14話のBL小説アンソロジー集!(作家さんの小説解説付きもあるよ)
第17弾の今回は、お馴染みの3つのお題で書く小説です!
参加作家さんは14人!
「旅」「桃色片想い」
「今、そこにある危機」
この3つを使った3000〜5000字のブロマンス〜BL小説
目次からお好きなタイトルと好みのジャンルで選んでも良し!そのままスクロールであらすじを読みながら小説を選べます!
ジャンルは近しいものでまとめました、今回は現代の話が多いね。
『桃色の残像、消えない華の刻印』 現代恋愛
凪砂いる さん!
――この華は、僕だけのものだ。
幼稚園の発表会、センターで踊る絢斗に目を奪われてから二十数年 。晴矢は、彼という「華」を舞台袖から見守り続けることだけを己に課してきた 。壊したくない友情、隠し通すべき恋心 。だが、雪がちらつく温泉街への二人旅が、停滞していた関係を激変させる 。
宿泊先の旅館を襲った、唐突な停電 。闇と冷気が支配する部屋で、晴矢は絢斗に強く抱き寄せられる 。「ずっと待ってた」――二十数年もの間、互いに「境界線」の向こう側を渇望していた事実が、剥き出しの独占欲と共に溢れ出す 。静寂を切り裂き、晴矢は自らの「華」へ消えない所有の印を刻みつける 。
※BLです、若干センシティブな表現があります。苦手な方はご注意ください
『家族旅行とハプニング』 現代青春
syo⭐︎さん!
ルマンドから生まれた二人が初めての家族旅行へ行くお話。四人一部屋ではなく二人ずつの二部屋で泊まることになり、まさかの先輩と同じ部屋に!
家族円満の神社へお参りに行ったり、みんなでおみくじを引いたり、先輩の思い出の場所へ連れていって貰えたりと楽しい時間を一緒に過ごす中、夜中に起こったハプニング。
『桃色の衝動』 現代小説
オオキド さん!
過去に真城に対する「犯罪」に加担してしまったクロイは、再会後も自分を危険な存在だと認識し続けている。クロイは時間も距離も感情も管理し、無毒なふりをして彼の隣に立つ。夜を避け、朝を選び、触れない距離を守る。地方ライブに向かうためバスを待つ夜明け前、寒さに震える真城にマフラーを巻いた瞬間、抑えていた衝動が揺らぐ。
桃色の片想いは毒か、無毒か。
『かわらない味』 日常
木たこさん!
30代の大木は、友人・細井と六年ぶりに再会し牛丼屋へ。変わらぬ味に安らぐ中、細井のある告白が、大木の秘めていた独占欲を揺さぶる。年齢による変化と、抑えきれない恋心。不器用な本音が溢れた時、停滞していた二人の関係が動き出す。日常の風景に切実な思慕を滲ませた再会短編。
『桃色じゃない片想い』 日常
四四田 鹿辰(ヨシダ ナレシカ)さん!
庭師の「俺」は、都心部にあるとは思えない日本庭園を有した寺の庭仕事で出会った、若き美貌の住職・泉田に一目惚れをした。
ある日、直属の“先輩”が不在のまま、一人で仕事に行くことになり、思いがけず泉田と二人きりの時間を過ごすことになる。
近づけそうで、近づけない憧れの想い人との、特別な時間。
けれど、ふとした会話の中、それまで気が付かないで済んでいた「誰か」の気配に気づいてしまう。
泉田には似合わない鼻歌の選曲は“桃色片想い”。
小説を徹底解析した記事はこちら!
