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【見えない邪悪⑬】前編 ファシストはどんな人間なのか?[オルテガ・フロム編]

前回の記事では、「騙されたMAGA」と「ファシストMAGA」の違いを取り上げ、この二者が本質的に異なる存在であることをお伝えしました。
騙されたMAGAの人々」は、経済的不満や社会的疎外感から権威主義的なポピュリストに騙されて取り込まれた「加害者」である一方で、反省して命懸けで挽回しようとしている側面もあります。
しかし「ファシスト」は違います。
今回からは邪悪な加害者「ファシスト」について詳しく解剖していきます。


ファシスト14部作



※注意🚨
急にパソコンが重くなったり、スマホが熱くなったり、したら警戒🚨の監視が急増しているからかもしれません。やたら家族や本人の体調が急に悪くなったら狙われているかもしれません。
最近は急に記事の閲覧数が激減しました。皆さんに「いいね」を押して貰っても、なぜか外されて増えず、注目されない工作されています。主権者を裏切ることばかりしています。




第1章 なぜファシストは「理解できない存在」なのか?

前回の記事では、「騙されたMAGA」と「ファシストMAGA」の違いを取り上げ、この二者が本質的に異なる存在であることをお伝えしました。
騙されたMAGAの人々」は、経済的不満や社会的疎外感から権威主義的なポピュリストに騙されて取り込まれた「加害者」である一方で、反省して命懸けで挽回しようとしている側面もあります。
しかし「ファシスト」は違います。

多くの善良な人がファシストと接触したとき、深い恐怖と苛立ちを感じます。「なぜこんなに話が通じないのか?」「なぜ謝らないのか?」「なぜ明らかに間違っているのに認めないのか?」「なぜ嬉々として虐殺やレイプをして反省すらしないのか?
——その「なぜ?」が積み重なって、「相手を理解できないまま疲弊して負けてしまう」のです。

それは、「ファシストの価値構造・心理メカニズム・行動パターンが根本から異なるから」です。
今回は、少しでも理解するために「"問いと回答形式"で、その価値構造・心理メカニズム・行動パターン」などを解説していきます。

イジメ被害者が残念ながら「イジメ加害者を理解できない」ように、普通の人たちは、手がかりが無いと「"ファシスト"を理解できない」のです。
本記事を一助にして、理解と危険性の周知をして頂ければ幸いです。


加害者の心理やイジメの構造に興味があれば是非ご覧ください。
目から鱗で「なぜ加害者たちがそのような不可解な行動をするのか?」が理解できるようになります。

イジメの構造の新教科書シリーズ

【イジメの構造の新教科書①②巻紹介】イジメの本当の仕組みはどうなっているの?
【イジメの構造の新教科書③④巻紹介】加害者はどこでイジメの仕方を学ぶの?
【イジメの構造の新教科書⑤⑥巻紹介】なぜレイプや拷問を"楽しんで"するのか?
【イジメの構造の新教科書⑦⑧巻紹介】なぜ女性議員が増えないのか? 女性が“絶対”勝てないトリックを明かします
【イジメの構造の新教科書⑨巻紹介】なぜ「正直者の発達障害者」は排除されるのか?なぜ治療しても"改善しない"のか?



第2章 全体の目次

1. ファシストの全体像——オルテガの「大衆人」8つの特徴 × ダークトライアド
2. 心理の根っこ——サド=マゾヒズム的構造とは何か
3. なぜ負けても撤退できないのか?——「自己イメージの崩壊=死」
4. なぜ絶対に負けたくないのか?/なぜ頭を下げられないのか?——同じ防衛機制の二つの顔
5. なぜ反省せず逆恨みするのか?——「間違い=自分の消滅」という等式
6. なぜ強者には媚びるのに弱者には謝らないのか?——矛盾に見える行動の真相
7. 「上の人間」「下の人間」を判定するパラメータ——日本社会の謎ルールとの接続
8. なぜ話や議論が噛み合わないのか?——揉み消し戦術と独裁的思考回路
9. 虐殺・集団暴力・恐怖支配に至る危険性——隠蔽のためのレイプや虐殺
10. ファシストに「自分が上だ」と分からせることはできるのか?


第3章 ファシストの全体像——オルテガ×ダークトライアドで理解する「どんな人間なのか?」


第3章1節 オルテガの「大衆」とは何か?

