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心に残った絶景車窓 ヨーロッパ28カ国|40女のヨーロッパ乗り鉄旅【総集編⑨】

ヨーロッパ乗り鉄旅、3ヶ月間ほぼ毎日のように移動し、様々な車窓に出会うことができた。
まさに憧れの『世界の車窓から』の世界を地で行くような日々。

美しい景色にたくさん出会えたが、絶景として心に残った車窓をいくつかご紹介します。

ポスニア•ヘルツェゴビナ
サラエボからモスタルへは、美しい川沿いを走る

<40女のヨーロッパ乗り鉄旅|旅の概要>
・2018年4月〜7月
・96日間/28カ国
・総鉄道移動距離 約26,500km
・ユーレイルパス(3ヶ月連続版)使用
・飛行機移動は1回のみ
・移動は鉄道+ときどきバス

私流、最高の車窓の条件

海岸沿いや川沿いを走る列車、壮大な山が広がる車窓など、美しい景色は多々あるけれど、「最高の車窓」には三つの条件があると私は思っている。

第一に、速度が緩やかであること。どんなに素晴らしい景色でも一瞬だと感動も一瞬。それにカメラを向けるのも難しい。

フランスTGVからの菜の花畑
すごいスピードだけど意外に綺麗に撮れてる!

第二に、車内の雰囲気。人の少ない静かな車両が望ましい。混雑した列車では、窓に貼り付いて景色を堪能するのが難しいし、乗客みんなが大興奮!みたいな状況では少々冷めてしまう。

そして第三の条件、これは現代では絶滅に近づいているが、窓開き車両であること。
窓を開けて景色を直に見ることができるとともに、その場所の風や匂いも感じられる、そんな五感いっぱいで楽しめるのが、最高の車窓だと思っている。

日本でも絶滅寸前だけど、ヨーロッパでも同様
(写真は、北海道の根室本線)

バール鉄道(モンテネグロ)

最高の車窓条件が3拍子揃ったこちらの路線が、文句なしで今回の旅イチの絶景車窓だろう。
セルビアの首都ベオグラートとモンテネグロの海辺の街バールを結ぶこちらの路線。

セルビアの首都からアドリア海の港を目指す路線
(画像はWikipediaより)

夜行と昼行、1日2本しか走っていないこちらの長距離列車は、乗るには忍耐が必要だが、モンテネグロの絶景区間の景色が圧巻だった。

なぜ人間はこんなところに線路を敷設しようと考えたのだろう、と不思議になるほどの高さを走る線路、モンテネグロ(=黒い山)らしい岩山が延々と続く遙か眼下に流れるエメラルドグリーンの川、1時間ほどの絶景区間ではあるが、手に汗握るほどのスリルと美しい景色の連続に、来て良かったと思えた場所だった。

列車の窓から見下ろす谷の高低差が伝わるだろうか

コンパートメント車両の廊下の、上だけが開く窓からつま先立ちで見る絶景は、しんどいけれど大満足。

ちらほらと絶景を眺める乗客と、顔を見合わせながら楽しむ時間もまた良かった。

渓谷沿いのトンネルをくぐりながら
ぐんぐんと高度を上げてゆく列車

今回の旅では、このカオスな長距離列車を昼行で往復したのだが、乗ってみたい方は朝陽が昇るのが早い季節のベオグラード発夜行が良いのではないだろうか。


▼写真もたっぷり載せてますので、ぜひご覧ください。


北極圏を走るオーフォート鉄道(スウェーデン/ノルウェー)

こちらは「絶景」というより、「異世界」と表現したくなる車窓が記憶に残っている、北欧の最果てを走る列車。

スウェーデンのルーレオを出発し、ノルウェー北部の不凍港ナルヴィクへ向かうこの路線は、「鉄鉱石鉄道」とも呼ばれているそう。
途中にあるキルナ鉱山の鉄鉱石を船で積み出すために敷設された鉄道だからだ。

バール鉄道もまた、アドリア海へ至るために険しい山岳地帯に築かれた路線なので、こうした鉄道に乗るたび、鉄道の原点には物流インフラとしての役割があったことを実感する。

国家の執念によって造られたインフラを、現代の私たちは「絶景」として楽しませてもらっているのだ。

北緯65°からさらに北上し、北極圏に入る路線。
ノルウェーにあって、ノルウェー鉄道とは
繋がっていない不思議な終着駅ナルヴィク


ひたすら続く針葉樹林の森を過ぎると、低木や湿地が広がるツンドラのような風景が延々と続き、最後にフィヨルドに突入する。
予想をしていなかった景色の連続で、ただただ地球の力強さと、遠くに来てしまったという感慨が溢れ、心が動かされた時間だった。