『桃源郷は夢の中』 人間ドラマ
岡埜 由木子(旧:偏光)さん
大学生の天野 拓海は、池島真一郎と旅に出る。行き先は九州で、真一郎の帰省に同行する形だ。
新幹線の車内で本を読む真一郎に、拓海はちょっかいをかけ、タイトルが『今そこにある危機』だと教えられる。
真一郎は名前が示す通り長男だ。故郷は山間で、冬でも花桃が咲き乱れる一角がある。そこで二人はカナエに出くわした。同年代の女性で見るからに真一郎に片想いしている。
しかし二人は実家に向かう道中で、今日は真一郎の両親に、拓海を会わせるために来ている。
小説を徹底解析した記事はこちら!
『背中の距離』 ヒューマンドラマ
きさらぎ冬青 さん!
1986年、まだ藤川先生の年齢が一桁の頃。
そしてお父さんに対して敬意や憧憬以上の感情や欲望が生まれつつも、まだ言語化できずにいた頃。
恒例の春の連休の二人旅。
その途中、先生は自分が持つと言い張って預かってた切符を失くしてしまった。
結局切符は買い直す羽目になり、きれいな景色を見ても、おいしい物を食べても、気持ちはなんとなく萎んだまま。
優しくされるほど負い目を感じてお父さんとの距離感に迷ってしまう。
そんな気持ちのまま宿に着いて…。
『お兄ちゃん、ピンチです』 現代コメディ
木野山キノ さん!
大学の飲み会で散々酔っぱらった翌朝、目が覚めたら、隣に教え子が寝ていた。
弟の親友で、第二の弟のように可愛がっている、どうやら自分に惚れているらしい現役高校生の教え子、遠山光が。
「旅に出よう」
社会的“死”を覚悟した高校野球部コーチ、高良龍治の脳内に流れ出したのは走馬灯か、はたまた現実逃避の妄想か。
混乱冷めぬ龍治を他所に、目を覚ました光の様子は普段とどこか違っていて。
「おはよう、龍治さん」
お兄ちゃん、今日が年貢の収め時?
「兄貴、光、そこ正座」
そして弟、虎徹の真意とは?
小説を徹底解析した記事はこちら!
『酒と泪と輝と信夫』 コメディ
かし子 さん!
我らが主人公、市媛信夫は今まさに絶体絶命の危機を迎えていた。
眼前には怒りの形相をした彫刻の如き完ぺきな美貌の青年、そして自身にしがみつくのは少女と見まごうような美少年。二人の間に何があったのか。どうして自身は巻き込まれているのか。
絶対に自分は関係ないと知りつつも、信夫はどうしてこんな状況になったのか回想を始めるのであった。
いつもの性格の悪いメンバーで送る、ドタバタコメディー。
今日も信夫のツッコミが冴えわたる……かもしれない。
『ダルマさんとテングはん』 軍隊コメディ
国際空港があるオーサカが、異国から入ってきたゾンビに壊滅され政府はカンサイに壁を拵えてゾンビ流出を防いだ。
中に取り残された生存者を見つけて保護しながらゾンビ自体も殲滅する特別部隊が組まれたのは、観光客が多かったキョートが次の封鎖地区に指定された年で、主人公の“テング“が看護師資格を取得し「対ゾンビ部隊」に衛生兵として志願した年だった。
胸板と人望が厚いブランカ副隊長、我が強いアーノルド、群を抜いて気に食わないのは、穏やかな笑顔で安易に人を呪うマイペースな言語学者の“ダルマ“。
合わない2人のゾンビパニック軍隊コメディの恋の銃弾装填中!
『いつの間にかドラゴンに追いかけられていた〜異世界転移して旅を始めることになりました〜』 異世界転移
雨宮ロミ(あめみやろみ)さん
目が覚めたらドラゴンに追いかけられていた……
鞘見伊積ーーイセキは突出した部分のない平凡なフリーター。いつの間にか突如巨大なドラゴンに追いかけられてしまっていた。あまりのパニックで頭の中では片想いのラブソングが流れていた。
目の前には崖ーー後ろから迫ってくるドラゴン。絶対絶命の危機が迫るイセキ颯爽と救ってくれたのは美形の旅人、エルト・ランドルトであった。イセはエルトと共に夜を過ごすことになるが……。
才能豊か美形旅人×趣味なし・特技なし・スキルなしド平凡(25歳)
特技も何も特にないイセキが異世界を旅して自分のやりたいことを見つけていく話(になるのかもしれない)
小説を徹底解析した記事はこちら!
