ストレートな思いの伝え方 率直でも伝わらなければ意味無し
BASE株式会社執行役員の柳川です。金融事業の事業責任者をしています。
私はエンジニア→PdM→事業責任者というキャリアを歩んできました。
現在は事業戦略、プロダクト戦略、組織戦略全ての責任を持ちながら、事業責任者を務めさせていただいています。
秘密にしているのでみなさん知らないかもしれませんが、僕はストレートしか投げません。常に直球勝負です。でもそんなストレートも、投げ続けると「こんなに上手にストレートを投げる人を初めてみました。」とか言われたりします。今回はそんな私がストレートを投げるときに考えていることを伝えたいと思います。(野球じゃなくてコミュニケーションの話です)
思ったことをそのまま言うのがストレートではない
最初から核心をついていきます。みなさん、思ったことをそのまま言うのがストレートだと思っていませんか。それは明確に違います。
思っていることを伝わるように言うのがストレートです。
思っていることをそのまま言うと、結果伝わらないのでストレートではないです。もう少しいうと、ストレートかもしれませんがボールです。ボールどころか大暴投かもしれません。
「率直な意見を出したら、攻撃力が高すぎて相手を倒しちゃったよ」とかじゃありません。それはデッドボールです。
ストレートを投げるならストライクゾーンに放り込もうじゃありませんか。ストレートをストライクゾーンに入れることを本記事のゴール主題として設定します。
速度は変えてもいいけど曲げちゃいけない
思ったことをそのまま言うわけではないと言われたときに、曲げればいいのかと思う人もいるのではないでしょうか。結論曲げると本来の意図通りに伝わらない可能性が高いので曲げないほうがいいです。
念のため補足しておくと、曲げるというのは嘘だったり、本心じゃないことを言ったり、よいしょしたり、本当は思っていることがあるんだけど伝えないみたいなことです。相手の機嫌を取るために。
嘘とか、本心じゃないとかはいとも簡単にバレるのです。
バレてないと思ってるでしょ?バレてますよ。バレバレです。気がつかないふりしてくれてるだけです。
ただ速度調整はしてもいいかもしれません。相手がボールをきちんと受け取れるように。
(いやいつも豪速球投げてるじゃんと思う方もいるかもしれませんが、明確に相手がいるときは速度気にかけてますから!)
速度調整とは具体的に何かというと、10回言って伝わる強度にするとか、言葉選びに気をつけるとかです。
1回言って伝わらないと怒る人いますけど、怠慢ですよ。それは。わかるわけないです。
言い方も大事です。攻撃力が高いことがストレートではないのです。
ストライクかどうかはエッセンスレベルで気がつき調整する
投げたストレートがストライクゾーンに入ったかどうか。これは相手をよく観察して、エッセンスレベルで感知しましょう。
誰も、今のはボールでしたとか言ってくれません。だまって去っていきます。
「何で言ってくれないの?」と思うかもしれません。
ムッとして言いたくないとかもあります。そしてボールに入ったということは、「この人はわかってくれない人だ」認定されたこととイコールです。悲しい。この人わかってくれないなーという人に話したくないですよね。
そして何よりも受け手も自分でもボールに入ったことをうまく言語化できないんです。ムッとしたときにその感情を即座に言語化できる人なんていないのです。
よくよく相手を観察しましょう。観察してストライクゾーンに入っていなければ反省しましょう。しっかりと反省しましょう。
いいストレートを投げ込むたのための組み立て
ここぞと言うときに抜群のストレートを決めるには、そこまでの組み立てが重要です。
組み立てとは具体的に何かというと、相手の話を聞くことです。聞いて聞いて聞きまくる。質問のスキルが大事です。ボールを投げる前に、まずは聞く。相手の話を引き出すことの効果が大きく2つあります。
まず第一の効果、相手のストライクゾーンを知ることです。相手がどんな性格で、相手がどんな経験をしていて、相手の中で何が課題で、相手の今の精神状態がどうで、などなど。こういうことを知らずしてストライクゾーンにストレートが放り込めるだろうか?いや放り込めない。まずは相手を知りましょう。
そして第二の効果、はあなたに興味があるよ!と知らせられることです。人は自分に興味を持ってもらえると嬉しいです。興味があるよ!と知らせるシグナル、何があると思いますか?そう!話を聞くことです。話を真剣に聞いてくれる人だと思ってもらうことは、ストライクゾーンにストレートを投げる上で非常に大事なことです。相手も受け止める準備ができますからね。
感覚的には10聞いて1投げるです。
ストライクゾーンは誰が投げるかでも変わる
ストライクゾーンって動きます。広いか狭いか、審判によって判定変わります。知っていましたか?
