本年の取り組み マネジメント組織の育成について 今年も良い一年だった話
BASE株式会社執行役員の柳川です。金融事業の事業責任者をしています。
私はエンジニア→PdM→事業責任者というキャリアを歩んできました。
現在は事業戦略、プロダクト戦略、組織戦略全ての責任を持ちながら、事業責任者を務めさせていただいています。
基本的にnoteに本業の話を直接は書かないようにしているんですが、一年の締めくくりなので少し書こうかなと思います。事業というよりマネジメント系の話を抽象化して書きます。
普段のnoteは仕事直接の話ではなく思想の話なので。
今年の僕のテーマ
一対多のコミュニケーション頑張るぞ!がふわっとしたテーマでした。
自分で言うのもなんなんですが、一対一のコミュニケーションで人を動かすのは比較的得意な方です。屁理屈得意なので。屁理屈じゃなくて、コンテキストを合わせる力ね。
ただそれだけじゃない引き出しを身につけないと、頭打ちであると言うことで以下の取り組みを強化しました。
ガチンコでリーダーを育成してチーム柳川を脱却する
リーダーを育成する形でセカンドライン、サードラインマネジメントを行うスキルをつける
1on1に頼りすぎない
僕についてきてから一緒にリードしてほしいへの変化
全て今までやってはいたんだけど、改めてギアを入れ直してしっかりやろうというフェーズでした。
チームで仕事するのに、一対一の関係性ばっかり作っても意味ないだろ!むしろ害悪だろ!みたいな発想ですね。
一対一のコミュニケーションって無意識に敵を作ったり、関係性に甘えたりするのですよね。
一対一のコミュニケーションで仲良くなるには仮想敵を作るのが一番手っ取り早いから。
一対多の説得スキルを身につけることから逃げてはいけない。
組織図イメージ
今の組織は、以下のようなドメインカットの組織にしています。
なぜドメインカットの組織にしてるかと言うと、責任範囲がわかりやすいからです。責任範囲がわかりやすくなければリーダーは育たなないと言う仮説を持っています。これは検証中です。
柳川はこの組織図の中でいわゆるサードラインやセカンドラインのマネジャーを兼務してます。


やったこと
やってる一つ一つは、至って普通のことですが、頑張って自分の頭で考えて今のチームのフェーズや目指すものに近づけるように、色々やりました。
必要なものからゼロから考えてやりましたが、ムズイですね。時間かかりますが、少しずつ進んでます。
組織変更
ドメインカットの組織体制の再構築
ドメインの数を増やしてマネージャーを増やしました
マネージャー研修
急成長を導くマネージャーの型を参考にマネージャー研修をしました
3時間くらいの研修メニューを作りました
意図が伝わる方がやりやすいと感じたため、マネージャーではないメンバーにも実施しました
事業説明の移譲
ドメインカットにしたので各事業の事業説明や数字説明各リーダーにお願いした
話すために準備するから解像度が上がる
今までは全事業自分で説明していた
どんどん上手くなって感動した
本当に感動した
OKR運用
OKRは今までも作っていたんですが運用体制を整え直しました
年間OKRの作成と、各QのOKR進捗をマネージャー全員で毎月確認する会をやりました
中期計画作成
3年単位の計画を各リーダーに作ってもらいました
コンピテンシー
各職能のコンピテンシーを作成しました
評価FBの際に具体性が増しました
システムコーチング
システムコーチングを半年やりました
名前の通りシステムに対してのコーチング
今回は自分の組織のマネジメントレイヤーと言うシステムに対してのコーチングとした
基本的には自己開示からの頼る頼られるの話
4時間を6回やりました
システムコーチングをやる意図や効果をチームに説明するのにかなりコストをかけたがその過程で僕自身も解像度が上がった
相当良かったんだけど上手く説明できない
個別でnote記事書きたい
以下の記事はシステムコーチングの経験を元に書きました
アクションコード
チームの標語みたいなものを作った
あえて反論してみる
帳簿の行間まで読む
2割でまず相談
3者面談
1on1ではない形の模索
チームで仕事するのに一対一のコミュニケーションばかりしても意味ないだろという発想
チーム柳川自体は悪いことじゃない
チーム柳川自体は悪いことではないんです。組織の人数が変わったり、目的が変わる中で、その構造がボトルネックになるのがよろしくないのです。
事業が育ち、プロダクトの数や適用範囲が増えていくなかで、どのような組織にするか。柳川のトップダウンを強めて分業化をきっちりして進めていくという選択肢もありましたが、複数リーダーを育成しそれぞれが自己組織化し引っ張ってく形を選びました。
具体的にいうと、職能組織ではなくドメイン組織を指向しました。
組織がトップダウン型の組織から、複数リーダーの体制に変える中で、一番ボトルネックに思っていたことが、僕がハードコミュニケーションのハブにならざるを得ない状態でした。ピンとくるかわからないけど、家族においてお母さん(お父さん)が全てのハブになる感じ。