『PINKY AFFAIR』 ライト・ミステリー
星屑 さん!
予備校生の汐見は、同じスクールに通う一歳上の永瀬に、とある秘密を握られている。永瀬は、その秘密をネタに汐見を呼び出すが、強請られるのかと思いきや、相手は自分の目的をなかなか口にしない。微妙にズレていく会話、見えない意図…。人を食った性格の永瀬に翻弄される汐見だったが、遠回しな彼の態度に振り回されるうちに、思いがけない事実を知り…
小説を徹底解析した記事はこちら!
『かくあれかしと桃は咲く』 歴史風ブロマンス(乱世×芸術)
月は東に さん!
乱世に名を轟かす、「鬼」と呼ばれる武将に捕らえられた旅の絵師・春乃。
命と引き換えに出された条件は、春が終わるまでに鬼の心を満たす絵を描くこと。
鬼の心を満たす絵とはどんなものか。
「得るためではなく、灼くための戦」と評される鬼に、そもそも満たすべき心はあるのか。
絵はすべてを生み出せる。
描くことは願うこと。
そう信じながらも捉えられない鬼の心に、春乃が最後に描いた「絵」は。
※架空の時代設定です。表現、風俗、制度等は史実とは異なります。
小説を徹底解析した記事はこちら!
『ホシから来たボーイフレンド』SF
一吾(イチゴ)さん!
某アイドルの大ファンである科学者の父から、父の好きな楽曲のタイトルに由来して、男であるにもかかわらずモモ(名前の漢字は「百」)と名付けられた主人公は、その父の葬儀で十年ぶりに実家に帰省する。古い家の中は父の残した実験用具などで溢れている。夜中に段ボールが光り出し、中から『桃色片想い』を歌い踊る謎の少年ホシが現れて、モモを過去への旅へ導く・・・・・・。
ここからは投稿してくれた小説の個人的な読書感想文!
作家の皆さん、お疲れ様でした。
そして今回も参加ありがとうございます!お礼に少しレビューさせていだただきました。
投稿通知順になってます、ネタバレはないと思う。
凪砂いる さん!
『桃色の残像、消えない華の刻印』現代恋愛
まず、2人きりの旅館の個室の電気に功労賞贈りたい。
ついててもいいけど、消えててもえぇねん。むしろ風呂上がりの浴衣姿で消えろ!と思うのは私がエロババァだからであって、無視してくれていいんですが。
恋愛作品の何がいいって、好都合に起きるラブシチュエーション。
その全てをラッキースケベにするのは週刊少年ジャンプの一部マンガと私の脳内の仕事であって、普通の恋愛ものは部署が違うから、電気が消えて近付く距離と、明かりが灯った2人のドギマギが美味しいのである。
憧れからきた劣等感で自信を無くした自分の暗闇に寄り添い、明るみに誘う手は最初から私の体を絡めとる予定だったのよ。ま、なかなか現実では電気っていい仕事せんけどね。
だけど恋愛描写はな、経験したことないけど起きうる事象の全てに自分の性癖を詰め込んでなんぼなんだよ。
そんでな、旅館は「昨夜は電気がなんかすんません!」言うけど、電気のサービスチャージをむしろこっちが払うべきなんよね。
月は東に さん!
