海を眺める一日、列車でシチリアへ渡る〜イタリア🇮🇹| 40女のヨーロッパ乗り鉄旅 | #19-4
【Day67: サレルノ→シチリア島パレルモ】
一日中列車に揺られてイタリアの西海岸を一気に南下、シチリア島の都市パレルモへ。延々と海が続く車窓は眼福。
🚊96日間の旅エッセイ。前回のお話はこちら↓
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##久しぶりの長時間乗り鉄
窓に差し込む夏の陽射しで目覚めるとベッドから美しい海が見える。
サレルノでは思いがけず贅沢なホテル滞在を楽しみ、この日は朝から一気にシチリアに向かって南下する鉄旅の1日だ。

ダブルブッキング様々です。
サレルノを10時過ぎに出た列車はなんと乗り換え無しでシチリアの西部にある中心都市パレルモに行けてしまうので、この日は9時間の列車旅だ。
少し食糧を買い込んでインターシティに乗り込む。
##車窓はずっと海という贅沢
インターシティは4人ボックス席だがお安いながら座席指定が必要だったので、しっかりと進行方向海側の座席を確保。

延々と右手に見える海は、青々とした木々の間に見え隠れしたり、目の前にパラソルいっぱいのビーチが現れたり、高台からカーブする海岸線が見えたり、様々な表情を見せてくれるので全く飽きることがない。



時折停車する駅や通過駅の中にもホームのすぐ後ろに真っ青の海が広がる駅がたくさんあって、青海川駅や下灘駅もびっくりの絶景駅の風景が楽しめる。

こんな駅がいっぱいなので、ありがたみがないのかも?

海が見える車窓が大好きな私には最高の路線だけれど、陽射しのせいかなんだか暑くてたまらない。
途中駅から男性が1人、親子連れが2人と4人ボックス席が満席になった時には完全に空気が澱んできて、親子連れの母は何とか窓が開かないのか試してみたり車掌に訴えたりしていたが、どうやら空調の調子が悪いらしく4人で顔を見合わせて苦笑いしながら息苦しいほど暑い車内に耐えていた。

##まさかの展開!車両ごと船へ
そんな状態が4時間ほど続き景色もすっかり片田舎の海辺といった風情になった頃、大きな船がたくさん停泊したさびれた港町が見えてきた。
そろそろシチリア入りする時間かな?
そういえばイタリア本土とシチリア島の間ってどのくらい離れているのだろう?
橋でもあるのかな?
のんきに考えていたら、駅の向こうにイタリア国鉄と同じロゴの描かれた大きな船が見えてきた。


もしかして船!?列車ごと船に乗って海峡を渡る路線がドイツとデンマーク間にあるということは知っていたのだが、ここもそうなのか??とワクワクドキドキしながら次の展開を待つ。
海辺の駅に長らく停車した列車内では早口のイタリア語であれこれとアナウンスがあるが、私には何を言っているのかさっぱり分からない。
船に乗るにしてもいったいどうやって船に列車が乗るのか見当もつかなかったが、しばらくしてゆるゆると動き出した列車は大きな船の船内にそのまま続く線路に向かってゆっくりゆっくりと進んで行く。

おおおお~!はじめて見る光景に大興奮で写真を撮っていたら、列車はすっかりとカーフェリーの停車場所のような船内に収まった。
ここで何やらアナウンスがあり蒸し風呂のような車内にうんざりした様子で、乗客が続々と降りていく。
しきたりが分からないけれど、どうやら船が海峡を渡る間は車外に出ることができそうだ。


4人向かい合わせの座席では食事を摂ることもできず、すっかりおなかが空いていたのでみんなに続いて列車を下り、階段を上って船のデッキに出た。
階段を上ると上から2台仲良く並んで停まる列車が見えるのだが、ここから対岸の町メッシーナまで行く列車とシチリア西部のパレルモまで行く列車に切り離しされたようだ。


外も暑いがひとときの船旅は風が吹き抜けて気持ちがいい。
日陰のベンチに座り、買っておいたサンドウィッチで遅めのお昼を食べて船内カフェテリアを探検しているとあっという間にアナウンスが流れ、乗客が続々と車内に戻っていく。


本土の駅からシチリア島対岸は6-7キロほどの距離で海を挟んですぐ見えるほどの距離だが、一連の船への乗り降りでざっと2時間は要している。
毎日毎日たくさんの人員を割いてこの作業をすることを考えるとなかなか非効率に思えるが、橋をかけるとなるとそれはそれで莫大な建築費が必要だろうし、こんな片田舎に設備投資するのは難しいのだろう。
この先も続いていくのか分からないシステムだが、思いがけない貴重な体験に大興奮の数時間だった。

