川の緑と海の青が織りなす絶景車窓〜BH🇧🇦/クロアチア🇭🇷| 40女のヨーロッパ乗り鉄旅 | #22-1
【Day75: サラエボ→スプリット】
朝早くの列車でボスニア・ヘルツェゴビナ南端の駅に向かい、そこからバスでクロアチアへ。ひたすら海沿いを走る車窓は絶景の連続。
🚊96日間の旅エッセイ。前回のお話はこちら↓
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##謎の鉄道システム
朝7時前、サラエボの鉄道駅に着き、落書きだらけでおどろおどろしい地下通路を抜けてプラットフォームに出ると意外なほど新しそうで立派な特急車両がすでに待ち構えている。

落書きだらけでなんだか怖い雰囲気
慌てて乗り込もうと、ドア前で立っている駅員にユーレイルパスを見せると、チケットを買ってこいと言われてしまう。
え?何で?座席指定必要なの??
と聞くと、そうだ、とのこと。
出発まであと5分ほどしか時間がない中、急いで買いに行ってこい!と指をさされるので大慌てで構内のチケット売り場に向かう。

時間が無いのも焦るけれど、そもそもいくらなのかも分からない中、手持ち現金はあと僅か、カード使えるのかな、といろいろ不安に感じながら2-3人が並ぶ窓口でヤキモキして順番を待つ。
しばらく他の列車の発着も無いわけなので全員同じ特急に乗ろうとしている人なのだろうが、私の後ろにも2-3人並び始める中、列車の発車時刻はあと3分、2分と迫ってきている。
私の番になると窓口の女性は機械的に指定券を差し出し1と指を立てる。
ん?1マルクってこと?
半信半疑で1マルク硬貨を差し出すとあっさり終了。
やっす!1兌換マルクは70円弱、ほんと意味わからんと思いながら重い荷物とともにダッシュでホームに戻ると、さっきの駅員がチケットを見ようともせず乗れ乗れと背中を押す。
え?指定の車両に乗らなきゃだよね!と食い下がると、空いてるとこに適当に座れと言われる。
あれだけ急がせて手間を取らせておいて結局どこでも良いとはどういうことか!
全く訳の分からないボスニア鉄道クオリティに朝っぱらから翻弄され、ぐったりしてしまった。

##大賑わいの車内と美しい車窓
日曜日のこの日は現地の若者や家族連れで列車内は多いに賑わっていて、かろうじて空いている一席に腰をおろす。
外観も綺麗だが車内も最新設備ぽくてなかなか美しいのが意外に思え、周りをキョロキョロしてしまう。
天井に設置された数台のテレビでは何やらドラマのようなものが流れているが、小さすぎてよく見えない。

座席を向かい合わせにして楽しそうにおしゃべりにいそしむ女子達は、まるでリゾート地に行くような格好をしているが、途中の停車駅である世界遺産の街モスタルにでも行くのだろうか。
列車で行ける最南端と思われる街チャプリナ方面への列車は1日に2本しかないので、列車で遊びに行くのも朝早くて大変だ。
途中駅で少しずつ人が降りて行くので、私のスペースもだんだんと広くなって車窓を思う存分楽しめるようになる。


この後、列車はひたすらこのネトレバ川沿いを走る
へばりついて山間部の美しい風景を見ていたかと思えば、反対側はエメラルドグリーンが美しい川沿いを走りはじめたりするので、自由自在に座席を移動しながら車窓を堪能した。

岩山と深い緑の川がよく似ている
それにしてもバスと列車の車窓から見たボスニア・ヘルツェゴビナは、山や川が美しい本当に風光明媚なところでどこを切り取っても牧歌的な美しい風景が広がっている。
それでもあちこちに見えるモスクの尖塔と教会の屋根にこの国の抱える複雑さが見てとれて、これからどんな発展を遂げていくのかとても気になる魅力的な国だ。

