのか?
といったわけで、前回のnote記事ではさらっと終わらせた安保協力について日韓間でできることがあるのかを検証してみましょう。
ここ数年、日本は安保面における協力関係を拡げる方向性にあります。
2010年にオーストラリアと円滑化協定(RAA)を結んだことを皮切りに、RAAをイギリス、フィリピンと結び、それぞれの軍と自衛隊の相互往来を円滑にしています。
共同訓練などをやりやすくするための方策ですね。
これら3ヶ国とは「準同盟国」として成立していると言っていい状態になっています。
海上自衛隊の護衛艦かがにイギリス海軍のF-35Bが着艦したなんてニュースも去年の夏にありました。
これも準同盟化の一環といっていいでしょう。
また、「物品役務相互提供協定」(ACSA)についてはこれら3カ国だけではなく、フランス、カナダ、インド、ドイツ、イタリアと結んでいます。
オランダ、ニュージーランドとは署名済。
ヨーロッパの国々が多いのは、有事の際に弾薬等を融通してもらうためには「遠くにある国のほうが都合がよい」からでしょうね。
■「日韓準同盟」は可能なのか?
では、韓国がこれらの国に加わることができるのか。
かつて、日本はACSAについて韓国と協議していたことがあります。ですが、現在はそうした協議すらないはずです。
結論としては「日韓協力なんて無理ですね」としか言いようがないのですが。
まあ、なぜかを語ってみましょうか。
日韓間で唯一、安保協力が行われているものがGSOMIAです。
「軍事情報包括保護協定」のことで、日韓間においては特に北朝鮮関連の情報を共有するために締結されたものです。
韓国側は北朝鮮による弾道ミサイルの発射地点の情報などが得やすく、日本側は到達(着水)点の情報などが得やすい。
これらの情報を共有するために結ばれたものなのですが。
たったこれだけのものであるにも関わらず、あまりにも紆余曲折があって話にならないのです。
■たかだか「情報共有」ですらこの騒ぎ……
2012年のイ・ミョンバク政権下で最初の締結が行われることになったのですが、なんと予定の1時間前に韓国側が「締結しない」と言い出したのです。
日本側から締結を無理強いすることもできないので、それを受け入れるしかありませんでした。
その後、4年かけて日韓間の調整を行い、パク・クネ政権下の2016年にようやく締結できたのですが。
この時もパク・クネ政権へのバッシングはとんでもないものがありました。
メディアからは「日本に韓国軍の機密を手渡すのか!」なんて言いかたをされていたほどです。
そして2019年には「日本が韓国に対して半導体製造材料の輸出管理強化を見直さないのであれば、GSOMIAを破棄する」と言い出したのですね。
あれには唖然としました。
■「GSOMIA破棄宣言」の顛末をもう一度見てみよう
そもそも日韓GSOMIAはアメリカの肝いりで結んだ(結ばされた)ものであったのです。
なので、それを破棄すると言い出せばアメリカは慌てて韓国の肩を持つだろう。
そして、日本に圧力をかけてくれるだろう……との考えが韓国側のベースにあったとされています。
韓国人はなぜか「アメリカは日本よりも韓国を選ぶ」と頑なに信じている部分がありまして。
GSOMIA破棄をテコにしてアメリカを動かそうと考えていたようなのですね。
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