「柳川についてきて欲しい」をマネージャーも含めたそれぞれのメンバーに、個別でやっていた副作用ですね。
もう少しシンプルに言うとマネージャー同士やメンバー同士が、横で話せて助け会える構造を作ると言うのが課題でした。そんなの当たり前じゃんと思うかもしれませんが結構難しいことですよ。
目的を共有する
例えばマネージャー研修一つとっても、本に書いてあることを要約して伝えることには意味がありません。本に書いてある要素からピックアップしながらも、結局のところ、理想とするチームの形があり、それに向けて要素をピックアップしているというのが大事なのです。意図や思想が大事なのです。
マネージャーに対する、事業説明の移譲や、中期計画の作成についてもそれ自体が事業部全体の目的を共有する作業なのです。考えたことを伝えるだけでは伝わらないのです。実際に考えてもらって初めて伝わるのです。大まかな目的感や設計や概要は渡しつつ考えてもらう。考えてもらって初めて伝わるのです。
どこから考えてもらうかは人に合わせて変えます。いきなり全部ゼロから考えては無理。潰れない範囲で渡すのが大事。
関係性のきっかけを作り、お互いを知る
まずはマネージャーの関係性のきっかけとしてシステムコーチングを主催しました。月並みな話ですが、チームを分けるとサイロ化します。特にドメインでチームを切ると、それぞれの組織はそれぞれで運営できるわけです。
余計サイロ化が進みます。サイロ化を避けるための方法はたくさんありますが、お互いを知るのが一番です。
システムコーチングはシステムに対するコーチングです。今期は我々の事業のマネジメントチームを一つのシステムに見立てて、そのシステム内で課題設定や自己開示を行いました。
システムコーチングを通して、「ドメイン組織はドメイン組織としてありつつ、マネージャーチームは我々の事業における経営陣みたいなものである。そういうチームであり、同じような課題に立ち向かっているチームなのである。」という意義づけと、意義づけと同時にお互いを知るということをやりました。
システムコーチングとは何かみたいなの話は、また別のnoteで書ければなと思います。
サイロ化が悪いことなのかというと、議論があると思います。ドメインで切ることの副作用として当たり前なのではという論もあるでしょう。ドメインで切ったのに横のつながりを作るのは、ある意味効率化とは真逆ではないのかと。
今回僕の組織の設計意図として、ドメインのリーダー同士はある意味同期みたいなものとして立ちあげました。似たような課題に同時にアサインされる同期同士として、助けて助けられてという関係を構築しながら進んでいきたい。その設計意図を機能させるためにはシステムコーチングのような取り組みが必要でした。
言い換えスキルを伝授する
僕は屁理屈が得意なので、会社のWILLと個人のWILLを擦り合わせるのが比較的得意な方なのですが、これってかなり特殊スキルなのです。そして体系的なものもなかなかないので教えにくい。
そこで、3者面談という形で部下のマネージャーとメンバーのコンテキストを整理するみたいなことをしていました。
3者面談自体は3人で話すというだけです。ただ役割設定や目的をしっかりしていました。僕が深掘りをしたり言い換えをしたりと、ファシリテーターみたいな形で、普段1on1では出てこなそうなことを引き出す
3者面談自体は、属人性が強く、難易度が高くて、副作用もでかいので全然お勧めしません。
「お願いだから、みんながお互いに自己開示して、お互いの得意不得意を助け合える関係になってほしい。」ただそれだけなんですけど、でもこれが難しいのよ。口で言ってそうなるならそんな簡単なことないので、色々なレベルや手段で少しづつやっていく。それが伝播していく。
自分と同じマネジメントスタイルを求めない
これはどれだけできていたかわからないけれど、極力自分と同じマネジメントスタイルを押し付けないように気をつけました。
かなり特殊なマネジメントスタイルをとっている自覚があるので。推される力と、グローバルソースになる勢いで、サブソースをやるみたいなところが特殊という自認。そしてそれを支える様々なスキルやマインドセットを押し付けることはできないと認識しています。
「柳川さんの組織は柳川さんの推し活だよね」と言われることが結構あって、昔は嫌だったなー。再現性がないと詰められてる感覚だった。(被害妄想です)
— 柳川慶太 | BASE, Inc. 執行役員 金融事業担当 (@gimupop) December 27, 2025
今は全く嫌ではなくて、やりたくてもやれない人も多い特殊スキルだと思っている。…
推され力だけで、なんとかしてきてしまった日々の反省。
ソースの話はこちら。
職能でチームを分けてトップダウンで動かすか権限以上をしてドメインチームを作るか
職能カットのチームとドメインカットのチーム。それぞれにメリットもデメリットもあります。何が良いかは正直わからないです。
