ヨーロッパ鉄道旅96日 小さなトラブル達|40女のヨーロッパ乗り鉄旅【総集編⑤】
96日間26,000kmの鉄道ひとり旅、各国を鉄道で移動する中で、思い通りにいかないこともしばしば。
今回は、ヨーロッパ鉄道旅で起きたトラブルについて書いてみたい。
<40女のヨーロッパ乗り鉄旅|旅の概要>
・2018年4月〜7月
・96日間/28カ国
・総鉄道移動距離 約26,500km
・ユーレイルパス(3ヶ月連続版)使用
・飛行機移動は1回のみ
・移動は鉄道+ときどきバス
小さなトラブルも、旅のうち
今回の旅、思い返してみると大きなトラブルはほとんど無かった。
忘れ物も、無くし物も、盗難もなく、体調を崩すこともなかったのは、今思えばかなり幸運なことだった。
一方で、鉄道移動の中で、よく分からないシステムに惑わされ、小さなハプニングがしばしば起きた。
思い通りにいかない腹立たしさ、もどかしさ。
当時は、疲弊させられたが、そんな場面こそ旅の思い出として強く印象に残っている。
そんな小さなトラブルの中から、特に印象に残ったものを振り返ってみたい。

キリル文字読めない問題
旅の序盤、緊張しながら向かったブルガリアの首都ソフィア駅で、いきなりの試練に直面した。
電光掲示板の文字が、まったく読めない。
行き先も時間も調べていたはずなのに、どの列車なのか見当もつかない。
プラットフォームの番号すら分からず、結局その日は目当ての列車に乗れなかった。
さらにややこしかったのが、ブルガリアのジェスチャー。
YesとNoの首の動きが、日本とは逆なのだ。
知らずに駅の掃除のおじさんにこの列車で良いのか確認し、大きくうなずかれたので安心して乗りかけたのだけれど、実はそれが全力の「No」のサインだった。
幸い、発車前に車内の若者が教えてくれて事なきを得たが、危うく全く違う場所へ行くところだった。
旅のはじまりに受けた、なかなか強烈な異文化の洗礼。
けれど今振り返ると、あの戸惑いも含めて、旅の記憶としてしっかり残っている。

今見ると、あたりはつけられる気がする(成長)
▽朝のトラブルを挽回し、なんとかプラン変更したブルガリアの一日
2時間遅れは当たり前のセルビア
とにかくカオスに参ったのがセルビア鉄道。
車両も古ければ線路も古い、まさに旧式の鉄道システム代表だった。
そんなセルビアで、モンテネグロの海辺に抜ける絶景路線バール線を往復したのだが、行きも帰りも2時間以上の到着遅れに見舞われる。
そのせいで、往路は絶景区間を見損ねるし、復路は真っ暗な中で宿探しをする羽目に。
当時は、その訳の分からない鉄道システムに行き場のない憤りを感じてプリプリしていたが、そんなカオスな感じが結構好きだったりもする。
セルビアでは近年、中国資本が入って鉄道の近代化が盛んに進められているそうだが、あの訳の分からなさが無くなっちゃうのは何だか寂しいなぁ。

▽セルビア鉄道に振り回される、の巻↓
思いがけない北マケドニア入国
こちらもセルビア鉄道で起きた事件。
夜行列車でギリシャのテッサロニキに向かうつもりが、なぜか途中の北マケドニア止まりになったということで、急遽、ユーレイルパス非対象国である国に足を踏み入れることに。
2018年当時、「北マケドニア」という国家名称はまだなく、日本では”マケドニア旧ユーゴスラビア共和国”と呼んでいた場所。
ベオグラードの駅窓口の無愛想な女性に、スコピエ止まり、と言われたとき、
スコピエ→初耳!どこそれ?(首都だけど)
マケドニア→それって国なの?(失礼)
くらいの知識しか無かったのだが、そんな思いがけない出会いが楽しい1日を運んでくれた。
情報皆無で訪れた国は、見るもの全てが新鮮で、驚きに満ちていた。
昨今の情報社会で忘れてしまった感覚、とでもいうのだろうか。
何ここー!という発見と興奮に出会えたのだから、結果オーライ。
しかし、理由も不明で列車が行き先変更になるセルビア鉄道、なかなかのカオスだった。