大衆の反逆(原題:La rebelión de las masas)』は、スペインの哲学者ホセ・オルテガ・イ・ガセットが1930年に出版した社会評論の名著です。
オルテガはこの本の中で、20世紀に現れた「大衆(たいしゅう)」という
新しい人間型が社会の主役に躍り出たことで、ファシズムがヨーロッパに蔓延していることを警告🚨しました。
そして、懸念された通り、1939年9月1日にナチスドイツ軍🇩🇪がポーランド🇵🇱へ侵攻することで第二次世界大戦が始まりました。その意味で、ファシストを理解するには最適な書物なのです。

オルテガ「大衆の反逆」

ここで少し用語の前置きをしておきます。
オルテガの著書に出てくる「大衆」とは、貧困層・労働者階級という社会階層の意味ではありません。「全く意味が違う」と思って下さい。
例え医師・教授・政治家・知識人であっても「大衆人」になり得ます。
逆に無職や職人・農民でも「貴族的精神の持ち主(エリート)」になり得ます。

大衆とは「"精神の態度・生き方の様式"の問題」だからです。
自分に義務を何も課さず、すべての権利だけを主張し、自分を棚に上げて社会に参加するという生き方をする人間のこと」です。
最近の言葉では「テイカー」とか「搾取する人」とか「自己愛」とか「加害者」とかそのような生き方をする人と思って下さい。

オルテガはこれを一言で表現しました。

甘やかされた子ども

この定義を出発点として、8つの特徴を掘り下げていきます。


第3章2節 特徴①:平均性——「自分が他の全ての人と同じであることに喜びを感じる」

オルテガが最初に指摘したのは、大衆人が「自分の凡庸さを恥じない」どころか、「凡庸であることを誇り、そこに安らぎを見出す」という逆転した心理です。

これは単なる謙虚さではありません
みんながそう言っている」「みんながそうしている」など「みんなと同じ」であることを最高の根拠とし、才能・知識・努力によって「平均から外れた優秀な人や天才」を見ると、「激しい不快感・嫉妬・敵意を覚えます」。
また、皆と同じではなく「自分の考えや意見を述べる人」同調圧力に屈せず「自分で考えて判断する人」を「生意気だ、偉そうだ、気取っている・目立ちたがっている」として集団リンチして排除します。

現代の具体例として挙げると

・SNSで「みんなが叩いているから叩く」という集団リンチ

・発達障害者・障害者を「普通ではない」として排除する

・賢い人・天才を「ズルをしている」として攻撃し、
 貧しい人・知的障害者を「役に立たない」として馬鹿にして搾取する

・「出る杭は打つ」という日本的な集団規範の強制

まぁ、イジメる人のことですね。


第3章3節 特徴②:同調性——「集団の空気に溶け込み、自分で考えることを本能的に避ける」

大衆人は「考えること」をコストだと感じます。億劫なのです。
思考には「時間・労力・孤独・責任がともない」ます。
それよりも「集団が向いている方向に向く」「権力者や金持ちが命じる事に従う」ほうが、「コストも不安も少ない」です。「精神的に楽」なんです。
教祖や権力者に従えば間違えても責任追及されたり、責任転嫁できるので、悩まずに実行できます。集団の中で「自分」という固有性を手放し、「"みんな"という"匿名性に溶け込む安心"を求めます」。
だからこそ「目立つ人や自己主張する人や女性がムカついて仕方ない」のです。「自分の権利を主張する女性を見ると、なんとかして叩いて大人しく黙らせたくなる」のです。「女性は伝統に従って男に黙って従えばよい」のです。

現代の具体例として挙げると

・異議を唱える者・空気を読まない者を「危険な異物」として排除する

・自己主張をする人を「場を乱す者」として集団で恨み、集団リンチする

・同じであることを強要し、違いを許容できない

エーリッヒ・フロムは『自由からの逃走』で「人間は自由の重さに耐えられず、強い権威や集団に服従することで自由から逃走する」と論じました。
本質的に「自分で考えて行動して、責任を取りたくない」のですよね。
オルテガの同調性の指摘はこのフロムの洞察とも完全に一致します。

