宇宙叙事詩の科学ノート 記憶と選択編 第4回 有性生殖はなぜ生まれたのか
📚 関連作品 『知性の叙事詩』本編👇
🌐 第5章 記憶するもの 第1節・第2節
🌐 第5章 記憶するもの 第3節・第4節(6月14日公開)
本稿の位置づけ
前回は、
👉 多細胞生命内部の情報共有
として、
神経系の成立背景を扱った。
しかし生命史では、
もう一つ極めて大きな変化が起きる。
それが、
👉 有性生殖
である。
本稿では、
👉 なぜ生命は、
👉 「混ざる」ようになったのか
を扱う。
最初の生命は「複製」だった
初期生命の基本は、
👉 自分自身を複製すること
だった。
これは現在の細菌でも見られる。
細胞が分裂し、
ほぼ同じものが増えていく。
この方法は非常に効率的である。
・速い
・単純
・相手が不要
という利点がある。
しかし問題もあった
完全複製では、
👉 変化が乏しくなる。
環境が安定している間は問題ない。
しかし環境が変化すると、
👉 全体が同じ弱点
を持ちやすい。
つまり、
👉 一度の環境変化で、
👉 集団全体が危険になる
可能性がある。
最初に起きたこと
そこで現れたのが、
👉 遺伝情報交換
である。
初期段階では、
・接合
・形質転換
・形質導入
などによって、
👉 別個体間で情報断片
が交換される。
「混ざる」という変化
重要なのは、
👉 完全複製ではなくなる
ことである。
生命はここで初めて、
👉 他者由来の情報
を内部へ取り込み始める。
すると、
👉 同じではないもの
が生まれる。
なぜ有利だったのか
遺伝情報が混ざると、
👉 多様性
が増える。
その結果、
環境変化に対し、
👉 一部が生き残る可能性
が高くなる。
つまり有性生殖とは、
👉 「最強個体」を作る仕組み
ではなく、
👉 「全滅しにくくする仕組み」
だった可能性が高い。
しかし非常に非効率
興味深いのは、
👉 有性生殖は効率が悪い
ことである。
例えば、
・相手が必要
・時間がかかる
・半分しか遺伝子を残せない
・失敗リスクが高い
など、
欠点が非常に多い。
それでも広く残ったということは、
👉 多様性の利益
が、
極めて大きかった可能性がある。
「選択」の始まり
さらに重要なのは、
👉 相手を選ぶ
という問題が生まれることである。
すべてと同じようには混ざらない。
近づくもの。
避けるもの。
組み合わさりやすいもの。
残りやすいもの。
ここで生命は初めて、
👉 「選択」
を本格的に持ち始める。
有性生殖と進化速度
有性生殖によって、
👉 変化の組み合わせ
は爆発的に増える。
その結果、
👉 進化速度そのもの
が加速した可能性がある。
多細胞生物の多様化とも、
深く関係していると考えられている。
宇宙叙事詩との関係
宇宙叙事詩では、
ここを、
👉 「未来形成の始まり」
として扱っている。
生命はここで、
👉 単独存在
ではなくなる。
他者との組み合わせが、
次の存在そのものを変え始める。
本稿のまとめ
有性生殖とは、
👉 単なる繁殖方法
ではない。
それは、
👉 他者との混合によって、
👉 未来の可能性を増やす構造
だった。
生命はここで初めて、
👉 「自分だけでは完結しない未来」
を持ち始める。
そしてこの流れが、
後の、
・性選択
・配偶行動
・社会性
へつながっていく。
📓 宇宙叙事詩の科学ノート👇
🌐 第1回 〜第23回 👉 宇宙叙事詩の科学ノート等のリンク(ブログ)
🌐 第24回 生命の進化 I ― 単細胞はどのように分かれたのか
🌐 第25回 生命の進化 II ― 生命はどのように重なり始めたのか
🌐 第26回 生命の進化 Ⅲ 生命はどのように“ひとつ”になったのか ─ 多細胞生物の誕生
🌐 第27回 生命の進化 Ⅳ 感覚はどのように始まったのか ─ 「感じる」は、器官より先に生まれた
📓 宇宙叙事詩の科学ノート 生命回路編👇
🌐 第1回 生命はなぜ単純な化学反応ではないのか
🌐 第2回 クエン酸回路とは何か
🌐 第3回 カルビン回路とは何か
🌐 第4回 回路はどのように成立したのか
📓 宇宙叙事詩の科学ノート 共生進化編👇
🌐 第1回 なぜ原核生物は巨大化できなかったのか
🌐 第2回 ミトコンドリアはなぜ奇跡なのか
🌐 第3回 葉緑体と酸素革命
🌐 第4回 酸素はなぜ危険なのか
🌐 第5回 なぜ複雑生命は成立できたのか
🌐 第6回 なぜ複雑生命は稀なのか
📓 宇宙叙事詩の科学ノート 記憶と選択編👇
🌐 第1回 記憶はどのように始まったのか
🌐 第2回 学習はどのように成立したのか
🌐 第3回 神経系はなぜ必要だったのか
🌐 第4回 有性生殖はなぜ生まれたのか(本作)
🌐 第5回 性選択は生命をどう変えたのか(6月14日12時公開)
🌐 第6回 なぜ生命は「選ぶ」ようになったのか(6月15日公開)
🌐 第7回 社会性はどのように始まったのか(6月15日12時公開)
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🌐 第1回 なぜ生命は未来を予測し始めたのか(6月16日12時公開)
🌐 第2回 生命はなぜ世界を操作し始めたのか(6月17日公開)
🌐 第3回 内部世界モデルはどのように生まれたのか(6月17日12時公開)
🌐 第4回 抽象化はなぜ必要だったのか(6月18日6時公開)
🌐 第5回 知性とは何か(6月19日公開)
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