宇宙叙事詩の科学ノート 第27回 生命の進化 Ⅳ 感覚はどのように始まったのか ─ 「感じる」は、器官より先に生まれた
📚 関連作品 『知性の叙事詩』本編👇
🌐 『第4章 感じ分けるもの 第1節・第2節』創作ノート
🌐 『第4章 感じ分けるもの 第3節・第4節』創作ノート(6月10日公開)
『知性の叙事詩 第4章 感じ分けるもの』では、
外界の違いが、
生命内部の違いとして現れ始める段階を描いた。
本稿では、その科学的背景を整理する。
まず重要なのは、
この段階では、
👉 まだ「目」も「耳」も存在しない
ということである。
多くの読者は、
「感覚」と聞くと、
・眼球
・神経
・脳
などを思い浮かべる。
しかし実際の生命進化では、
👉 「感じる」
という機能の方が、
器官より遥かに先に誕生した。
生命は最初から、
外界と完全に切り離されていたわけではない。
光。
熱。
化学物質。
接触。
それらは常に生命へ届いていた。
ただし初期段階では、
👉 外界の違いは内部に残らない
触れても、
変化しても、
すぐに消える。
そこにはまだ、
「区別」
が存在しない。
しかし生命は、
少しずつ変わり始める。
特定の光にだけ反応する。
特定の化学物質で内部状態が変わる。
接触した時だけ流れが変化する。
ここで初めて、
👉 外界の違いが、内部の違いとして現れる
ようになる。
重要なのは、
この段階ではまだ、
👉 「器官」
が存在しないことだ。
存在するのは、
👉 機能差
である。
例えば現実の生命では、
・光に反応するタンパク質
・化学物質へ反応する受容体
・接触で膜電位が変化する構造
などが現れる。
これらはまだ「眼」ではない。
だが、
👉 光の違い
を内部状態として区別し始めている。
また、多細胞化によって成立した内部世界では、
👉 変化を伝える
という問題が発生する。
外側だけが変わっても、
内部全体が変わらなければ、
意味を持たない。
そこで、
・イオン流
・化学シグナル
・膜電位変化
などによって、
👉 変化が隣へ伝わる
状態が現れ始める。
これもまだ神経ではない。
だが、
👉 神経系の原型
ではある。

しかし、生命は、 感じることで、 動き始める。
さらに重要なのは、
👉 「感じる」と「動く」は、
👉 最初から分かれていなかった
ということである。
初期生命においては、
・感覚器官
・運動器官
はまだ存在しない。
しかし生命は、
👉 感じることで、
👉 動き始める。
例えば現実の生命では、
・走化性
・光走性
・接触応答
などが現れる。
化学物質を感じれば、
濃度の高い方向へ寄る。
危険な環境を感じれば、
離れる。
強すぎる光を感じれば、
別方向へ変化する。
つまり、
👉 外界との差が、
👉 移動方向そのものを変え始める。
さらに、
・鞭毛運動
・繊毛運動
・細胞収縮
などによって、
👉 生命は環境との関係を変え始める。
ここで初めて、
生命は単なる受動的存在ではなく、
👉 「応答する存在」
へ変わり始める。
重要なのは、
この段階ではまだ、
👉 感じる
👉 変わる
👉 動く
が分離していないことである。
後の進化で、
・感覚細胞
・伝達細胞
・収縮細胞
などが分化し、
👉 神経系
👉 感覚器官
👉 筋肉
へつながっていく。
つまり生命はまず、
「見る」
より先に、
👉 「違いを区別する」
ことを始めた。
そして、
👉 「違いに応じて変わる」
ことを始めた。
さらに、
👉 「違いに応じて動く」
ことを始めた。
進化は最初から、
高度な器官を作ったわけではない。
まず起きたのは、
👉 外界との差が、内部差として残る
という小さな変化だった。
その後、
・差を保つ
・差を伝える
・差を分ける
・差へ応じる
という積み重ねの中で、
後の、
・神経
・感覚器
・脳
・知性
へつながる流れが生まれていく。
つまり、
「感じる」
とは最初から、
高度な知覚ではなかった。
それはまず、
👉 外の違いによって、内側が変わる
という、
極めて静かな現象から始まったのである。
📓 宇宙叙事詩の科学ノート👇
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🌐 第24回 生命の進化 I ― 単細胞はどのように分かれたのか
🌐 第25回 生命の進化 II ― 生命はどのように重なり始めたのか
🌐 第26回 生命の進化 Ⅲ 生命はどのように“ひとつ”になったのか ─ 多細胞生物の誕生
🌐 第27回 生命の進化 Ⅳ 感覚はどのように始まったのか ─ 「感じる」は、器官より先に生まれた(本作)
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🌐 第3回 カルビン回路とは何か
🌐 第4回 回路はどのように成立したのか
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🌐 第5回 性選択は生命をどう変えたのか(6月14日12時公開)
🌐 第6回 なぜ生命は「選ぶ」ようになったのか(6月15日公開)
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🌐 第5回 知性とは何か(6月19日公開)
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