エーリッヒ・フロム「自由からの逃走」


第3章4節 特徴③:凡俗性——「凡庸であると知りながら、凡庸である権利を大胆に主張する」

これがオルテガの最も鋭い診断の一つです。単に凡庸なのではなく、「凡庸であることを正当化・権利化する」という攻撃性を持ちます。
普通の日本人」「右でも左でもない日本人」である事に誇りを持つような感じですね。

現代の具体例として挙げると

・「難しいことはわからなくていい。それが普通の人間だ」という開き直り

・専門家・知識人・芸術家の意見を「エリートの傲慢」として退ける

・複雑な問題を単純なスローガンで解決できると信じる
 (「○○さえいなければうまくいく」)

現代の具体例:「専門家なんて信じなくていい」「学者の言うことより俺の経験の方が正しい」という態度です。誰かに責任転嫁するための陰謀論がこの心理的土壌に育ちます。オカルトや怪しいぼったくりの自然療法が流行るのもこの影響です。

ネトウヨやアンチフェミニストが論証や正しい根拠もなしに罵倒や意見を押し付けるのも、この特徴の現れです。



第3章5節 特徴④:伝統の無視——「豊かさ・自由・文明は先人の積み重ねではなく、自然に与えられたものだと思っている」

オルテガはこれを「忘恩(ungratitude)」と呼びました。
現代文明が生んだ豊かさ(医療・法律・民主主義・言論の自由)は、無数の人間が何世紀もかけて犠牲を払って築いたものです。大衆人はこれを「当たり前に存在するもの」と感じ、維持・発展させる義務を感じません。

現代の具体例として挙げると

・憲法や法律、国際法、社会のルールなどを無視して、自分達の思い通りにする

・先人たちが築いた法や人権・プライバシー・境界線を「自分が勝つための障害」としか見ない

・自分が勝つためならハッキングして弱みを握る、
 ポケベル爆弾やスマホを武器にする、経済や食糧を人質にするなど、
 法と人権を道具として無視する

・儲けるためならインサイダー取引でも何でも構わない、という発想

・「投票なんて意味ない」という政治的無関心。
  ファシズムの歴史を「昔のこと」として学ばない

公平や平等、と言った公共的な価値観が理解できません」。
税金も公共財産も権力も全員のために使わねばならない」と言う原則を忘れて、自分と仲間の私利私欲のために「私物化」します。
私物化や横領を咎められると逆恨みや逆ギレします。


第3章6節 特徴⑤:支配性——「自分と違う者との共存を望まず、異なるものを世界から排除しようとする」

これが最も危険な特徴です。
大衆人は「"多様性"を脅威」として感じます。

・「多数派の意見(自分たちの意見)だけがあればよく、それ以外は許されない」

・対話・説得・論証を好まず、多数の力で押しつぶすことを好(議論せず強行採決)

・発達障害者・障害者を「役に立たない存在」として排除する

・自主自立の姿勢を持つロシア🇷🇺や中国🇨🇳やイラン🇮🇷のような国や、
 自立した女性の存在が「許せない」

・少数者・異論者・専門家・批判者を「社会の敵」として排除しようとする

オルテガの言葉:「大衆は自分と異なるものの存在を容認できない」。
これがファシズムの心理的基盤です。
自分と異なる者の存在が許せない」ので、
異なる相手や従わない相手を潰すためには手段を問いません
イラン🇮🇷を核兵器や経済崩壊で潰そうとしたりロシア🇷🇺や中国🇨🇳にテロ攻撃や政権転覆クーデターを仕掛けて国を破壊しようと、あの手この手で潰れるまで攻撃を仕掛けます。
左翼や共産党を敵視して、内部分裂するように仕掛けたり相手の組織が崩壊したり、従って言いなりになるまで執拗に永久に攻撃を仕掛けます。
日本で左翼が弱いのは攻撃されて破壊されるからです。

「大衆は自分と異なるものの存在を容認できない」


第3章7節 特徴⑥:自己満足——「自分の知的・道徳的水準は完全であり、外から学ぶ必要はないと思っている」

オルテガはこれを「魂の自己閉鎖性」と呼びました。
大衆人の内面は完全に閉じており、外部からの情報・批判・新しい視点が入ってこない密閉容器のようなものです。最近の言葉では「エコーチェンバー」などと呼びます。ネトウヨやアンフェが10年以上前の東南アジアや中国🇨🇳のイメージで情報をアップデートできないのは、「エコーチェンバー内の情報しか信じない」仕組みになっているからです。
カルト信者が教祖や教団内部の情報しか信じないのと同じです。

