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宇宙叙事詩の科学ノート 記憶と選択編 第1回 記憶はどのように始まったのか

📚 関連作品 『知性の叙事詩』本編👇
🌐 第5章 記憶するもの 第1節・第2節
🌐 第5章 記憶するもの 第3節・第4節(6月14日公開)


本稿の位置づけ

第4章 感じ分けるもの」では、

👉 外界の違い

が、

👉 内側の違い

として現れ始める段階を扱った。

しかしこの「第5章 記憶するもの」の段階では、

👉 変化の多くは一度きり

で終わっていた。

本稿では、

👉 「過去」が内部へ残り始める段階

を扱う。


記憶は脳から始まったのか

一般に「記憶」と聞くと、

・脳
・神経
・思い出

などを連想しやすい。

しかし生命史では、

👉 記憶は脳より遥か以前

に始まっている。

それどころか、

👉 神経すら持たない生命

にも、
原始的な記憶に近い現象が見られる。


最初に起きたこと

重要なのは、

👉 「覚える」

ことではない。

最初に起きたのは、

👉 「戻り切らなくなる」

ことである。


例えば細胞は、

強い刺激を受けると、
内部状態がわずかに変化する。

通常なら、
変化は消え、
元の状態へ戻る。

しかし一部では、

👉 完全には戻らない

状態が現れ始める。


細胞内部に残るもの

実際の生命では、

・膜状態
・タンパク質配置
・化学濃度
・反応閾値

などが、
一定時間残存する。

すると次回、
同じ刺激を受けても、

👉 前回とは少し違う反応

が起きる。

つまり、

👉 過去の変化

が、
現在の反応へ影響し始める。


植物にも見られる履歴保持

こうした現象は、
植物にも見られる。

例えば植物は、

・乾燥
・接触
・温度
・光

などの履歴によって、
応答を変化させる。

一度乾燥を経験した植物は、

👉 次回より早く気孔を閉じる

場合がある。

これは、

👉 以前の状態

が、
内部へ残っているためと考えられている。


神経以前の「記憶」

重要なのは、

👉 高度知能はまだ存在しない

という点である。

ここで起きているのは、

👉 「思い出す」

ではない。

👉 「過去の影響が残る」

である。


宇宙叙事詩との関係

宇宙叙事詩では、
ここを、

👉 「時間の内部化」

として扱っている。

それまで生命は、

👉 常に“今”だけ

で存在していた。

しかし記憶の萌芽によって、

👉 過去が現在へ残る

状態が生まれる。


本稿のまとめ

記憶とは、
最初から高度な知能ではなかった。

その始まりは、

👉 完全には元へ戻らない変化

だった。

生命はここで初めて、

👉 過去

を内部へ持ち始める。

そしてこの構造が、
後の、

・学習
・習慣
・知性

へつながっていく。


📓 宇宙叙事詩の科学ノート👇
🌐 第1回 〜第23回 👉 宇宙叙事詩の科学ノート等のリンク(ブログ)
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🌐 第25回 生命の進化 II ― 生命はどのように重なり始めたのか
🌐 第26回 生命の進化 Ⅲ 生命はどのように“ひとつ”になったのか ─ 多細胞生物の誕生
🌐 第27回 生命の進化 Ⅳ 感覚はどのように始まったのか ─ 「感じる」は、器官より先に生まれた

📓 宇宙叙事詩の科学ノート 生命回路編👇
🌐 第1回 生命はなぜ単純な化学反応ではないのか
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🌐 第4回 回路はどのように成立したのか

📓 宇宙叙事詩の科学ノート 共生進化編👇
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🌐 第3回 葉緑体と酸素革命
🌐 第4回 酸素はなぜ危険なのか
🌐 第5回 なぜ複雑生命は成立できたのか
🌐 第6回 なぜ複雑生命は稀なのか

📓 宇宙叙事詩の科学ノート 記憶と選択編👇
🌐 第1回 記憶はどのように始まったのか(本作)
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🌐 第5回 性選択は生命をどう変えたのか(6月14日12時公開)
🌐 第6回 なぜ生命は「選ぶ」ようになったのか(6月15日公開)
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🌐 第1回 なぜ生命は未来を予測し始めたのか(6月16日12時公開)
🌐 第2回 生命はなぜ世界を操作し始めたのか(6月17日公開)
🌐 第3回 内部世界モデルはどのように生まれたのか(6月17日12時公開)
🌐 第4回 抽象化はなぜ必要だったのか(6月18日6時公開)
🌐 第5回 知性とは何か(6月19日公開)


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🌐 第1章 広がるもの 第1節・第2節
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