ひたすら針葉樹林の森(タイガってやつ?)を
超えると、今度は低木と湿地帯が広がる

乗ったところで特に何もない街に辿り着くのだが、あの景色は一見の価値あり、と思います。


南イタリア西海岸~シチリア

少々マニアックな2つに続くのは、ひたすら美しい海を眺める南イタリアの鉄路。
ナポリから少し南下した街サレルノから乗った列車は、トンネルや内陸を少し走ったのち、ひたすら海岸に近いところを走り続けるのだ。

車窓から海が見えるといつも、わぁ!と嬉しくなるけれど、こうも延々と海だとちょっと飽きてきそうなくらい。

シチリアのパレルモまで、ずっと海沿いに線路がある

それでも西海岸から見える海はグラデーションも美しく、海と共に見える鄙びたビーチや港町も雰囲気が良くて、飽きずに眺めていることができた。

ちょっと田舎じみたビーチの雰囲気もまた良いのだ

列車ごと船に乗り込んでシチリア島に渡るのも貴重な経験だし、シチリア島に渡った後も、ひたすら海辺を走り続ける。

列車ごと船に乗る体験ができるのも面白い

延々と右手に海が見えるので、進行方向右の座席確保が必須。
右向きすぎて首が痛くなるくらいだけど、お腹いっぱいイタリアの海を堪能できるこの路線は満足度が高くて、海列車好きにはオススメ。


一面のひまわり畑

絶景車窓というと海や山を思い浮かべるが、農作物が織りなす風景もまた忘れがたい。

今回の旅では、4-5月の菜の花畑に続き、旅の後半に何度か一面のひまわり畑に出会うことができた。

初めて見たのは夜行列車明けだった
(ブダペスト近郊)

ひまわり畑は、ただ見つけただけでは、それで美しい景色というわけではない。

ひまわりは太陽のほうを向いて咲いているので、車窓から花を見るには、列車の進行方向や時間帯、線路に対する太陽の位置といった条件が重なる必要がある。

そんな偶然が重なり、私は三度、見事なひまわり畑を目にすることができた。

ハンガリーのブダペストに到着する前後、そしてウィーンからプラハに向かう車窓。

こちらはやや横向きのひまわりたち
反対向いてると、何も美しくないのだから驚き


それ以外にも6月下旬の中欧の国々で何度か見かけることができたが、写真を撮り、動画を撮ってもなお続く黄色い景色は圧巻の一言だった。

狙って見ることが難しい農作物の絶景は、その美しさ以上に「今日、この時、この場所を通ったからこそ出会えた」という特別な喜びを与えてくれる。私にとって、あのひまわり畑は、列車の旅で偶然見つけた宝物のような思い出だ。

見出し画像にも使っているこちらのひまわり畑は
とにかく広大でした(チェコ)


【番外】絶景バス車窓

今回の旅は鉄道移動がほとんどで、バスに乗ったのは数えるほどではあるが、そんな中でも美しいバス車窓に何度か出会うことができた。

特に印象的だったのが、クロアチアのアドリア海沿いを走る景色と、ノルウェーのフィヨルドの景色だ。

クロアチア、アドリア海沿いを走るバスの車窓から

鉄道よりもバスのほうが窓が近いので、かぶりつきでその絶景を堪能できるという利点もある。

揺れが激しくて写真を撮りづらいのが残念なところではあるが、バス旅もいいなぁと新たな魅力発見したのだった。


車窓を眺める時間がくれたもの

特に心に残った車窓をいくつかご紹介したが、絶景だけでなく、家々や畑が続く何気ない景色をただぼんやり眺めていた時間も、同じくらい贅沢な時間だった。

景色を見ているようで、時に、自分のこれからの人生について考えたりなんかして。

思考が捗る時間もあれば、完全に無の境地に陥っている時もあり、そんな時間は、まさに忙しい移動の日々の癒やしになっていた。

ギリシャ🇬🇷
テッサロニキからアテネに向かう車窓から

今回の26,500km鉄道移動の旅は、移動に膨大な時間を費やした。

それでも、乗り鉄にとってこの時間はご褒美みたいなもの。

鉄道の旅では、移動している時間そのものが旅になる。

ひとり旅だからこそ見えた景色、感じ取れた感動。

そんな静かな時間の積み重ねが、この鉄道旅を特別なものにしてくれたのだと思う。

北マケドニア🇲🇰
夜行列車から見た朝日

📕次は総集編のラストとして、この旅を振り返って思うことをまとめてみたいと思います。
その他の総集編も、ぜひご覧ください。

▼総集編一覧


🚊ヨーロッパ28カ国を鉄道で駆け抜けた乗り鉄ひとり旅は、こちらからお読みいただけます。
鉄道好きの方にも、そうでない方にも
💐

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