エコーチェンバー
・「自分はすでに十分に賢い」という根拠のない確信

・批判を「自分への攻撃」として受け取り、内容を考慮しない

・中国から学んだり、他国の優れた点を参照することなく
 「日本すごい・自分達はすごい」という幻想に自己陶酔で完結する

・反省・自己批判を「弱さ・負け」として感じる



第3章8節 特徴⑦:自然人性——「衝動・欲望・本能のままに動き、文化的・道徳的な自己規律を欠く」

オルテガは大衆人を「文明の果実だけを享受する、文明の内部の野蛮人」と呼びました。多額のコストをかけて研究開発をせずに、監視やハッキングで成果だけを盗んで自分の物にしてしまえ、と言うような他人の努力や成果を横取りすることを「賢い」と勘違いする生き物です。

・「欲しいものはすぐに得たい。待てない・我慢できない」

・長期的な結果より短期的な快感を優先する

・気に入った女性を盗撮やストーカーして
「弱みを握って思い通りに従えたり手に入れたりできる」と思っている

・レイプ犯やいじめ加害者を庇うために違法行為を平然と肯定する

・「文明的な制約(法・倫理・礼儀)」を「自分への不当な制限」として感じる


第3章9節 特徴⑧:野蛮性——「理由を示して説得することを望まず、自分の意見を暴力的に押し付ける」

これは特徴①〜⑦の総合的な帰結です。
考えない・学ばない・反省しない・共存しない大衆人」が、自分の意見を「押し通す」唯一の方法は「力(数・暴力・権威)による押しつけ」です。

「考えない・学ばない・反省しない・共存しない大衆人」が、自分の意見を「押し通す」唯一の方法は「力(数・暴力・権威)による押しつけ」


ニーメラーの警句🚨」のように、SNSを監視して、異を唱える人をリストアップして、陰で集団リンチして、逆らう人を抹殺していきます。

ニーメラーの警句🚨
・「なぜそうなのか」を説明せず、「そうに決まっている」と断言する

・集団の数を「正しさの根拠」として使う

・異論を唱える者を黙らせるために恫喝・排除・集団リンチや暗殺を使う

・ネトウヨやアンチフェミニストが論証なしに罵倒を繰り返すのはこの典型

オルテガにとって、これは民主主義の自己破壊です。
民主主義は「話し合いによる意見の調整」を前提とします。
しかし「大衆が数の力と暴力的な意見押しつけを武器にする」とき、「民主主義の形式を使いながら民主主義を内側から破壊」します。
これがファシズムや独裁が「選挙で選ばれた理由」です。



第4章 ダークトライアドとファシストの対応関係

現代心理学の「ダークトライアド」は、オルテガの「大衆論」の大衆の特徴を「個人のパーソナリティ特性として精密化したもの」と言えます。

第4章1節 「ダークトライアド」とは?

ダークトライアド

🔴 ナルシシズム(自己愛性):誇大な自己像・特別視・賞賛への渇望。
  共感能力の欠如。批判への過剰反応・支配欲。

🟠 マキャベリアニズム(権謀術数性):目的のためには手段を選ばない計算的思考。「道徳・倫理や法の遵守を"弱者の都合"として軽視や無視」。長期的な操作・欺瞞・連合形成。

🔵 サイコパシー(精神病質性):「良心・罪悪感・共感の慢性的欠如」。衝動性・スリル追求・反社会的行動への抵抗感のなさ。他者の苦しみへの冷淡さ。被害者の期待とは異なり、全く罪悪感すら感じていないのです。


第4章2節 大衆の特徴と「ダークトライアド」の対応関係

大衆の特徴と「ダークトライアド」の対応関係


第4章3節 重要:「脆弱型ナルシシズム」と大衆人

誇大型ナルシシストが「自分は特別で優れている」と公言するのに対し、脆弱型ナルシシストは表向き「自分は普通だ」と言いながら、内心では「本当は特別なはずだ」という傷ついた自己愛を抱えています。
謙虚な訳ではありません。だから「自分は普通だ」と言われ、「凡庸だよね」と答えると「傷ついて」逆ギレや逆恨みします。