『かくあれかしと桃は咲く』
この小説の鬼はきっと、鬼のパンツを履いていない。なぜなら、この話に出てくる乱世を巻き起こす鬼は、腹も満たさぬ絵師の描く絵を待てる鬼だから。
昔々のことじゃった、ワシがまだTSUTAYAでバイトをしていた頃じゃ。そこにはえらいべっぴんのバイトリーダーがおってな、当たり前じゃが将来を考えた彼氏もおった。プロポーズを控えた先輩の誕生日に、彼氏は先輩の年齢と同じ本数の薔薇を家に贈ったそうじゃ。
ロマンスが有り余っておるなとワシは羨ましがったが、先輩含めほとんどの女子が口々に「同じ値段のアクセサリーだろ」「ディナーじゃない?」と大憤慨、それをきっかけに別れましたとさ、どっとはらい。
私は思うわけですよ。腹を満たさぬものに耳を傾け待ち続ける鬼の、解りづらい情の深さと漢気。その腹をさぐり続ける絵師の辛抱強さは、出オチレベルのシンパシーやったんやて。
多分、この鬼は鬼のパンツを履いていない。鬼のパンツを履いていたのは私のバイト仲間と先輩です。
木たこ さん!
『かわらない味』
人間、齢30を超えると健康と体型の話ばかりになってくる。そこから先は家族があれば子供と定年後の自分の進路とか、保険の話とか恩師の訃報とか、最近寂れた自分の毛髪とか、歯とか。
だけど変わらないのは昔から一緒に連れていた友人との関係性だけど、人生のレベルを先に上がっていった友人にちょっと置いてけぼりくらう。
あの頃のままの未婚の大木と細井の関係性は、チェーン店の味と一緒でいつでもどこでも同じままで、調味料で一通り試した味変すらもいつもの味になっていた。
そこに急に変化球投げてくる、恋愛って常に人生の味変だ。
この話はこのまま終わった方が絶対にいいけど、もしも後日譚があるとすれば。
2人がお互い別々のすき家に行って、お互いが頼んだものを(その時自分が食べてた同じメニューもあり)意識的に食べて、チェーン店さまさまの企業努力の「どこで食っても同じ味」のおかげで五感も通じて鮮明に思い出す、不意の告白の記憶をトッピンングしてグランドメニューをかっこむ。
焦りと羞恥で味はきっとしない、でもこれが初めて知る腐れ縁との両思いの味。なんつって。
木野山キノ さん!
『お兄ちゃん、ピンチです』
すいません、先に土下座します。
タイトルを見て片思いの状態でお兄ちゃんの先っぽくらいは入ったんかな〜って平和な暴走と妄想を繰り広げてたら、完全無傷に両思いを達成していたノーベル平和賞の話でした。明日、ミナミのタトゥスタジオを予約して「下世話」って額に彫ります。
でも先生、悪いのはキノさんもですぅ。きっとタイトルの釣りでキノさんが私をダメ男エロスの落とし穴にハメようとしてたんだと思いますぅ。
他の読者もちゃいますか?何度も繰り返されるこの黒歴史「朝チュン」問題をなぜ書き手も読み手も繰り返すのか?そんなん答えは簡単やん、どっちも揉手で待ってるからやん!
布団を捲り頭を抱える攻め、もしくは受け、してやったりとせせ笑う攻め、もしくは受け、それを俯瞰して読む私のニヤついた神視点。朝日が眩しくもう見えないが、きっと空に燦然と輝いている朝チュン大三角!
だって他人事だもん、人の不幸は蜜の味だもん。
お兄ちゃん座の横には弟座、そんでちょっと離れた兄弟共通の友人座。そんな朝チュン大三角の側には、野球部の監督座や、居場所ないのにやたら来るウザいOB座もある。
syo⭐︎さん!
