絶景のバール鉄道リベンジ〜モンテネグロ🇲🇪・セルビア🇷🇸 | 40女のヨーロッパ乗り鉄旅 | #07-1
【Day16: バール→ポドゴリツァ→ベオグラード】
暗闇で絶景を拝めなかった路線のリベンジ!またもや長距離路線を昼行でトライする
🚊96日間の旅エッセイ。前回のお話はこちら↓
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##猫の街に癒されていざ出発!
翌朝、早朝のバスですっかり気に入ったコトルを出発。
モンテネグロの首都ポドゴリツァへ向かい、そこから鉄道でセルビアの首都ベオグラードに戻る。

ボロボロの情けない子も愛おしい😭
そう、絶景バール鉄道のリベンジだ!
今度こそは朝のうちに絶景区間を通れるので、景色を堪能できるはず!ということで意気揚々と列車に乗り込む。
ベオグラード到着予定は20時、予定ではまだ明るいうちに到着できるはずだが、往路の例もあるので油断はできない。

ポドゴリツァは首都の駅とは思えないのどかさ。
往路同様、コンパートメントは1人、絶景はコンパートメントと反対の廊下側車窓になるため、廊下の窓を開けて待機することにした。

窓は上部開きなので、座ってると景色が見えにくい
##いきなり絶景区間スタート!
ポドゴリツァの街を出てすぐ、列車はエメラルドグリーンの水量豊富な川沿いを走っていく。

この時点ですでに美しすぎるので大興奮で写真を撮って楽しんでいると、列車はカーブやトンネルを繰り返しながらぐんぐんと高度を上げていく。

僅か数分で渓谷を見下ろす景色に変化し、窓から少し顔を出して急カーブを曲がる車両の後方を見るとまさに“世界の車窓から”の世界!
渓谷の向こう側には高い岩山が幾重にも連なり、時折残雪が残るほどの高い山も見え隠れする。


それでもさらに高度を上げた列車は、信じられないほどの高さの崖っぷちを走り、渓谷は遙か下に、渓谷沿いの車道を走る車が豆粒レベルになっていく。

この高低差伝わるだろうか
なんでこの人達、こんな高さに線路作っちゃったの⁉とそのクレイジーさに笑いがこみ上げてしまうほど。
同じく廊下に出て景色を楽しむ数名と、感嘆の声をあげながら絶景見物を楽しむ。
本当はもう少し窓から乗り出して写真を撮りたいけれど、この高さでは高所恐怖症じゃない私でも手が震えてしまう。

視線の先に何やら橋が見える…
##恐ろしい高さの鉄橋通過
前方の山と山の間に、これまたとんでもない高さの長い橋が渡されているのが見え、まさかあそこ渡ったりしないよね⁉と思っていたら、あっという間に急カーブして鉄橋を渡りはじめた。

古い鉄製の橋は下も透け透け、ちょうど渓谷を横切っていくので、その絶景を動画で撮ろうと、開いた窓から手を出してみようとするけれど、さすがにビビって手を引っ込めてしまう。
それでも何とか鉄橋を走る列車の様子を動画に収めることができた。

##謎多きバール鉄道
その後も列車はしばらく信じられない高さを走り続け、写真だけ見るとおよそ鉄道の車窓とは思えないような大パノラマを堪能。

日本で数々の景勝ルートを乗り鉄してきたけれど、こんな高度で走る列車は初体験、
しかも崖っぷちスレスレを走っているところを見ると、土砂崩れなんかの心配はないのだろうか?と疑問が浮かぶ。
車の道路は渓谷沿いを走っているので、なぜ鉄道だけはこんな高いところを走っているのか謎が深まるばかりだ。

高所が苦手な人には罰ゲームみたいなこのバール鉄道、私の鉄道旅史上最高の絶景にランクイン決定で大満足。
絶景区間は1時間足らずで、また地獄のようなのろのろ長旅が10時間ほど続くわけではあるが、それを踏まえても価値あるリベンジ乗車だった。
##長すぎる列車旅のはじまり
大興奮の絶景区間から徐々に高度を下げ少し景色が落ち着いて来た頃、車掌さんが検札にやって来るのが見えた。