モスタルで大量に降りていくピクニック組を羨ましく眺めながら、ガラガラになった車内で終点までの僅かな静寂を楽しむ。
##こんなところで日本人!
終着駅チャプリナは何も無い駅だが、パラパラと降りてきた人々の中に指定券購入の時に気になっていたひとりのアジア人女性が歩いているのが目に入った。
若い小柄な女子でこんなところの旅に似つかわしくないキャリーケースをガラガラと引いている。
日本人かな?さすがに日本人はこんなとこにいないかー、と思いながら、まずは自分のバスチケットを買いに駅横の売り場へ向かう。

鉄道の便が少ないのでバスのほうが主流のようだ
バスチケットは3,000円ほどするということで思いのほか高額だが、クレジットカードが使えずボスニア兌換マルクもクロアチアクーナもそんなに持っていなくて困っていると、「ユーロでもいいわよ!」ということで現金を寄せ集めて何とかバスチケットを購入することができた。
ホッとして外に出ると先ほどの女子がバスの案内板を不安気に見ているのが目に入る。
通りがかりに声をかけてみるとやっぱり日本人女子!ワーホリでヨーロッパに来ていて周辺国をいろいろ観光しているらしいが、今日はモスタルで降りるつもりが寝過ごしてしまったんだとか!
海外の列車でそんなにぐっすり眠れるなんてツワモノ…。一緒に窓口に行きモスタルまでのバスのチケットを無事買うところまでお付き合い。
なんとかリカバリーできたようで本当に良かった!
私のバスはもう少し後に出発するが、朝から何も食べていないので、残りの兌換マルクを使いきるべく近くの商店でパンとビールを買い込んで人影まばらな駅前のベンチでバスが来るのを待った。

行儀悪いがガラガラのバスなのでこっそりと。
##国境越えは意外にスムーズ
この日はバスでクロアチアの海辺の街スプリットへ向かい、そこから夏の間だけ走っている臨時寝台列車に乗って一気にハンガリーに北上する計画だ。
本当はクロアチアの人気観光地であるドブロブニクに行きたかったのだが、どうにもアクセスが悪くて時間のロスになってしまうので、残り日数が少ない中、泣く泣く諦めて反対側のスプリットに抜けることにしたのだ。

国際列車の運行は休止されたままの様子
クロアチアはアドリア海に面した部分を細長く自国領としていて、面積の大きなボスニア・ヘルツェゴビナが海に面しているのは僅か数キロだけ、ドブロブニクがある場所はボスニアを挟んで飛び地になっているという不思議な状況を地図で見ると、何だかボスニア・ヘルツェゴビナが可哀想に見えてくる。

ボスニア・ヘルツェゴビナの海の玄関。
複雑な歴史的背景があるようだ
チャプリナを出発したバスはすぐにクロアチア国境にやってきて、入国同様また時間がかかるのかなぁと身構えていたら出国は実にあっさりと車内で完結し、クロアチアに無事再入国。

出るのは簡単なボスニア・ヘルツェゴビナ
##アドリア海の絶景が続くバスルート
そこからしばらくしてバスは海に突き当たりアドリア海に沿って延々と走るのだが、この景色がとにかく圧巻だった。

この旅で数々の美しい景色を見てきたが、この辺りの景色はナンバーワンではないだろうか、モンテネグロで目にしたのと似たようなダイナミックな岩山、青々とした森、そして深い青から白砂のビーチまでのグラデーションが美しい海。



複雑に入り組んだ湾の奥にはオレンジ屋根の別荘やホテルらしき建物が見え、このあたりでバカンスを過ごす人達が心底羨ましくなるような光景だ。

数日前、アドリア海の対岸にあたるイタリア東海岸を列車で北上した際は、少し寂れた感じのする広々とした砂浜があちこちで見られたが、同じ海とは思えないほど美しい色をした海の景色に写真を撮る手が止まらない。

海の透明感

しばらくは窓に貼り付いてどんどんと変わる絶景に感動していたのだが、この景色が延々と2時間以上続くのでだんだんと眠くなってうたた寝してしまうという贅沢。
人間すぐに慣れてしまうのだ。

🚊次回、古代ローマ遺跡が残る港町スプリットを散策。レトロな寝台列車で一気に北上。
📘この投稿は「40女のヨーロッパ乗り鉄旅」の一編です。全編はこちら↓