本当にすごい単純な話です。同じ内容を言われてもストライクゾーンに入るかどうかは、誰に言われるかで変わります。
好きな人やリスペクトしている人に言われたらストライクだし、嫌いな人に言われたら何でも大暴投です。そんなもんなのです。
好きな人に言われたら行動変えますよね?好かれたいですもん。
ストライクゾーンにストレートを投げ込みたければ、好かれる努力をするべきなのです。別に媚びを売らなくてもいいです。媚び売られるのが嫌いな人もいますし。とにかくどうしたら好きになってもらえるか考えるんです。
好きになってもらえるかを真剣に考えるにはどうしたらいいか?まず相手を好きになることです。好きになったら好かれたい。
好きという言葉を使ってしまいましたが、言い換えると信頼ということです。どうしたら信頼されるのか。そもそも自分は今信頼されてるのかということを常に疑い続ける。
信頼されるという点においては、弱みを出すということも有効であると思います。強い人だからついていきたいというのもありつつ、弱みが見えることで支えたいという気持ちも出てきます。
弱みを認められるのが強いことだよねという考えもありますし。
試行錯誤しながら好かれたり信頼される努力を積み重ねる。それがストライクゾーンを広げる技術です。
基本的には単純接触効果と、相手の話をちゃんと聞くことです。シンプルです。そして日々の行動の積み重ねです。
いくらリスペクトや愛があっても、伝わっていなければ意味がありません。「こちらは相手のことをこんなに思っているのに!」とか意味ないです。伝わっていなければ意味がない。
圧倒的なカリスマ性とかがあれば何も気にしなくてもいいのかもしれませんが、僕にはないので努力で埋めます。
個人的な強みとしては好奇心なので、相手の話を聞くというのを例に出しています。
何をいうかも大事だけれど、誰がいうかも大事なのです。
(見た目からくる信頼感とかもありますので、そちら気になった方は以下の記事をご覧ください。)
ストレートが得意な人は特に約束を守ること
言葉が鋭いのに行動が伴っていないのは悪いギャップです。悪いギャップは思ったより嫌われます。
とにかくこのギャップをなくす。ストレートがストライクゾーンに入るかは好感度は絶対に関係あります。ここ崩さないの大事。
「じゃあ何も言わない方が得じゃん。」とか言わないで。そこで終わるから全てが!
まず行動から入りましょう。
直言はエッジを強制的に越えさせる
突然ですがみなさんはエッジモデルを知っていますか。アーノルド・ミンデルさんの理論です。プロセスコーチング界隈でよく使われる言葉です。
簡単に説明しますと、人が自分の認知を変化させるにはエッジという山のようなものがあって、それを越えなければいけない。越えなければいけないけれど、それを超えるのはエネルギーが必要だし、不快である。というものです。

エッジは自分で見つけて超えるという方法もありつつ、他者からのストレートFBで強制的に越えるということもあります。俗にいう刺さったというやつですね。
しかしそれは技術が必要な上に、副作用も怖いです。ただたんに相手を怒らせることもあります。炎上怖い。
エッジを超えるきっかけになるというのが、ストレートをストライクゾーンに入れることの効能でもあります。
人の成長を支援するというとおこがましいかもしれませんが、マネジメントや育成で重要なことです。
特にマネージャーやリーダーになる人は、ストレートをストライクゾーンに投げる技術を磨くにこしたことはないかなと思います。
怖いけど。
ストレートを受ける技術も大事
ストレートを受ける技術、より正確に言えば、ストライクゾーンを広げる技術というものも存在します。
どんなに失礼で、どんなに大暴投でも、しっかり受け取り自分の糧にする技術。アンガーマネジメントと少し近い領域かもしれませんね。
ムッとしたとき、心がざわついたときに、なぜざわついたのだろうと考えるのです。そのムッとした感情にこそ変化のヒントがあります。
個人的な考えですが、ストレートをストライクゾーンに投げる技術と、ストライクゾーンを広げる技術は同時に発達していくのではないかと思っています。そしてこの両者が成長していくことこそが、良いリーダーになる条件だと考えています。
コーチャブルであるということ
ストレートを受ける技術というのは、言い換えるとコーチャブルであるということです。