▽未知の国マケドニアに潜入↓
大規模すぎるフランス国鉄スト
フランスでは2018年当時、サルコジ大統領の政策に反対して3ヶ月にも渡る長期ストが繰り広げられていた。
3日運行したら2日運休、が3ヶ月も続くというなかなかに大胆なストライキ。
しかも、それが日常になっているものだから、駅でも大々的なアナウンスが無く(フランス語でアナウンスされていたのかもしれないが)、ポッとフランスにやってきた旅人にはなんだかやたらと列車が無い、と言われることが多いなぁというナゾの状態に。
私がこの事実に気がついたのは、フランスに入って5日目のことだった。
南仏アヴィニョンで2泊を予定していた民泊で、少々お節介なホストファミリーに教えられ、どうせ列車も無いのだから、と延泊することになったことで、南仏のぶどう畑が広がる村を訪れるという思いがけない経験ができた。
フランス国鉄のストライキ様々、ということかもしれない。

▽ストを言い訳に最長滞在してしまった思い出の街↓
バカンスシーズンの北欧列車
4月から旅をしていて、列車が満席というシチュエーションに全く遭遇しなかったのに、6月下旬のバカンスシーズンに突入した途端、状況が一変する。
ポーランドを皮切りに、ドイツから北欧に抜ける列車もギリギリの状態で滑り込んだのだが、そんな状況の中で心配が尽きなかったのが北欧の列車だ。
もともと本数が少ない中でうまく予定どおりに事が進むのかどうか、現地に行ってみないと混雑状況が見えないことが多々あり、帰国まで日がない強行スケジュールの中でずっと不安があった。
特にノルウェー鉄道最北の駅ボーデからの夜行列車の寝台は、Webサイトを見るとこれはWebで予約できないってことかな?と思うほど、予約できる期間は全て満席表示となっていて、本当にこれしか手段がないんだっけ?と不思議なくらい。
半信半疑のまま、きっと通常座席か何かの手段があるはず!と半ば賭けのような状態で向かった辺境の地で、無事に座席を確保できたときは心底ホッとした。
結果的に事なきを得たが、ここで失敗したら本当に日本に帰れないかもしれない、というギリギリの状態は強烈な体験として記憶に刻まれた。

人気になっているのではないだろうか?
▽最後の関門、ノルウェーの鉄道予約ができて感動↓
すし詰めバスで行くリラ修道院
こちらは鉄道トラブルではない番外編。
ブルガリアの世界遺産、山中にあるリラ修道院へ公共交通で向かうため、少ない情報を頼りに1日1本しかないバスを目指したところ、小さなマイクロバスに、来た人全員をぎゅうぎゅうに詰め込むという驚きの展開に。
明らかに積載オーバーのつかまるところもないバスで、踏ん張ること2時間ほど。
空気も薄いし、途中から高速道路を飛ばすし、恐ろしいやらこの状況が笑えてくるやら、なかなかすごい経験だった。
もし次に行くことがあったら、私は絶対に現地ツアーを選ぶだろうし、人にもこのバスルートはおすすめしない。
それでもこういう”酷い目にあった”体験のほうが、旅の記憶としては色濃く心に残っている。
大変だった。けれど、時間がたつと「いいネタをありがとう」と思えてしまう。
そんな感覚は、旅人あるあるではないだろうか。
トラブル対処こそ生きている実感
小さなトラブルたち、振り返ればどれも今となってはいい思い出だ。
情報も少ない中ではじめての場所をひとり訪れる、こうして日本でのんびり日々を過ごしていると、我ながらなぜあのときあんな思い切ったことができたのか、と不思議になる。
でもきっと、そういう瞬間こそが旅の醍醐味とでも言うのだろう。
自分の全神経を研ぎ澄まし、頭を巡らせ、何とかしようともがく。
そんな瞬間に“生きている実感”が湧いてくるし、私にはこんな一面もあったのだ、という発見も生まれる。
戸惑いながらも小さなトラブルを引き受けて前に進んでいく、そんな自分をちょっと誇らしく感じる。
知らない自分の一面を見つける、ひとり旅だからこその発見。
これだからひとり旅はやめられない。
▽やっぱり東欧あたりが刺激的でしたね↓
📕総集編、次回は96日間女ひとり旅の持ち物編。旅の装備や防犯対策など、私なりの工夫をまとめてみます。
🚊ヨーロッパ28カ国を鉄道で駆け抜けた乗り鉄ひとり旅は、こちらからお読みいただけます。
鉄道好きの方にも、そうでない方にも💐↓
