三題噺ショートショートvol.67_切符
落語家もすなる三題噺といふものを、コジも、してみむとてするなり。
企画もの、大の苦手なのである。
どんな親しい人の企画ものでも、なかなか素直には乗れない。
私は、「ルール」とか「決まり事」とか「期限」とか「締め切り」とかという制限事項が世の中で一番嫌いなのだ。
いくつになろうが、聞かん坊の悪ガキ。それが、私、kojuroだからである。
え?落語?三題噺?ヤスシさん?

今週の三題
1.ピリ辛チャーハン
2.トーナメント戦
3.日焼け止め
心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
コジ、別名、天の邪鬼志朗だろ。「もし書けなかったとしても、それはそれでOK。でも、やってみなきゃ、もったいない!」なんてこと言われたら、逆に書きたくなるんじゃないの?
なんのはなしですか。

わかったよ、書くよ。書く書く。書けば良いんでしょ、リトル。それで、いいんだろ?
ブラックホールよりも重い重い重い腰を上げて、半ば自暴自棄に筆を執る。
さて。では、三題噺ショートショート「切符」まいりましょうか。

航は絶対的エースだった。それも県下屈指の強豪校の。
少年野球時代から匠とバッテリーを組み。全国大会出場は、毎夏の恒例行事で。今年も順調に駒を進め決勝に挑んだ。
匠の家は中華屋で。毎日のように食べに行ったが、特にピリ辛チャーハンが絶品なのだ。
匠には三つ上の明るい性格の姉さんがいた。いつも店の手伝いをしていて、みんなの人気者だった。
凄く弟思いで。試合という試合は全部見に来てくれた。
「トーナメント戦って、負けたら終わりだから」
それが口癖だった。
酷暑日の今日の試合も、早くからスタンドに来てくれていて。試合前に日焼け止めを塗り直しながら手を振ってくれた。
パーン!
航は今日も絶好調。最後のバッターも空振り三振に仕留めて見事、甲子園への切符を手に入れた。
その瞬間、ガッツポーズでスタンドに目をやると、姉さんは店のコックさんと抱き合って喜んでくれていた。
祝勝会は匠の店だったが。
航にはチャーハンが、なんだかいつもより少しピリ辛だった。

そんなこんなを家内と語らおうとしてソファーに目をやると、家内が脚を指さしてニッコリと笑っていた。
「コジくん、マッサー(注1)してくれたらさぁ、今度、冷凍ピリ辛チャーハン買っておくから」
「…」
マッサージをすると、家内は、上機嫌である。
家内が上機嫌だと、我が家は平和である。
だから。
これで、いいのだ。

(注1)マッサーとは、マッサージのことである。家内のさっちゃんがそうやって、略して言うのである。さっちゃんへのマッサーは私の最重要の日課である。
今日の投稿を入れて、67作。俺にしちゃあ、三題噺もけっこう書くには書いたが。これ、どこまで続くの?
いつまで書くの?
初回から一年を超え、まだまだお題を発してくれるヤスシさんとの根競べだ。

