三題噺ショートショートvol.47_淡々
落語家もすなる三題噺といふものを、コジも、してみむとてするなり。
企画もの、大の苦手なのである。
どんな親しい人の企画ものでも、なかなか素直には乗れない。
私は、「ルール」とか「決まり事」とか「期限」とか「締め切り」とかという制限事項が世の中で一番嫌いなのだ。
いくつになろうが、聞かん坊の悪ガキ。それが、私、kojuroだからである。
え?落語?三題噺?ヤスシさん?

心の中の、リトルkojuroが、ボソリと、呟いた。
コジ、別名、天の邪鬼志朗だろ。「もし書けなかったとしても、それはそれでOK。でも、やってみなきゃ、もったいない!」なんてこと言われたら、逆に書きたくなるんじゃないの?
なんのはなしですか。

わかったよ、書くよ。書く書く。書けば良いんでしょ、リトル。それで、いいんだろ?
ブラックホールよりも重い重い重い腰を上げて、半ば自暴自棄に筆を執る。
さて。では、三題噺ショートショート「淡々」まいりましょうか。

康は7人兄弟の長男で。家はいつもしっちゃかめっちゃかだった。
康はしかし、几帳面な男で。きちんと整理整頓をする。
同時にとことん優しい男でもあり。散らかす弟や妹を叱りつけることなどなく。優しく諭し、淡々と、ひとり、片付ける。
衣替えではないが、寒の戻りでダウンをまた引きずり出した頃。最強開運日がやってきた。
2026年3月5日。
一粒万倍日と天赦日と寅の日、そして大安が重なる四重吉日と言われる日だった。
何か成就したいことを始めるのに最高の日なのである。
康は、弟や妹を集めて丁寧に説明した。
ところがWBCの独占配信がNetflixで開始されると、康との約束は、直ぐに反故にされた。
康は、田舎の高校の主戦投手である。いつも完璧な投球をする。だが野手は、よくエラーをする。
それでも文句を言ったり、自暴自棄になることなど一度も無い。
康は独り言ちた。
「次は、2032年4月2日。それまで積み重ねて、そこからまた、最高のスタートを切ろう」

そんなこんなを家内に語ろうとして後ろを振り向くと、空のソファーが、静かに笑っていた。
先日から家内は、あるプロジェクトで、都心のホテルに泊まり込んでいる。
シーンとした部屋の空気に、なんだか、心が追いつかない。
昼間のやりとりからすると、家内は、元気なようである。
家内が元気だと、我が家は、明るくて平和である。
だから。
これで、いいのだ。

(注1)マッサーとは、マッサージのことである。家内のさっちゃんがそうやって、略して言うのである。さっちゃんへのマッサーは私の最重要の日課である。
今日の投稿を入れて、47作。俺にしちゃあ、三題噺もけっこう書いたは書いたが。これ、どこまで続くの?
いつまで書くの?
お題を発してくれるヤスシさんとの根競べだ。