僕はコーチャブルであることには二つ大事な要素があると思います。
指摘してもらいやすいインターフェースを持つこと
直感的なものでも、この人は指摘しやすいな、この人は指摘しにくいなというのはあると思います。
その判断はいろいろな要素が重なった結果です。見た目的な要素もありますし、指摘した時の反応、つまり反論するか、受け止めてくれるかみたいな要素もあります。自分が指摘してもらいやすいインターフェースかどうかは、長年生きてきていれば自覚があると思います。おそらく。
わからない人は、聞いてくれればストレートに答えます。
指摘されて変化したことが伝わること
いくら伝えやすいインターフェースでも、指摘されて変わっていないと、指摘する意味ないなと思われてしまいます。指摘された後の変化を示すこと。これはコーチャブルであると思われるかどうかの重要な要素です。
コーチャブルだと思われると何がいいのか
シンプルに成長しやすくなります。エッジの話もありましたが自分だけの力でブレイクスルーを起こすのは非常に難しいのです。コーチャブルだと得ですし、出世しやすくなります。
ストレートな言葉が行き交う組織のほうが絶対に早い
できるだけストレートな言葉が行き交うほうが、組織のコミュニケーションは絶対に早いです。言いたいことがあるのに言えないというのは本当に損失です。言いたいことがそのまま言えず政治家のような答弁が行き交う組織は終わりです。
でもしっかり意図が伝わらないなら、ストレートな言葉も意味がないのです。伝わってなければ、結果として政治家のような答弁と同じです。
しっかり伝わるストレートな言葉をそれぞれが行き交わせる。そういう組織がいい組織なんだと思います。
そのためにもストレートをストライクゾーンに投げる技術と、ストライクゾーンを広げる技術をそれぞれが会得していきましょう。
傷つきながら覚えていくしかない
最初から上手くコミュニケーションができる人なんかいません。
他人と表面上ではない、芯をくったコミュニケーションをすることは怖いです。傷つけ傷つく可能性があるからです。
下手に踏み込まないのが正解だと思うこともあるでしょう。でも腹を割った付き合いを繰り返すことでしかコミュニケーションは上達はしないし、何より本当にコトに向かうためのチームの関係性ができません。
コミュニケーションのスキルって上手いことを上手いタイミングで言うと言う側面もあります。でも僕は本質的には向き合うことだと思っています。向き合う度量や体力。傷つくことを恐れず、そしてある意味期待しすぎないこと。
何よりその場しのぎで誤魔化さないこと。
傷つくことは怖いけど、長く深く人間関係を築けたら、それは必ずいつか財産になります。
年を取ったりポジションが上がるほどストレートな言葉を言ったり、ストレートなFBをもらうことも減っていきます。でもそれって誰にとってもよくないことだと思うんですよ。
傷つき傷つけ合うような人間関係。重いかもしれませんが、重要だと思うのです。
曲げたり黙ったりしたら良さがなくなる
これは僕と性格が似ている人へのアドバイスなんですが、黙ったらダメです。
言葉が強いと指摘されたことがある人、インターフェースが良くないと言われたことがある人。そう言う人が黙ったり、曲げ玉ばかり使うようになれば、あなたの良さがなくなります。
あなたは黙れと言われているんじゃありません。その言葉に乗せた思いを、相手に届くように伝えろと言われているのです。
これは言い換えるとストレートをストライクゾーンに投げろということに他なりません。
ストレートを投げれること自体はまごうことなき才能です。ふつうは投げれないよストレート。
嫌われるのが怖いし、ストレート言えるというのは言語化が優れているということです。
その才能を隠さない。これが大事。
言葉が強いと指摘する人を、決して批判を恐れている弱い人だと思ってはいけません。わかる人にだけわかれば良いに逃げ込まないでください。
ちゃんと!伝わる!から!あなたの!思いは!
伝える技術さえ身につけられれば。
まとめ
今回は僕自身痛い思いをしながら学んだことを書いてみました。痛い思いをしてきましたし、痛い思いをさせてきたと思います。本当に申し訳ありません。みなさまのおかげで今があります。
そしてまだまだまだ道半ばです。
この記事読んでお前もできてないじゃんと思った方、申し訳ありません。頑張ります。うす。