フェーズや目指すものに合わせて変えていくしかないと思います。ただ今後の生成AIの流れを考えると、コンテキストを繋ぐ力や、何かに対して頭からお尻まで責任を持つ力というのは必要なんだと考えています。
なので複数のリーダーが育つドメインチームを軸にチームを考えています。もちろん僕が自己組織化が好きだからとか個人的にな好みの話もありますが。
感想になりますが、チームの構造を作って実態が伴うには、半年から1年はかかるなーというのが振り返りです。時差はありつつ徐々に収束していく感覚。チーム構造を変えた瞬間は絶対にハレーションが起きるし、一時的に誰かが辛い状態が生まれる。でもそれを乗り越えるしかないのだと思います。
僕についてきて欲しいから一緒にリードしてほしいへ変化
特にマネージャーに対して、どのような目的で、どのようなチームに変えていきたいかを、とにかく伝え続けました。
伝えて、色々なレベル感のFBをもらいながら徐々に形にしていった感じですね。最初の希望や想定は伝え、それ以降はみんなで作り上げていった感じ。
いい反応も悪い反応も、言語化されているものもされていないものも、何かしらの苛立ちや焦りも含めて全身で浴びながら考えて変えていくスタイルなので、そのスタイルは変えられないので、真正面からやりました。
新しいスキルを身に着けるのは辛い、辛いけど頑張れる環境をいかに作るか
結局頑張るしかないのです。それぞれの人間がそれぞれに少しづつ足りないのです。スキルもスタンスも。
足りないところを補うためには、どこかでは頑張るしかない。自分のできないことに向き合って頑張るしない。でもそれはとてつもなく辛いことです。
そうなってくるとどのようにして辛くても頑張れる環境を作るのかと言うことが大事なのです。そこにだけ再現性がある。
辛いことだけやる必要はないけど、辛いことから逃げ切るのも違います。辛いのよ、カバレッジを広げていくのは。でもカバレッジを広げていくしかないのよ。特に凡人は、一芸で抜け切る方が大変だから。僕も凡人です。
辛いけど頑張れる環境
仲間が必要なんでしょうね。あとはなんで頑張るかの意義付け。自分で意義づけを頑張るもあるし、他人に意義付けしてもらうも両方ある。バランスが大事。
自己肯定感を高める手段を持つ
何か自分のコアを持つ。一番簡単なのは何かをコツコツ続けることですね。自分の不得意に挑むのは自己肯定感を下げるのですが、不得意に挑まないと成長しないというジレンマ。
そう考えると何かしらの自己肯定感を高める手段を持つのが大事。
得意と不得意のバランス
少し頑張ればやれるかも、を延々とやり続ける。
少し頑張ればやれるかものラインを一緒に探るのが。マネージャーの仕事だよなと思います。これはファーストラインでも、セカンドラインでも、サードラインでも多分そう。
頼り頼られる信頼関係
これが一番むずい。それぞれが自分に向き合い自分ができないことを知り、プライドを捨て、まず自分から頼る。全行程難しすぎる。
僕も本当に日々日々過去の自分を否定しています。自己否定の連続です。
発信について
一体多のコミュニケーションの練習として、note書いていました。初期のnoteと比べると日々上手くなってると思います。テーマを決め、そのテーマでより多くの人を納得させる練習をしていました
PdMは事業責任者になれという、若干無理のありそうな主張でを通したり。
発信の正統派的に少し難しいことを噛み砕いて伝えたり。
あとはある意味発想的には、あるあるネタを作ってる感覚の時もあり。
とにかく議論がしてみたかったり。
2024年末直属のメンバーに、「来年は発信を控えて本業に集中しましょう、結果出てないのに発信するの恥ずかしいですよ」と言われたのですが、発信のコツを掴みだしたのでどうしても続けたい僕は、「突き抜けた発信することで突破しよう!」と思い頑張ったという裏話もあります。まぁおまけ的な発信ではなくて、やるからには何かしら結果が出ればそれはそれで許されるかなと。もちろん事業やプロダクトで結果も出し続けますよ!
ノッカリアドカレと言う神企画までできて幸せでした。
事業について
マネジメント系の話が続きましたが、事業全体の方針や事業数字全体には当然に責任も持ち、エグゼキューションもしています。事業開発も当然やってます。どこまでいってもプレイングマネージャーです。
IRで出ている以上のことは話せないのでチェックしてみてください。なんとか地道に積み上げています。次の変化を仕込んでいますのでやり切ります。がんばります。

今年もいい一年でした
とにかく去年の1月から比較すると、すごく変化した一年でした。もちろん良い方向への変化。社内も社外も。
本当に周りに助けられて自分が存在することを日々日々感じています。
欠点ばかりの人間です。一人じゃ何もできません。
会社の皆様も社外の皆さも本当にありがとうございます。助けられています。本当に運がいいのです。一人残らず感謝しております。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。