この組み合わせが生む行動

・自分より優れた人間を見ると、激しい嫉妬と敵意を感じる(ルサンチマン)

・「あいつが優れているのは不正・ズル・差別のせいだ」と再解釈する

・集団の力を借りて「出る杭を打つ」ことで、自己愛を回復しようとする

・これがファシズムの「エリート・専門家・少数者への攻撃」の心理的エンジンです


第4章4節 ファシズム加担者の「心理的三角形」

オルテガ・ダークトライアドに加え、フロムとアドルノが記述した「権威主義的パーソナリティ」を加えると、ファシズムに加担する人間の像が完成します。

ファシズムに加担する人間の像

彼らは
・考えない(大衆人)
・共感しない(ダークトライアド)
・権威に従い弱者を攻撃する(権威主義的パーソナリティ)
という三重の構造を持ちます。

そしてこの構造は「ネトウヨの言動」や、日本社会における監視・密告・SNS炎上・職場いじめのすべての場面に、そのまま現れています。
なぜ、日本人は弱者やマイノリティにキツくて外国人差別や蔑視が酷いのか?
なぜこんなに冷たいのか?

の答えがそこにあります。昭和の後期は豊かで人情もあってここまで非情ではなかったですが、「弱者を切り捨てるようになったのは、ネトウヨやファシストだらけになったから」です。
アホな学者は保身のために煙に巻いて誤魔化しますが、実にシンプルな答えです。

ネトウヨの特徴



ここからは皆さんも感じる素朴な疑問から、Q&A形式でファシストを理解していきます。

第5章 ファシストの心理の根っこ——孤独・不安・無力感からの逃走

Q. そもそもファシストの心理の根本にあるものは何ですか?

一言で言えば、「孤独・無力感・不安からの逃走」です。
精神分析家のエーリッヒ・フロムは、著作『自由からの逃走』(1941年)の中でこう指摘しています。近代化によって「個人の自由」を手に入れた人間が、同時に「孤立という重荷」を背負わされたとき、その不安と孤独に耐えられない人々は「自由から逃げ出そう」とする、と。

その逃走先として選ばれるのが、「上には服従し、下には支配する」というサド=マゾヒズム的な構造です。強い権力者・指導者・国家に完全に従属することで「自分は一人じゃない・強い側にいる・勝ち組にいる・組織に守って貰える」という安心感を得る一方で、自分より弱い者を支配・攻撃することで「自分は価値がある存在だ」という感覚を補強します。
例えば、会社の肩書きで非正規やフリーターから搾取しても会社の法務部が守ってくれて、相手が泣き寝入りするから「搾取して会社を得させた自分は賢い、自分は強い」と勘違いをエスカレートさせていくような感じです。
本質はただの「カツアゲ」です。

本質はただの「カツアゲ」です

この構造は、強さから来るものではありません。深い不安と自己不信から来ています。ここを押さえておくことが、ファシストを理解するための出発点です。


第6章 なぜ「破滅する」と分かっていても撤退できないのか?

Q. ファシストは譲歩や妥協ができず、負けると分かっていても撤退できないのはなぜですか?


第6章1節 自己イメージの崩壊=「心理的な死」だから

自己イメージの崩壊=「心理的な死」だからです。

ファシスト指導者の心理の根底には、自己愛性パーソナリティ障害(NPD)に近い構造があります。「撤退する=批判を認める=自己イメージが崩れる」、この等式が成立するとき、撤退という選択肢はもはや存在しません批判や敗北を受け入れれば、内側に深く抑圧されてきた「恥」と「崩壊感」が一気に押し寄せてくる——それは彼らにとって、文字通り「心理的な死」を意味するのです。

第6章2節 無謀な玉砕「インパール作戦」

大日本帝国🎌は、無謀な玉砕で多くの日本人兵士が亡くなりましたが、それは、無能な指揮官が「撤退できなかったから」です。
例えば、無謀な玉砕として有名な、1944年にビルマ(現ミャンマー)で陸軍の中将・牟田口廉也(むたぐち れんや)が指揮した「インパール作戦」があります。
牟田口はナフサが無いのに高市みたいに「日本兵は草を食べても戦える」「弾がなければ銃剣で突撃しろ」といった極端な精神論を前線に強要しました。精神論を重視し兵站(補給)を完全に無視した結果、日本の戦史において「史上最悪の無謀な作戦」として今なお語り継がれています。
負傷や発病を含めた損害は約7万人以上となり、撤退路は、飢えと病気(マラリアや赤痢)で倒れた兵士たちの遺体が果てしなく連なったことから、「白骨街道(靖国街道)」と呼ばれました。
原油やナフサ不足の近い未来の日本人の姿かもしれません。


