ネコの街コトルで要塞ハイキング〜モンテネグロ🇲🇪 | 40女のヨーロッパ乗り鉄旅 | #06-2
【Day15: コトル滞在の1日】
朝から要塞に登り、いい汗かいた後はお昼寝。ライトアップが美しい夜のコトル旧市街で面白い出会い。
🚊96日間の旅エッセイ。前回のお話はこちら↓
********************
##クルーズ船の寄港地
翌朝、何気なく民泊の窓の外を見て驚愕!
目の前の狭いコトル湾に巨大な豪華客船が停泊しているのだ。

バスくらいしかアクセス手段のない世界遺産の観光地、なるほどこうやって訪れるのか、と納得してしまう。
対岸の深い森に深緑色のコトル湾だけでも充分美しいのに、豪華客船がアクセントになって更に素敵なベランダからの眺めになった。

##いざ、サンジョバンニ要塞へ
本日は、まず朝の涼しいうちに裏山の要塞を登ってみようということで、昨夜のうちに調べておいた旧市街からの登山口へ向かう。
結構な急斜面だけど、視界は開けているので登り切った先はさぞ絶景に違いない。
絶景を見ながらお疲れビールを飲んじゃお、ということで事前に缶ビール1本を調達してハイキングスタート。

旧市街の人出に比べれば山は人もまばらではあるが、様々な国の観光客を追い抜いたり追い越されたり、すでに下りてくる人もいたりして、みんなフーフーハァハァ言いながら急斜面を登っていく。
そんな人間たちを横目に何食わぬ顔でスタスタ要塞の石壁を登っていくネコ様。さすがコトルのネコは足腰の鍛え方が違うのだろうか。

上がっていくほどに絶景が広がり、旧市街のオレンジ屋根がびっしり重なり合う様子が美しい。
まるでドブロブニクの写真で見たような光景だ。
やっぱり同じヴェネツィア共和国支配が長かった都市、よく似ているのだろうか。

だいたいここまでか、という要塞のゴール地点に登って振り返ると、コトル湾の全景にオレンジ屋根の旧市街が眼下に広がり素晴らしい絶景。
コトル湾の中央に豪華客船が浮かんでいるのもまた素敵。
写真撮影する人々の傍らに腰かけ、買っておいたビールで乾杯する。
すっかりぬるくなってしまったけれど、カラリといい天気の中で運動した後のビールは格別だ。

あんなところまで登れるのだろうかと思って見上げていた要塞に、意外にラクラクと登れてしまったことですっかり満足。
それにしても、コトル湾はアドリア海からかなり深く入り組んだ入り江になっていて、天然の要塞に守られているように見えるのに、こんなにも難攻不落感のある立派な要塞が作られているということは、さぞかし中世の時代は攻防が激しかったということなのだろう。


##喧騒の旧市街を避けて
旧市街に戻るとちょうどお昼時、どこかでランチでも、と思うけれどクルーズ船からのツアー客だろうか、狭い広場のあちこちに団体客が密集していて身動きが取れないほど混んでいる。
混雑と各国言語のガイドが入り交じる騒音にうんざりして城門の外に出る。

城門の外にはずらりと市場が出ている。
お土産物もあるけれど、大半はドライフルーツやオリーブ、チーズなどの食料品。
眺めていると次々と試食させてくれるので、それだけで結構小腹が満たされてしまう。
行ったり来たり吟味して、オリーブと美味しかったチーズを数種類、さらにハム類を調達して、静かな我が家のベランダで遅めのお昼を堪能することにした。

上の方しか写真が撮れないくらい
##航海士を輩出した街
民泊までの坂道、街の喧噪から少し離れただけで実にのどかな生活空間が広がっていて、民家の庭先に咲く花や畑の作物を見ているだけで楽しい。
ゆっくり通り過ぎようとする車からおじいさんが顔を出し、
「日本人か?」
と声をかけてくる。
そうだ、と言うとめちゃくちゃ喜んでくれて、
「昔、航海士だったから日本にはよく行ったぞー」
と嬉しそうに握手を求められる。
コトルは古く、航海士学校があった場所として有名だったのだとか。
景色の素晴らしさもさることながら、こんな空気感も和やかで、すっかりこのコトルという街の虜になってしまった。

のんびりランチを取りながら、明日からの計画を立てる。
ルートを決めて、ターゲットとなる列車時刻を調べて、宿を探して予約する。
この作業が毎日ともなると結構大変で、楽しいと思いつつも、かなりの時間を割いてしまうのも事実。
疲れてちょっとお昼寝タイム…
##幻想的な夜のコトルで素敵な出会い
すっかり気に入ったコトルとも今夜でお別れ。
やはり夜のライトアップは見ておきたい!
ということで、勇気を出して夜道を小走りで警戒しながら旧市街に向かう。

城門を入ると、昼間ほどではないけれど観光客の姿が所々にあって安心感がある。

それでもできるだけ1人にならないように、近くに居る観光客の後をつけるように歩いていると、前を歩く2人のおじさまが突然振り返った。
「君、日本人?」
と流暢な英語で尋ねてくるおじさま。
立派な白髭が素敵な紳士だ。
Yes、と応えると
「日本行ったことあるよー、実にいい国だよね。Kobe、Yokohama!」
と嬉しそうに仰る。

この方も昼間声をかけてきたおじいさんと同様、昔航海士をしていて、何度も日本に行ったことがあるとのこと。
すっかり嬉しくなったのか
「一緒にビールでも飲もう!」
と半ば強引に2人の間に招き入れられてしまい、おじさまの行きつけ感のあるカフェのテラス席に案内されてしまった。
夜は結構冷え込んでいるせいか、結局2人はコーヒーをオーダーするが、私はありがたくビールをいただく。

穏やかな時間が流れる
改めてお話を聞くとこの2人、まだ出会って2回目、昨日食事の席かどこかで出会い、2人とも現在イギリス在住ということで意気投合。
白髭のおじさまがコトル出身ということで、自分の生まれ育った街を案内してあげる!という話になり、妻をホテルに置いて2人で街を散策しているということだった。
コトルで生まれたモンテネグロ人で、コトルの航海士学校を卒業したというこの方も、久々に故郷の街に帰ってきたということだったが、その割にはカフェの店員さんとも顔見知りみたいだし、時折通りかかる地元の方と親しげに言葉を交わしている。
このおじさまナニモノ?と思っていたら、コトルでは貴族的な名門の出身らしく、幼少期はこの城壁内の宮殿に住んでいたと言うではないか。

質素だが、旧市街の中ではひときわ立派な建物
さらに、コトルはその昔、海運で栄えていたことや、ジョバンニ(朝登った裏山の要塞)はオスマントルコ対策で作られたとか、地元民ならではのお話をたくさん聞かせてくれて、ビールまでご馳走になってすっかり得した気分。
帰りに城門に向かって歩いていると、「ここが子どもの時住んでた宮殿だよ」と旧市街中心部にある素敵な3階建ての建物を指差して教えてくれた。
コトル滞在の最後に思いがけない出会いがあり、ますますこの街が気に入ってしまった。

🚊次回、絶景のバール鉄道リベンジ!ダイナミックな景色に感激しきり
📘この投稿は「40女のヨーロッパ乗り鉄旅」の一編です↓
