見出し画像

星5つ|毎週ショートショートnote|迎え火オペラ

あの世の住人にとって、お盆の楽しみといえば、
「迎え火オペラ」だ。

現世の家々で迎え火が焚かれると、
その家で一年間に起きた出来事が、
歌と芝居になって舞台に浮かび上がる。

その家のご先祖様には、プレミアム招待席。
それ以外の死者も、チケットを買えば観劇できる。

私は死んでからというもの、
毎年、この時期を楽しみにしている。

今年の一番人気はN家。

公演前から
「娘が婚約者を連れてくるらしい」
「父親がかなり頑固だぞ」と噂が飛び交い、
チケットは即日完売だった。

幕が上がるや、父親の重低音。
「娘はやらーーーん!」

対する娘のソプラノ。
「もう決めたのよーーー!」

母親まで加わり、三重唱は最高潮。
客席から盛大な拍手が起こった。

続いて、F家では、へそくり発覚をめぐる夫婦の二重唱。
S家では、脱サラ宣言した長男を囲む家族総出の大合唱。

今年も名作ぞろいだった。

帰り際、私はレビューサイトにこう書きこんだ。

★★★★★
嫁と姑、今年ついに同居開始。続編に期待。


(410字)

『星5つ(一般席 編)』(了)

 



【お知らせ】

この後、別のショートショートをもう1本掲載しています。
 


田原にかさんの「毎週ショートショートnote」
26回目の投稿です。

今週のお題は、
「迎え火オペラ」でした。

お盆に、ご先祖様の霊をお迎えするのが「迎え火」。

じゃあ、「迎え火オペラ」って、何なのでしょう?

帰ってきたご先祖様がオペラに出演する?

迎え火の前でオペラ(ケーキ)を食べる?

オペラケーキ

もちろん、それでもいいんですが、
(むしろ、それでいいです笑)

ここでは、あの世から見たパターン。
迎え火を背景に、
オペラが浮かび上がっている様子を描いてみました。

それでは、2本目。

1本目と同じ主人公のお話です。
 


『星5つ(招待席 編)』

今年の「迎え火オペラ」の締めくくりとして、
最後に、自分の家に向かった。

私は、この家の先祖なので、
席はもちろん、プレミアム招待席だ。

一般客は、そう多くない。

幕が上がった。

息子夫婦が険しい顔で向かい合っている。

「来たぞ、夫婦喧嘩だ!」
「この雰囲気。不倫発覚か?」

周囲の客がざわめく。

「エアコンは28度って決めたでしょ!」
「暑いんだから27度でいいだろ!」

客席からため息が漏れた。

場面が変わり、孫が泣きながら駆け込んでくる。

「学校で何かあったな」
「ここで事故なら劇的な展開だ!」

「アイス落としたぁ」

何人かが席を立った。

次は息子が封筒を手に、深刻そうな顔をしている。

「借金の督促だ」
「病気の知らせかも」

「来年は、町内会のゴミ当番か……」

一般席は、ほとんど空になった。

最後は、家族全員で食卓を囲み、
くだらない話で笑い合っている場面で終了。

静かに幕が下りる。

私は、力いっぱい拍手した。

★★★★★
今年も、つまらなくて、本当に良かった。


(410字)

『星5つ(招待席 編)』(了)

 


――いかがでしたでしょうか?

一般席で見る、よその家族。
招待席で見る、自分の家族。

それぞれ、楽しみ方や受け取り方が違うんですね。

あの世の名物「迎え火オペラ」。
ご先祖様に楽しんでほしいと思います✨
 


<豪華なおまけ>

今回は、「迎え火オペラ」からの連想――

有名オペラ(一部、ミュージカル)の名場面を、
きのころ事務所のタレント出演でお届けします。

自分で言うのも何ですが、
メンバー全員、すっごく、映えてます!

おまけを越えたクオリティーに仕上がりました。
豪華なおまけです(笑)

じっくり、お楽しみくださいね!
  


『カルメン』ビゼー

(モデル:アッコちゃん)

第2幕、リラス・パスティアの酒場。
カルメンが歌い踊るシーンです。フラメンコのイメージで。
 


『アイーダ』ヴェルディ

(モデル:キューティーセラミー)

第3幕、ナイル河畔の「おお、わが故郷(O patria mia)」。
アイーダがラダメスを待ちながら、故郷を思って歌う場面です。
 


『蝶々夫人』プッチーニ

(モデル:フチころ)

第2幕「花の二重唱」。蝶々さんとスズキが庭の花を摘み、
家中を花で飾って、ピンカートンを待つ場面です。
 


『魔笛』モーツァルト

(モデル:チューニー)

第1幕。夜の女王、登場シーンです。原作とは違いますが、
魔法で、笛や月を作り出しています。
 


『ヘンゼルとグレーテル』フンパーディンク

(モデル:ラッカス・シスターズ)

グリム童話を元にしたメルヘン・オペラ。
第3幕「お菓子の家」です。ここでは、兄妹ではなく姉妹。
 


『ワルキューレ』ワーグナー

(モデル:カウガール・セラミー)

第3幕冒頭「ワルキューレの騎行」。
ワルキューレ(北欧神話の女戦士)たちが岩山に集結し、
倒れた英雄たちを戦場からヴァルハラへ運ぶシーンです。
 


『オペラ座の怪人』アンドリュー・ロイド・ウェバー

(モデル:ミミミー&ハチミー)

これだけ、オペラではなく、ミュージカルです。
オペラがテーマなら、「オペラ座の怪人」は外せないですよね。
地下湖を小舟で進むシーン。ファントムは男装したミミミーです。
 


今回は、二本立て+豪華なおまけ画像でお届けしました。
楽しんでいただけたなら嬉しいです。

本日は以上です。
お読みいただきまして、ありがとうございました。

#迎え火オペラ
#毎週ショートショートnote





たくさんのnoteの中から、私の記事を見つけて読んでいただき、
ありがとうございました。
「なんかいいかも」と感じていただけたら、
スキやフォローで合図を送ってもらえると、とても励みになります。
どうぞ、よろしくお願いします。


いいなと思ったら応援しよう!