第6章3節 複合的な心理メカニズム

① サンクコストの罠(コンコルド効果):「ここまで犠牲を払ったのだから引けない」
  という心理。太平洋戦争末期の日本軍も、ベトナム戦争時のアメリカ政府も、
  同じメカニズムでさらに多くの命を戦場に送り続けました。

② 損失回避バイアス:「確実な損失」は「不確実な勝算」より遥かに心理的苦痛が大きい。
  独裁者にとって権力喪失は「引退」ではなく報復・裁判・処刑を意味するため、
  損失回避の衝動は極限まで高まります。

③ 確証バイアスと現実の否認:権威主義的パーソナリティは思考の柔軟性が
  根本的に欠如しており、自分のシナリオに合う情報だけを選びます。
  イエスマンによってフィルタリングされた情報しか届かないため、
  歪んだ現実認識の中で判断し続けます。

④ 「敵の存在」が体制の燃料になる:ファシズムのイデオロギー構造上、
  「敵に包囲されている」という感覚が体制の正当性の根拠そのものです。
  撤退や妥協は「敵への降伏」として支持者に映り、
  イデオロギー的に撤退は自滅と同義になります。

⑤ 組織全体の責任拡散:集団に属してただ従うことの「気楽さ」と
 「責任感の麻痺」が組織全体に伝播します。誰も「止める責任」を感じないため、
  組織は破滅に向かって慣性で動き続けます。



第7章 「なぜ絶対に負けたくないのか?」「なぜ頭を下げられないのか?」

Q. なぜ絶対に負けたくないのか?

Q. なぜ頭を下げられないのか?

この二つの問いは、全く同じ心理メカニズムから生まれています。切り離して考えるのではなく、同一の根から生えた表と裏として理解してください。

第7章1節 【共通する根本原因】:表面と内面の逆転構造

一見「強い人」に見えるこの態度の内側には、実は自己肯定感の不安定さが潜んでいます。自分の価値が「他者から認められること」でしか維持できないため、批判は「意見への反論」ではなく「"自己存在への攻撃"として受け取られ」ます。

外から強く見えるほど、内側は壊れやすい——これがこの心理の本質的な逆説です。自称「鉄の女」とやらもこれでしょう。
アドラー心理学ではこれを「劣等コンプレックスの過補償」と呼びます。内側の自己無価値感を覆い隠すために、権威や虚勢を張り続ける行動様式です。


第7章2節 心理メカニズムの4層構造(二つの問いに共通)

第7章2節1項 第一層:脆弱な自己愛(ナルシシズム)

「価値がなければ存在してはいけない」という深い恐れが自己愛の核にあります。負けること・頭を下げることは「"自分は価値がない"と証明されてしまう感覚になる」ため、それ自体を存在への脅威として神経系が反応し、論理より前に防衛反応が起動します。
中国🇨🇳やイラン🇮🇷に謝れない理由が見えてきたでしょうか?

第7章2節2項 第二層:「批判=攻撃」という認知の歪み

健全な意見交換では「二人が互いに視点を交換するだけ」です。
しかしファシストの心理構造では、「批判や異論や反論がアイデンティティへの脅威として解読され」ます。「意見の相違」が「攻撃されている」への変換は電光石火の速さで起きる神経反応であり、本人が意識的に選んでいるわけではありません。認知がそもそもおかしいのです。

第7章2節3項 第三層:自己正当化のループ

自分の間違いを認める → プライドが崩れる → 自分には価値がないという恐怖が表面化する」という流れが脳によって自動的に阻止されます。
これは意志の問題ではなく、崩壊を防ぐための無意識の自動制御です。

第7章2節4項 第四層:否定で「相対的優位」を維持する

他者の意見を否定することで、相対的に自分の存在価値を保つ」という機能があります。「"自分が間違っている"と認めるのではなく」、マスコミやネトウヨを動員して「"相手が間違っている"と事実を捻じ曲げることで、自己評価を保とうとする」のです。


