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鳥料理好きが、鳥料理だらけのフードコートを本気で考えてみた~トリニーランド2

この話はフィクションです。
実在のあれこれとは関係ありません。

#なんのはなしですか

ここは、とあるエンタメ企画会社の一室。

きのころと、一人の男が向かい合って座っていた。
男の名前は鳥好とりはお

鳥好がこう切り出した。

「前回のプレゼンでは、鳥好きのための楽園、
 トリニーランドの概要をお伝えしました」

きのころは驚いた。

「概要!?
 あれ、概要だったんですか?」

「はい。概要です。
 まだ、お伝えできていない部分がたくさんあります」

「なにそれすごい」

「今日は、その中でも、
 前回、あえて触れなかったエリアをご紹介します」

「それは……?」(ゴクリ)

「一般解放しない。
 園内マップにも載せない。
 会員制の、シークレットエリアです」

「ああ、『トリトバー』……」

鳥好がきのころをさえぎる。

「トリニーランドは、鳥好きのための楽園です。
 この話題は慎重に進めなければなりません」

「はい」(ゴクリ)

「たとえば、仮に『きのこランド』があったとして、
 そこに、きのこを食べるエリアがあったところで、
 誰も、なんとも思いません」

「むしろ、当たり前ですよね」

「これが、鳥となると、
 ちょっと厄介です」

「たしかに。
 鳥好きの中には、鳥料理と聞いて、
 眉をひそめる人もいるでしょうね」

「飼っている鳥には聞かれたくない。
 そんな話題かもしれません」

「わかる気がします」

鳥好は、少し口をつぐんだ。
そして、こう言った。

「さかなクンっていうタレントがいますよね」

「はい。魚が大好きな……」

「魚を描く。魚を語る。魚の魅力を伝える。
 魚好きの代表、魚教の伝道師みたいな人です」

「魚教はともかく、
 まあ、そうですね」

「でも、魚を食べることも否定していない」

「たしかに」

「そこ、不思議じゃないですか?」

「言われてみれば、そうかもしれません。
 でも、あまり違和感はないですね」

「それは、魚が好き、という言葉の中に、
 見る、学ぶ、描く、守るだけでなく、
 『食文化として向き合うこと』も
 含まれているからだと思うんです」

「魚を、かわいいだけの存在として見ていない、
 ということですね」

「はい。海で生きる命としても、
 人間の暮らしを支えてきた存在としても見ている」

「なるほど」

「では、鳥はどうでしょう」

「……鳥も同じだと」

「トリニーランドでは、鳥を見る。鳥を聞く。
 鳥を撮る。鳥を学ぶ。鳥の眼で空を飛ぶ。
 鳥の巣を作る。鳥グッズを買う」

「前回、かなり聞きました」

「でも、鳥と人間の関係は、それだけではありません」

「人間は、鳥を食べてきましたよね」

「鳥を食べることを禁じる宗教は、あまり聞きません」

「牛や豚を食べるのを厳格に禁じる宗教はあるのに」

「鳥と人間の関係は、それほどに深いのです」

「わかります」

「トリニーランドには、
 鳥と人間の関係を、
 『食文化』の観点から考える場所が必要です」

「なるほど、それが『トリトバー』——」

「ただし、園内マップには載っていません」

「会員制の隠しエリアなんですね」

「鳥を愛し、鳥に生かされる場所です」


トリトバーへの招待

もちろん、思想だけではお腹は満たされない。
トリトバーは、理念と食欲の両方に本気である。

トリトバーの入口は、園内の奥まった場所にある。
入口には、派手な看板はない。

入口のドアを開けて、地下への階段を降りる。
階段の壁面には、鳥の骨格図や古い食文化の資料、
鳥と人間の関係を示す短い言葉が飾られている。

階段を降りた通路の先にあるドアには、
こんな言葉が掲げられている。

――鳥を愛し、鳥に生かされる


そのドアの向こうが 「トリトバー」 である。

名前に「バー」とついているが、一軒の店ではない。
「バー」ですらない。

トリトバーは、それ自体が、
鳥料理の可能性を一か所に集めた、
食のテーマパークだ。

イメージとしては、
巨大な「鳥料理食べ歩きエリア」が近い。

鳥料理に全振りしたフードコートといってもよい。

焼き鳥も食べたい。
唐揚げも捨てがたい。
親子丼も気になる。
水炊きも外せない。
タンドリーチキンもいい。
ターキーレッグも食べてみたい。
そして、コンビニのレジ横のチキンも食べ比べたい。

