優秀な人はコンテキスト力が高い
BASE株式会社執行役員の柳川です。金融事業の事業責任者をしています。
私はエンジニア→PdM→事業責任者というキャリアを歩んできました。
現在は事業戦略、プロダクト戦略、組織戦略全ての責任を持ちながら、事業責任者を務めさせていただいています。
優秀な人の定義って何だと思いますか?いろんな定義があると思いますし、場面によっても変わると思います。あえてスタンスを切った僕の定義はコンテキストの力を操れているかどうかです!(そもそも優秀と言う言葉がガバガバなのはすいません)
と言うことでこの記事では、コンテキストってなんなのか、コンテキスト力が高いとはどういうことなのか、どうしたらコンテキスト力を扱えるようになるのかなど書いてみます!
コンテキストとは
コンテキストとは「背景」「状況」「文脈」と訳されることが多いです。優秀な人を言い表す言葉として「1聞いて10わかる」とか、「手段と目的を間違えない」とか、「説明スキルが高い」とか、「アイディアマン」などがありますが、これまさにコンテキストの力を操れているかどうかで説明できます。
地頭がいいとか、自分の頭で考えているかどうかとかに近い話です。
コンテキストの力と一言で言っていますが、その中に色々な要素があります。完璧に要素分解できている自信はないのですが、以下のような要素があると考えています。
容量の大きさ
活用効率性
内容の質
繋ぐ力
誤解を恐れず言い切ると、優れたリーダーや事業新規獲得やPdMはコンテキストの力を操れている人が多いです。
コンテキストの話は上手く伝わらなかった
コンテキストの力を操れる人がリーダーや事業責任者やPdMに向いている。勉強ができるかどうかよりも、コンテキストの力を操れるかどうかが大切。
上記ずっと持っていた持論なんですが、人に話しても芯を食った感じで上手く伝わらずに困っていました。
困っていたんですが、生成AIの文脈でコンテキストウィンドウの話が注目されたことで、伝わる人が増えた気がします。
コンテキスト容量が増えたことで生成AIは賢くなりましたよね?
実際に人と話したり、人の行動を見た時に、まさに生成AIアウトプットが良くない時と同じ感覚を抱くことが頻繁にあります。そのような時にコンテキストを操る能力の有無の差を強く感じます。
コンテキストの力を操れるとはどういうことか
コンテキストの力を操れるというのは、前提条件をどれだけ多く保持して活用できるかということです。コンテキストの活用が上手だと「そもそも見当違いだね」という判断が少なくなります。説明もできるようになります。
少し言い換えると、コンテキストの活用が上手であれば、手段が目的にすり替わりにくくなると考えています。
逆の例を言いましょうか。
すぐにテンパってしまう人とか、権威のある人の言うことを全て真に受けてしまう人とか、目の前にあるそれっぽい発言に引っ張られてしまう人とか、海外のフレームワークや他社事例を無批判に受け入れてしまう人はコンテキストを操る力が未熟なのです。未熟ゆえに何かしらの重力に抗えないのです。
そんなリーダーや事業責任者やPdMは嫌ですよね。
コンテキストを操る力は足腰の強さや体幹の強さに似ています。
コンテキスト力の鍛え方
ここまでのコンテキストにまつわるエトセトラ。ちょっと複雑になってきたので、ざっくりコンテキスト力(こんてきすとぢから)という表現でまとめさせてください。
コンテキスト力が高い人は以下の特徴があります。
前提条件や背景を複数抱えたまま判断できる
手段が目的化しないよう、常に本来のゴールと照合できる
1つのインプットから複数の含意を読み取り、整合性をチェックできる
とにかく優秀(雑)
ではどうやったらコンテキスト力を鍛えられるか。
大事なのはコンテキストを肥やす癖をつけることです。コンテキストを肥やすとはどういうことかというと、疑うことです。
目の前で起きたことや、人が言っていることを疑いまくりましょう。なぜなぜ分析しましょう。
いや、むしろ世界で起きているほとんどのことは嘘であるくらいの勢いでいいです。(個人の意見です)
疑うってのはネガティブに聞こえるかもしれません。でも全然悪いことじゃないんです。疑うというのは関心を持つことなんですよ。
(好きの反対は無関心という世界の捉え方、好きなんですよ)
疑う中で、分解していきましょう。できるだけ最小単位まで分解していく。よくよく分解して、一つ一つ嘘じゃないか考えていきましょう。
でも考えているだけではわかりません。試してみましょう。試して試してPDCAを回していきましょう。
そういうことをしていく中で、本当に腹落ちすることを探していきましょう。
腹落ちしたら還元して繋げていきましょう。コンテキストは繋がって初めて意味を持つのです。
この一連の過程全てがコンテキスト力を鍛えることにつながります。
上記話した内容の要点をまとめます。
容量を増やすべし(疑う)
容量はシンプルに鍛えれば増えます。一つの事象が起きた時に背景をどれだけ類推して保持できるかというのは、思考体力の話に近いです。思考体力を鍛えるためには思考することです。疑いましょう。
効率化するべし(分解する)
いくら容量を増やしても、無駄遣いしていてはもったいないです。構造的に整理して保持することが大事です。構造的に整理するには分解しましょう。分解する力をつけましょう。
質を上げるべし(腹落ちさせる)
コンテキストの容量が増えたところで、そこに質の悪いものを詰めていたら意味がありません。では何を入れるべきなんでしょうか。腹落ちしたものを入れるべきです。腹落ちしたものを入れるべきですし、何が腹落ちするかは、腹落ちしたという経験からのみしか得られないのです。
繋ぐべし(還元して繋げる)
一見一つ一つは意味のないものも、繋がることで意味を持つことがあります。繋がることで意味を持つというのは、すなわちイノベーションです。頭がキレるとはこう言うことですし。容量を増やすことの意味はここです。
全体観を捉えるべし
コンテキストって繋がりが大事なんですよね。要するに全体観が大事なんです。今起きてることに対してコンテキストを掛け合わせていくことで、問題を解決していくわけです。
つまりね、事業だけとか、プロダクトだけとか、エンジニアリングだけとか、組織だけとか論外ですよ。
という私の従来の主張に再度繋がるわけです。全てのコンテキストを繋げた上で保持しましょうよ。繋げていくのを諦めるのをやめましょうよ。
あの人アイディアマンだなーって人とか、鋭い指摘が出来る人はコンテキストを大量に保持して繋げられてるだけです。
なので繋げるのを諦めたらイノベーションは生まれません。成功の継続フェーズを続けるだけなら分解してってもいいですが、イノベーションを望むなら繋げることを諦めない!