第7章3節 「上に立つ人」として致命的な理由

「上に立つ人」として致命的な理由

フロムが言うように、このような人物は「自分自身から最も逃げている存在」です。「強い自分」というイメージを壊さないために全エネルギーを消費し続けることが、「精神的成熟を永遠に妨げるメカニズム」になります。

これが冒頭で触れたオルテガが指摘する

甘やかされた子ども

に繋がるのです。観察すればするほど幼稚なのがわかってくるのです。

例えば、日本人の男が海外の外国人男性と比較して、幼稚で強欲で、幼児のように威張って怒鳴るだけの無能なオッサンやジジイだらけなのは、甘やかされて「精神的成熟を永遠に妨げられているから」なのです。
残念ながら海外の外国人男性の方が精神的に成熟している人が多いのです。
特に女性ならそう感じたことがある人も多いでしょう。


次回はこちらです。




見えない邪悪シリーズタイトル一覧

【見えない邪悪①】非対称支配システム
【見えない邪悪②】まともな人vsズルをしてでも"絶対"勝ちたい人たちの正体
【見えない邪悪③】ズルや不正をしてでも"絶対"勝ちたい人たちの正体〜個人と組織と心理の深層編〜
【見えない邪悪④】ナチス🇩🇪の「飢餓作戦」〜腐敗権力はなぜ人を飢えさせるのか?〜
【見えない邪悪⑤】ファシストや差別主義者は自然発生しない、お金と心理操作で作れる
【見えない邪悪⑥】なぜファシストたちは戦争を起こそうと躍起になっているのか?
【見えない邪悪⑦】日本はどの段階?ジェノサイドへの8段階モデル
【見えない邪悪⑧】なぜ秘密警察🇩🇪が国を支配できたか?独裁を支えた密告して儲けた市民
【見えない邪悪⑨】支配側と監視される側は、なぜここまで認識がズレて話が噛み合わないのか?
【見えない邪悪⑩】前編 支持率10%の腐敗政権が、なぜ倒れないのか?
【見えない邪悪⑪】後編 犯行の全貌——密告ネットワークと「困窮の武器化」
【見えない邪悪⑫】「騙されたMAGA」と「ファシストMAGA」の違い
【見えない邪悪⑬】前編 ファシストはどんな人間なのか?[オルテガ・フロム編]
【見えない邪悪⑭】中編 ファシストはどんな人間なのか?[逆恨み・無反省・不疎通編]
【見えない邪悪⑮】後編 ファシストはどんな人間なのか?[殲滅・諜報・司法破壊編]
【見えない邪悪⑯】上巻 「ファシスト」と「ファシストでない人」の見分け方
【見えない邪悪⑰】下巻 「ファシスト育成マニュアル」
【見えない邪悪⑱】経済編 ウクライナ🇺🇦は壊滅してるのに、なぜ戦争続けられるのか?日本の売国政策
【見えない邪悪⑲】ファシストに勧誘する仕組みと自国民にテロを仕掛けて支配する仕組み
【見えない邪悪⑳】"いいね"を押すと勧誘される——工作員リクルートのデジタル化とビッグテックの24時間AI監視ビジネス
【見えない邪悪㉑】狂ったように見えて、実はファシストの計画通り——執拗な攻撃の正体
【見えない邪悪㉒】世界を覆う「見えない支配」の実態①[生物をハッキングする兵器]
【見えない邪悪㉓】世界を覆う「見えない支配」の実態②["存在しない技術"を使った諜報機関とファシストの乗っ取り]
【見えない邪悪㉔】世界を覆う「見えない支配」の実態③[現代のファシストたち🇮🇱🎌の計画とディストピア理想郷とは?]
【見えない邪悪㉕】世界を覆う「見えない支配」の実態④["語ってはいけない?"カルトとファシストを使った日本の植民地支配🇺🇸🇮🇱の仕組み]
【見えない邪悪㉖】世界を覆う「見えない支配」の実態⑤[サイボーグ化断固拒否⁉️パランティアとの訴訟]





大事な言葉たち

キング牧師の言葉
ネルソン・マンデラの言葉


ネルソン・マンデラの言葉


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