そんな、「あれもこれも食べたい」欲望に正面から応える場所
それがトリトバーである。

場内には、炭火の香りが漂う焼き鳥の通りがあり、
揚げ物の熱気に満ちた横丁があり、
日本各地の郷土料理や世界の鳥料理を楽しめる区画が並ぶ。

軽く一品つまみたい人も、
しっかり食事をしたい人も、
何人かでシェアしながら食べ歩きたい人も、
それぞれの楽しみ方ができる。

ここからは、各エリアについて、
参考画像を交えて紹介していく。

食い足りない部分は、脳内で補ってほしい。


焼き鳥ストリート

トリトバーの中心を貫くメインストリート。

炭火の香りに誘われて進んでいくと、
ねぎま、もも、皮、砂肝、レバー、ハツ、
つくね、ぼんじり、ささみ、手羽先など、
王道の焼き鳥がずらりと並ぶ。

一本ずつ気軽に注文できる店もあれば、
五本盛りや十本盛りを出す店もある。

塩、たれ、柚子胡椒、山椒、わさびなど、味の幅も広い。

全国チェーンを思わせる親しみやすい店もあれば、
地方発の名店をイメージした店もあり、
炭火へのこだわり、つくねへのこだわり、
手羽先へのこだわりが、それぞれ違う方向に暴走している。

トリトバーを初めて訪れた人の多くは、
まず、ここで立ち止まる。

そして「とりあえず一本だけ」のつもりが、
これ以上、先に進めなくなっている。


揚げ物横丁

ここには、鶏の唐揚げ、竜田揚げ、チキン南蛮、
鶏天、フライドチキン、チキンカツなど、
あらゆる「揚げ鳥」が集まっている。

一口に唐揚げと言っても、にんにく醤油の王道タイプ、
塩味ベースの軽いタイプ、スパイスを効かせたパンチ系など、
店ごとに個性が違う。

チキン南蛮も、
甘酢の強さやタルタルの濃厚さに各店の哲学があり、
食べ比べを始めると終わりが見えない。

サクッと軽めにいきたい人も、
本気で白ごはんが欲しくなる人も満足できる。

トリトバーの中でも、
揚げ物好きの理性を試す、危険な一帯である。


この横丁の一角には、
コンビニやファストフードのチキンを集めた、
名作チキンスナック食べ比べエリア も用意されている。

ロー◯ンのから◯げクン、
ケン◯ッキーフライドチキンのチキンバー◯ル、
マク◯ナルドのマ◯クチキンナゲット、
ファ◯リーマートのファ◯チキ、
モ◯バーガーのモ◯チキン。

これらのチキンたちを、一か所で食べ比べてみたい。

そんな夢を、トリトバーはかなり本気で受け止めている。

ただし、ここで扱う実在ブランドや有名商品名は、
あくまでイメージである。

鳥料理への敬意と、権利関係への敬意は、
両立しなければならない。


世界の鳥料理ゾーン

「鳥料理」は日本だけのものではない。

世界のあちこちで、
鳥は暮らしを支える定番食材であり、
地域ごとに多様な料理へと姿を変えてきた。

このゾーンでは、洋食や中華をはじめ、
タンドリーチキン、チキンティッカ、
海南チキンライス、フォー・ガー、
バッファローチキン、ジャークチキンなど、
国も調理法も異なる鳥料理が一堂に会する。

気がつけば、鳥料理で世界一周している。
それがトリトバーである。

【中華ゾーン】

【洋食ゾーン】

<ハニーマスタードチキン>

「はちみつマシマシ・スペシャル~!」
 (モデル:ハチミー)


【日本の郷土料理ゾーン】

世界だけではない。
日本全国に、地方色豊かな鳥料理は存在する。

さながら、鳥料理に全振りした物産展。

それが、日本の郷土料理ゾーンである。

ここでは、例として、
「四国鳥料理めぐり」のイメージを掲載する。

阿波尾鶏あわおどりの炭火焼き>

「この黒き炎に焼かれし漆黒の翼。
 白ごはんを召喚する必要があるな」
 (モデル:チューニー)


