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「美人すぎて、科学者には向かない」 北大最初の女子学生・加藤セチ 


100年あまり前、大正7年(1918)。
北海道大学 最初の女子学生が、入学しました。
名前は、「加藤セチ」


セチは、入学を志願した時に、
「美人すぎて、科学者には向かない」
という意味のことを、言われました。


「美人は男にまつわる雑音が多いから、大成しない」

昔、男性ばかりだったプロ囲碁の世界に、
初めて誕生した女性棋士が、
修行時代に言われたことです。

男はもちろん、
化粧や着飾りを忘れるくらいでなければ、
通用しないと——

女子バレー「東洋の魔女」でも、
似たような逸話がありましたね。

同じことを、セチも言われたわけです。


北大は、一度はセチを門前払いしました。

しかし、それでセチが しおしお と諦めたか、
と言えば、さにあらず。

見事、初の女子学生となり、
後に著名な化学者として活躍しました。



さて、美人、美人と書くと、
本当かどうか気になりますよね。

これは、40歳ごろの写真。

確かに、美人だと思います。

北大での逸話だけでなく、

「大変綺麗な方」

「美貌の持ち主」

と書かれた戦前の本も残されていますから、
客観的にも確かでしょう。


特に、その「眼」は、
多くの人に強烈な印象を与えたようです。

「眼はいつも大きい。
 輝かしい光をたたえていた。
 理知的な瞳である。
 ウィッセンシャフト(学問・科学の意)がやれる瞳だ」

「厳しいけれど、慈悲をたたえた眼」

「眼光鋭く、頭も切れる」


セチは、戦前はマスコミの寵児でした。

雑誌には、グラビア写真も残されています。

しかし、大半は竹久夢二が描いた女性のように、
ナヨッとした表情で写っている。

眼も、なんだか弱弱しい。

ステレオタイプな美人の型に嵌められています。

たぶん、編集者が、意図的に選んでいたのでしょう。


その点、プライベートな写真では
「なるほど、この眼か」
と納得する写真がいくつかあります。

たぶん、こちらがバイアスのない、真の姿でしょう。


この写真は、40代後半くらいです。

「厳しいけれど、慈悲をたたえた眼」とは、セチの弟子の言葉ですが、
確かに、と思わせる1枚です。


私がいちばん印象深かったのは、こちらの写真です。

72歳の老齢で撮られたものですが、眼は深く、そして怖い。

この写真の印象で、私のセチに対する好奇心が、一気に高まりました。


そして、気が付けば、集めた資料は1,000点以上、
文筆も20万字を超えていました。


昨年、
小学校高学年~中学生向けの児童書
「加藤セチと女性科学者たち」玉川大学出版部
を、上梓。



さらに、大人向けの伝記ものがたり
「美人すぎて、科学者には向かない」
を、執筆中。

こちらは、まだ出版は未定です。

以下、作品のHP.

(書き出しを公開していましたが、現在は非公開です。
 関連情報は、今でも掲載中です)


美人とは、単に顔が美しいのと、イコールではない。

脳内に映る美人の姿には、その人が持つ物語が重ねられている。

中村うさぎさんの著書、
「美人とはなにか」には、
そんなことが書かれています。

たとえば、「美人すぎるアスリート」などと書かれても、
実際の見た目は、芸能人には及ぶべくもない。

しかし、彼女が打ち立てた一流の記録や、
それにまつわるドラマを知る人には、
まごうことなく「美人」に見える。


美人と謳われた、北大最初の女子学生、加藤セチ。

今回は、見た目の印象ばかり、書きました。

だが、本当にそれだけで美人と言われたのでしょうか?


彼女は、どんな「物語」を、纏っていたのか——

これから週1くらいのペースで、
お茶を飲みながら、さらり と読める、
軽いコラム・エッセイとして、
ご紹介したいと思います。


私が、
40年も前に学んだ北大は、
今年、2026年、
札幌農学校から数えて、
創基150周年を迎えます。

ささやかながら、
このシリーズで、
花を一輪、
添えさせていただければ、と思います。


このコラムの続きです。

加藤セチの性格は?
「座り込みの君」

加藤清正の末裔?
「加藤清正流伝承」

少女時代は?
「朝ドラーおしんー」

学生時代、トイレに困らなかった?
<閑話>「トイレは、どうした?」

ミリタリー界隈で、なぜ有名?
日本初の有人ロケット・秋水」

伝記本のご紹介
「加藤セチと女性科学者たち」

<母の日にちなんで>お母さんが、窮地を救った
「女は弱し、されど母は強し」

応援してくれた男子学生
「エスコートヒーローたち」

加藤セチの生涯を語る講演会
<講演会のご案内>「遠友夏学校」

教師をつとめた、札幌の女学校
<閑話>「星のマークの北星女学校」

北大を修了した後は、どこに?
「科学者の楽園・理化学研究所」

戦前は有名人
「マスコミの寵児」
 
お国訛りは?
「方言ファイト」

乗馬もするの?
<閑話>「馬に乗って通学?」

実は、弱みも?
「コンプレックス、あるんです」

セチの人生を、ダイジェストで
「人生紙芝居 その1・少女編」
「人生紙芝居 その2・少女編」

(記事内の写真は、AI彩色したものです)


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