さっきの刺激に比べると物足りなくなる
ずっと廊下でつま先立ちだったので、ここらでちょっとひと息、コンパートメント座席に着席。
少しすると陽気な車掌さんがやってきて、私のユーレイルパスを見ながらどっかと私の横に座ってくる。
この車掌さんも相当な大男、縦にも横にも大きい。
バルカンの男性は大男が多いのだろうか?
「どこから来たの?」
「一人で?」
とか、暇つぶしの興味本位にしか思えない質問をニコニコしながら続け、私のことを小動物か何かを見るような温かい目で見てくる。
私が身振り手振りで答えていると、「なんてちっちゃい手!」と言わんばかりに私の手のひらに自分の手のひらを合わせてくる。
大きさも指の太さも同じ人間とは思えないサイズ、私の拳がすっぽり包まれてしまった。
長距離列車の車掌さんも時間を持て余すのだろう、私のコンパートメントにしばらく長居しておしゃべりした後、次の駅が近づいてきたようで大男は乗務に戻っていった。

##巴投げおじさんに手を焼く
国境を越えたあたりから乗客は少し増え、私のコンパートメントにも新客がやってきた。
こちらは中肉中背の60代くらいのおじさん。
ご挨拶し、私が日本人だと分かると嬉しそうに
「Judo!」
と言うので、
「柔道やっているんですか?」
と英語で聞いても全く通じない。
英語は単語レベルもご存じないようだ。
さらに一方的に“Tomoenage!”と身振りを踏まえつつ言ってくるので、
「巴投げのことね!よく知ってますね!」
と返すと、ますます調子に乗って巴投げの身振りをリピート。
巴投げに加えてウッスとばかりに両手を引いて挨拶する仕草を繰り返し、私が笑うと手ごたえあり!と思った様子。
その後も、私と目が合うたびにそのウッス→巴投げ!を繰り返すようになり、いよいよ私の笑みも乾いたものになってしまう。
おいおい、このおっさん終点(彼もベオグラードまで行くと聞いていた)までコレで突き通そうとしてるんか?とうんざりしてきて、さすがに作り笑いも限界で、寝たふりを決め込むことにした。

##またもやビールを奢ってもらう
コンパートメントの乗客も1人増え、おじさんとマンツーマンの時間から解放されてホッとする。
お昼を過ぎ、それぞれ手持ちのパンを食べたりお菓子を食べたりし出すと、おじさんが食堂車に行って飲み物を買ってくるらしく、同室のマダムと私にも何か要らないか?と声をかけてくれる。
ビール?コーラ?と聞かれるので、遠慮を見せつつもビールを選択。
往路で飲んだのと同じ500ml缶をご馳走してくれて、一緒に買ってきてくれたスナック菓子をみんなでつつきながらしばらく時間をつぶす。

それにしても昼行の長距離列車、しかもコンパートメントはなかなかキツイ。
向かい合った個室でつかず離れず、外を眺めたり居眠りしたり、ただただじっと時間が過ぎるのを忍耐強く待つしかない。
日本で4-5時間のローカル線に乗り続けているのとは訳が違う長時間、
狭い部屋に同室の人がいるからこその気疲れがあるように感じる。
しかも同じ路線を往復しているため、この先に面白い景色があるかも?という期待感もなく、さらにセルビア国鉄特有の徐行運転が疲れを増幅させていた。
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往路エピソード↓
##セルビア国鉄お決まりの2時間遅れ
往路のように謎の途中駅長時間停車は無かったものの、終始止まりそうなのろのろ運転で、到着したのは2時間遅れの22時前。
すっかり真っ暗になっていた。
どうしようもないけど、やり場のない怒りを感じるし、何よりお腹ペコペコだ。
ベオグラード駅でぐったり顔の同乗者達とお別れ。
巴投げおじさんは、その後も数回同じことを繰り返していたが、さすがに疲れたご様子で、お迎えに来ていた30代くらいの息子さんに連れられていく。
別れ際、息子さんが英語で、
「父がお世話になりました。父はおしゃべりなのでうるさくなかったですか?」
と気にかけてくれたところをみると、やっぱり日ごろからお調子者なんだろうな。
いえいえーなんて言いつつ、お二人を見送る。
さて、ここからが問題だ。
完全に日が落ちた街で、どうやって宿に辿り着くか…試練の時は続く。
🚊次回、闇の公園で恐ろしい目に遭いつつ宿へ。ベオグラード観光に繰り出す
📘この投稿は「40女のヨーロッパ乗り鉄旅」の一編です↓
