連載小説「迦陵頻伽(かりょうびんが)の仔は西へ」シリーズについて ※最終更新日 2026年7月1日
●「迦陵頻伽の仔は西へ」とは
↑作品をまとめたマガジンです。
「迦陵頻伽の仔は西へ」シリーズは、かつて遣唐使だった大男と迦陵頻伽※の少女が、唐代(九世紀半ば)のアジアを歩み「西の果ての霊峰」を目指すバディもの冒険紀行小説です。
note創作大賞2025 ファンタジー小説部門に参戦しているほか、カクヨムでも並行して連載しております。
※極楽浄土に住まうと伝えられる半人半鳥の存在。妙なる声を持つとされる。
本作は小説の冒頭800字のみを執筆し、その内容を競うコンテスト「逆噴射小説大賞2023」に投稿した短文の作品でした。本来はわずか800字で終わっていた未完の作品でしたが、二次選考に残り皆様から多くの反響をいただいたことを機に「完全版」を執筆し、その後も継続して連載を続けております。
↑全ての始まりとなった「逆噴射小説大賞」版と、その完全版にして第一話に当たる「迦陵頻伽の仔は西へ」。まずはこちら(下の方の記事)からお楽しみください。
なお、現在逆噴射版に関しては、本編とは無関係の「パイロット版」と位置付けております。また、「〜西へ」は、2023年末に投稿した「迦陵頻伽の仔は西へ【完全版】パルプアドベントカレンダー2023」を大幅に加筆修正した作品です。
●物語のあらすじ
迦陵頻伽。極楽浄土に住まうと伝えられる、妙なる声を持つ半人半鳥の存在。
時は九世紀半ば。かつて遣唐使だった身の丈七尺半(約225cm)の大男・橿原良嗣は、遣唐使船に密航していた迦陵頻伽の少女・オトを肩に乗せ、西域に向けて唐の砂漠を踏み締めていた。不思議な唄に喚び寄せられて「西へ行きたい」と懇願する、オトの想いを叶える為に。
愛娘と死別した喪失感を抱えた良嗣と、飛べない翼を背負ったオトは、互いの欠落を埋めるかのように共に果てしなき旅路を歩む。様々な土地を訪れ、人々との出会いと別れを繰り返しながら、二人は西の彼方に聳え立つ霊峰を目指す……。
●執筆順と物語の時系列について
本作はエピソード毎に異なる土地土地を描く、連作短編の形式をとっております。執筆順(投稿順)と作中の時系列は一致しておりません。
まずは第一話「迦陵頻伽の仔は西へ」(2023年12月投稿 2025年7月改稿)をお読みいただき、その後は執筆順(投稿順)に沿って読み進めていただけましたら幸いです。詳しくは以下の「●作品一覧」をご参照ください。
また、作品の時系列と舞台となった土地は、以下の通りとなります。世界地図を見ながらお楽しみ頂けますと、なお幸いです。
「迦陵頻伽の仔と楽師」 洛陽・龍門山
「迦陵頻伽の仔の憧憬」 敦煌・莫高窟
「迦陵頻伽の仔は西へ」 敦煌・鳴沙山 / 陽関
「迦陵頻伽の仔と墓標」 拉薩への道中
「迦陵頻伽の仔と旅人」 拉薩への道中
「迦陵頻伽の仔の祈り」 拉薩・大昭寺
「迦陵頻伽の仔の渡岸」 拉薩・馬泉河
(令和8年1月現在)
※作中では当時の名称に倣い、敦煌を「瓜州」と表記しております。
●作品一覧と各話あらすじ(最終更新日 2026年7月1日)
・「迦陵頻伽の仔は西へ」
敦煌を出たのち西の砂漠・鳴沙山を彷徨っていた二人は、野盗たちの襲撃を受ける。それぞれが持つ力で野盗たちを軽くいなし、堅牢な関所を越えた先で、遂にオトは自分を喚んでいた唄の出処を知る。
・「迦陵頻伽の仔の憧憬」
数多の仏像・仏画(壁画)が祀られている石窟・莫高窟に立ち寄った二人。しばしの安息の時を過ごす中、二人は壁画に描かれた、天を舞う迦陵頻伽の姿を目にする。
・「迦陵頻伽の仔と墓標」
南西に聳え立つ白き山へと向かう足掛かりのため、大都市・拉薩を目指して南下する二人は、肉という肉を獣に喰い尽くされた哀れな骸に遭遇する。素性も名も知れぬ骸に対し、二人はせめてもの供養の心を向ける。
・「迦陵頻伽の仔と旅人」(一 〜 六)
骸の墓標を建ててから程なくして、二人は行き倒れていた青年を介抱する。父親の仇である男を追って旅立った、と青年は語る。やがて、彼が追い求める男が弔ったばかりの骸だったと知り、二人は葛藤する。
・「迦陵頻伽の仔の祈り」
拉薩へ着いた二人は、「回転させるだけで利益を得られる」と伝えられる仏具・摩尼車に、更に続いていく旅の安寧を祈る。
・「迦陵頻伽の仔と楽師」(一 〜 六)
洛陽にほど近い龍門山の奥地で、オトは琴に似た奇妙な調べを耳にする。
音色を辿っていった先で出逢った世捨人の老人は、五十年前に音声生(楽師)として唐へ渡った遣唐使だった。老人と会話を交わす中で、良嗣の過去が少しずつ紐解かれていく。
・「迦陵頻伽の仔の渡岸」(一 〜 八 以下、連載中)
南へと歩みを進めるため、高原を東西に渡って貫く馬泉河を渡ろうとする二人。しかし、その道のりは決して平坦ではなかった。頼みの綱の吊り橋は崩れ、泳いで渡ることもできない二人は、高原では稀有な漁師の青年の下へ辿り着く。
(以下、不定期更新)