マネジメントアップしていったら、解像度を下げないといけないとか、なんでも把握したがるのはやめないといけない、みたいな呪いはやめましょう。
わかりやすいものに逃げるな
海外のフレームワークや他社事例につられてしまうというのは、要するに
コンテキスト容量が少ないから
効率化しないと溢れてしまうのだけれど
自分で効率化するのがめんどうだから
よそで効率化されたものに引っ張られちゃう
ということです。厳しく書くと。
そしてこのループに入ると、コンテキスト容量が増えていかないのです。悪循環です。
要するに逃げているんです。サボりです。コスパ厨です。言い過ぎましたごめんなさい。でも誘惑に負けないでください。
海外のフレームワークや他社事例につられてしまうというのは、悪気があるわけではなく、単純にケイパビリティの問題です。
他人のコンテキスト力の高さをどう測っているか
烏滸がましい話ですが、書いておきます。
割とシンプルで、なんでそれをしたのかを聞いた時にちゃんと返せるかどうか。これだけです。なので10分も話せば大体わかります。
ちゃんとって何よって話ですが、受け売りじゃなくて自分の頭で考えたなということです。あってるあってないは割とどうでもいいです。むしろ、わからないことがわかっていた方が好印象ですね。
なんでそれをしたのかをうまく聞く質問集やテクニックはあるんですが、ここで公開はしません。いつか、面接質問リストを公開するのでその時にわかると思います。
時たま自分の頭で考えているんだけど、それをうまく伝えられない人もいるんですが、それと考えられていない人の判別もできます。
コンテキスト力のある人は性格悪く見えがち
コンテキスト力のある人は、ある意味性格が悪いです。疑うが常日頃から身についているので、批判的な人に見えることもあるでしょう。成熟したコンテキスト力の高い人は性格の悪さをうまく隠しています。もしくは力こそパワーで切り抜けている。
そしてコンテキスト力の発達段階においては、「批判的な割にはたいして説得力のない状態」が生まれることもあるかもしれません。
ここでいう説得力はロジックや内容の話だけではなく、実績や行動も含めた話です。
「批判的な割にはたいして説得力のない状態」は、害悪なんですがなんとかその状態はうまいこと乗り越えたい。発達段階の中で一定必要なものだと思っています。
自分自身への理解の向上とか、周囲の理解とか、そういうものの組み合わせで乗り越えていくしかないのですがこれが難しい。
優秀なリーダーになる素質のある人が、途中で脱落してしまう典型例が「批判的な割にはたいして説得力のない状態」でおかしな矯正をされてしまったり、「批判的な割にはたいして説得力のない状態」ゆえに期待されず、任されずに日の目を浴びないことにあると思っています。僕の仮説です。
ブリリアントジャークとか言われて片付けられてしまうケース、あると思います。
この山を乗り越えるのに必要なのは周囲の愛なんですが、愛が獲得できるかどうかには愛嬌があるかどうかなど生まれ持った(ように見える)パラメーターや、理解のある上司がいるかなどの運要素が絡んできます。
余談ですし烏滸がましい話ですが、僕は「批判的な割にはたいして説得力がない状態」を乗り越える手助けがしたいと思って発信活動をしています。
なんとか広く色々な人に再現性を持って「批判的な割にはたいして説得力のない状態」を抜けて欲しいのです。
別件ですが横道さんがプロダクトマネージャーの成長機会に関するアンケートを取ってます!任せる側のアンケートなので回答者限られてしまいますがぜひ!集まれば集まるほど育成に関して知見が溜まるはず。
僕は普段の発言から事業とかプロダクトがファーストで育成はただの手段みたいなキャラだと誤解されてる節がありますが、育成とかピープルマネジメントがファーストです!でも育成本気でやるなら事業を成功させるしかないのよ。だって事業成功した時に人は1番成長するんだから。
と言うことで育成やピープルマネジメントがファーストな僕からも回答お願いします。
一つ注意事項として述べておくと、出てきたレポートをみて、その内容をそのまま使って成長する人しない人を判断する人!あなたコンテキスト力激弱ですよ!出てきたレポートを見て一緒に考えましょうね。
要するに自分の頭で考えることをサボるなということ
自分の頭で考え続けて、自分の言葉で伝える。これが大事です。
1年間note書いてきましたけど、僕はほとんどこれしか言ってないです。一本槍な人間です。
優秀な人を見た時の表現として、「コンテキスト力が高いね!」をぜひ使ってください。
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まだまだ募集してます。