『家族旅行とハプニング』
これ以上何を失えば心は許されるの。
皆さんはどうなのか分かりませんが、年中脳内発情期の私はこの手のもどかしい片思いを読んでいると、文字や文章のどこかにラッキースケベを探してしまいます。えぇ、社会的な何かを失っても私の心はエロを見落とすことを許さぬのです。
例えば作者の意図しない一節、この小説なら先輩のパパの本条さん(片親同士の再婚で家族になった先輩と後輩の話です)の運転は心地よいと書かれていると「へぇ、息子の司と相性がいいはずやし、お父さんともワンチャンあるんちゃう?」とか。
知ってるねん、そこに何もないことは。オトンのブレーキのタイミングがいいだけか、気遣いができるだけやって。
バスケ選手の目線では、それは空間認識能力の高さで「ミドルシュートが上手い選手は運転上手い」もあんねん。
へぇ本条パパ、いいガード選手やん。昨今のエースポジションやしそりゃモテるわ。
まぁもう恋人以前に2人は家族になっているから、完全に周りを出し抜いているしまだ片思いやねんよ。家族やさかいエロ同人しかそんな時にスケベな展開おきやしません。
でも。
いつでも探してしまうどっかに忍ぶスケベを。家族旅行の揃いの浴衣、並んだ枕。
そんなとこにあるはずもないのに。
岡埜 由木子(旧:偏光)さん
『桃源郷は夢の中』
私にとってこの物語の舞台である九州はダンジョンである。
だって童歌の「でんでらりゅう」の長崎がある県ですよ。洋画を見ててもドラゴンは火山の中を寝床にしてるでしょ、ちょっと本州からすると不思議な地域でもあるんですよ。
それにだいたいあの手のドラゴン、出てくるようで出てこないし、最終誘き出されて倒されるけど、やっぱり火山から出てこんけん。
そんな独自でダンジョン&ドラゴンな地域、きっとりゅうも隠れてるロマン満載の九州。佐賀は出れるけど入られへんし。(あくまでも大阪の認識)
独自の文化、独自の方言、住むのが大変な土地に根付く人たちの意思の強さが九州男児と銘打って、本州には根強い人気で伝わっている。
そんなおっとこ前の慎一郎は実は受け(女性側)え?何その美味しいシチュエーション。
だけど、物語の最後の一言がガツンと後頭部に石を投げつける、目を覚ませよと。
そうなんですよ、地元の人や親戚は全ての人間が昔から当たり前のように行われ続けている自分たちの理想で編み上げた一筋縄でいくと信じている。
依られた縄をといて独自に作り変える2人を私は応援したい、そんで田舎あるあるダンジョンをクリアしてほしい。
四四田 鹿辰(ヨシダ ナレシカ)さん!
『桃色じゃない片想い』
♩あ〜の人には、、、、、、、好〜きな人いるかぁな〜?ハァ、切ない、何これ切ない。
確かに全然桃色じゃない片想い、むしろ群青色かもしれない片想い。だけどまだ、ワンチ…え?夏川のヤロウ美坊主の泉田さんと同じ曲カラオケで歌ってたん?そんなんもうあかんやん。
片想いを前提にした書き口と、主人公が勘違いしているだけで実は両思いでした!展開が多い中で、これは90%片想いな庭師と住職のちょっとした時間の与太話。
でもな、庭師の「俺」は、年上の品のある美人に振り回されてお金ももらえるんやから、ここは社会勉強と思って耐えるとくんやで。
あんな、ここはBLやねん。
好きな人を一本の電話で破顔させる人よりも、目の前でそんな無防備な顔をしてくれる人とワンチャンあるのがBLの伏線でもあるのだよ、ベイビー。
もはや誰目線で語ってるんかも分からんけども、そこが恋愛ものの美味しいところ、だから群青片想い90%やけど、10%のチャンスはある。
雑巾掛けがゆきとどいた滑る廊下でラッキースケベとか、袈裟固めでボディタッチとか。
雨宮ロミ(あめみやろみ)さん
いつの間にかドラゴンに追いかけられていた〜異世界転移して旅を始めることになりました〜』
ある日村長が村の若い物書きを集めて言いました。
「物語ってのは、起承転結で出来ておる。だが、たまにそれを崩して破調で書いてくるものもおる。それが隣村の雨宮ロミという若者じゃ」
めっちゃ転転承起な話でした。
メロスくらい走ってる思ったら、ビュンビュン飛んでいる疾走感のあるスタートダッシュ、気がついたらイケメンと出会ってええ感じになって、そんでもってほんで、うへへへ。駆け抜けるように終わってゆく。
どうした作者!トイレ我慢してたの?と思うほどに読み終わりは残像だけが脳内を掠めて、落ち着いた頃にちょっと吹き出し笑いで村長もにっこり。
恋愛ものはゆったり読めるものが多い傾向にある中で、こんなコンマ何秒でたたみかけてくる話は稀かもしれない。
しかも間でヒロインのお色直しまで入ってるんだぜ?アイドルの早着替えバリの。
「筆力」という言葉を色んなところで聞くけど、この推進力のあるタイプの筆力。使う筋肉はおそらく人間にはない鳥のササミの部分。恐れ入りました。
村の掟にも入れておきます、転転承起も時に有り、と。
きさらぎ冬青 さん!