この旅客システムは2026年現在唯一残ってるのだとか
##シチリア島の北海岸をひた走る
切り離されたパレルモ行き列車はこの後もシチリア島の北岸に沿ってひた走るので、引き続き海の景色が楽しめる。

だんだんと向こうのほうに特徴的な山並みが見えてきて、あの山のふもとあたりがパレルモの街のようだ。

サレルノを出発して9時間、夕焼けが見えてきた19時半にようやく列車が終着駅パレルモ中央駅に到着した。

終着駅の姿はいいものです!
##不思議な作りで不安な民泊
パレルモでは2泊しようと駅と街の中心部の間あたりにある民泊を予約していたので、早速地図を頼りに歩いて向かうのだが、車が通る大きな道を逸れた路地はなんだか暗くて怖い雰囲気。
駅の近くは何の店だかよくわからない商店が続いていて大通りも歩きづらいし路地はもっと歩きづらい。
地図が指し示す方向は家だかなんだかよくわからない砂色の壁が続いていて入っていくのもためらわれるが、仕方ないので進んでいくと子供が数人走り回る路地から手を挙げてやってくるおじさんが見える。
イタリア語で何か言っているが、どうやらジェスチャーで今回の民泊のホストだということが分かった。
私が英語でメッセージをやり取りしていたのは息子さんらしく、息子さんは英語ができるのだが自分は英語ができないとのこと。
それでも身振り手振りを踏まえて家を開けて案内してくれるのだが、驚いたのが通りに面した木の扉を開けるとすぐに部屋が広がっていること。

薄っぺらい扉と壁でわずかに通りから隔たれただけのような部屋に衝撃を受けるが、室内はとても素敵なメゾネットタイプで一階にはダイニングキッチン、二階は大きなベッドで占められたベッドルームになっているので快適な滞在ができそうだ。
扉を開け放ったまま、通りからすぐのテーブルに腰かけて身振り手振りで説明をしてくれるおじさん。
時折、説明に困ると路地をぶらぶらしている謎の若い男を呼びつけ、英語ができる彼に説明をさせる。
そもそもこの人誰なんだよ!と警戒感MAXだけど、おじさんが去る時にもやってきて、
「何か困ったことがあったら僕に聞いてね!」
と言うのでやむをえずスーパーの場所だけ聞いて扉を閉めた。
ひと息ついて通りが見える窓から様子を伺うと、相変わらず謎の男は通りをぶらぶらしていてお向かいのおばさんと窓越しにお話しをしている。
身なりもパリッとしているし悪い人ではなさそうだけど、こんな薄い扉の家に滞在していることを他人に知られているのはいい気持ちではない。
また出かけるのを見られるのは嫌だけれど、真っ暗になる前に慌てて街に繰り出すことにした。
さわやかに声をかけられたのを適当にかわして早歩きで大通りに出るが、これは帰りが怖くて大変だ。ダッシュで帰るしかない!
##エキゾチックな夜の街
大通りは観光客がたくさん歩いていて、まだまだにぎやかな雰囲気で安心感がある。

目に飛び込んできたのはまるでアラブの建物のようなドーム屋根が連なる古い建物。
周囲に植えられたヤシの木も相まってなんともエキゾチックな雰囲気が漂っていて素敵な街並みだ。

すっかりおなかが空いたので広場に大きくテーブルを広げている1件のレストランに入りテラス席に腰かける。
シチリアのパスタは何が有名なんだろう?とメニューを見始めた途端、目に飛び込んできたのがウニのリングイーネ。

マルタでは冬でウニパスタ食べられなかったので
ようやく出会えた味!やはり美味しい
お値段も少し張るけれど、今日はろくな食事をしていないので夜は豪勢に行こう!ということでシチリアンワインとともにいただくことにする。
今日は朝から晩まで海を眺めていた1日だった・・・、光が乏しいテラス席でよく見えないが味は素晴らしいウニパスタをいただきながら1日を振り返る。

いよいよやってきたイタリアの南端、そろそろ真剣にこの後の予定を考えなければいけないな、と思いつつ今日はうたた寝ひとつせずに車窓を眺めていたので、ダッシュで帰宅した後は早めに就寝することにした。
🚊次回、のんびりパレルモの休日。アラブの風感じる灼熱の街を散策。
📘この投稿は「40女のヨーロッパ乗り鉄旅」の一編です。全編はこちら↓
