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「科学者の楽園・理化学研究所」            北大最初の女子学生・加藤セチ


「美人すぎて、科学者には向かない」と言われながら、
 著名な化学者として成功した、
 北海道大学 最初の女子学生・加藤セチ。

 北大を離れた後は、どうなったのでしょうか?


 セチは、札幌から東京に移り、
「理化学研究所(理研)」で、
 初めての女性科学者となりました。


 理研は、
 戦前の日本では、
 まさに科学の殿堂でした。

 当時の大学は、教育が第一のミッションです。
「欧米の素晴らしい学問・技術を、学生に伝授する」
 のが、何より大事。

 理研は、全く違います。
「日本から、新しい発明・発見を」
 研究こそが、使命でした。


 理研には、
 今や伝説となるような、
 選りすぐりの頭脳が集められました。

「味の素」を発明した、池田菊苗。

「ビタミン」真のパイオニア、鈴木梅太郎。

「原子の正体」を予言した、長岡半太郎。

 など、錚々たる大科学者たちです。



 セチは、下っ端でしたが、
 そのような碩学たちから、薫陶を受けながら、
 いそいそと研究に勤しみました。

 理研で働き始めて三年あまり、
 ある物理の研究員にからかわれたのがキッカケで、
 生涯の研究テーマを見つけます。

「吸収スペクトル分析」という、
 物理にも化学にも使われるテクニックです。


 太陽の光は、白く見えますが、
 プリズムを通すと
 虹のように、七色に分かれます。

 白い光は、実は、様々な色が混ざって出来ているのです。

 一方、赤い「いちごシロップ」を通した後の光を、
 プリズムで分けてみると、
 緑から黄の色が、ごっそりと抜けています。

 これは、シロップに溶けている色素が、
 その辺の色の光だけ、吸収してしまうからです。

 残りかすが、赤く見える、というわけです。


 吸収される色は、物質によって、特有です。

 逆に言えば、
「どの色が吸収されたか」
 を調べれば、
 光の通り道にあった物質が何か、わかるわけです。

 これが、「吸収スペクトル分析」です。



「吸収スペクトル」の原理を理解するための土台は、
 当時、誕生したばかりの「量子力学」です。

 セチは、「量子力学」の説く世界に、
 衝撃を受け、のめりこみました。

 無理もありません。

 初めて知った者からすれば、 
 宇宙や、この世に対する認識が、
 根底から覆るような学問ですから。



 セチは、化学者でしたが、
 幸いだったのは、
 理研には、化学のみならず物理部門があり、
 一流の物理学者が、何人もいたことです。
 
「吸収スペクトル分析」は、
「原子」や「宇宙」を研究する手段として使われた歴史の方が長く、
 どちらかと言えば、物理の領域にある技術でした。

 

 理研の科学者となって、九年。
 セチは、理学博士を獲得します。

 そして、急速に脚光を浴びて、
 スター科学者への道を、歩んでゆくのです。


「北大最初の女子学生・加藤セチ」については、
 第1回「美人すぎて、科学者には向かない」を、
 下記リンクよりご参照いただければ、
 より詳しくお知りになれます。

 第1回「美人すぎて、科学者には向かない」

(タイトル画像は、AI彩色および高解像度化したものです。
 挿絵は、AIに生成させました)

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