『背中の距離』
男はねぇ、背中が好きな生き物なんですよ。
そしてファザコンやブラコンBL好きはねぇ、そんな背中に惚れた男の健気な背中に惚れんですよ。
背中ばっか追っかけてるって?アホかボケ、それが男のロマンってやつじゃ、知らんけど。
そういえば、もう一年ちょっとこの企画をしていて色んなジャンルを読ませてもらっているが、ファザコンの話って無かった気がする。登場人物の設定上にファザコンがあって、ファーザーが彷徨いている話はあっても、ここまでがっつりと父親への思慕を表現した話は無かったなぁ。
なんか、演歌の歌詞にできそうな物語やねんな「浪花親父哀歌」とか。
〜愛した女はオカンだけ、そのくせ俺も惚れさした。オトンの背中は広いけど、俺とオカンの2人は重い。
せやけどおぼこの俺は今も、アンタの背中に燻ったまま。
なぁ、おとちゃん。
あの日のうろんのつゆ、俺にはめっちゃからかったんやで〜
それでは歌っていただきましょう、きさらぎ冬青さんで「背中の距離」*歌いません。
かし子 さん!
『酒と泪と輝と信夫』
私は毎回何を読まされているのだろうか。
そして、何にタイトルをつけているのだろうか。(*かし子嬢の投稿小説のタイトルはいつも私が適当につけてます)
著者のかし子嬢とは、企画参加者さんの中では一番長い付き合いになるが、毎回思う。
コメディと本人はジャンル付けしてくれているが、これはギャグなんじゃないかと思うねん。これって私だけ?
コメディは「喜劇」だが、ギャグは「観客を笑わせるために筋と関係なく挿入される即興風な台詞や動作」だ、まさにこれで構成されているんやないかと思うんやけど。
でも、これがギャグでもコメディでも、この企画でかし子嬢は常にエンターテイナーでいてくれる。
その心意気は大切だし有り難いことだ、なぜならロマンチックにエモく書きたい恋愛小説中で、笑いに全フリしてくれる。
箸休めにもなるし、気分転換にもなる、ありがとうかし子嬢、ありがとう信夫。
でも毎回思うんや、これになんて感想をつければいいの?って。
そう言えば、ダンボールは捨てたかい?
オオキド さん!
『桃色の衝動』
人には隠して生きたいことや、墓場までバレずに持って行きたい事ののひとつやふたつはあるもんで。
訳ありな2人の、でもちょっと呑気なバスを待つ描写がなんかいいなぁと思いました。
ちょうどバンドの話やし、こんな2人を音楽で例えるなら「冬が寒くて本当によかった」の始まりが印象的な歌詞のBUMP OF CHICKENの「スノースマイル」がしっくりくるな。
2人でいるから幸せと見せかけておいて、ちょっと含みのある後半の歌詞とかぴったりな気がする。
いや、ちゃうわこれ。
平成の大アイドル、松浦亜弥の「桃色片想い」が入った小説やった。
でも、歌詞の部分よりも言葉として、桃色と片思いを使ってくれてたからやな、別になんでも…いや待て早まるな私。
これがバンドマンの話だから、きっと本編では(スピンオフのお話だそうですよ!)そんな彼らにぴったりな歌詞の曲とか作ってんやで!