たまご茶屋

鳥料理を語るなら、卵料理もまた外せない。
そこで設けられたのが、この たまご茶屋 である。

ここには、だし巻き卵、オムレツ、茶碗蒸し、
おでんの玉子、温泉たまご、味玉など、
卵を軸にした料理が揃っている。

ふわふわ、ぷるぷる、とろとろ。

同じ卵でも、調理法によって印象がまるで違う。

子どもから大人まで親しみやすく、
全体の中でやさしい休憩ポイントにもなっている。

カフェきのころも、そのとなりに出店する。


鳥鍋テラス

にぎやかな屋台や横丁が続くトリトバーの中で、
少し腰を落ち着けて食事をしたい人に人気なのが
鳥鍋テラス である。

水炊き、鶏すき、鶏だんご鍋、参鶏湯風スープ、
鶏もつ煮など、煮込みや鍋料理を中心にした区画で、
温かい湯気とゆったりした席が特徴だ。

串を片手に歩き回る楽しさとは別に、
しみじみと鳥のうまみを味わえる。

<女子会での利用にもぴったり!>

(モデル:
 キューティーセラミー、宮廷キューテーセラミー、
 キューティクルセラミー、キューピーセラミー、
 競艇キョーテーセラミー)


とりめし食堂街

食べ歩きだけでは終われない。
最後には、ちゃんと締めのご飯が欲しくなる。

そんな人のためにあるのが、とりめし食堂街 である。

親子丼、焼き鳥丼、鶏そぼろ丼、鶏飯、
かしわ飯、チキンライス、鶏雑炊など、
鳥を主役にしたご飯ものが集まっている。

がっつり食べたい人にも、
締めとして軽めに食べたい人にも対応できる、
懐の深いエリアだ。

土地ごとのとりめし文化を食べ比べられるのも魅力で、
郷土料理の楽しさが自然に入ってくる。


食べ放題サービス

そして、トリトバーをただのフードエリアで終わらせない最大の仕掛けが、食べ放題サービス である。

これは特定のホールや一店舗だけで実施されているのではない。
トリトバー全体を対象にした回遊型サービス で、
すべての料理を、時間内で自由に巡りながら楽しめる。

焼き鳥ストリートで数本つまみ、
揚げ物横丁で揚げ物を攻め、
世界の鳥料理ゾーンで一気に国境を越え、
たまご茶屋でひと息つき、
最後にとりめし食堂街で締める。

そんな夢のような巡回が、公式に推奨されているのだ。

食べ放題サービスの名前は、トリトバー・フライトパス

渡り鳥のように、エリアからエリアへ移動しながら食べる。

一日で全制覇しようとするのは危険である。
しかし、誰もが挑戦したくなる。

トリトバーは、鳥料理に対する欲望を、
きわめて誠実に肯定してくれる場所なのである。


ここまでのプレゼンを終えた鳥好が言う。

「きのころさん、いかがでしたか?」

「ここ、普通に名店街じゃないですか」

「隠しエリアです」

「隠せる規模じゃない」

「掴まれましたか?」

「もう、帰りたくありません」

「そうでしょう、そうでしょう。
 トリトバーには、年間フライトパスも用意します」

「もう、一年中、食べ放題?」

「はい」

「鳥料理だけ!?」

「はい」

「餅やチョコが食べたくなったら、どうするんですか?」

「そのときは、ウーバーイーツで注文できます」

「なら、安心ですね!」(ニッコリ)


トリニーランドには、
「ここに泊まりたい」というニーズに応える
宿泊エリアはもちろん、

「ここに住みたい」というニーズにも対応できるよう
居住エリアも設けられている。

鳥巣民とりすみんヴィレッジ」である。

ここでは、用意されている住居の一例をお見せする。


ツバメ・ウォールネスト(集合住宅)

アナホリフクロウ・ハイツ

キツツキ・ツリーハウス

トリニーランドで遊び、
トリトバーでお腹を満たし、
鳥巣民とりすみんヴィレッジで休息をとる。

トリニーランドは、鳥好きの夢を、
すべて叶える楽園なのである。

いや、「巣」なのである。

#なんのはなしですか

 


本日は以上です。
お読みいただきまして、ありがとうございました。
 

<続編>

 
<前作>




たくさんのnoteの中から、私の記事を見つけて読んでいただき、
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