バンドマンの小説ってなんか登場人物がさ、幾つになっても青春しててさ、いつか私も書きたいなぁ。
コミックバンドになるけどな。
一吾(イチゴ)さん!
『ホシから来たボーイフレンド』
ラッキースケベ見つけ隊の私は即座に反応しましたよ。えぇ、松浦亜弥のミュージックビデオさながらの脚むき出しの格好の男子出てくるなんて、そんなの歩くラッキースケベやないですか。
でもね、所有者(正しくは研究者)である、主人公のモモお父さんは、そんなかわい子ちゃんにエロいことしたら爆発する機能をつけてたんです。
正直、私が爆発しそうやった、オトン、やりおったな。
本作を読んだ方はきっとコミカルな出だしにちょっと笑うけど、読み進むとしっとりと父子の思いややるせ無さに心を打たれて、お前はよくもそんなことが言えるな?と思ってらっしゃるでしょう。
私、変態淑女なんでいつ何時もにおいをかぎ取るんです、エロスの香りを。
一吾さんの小説はそこはかとなくエロいんです。
登場人物が、というよりはその所作や心理の書き方がエロいんですよね。動きというか言葉選びというべきか。
やから私はいつもまんまと騙され、ラッキースケベ収集に励んでしまうのです。
きっと来月も参加するな、企画記事作らなうかうかしている場合やない!あ、いくよ!ワン、トゥー、スリー!
星屑 さん!
『PINKY AFFAIR』
この小説は高度な効果を利用している。
1/3ほど読み切った私は確信し、顎に添えていた手で下唇を掴んだ。
汐見の弱みを握った永瀬は呑気にカフェに呼び出して、ここはカレーが美味いなどと言ったくせに自分は食わない。
ある秘密の画像が永瀬の手の中にあり、それで強請られると思いきや、金はいらないと言う。
そして話は確信をつく、この確信は、汐見の弱みをどうするか?ではなく…おっとこれ以上はいう勿れ、これはミステリーだから。
淡々と続く2人のやり取り、緊張する汐見の意見をさらりと、まるで高みの見物をするように返す永瀬の応酬。
私達はきっと知っている。
こういった交渉をメインに描いた作品は、それなりに数があるからだ。その記憶に基づく経験の中で、この後に永瀬が塩見に振り下ろす鉄槌も、これが恋愛小説だから起きる敵のフリをして最高のコングラに持ち込むために当事者のくせに背中を押す事も。
永瀬今だ、汐見の背中を押せよ。
押せよ、押せよ、いや押さんのかい!…お!押した!!
永瀬の熱湯風呂に汐見が落ちたぞ!!
恋愛小説におけるミステリーの伏線は、古の笑いの巨匠が生み出した『ダチョウ倶楽部』効果が使われている。
次の参加募集は2月23日(月)から!やべぇお題を準備するよ〜!
企画小説をダラダラ語るスペースの告知はもうちょい待ってください!
次回は変則お題第一弾として「全員同じ書き出しで書く」+「設定縛り」という鬼の所業を開催します。
「同じ書き出しで書く」は、小説で一番重要な最初の一行をこちらで指定し、続きから作家さんに物語を展開してもらいます!
書き出しは私が作ると公平にならないので、今回別でこっそり募集をかけて「書き出しのみ」を収集!
普段創作をしていない人、学生、サラリーマン、主婦、指導要員の取説を書いている人、などなどに閃きで書いてもらいました!
はぁ、準備します。
