"地球文明"の夜明け ~ 地球主義が拓く新世紀
この記事は、人類の未来について、私のこれまでの考え方を集大成したエッセイです。
長文ですが、よろしければ時間のある時に、ゆっくりご覧いただけると幸いです。
プロローグ
昨年、2025年は、ウクライナやガザなど、各地で戦争や紛争が絶えず、気候変動が猛威を増し、感染症や飢餓が多くの子どもたちの命を奪い、自由を求める運動が抑圧され、分断と格差が広がり、人々が互いに憎しみ合う、混乱と混迷の世界になりました。
今年は、新年早々、アメリカのトランプ大統領が軍事力を用いてベネズエラのマドゥーロ大統領を拘束し、強制的に裁判にかけるという暴挙に出ました。
トランプ大統領の関心は、グリーンランドを含む戦略的地域や資源にまで及び、その行動は、20世紀の独裁体制がたどった道を想起させる危うさをはらんでいます。
近年、欧米諸国で顕著になりつつあるポピュリズムや、移民排斥の動きに象徴される右傾化が、この日本でも進んでいると感じる人はけっして少なくないでしょう。
そんななかで、高市総理は国民の信を問うとして、電撃的に衆議院を解散しました。
今回の衆議院選挙は、これまで以上に、これからのこの国の形と、近隣諸国との関係を占う、重要な試金石となるのではないでしょうか。
「このまま右傾化が進めば、日本は再び戦争という過ちを繰り返すことになるかもしれない」
「このまま分断と対立が深まれば、世界は本当に第3次世界大戦に突入するかもしれない」
「このまま気候変動と生態系の破壊が進めば、人類は本当に絶滅するかもしれない」
そんな恐怖に駆られるのは、私一人でしょうか。
まさに、ここ数年の私たちの行動が、人類の未来を分けると言っても過言ではないと、私は思います。
よく20世紀は、"戦争の世紀"だったと言われますが、21世紀は歴史にどう刻まれることになるのでしょうか。
すでに四半世紀が過ぎた今、はたして私たち人類は、この21世紀を、絶望と破滅ではなく、"希望と共存の世紀"に変えることができるのでしょうか。
武力と暴力がまかり通る今だからこそ、私たちはこれまでの社会のあり方を根本から問い直し、どうしたら平和で持続可能な世界を築くことができるのかを、真剣に議論しなければなりません。
このままでは恐らく、私たちに残された時間は、余り多くはないでしょう。
それゆえ私は、来るべき新世紀への羅針盤を、"地球文明"という新たな理念に求めたいと思います。
第1章 "地球文明"とはなにか
地球文明とは、人類が地球を一つの共同体とみなし、国家・人種・民族・宗教・文化・イデオロギーの違いを超えて協力し合い、地球の生態系との共存をめざす、平和で持続可能な、新たな人類文明のあり方です。
こうした地球文明の夜明けを迎えるために、私たち人類はこれまでの近代文明のあり方を根本から見直し、
□ 国家中心から地球共同体へ
□ 軍事安全保障から非軍事的安全保障へ
□ 経済成長至上主義から持続可能な社会経済へ
と、これまでの人間中心の世界観を、生態系を中心とする地球主義(Earthism)の世界観に転換させることが必要です。
第2章 地球主義の世界観
地球主義は、以下の世界観の実現を通して、新たな地球文明の創出をめざします。
1 生態系と地球環境の再生
人類が地球の生態系と共存できるよう、地球沸騰化を克服し、生態系を保全し、地球環境の再生をめざします。
2 完全平和
力による平和ではなく、信頼と対話を通じて世界の紛争解決を図る、完全平和主義をめざします。
3 公正で持続可能な社会
大量生産、大量消費、大量廃棄をもたらす経済成長至上主義を廃し、格差是正を進め、生態系と共存できる、公正で持続可能な社会経済システムの確立をめざします。
第3章 地球主義の方法論
人類を来るべき地球文明へと導くために、地球主義は以下の方法論を重視します。
□ パートナーシップ
市民、企業、地方自治体、国家、国際機関が、地球共同体の構成員として互いに連携し、協力するパートナーシップを重視します。
□ 補完性の原理
身近な地域の課題はその地域で解決し、より広範な課題は国家機関が、さらに広範な地球規模の課題は国際機関が、互いに連携し、補完し合いながら解決する、補完性の原理を重視します。
□ 多様性と包摂性
異なる文化や習慣、人種、民族、ジェンダーの多様なあり方、思想やイデオロギーの違いを尊重し合い、共に生きるための多様性と包摂性を重視します。
□ 自由と民主主義
人類が長い苦難の歴史を経て獲得した自由と民主主義を、これからも人類の普遍的な価値として重視します。
□ 公正性と公平性
すべての人が、能力に応じて負担し、必要に応じて分配を受けることができる、公正性と公平性を重視します。
第4章 地球市民の役割
地球文明の担い手として、私たち地球市民が果たすべき役割は、国家機関や国際機関にも増して重要です。
1 日常生活での環境行動
□ 地球沸騰化を抑制し、地球環境を再生させるため、市民一人ひとりがゴミを減らす3R(リデュース、リユース、リサイクル)に率先して取り組むことが重要です。
それは、なにも大げさなことではありません。
日本人が昔から持っている「もったいない」精神を発揮して、日常生活のなかで、
・節電や節水に心がけたり、
・無駄な買い物や食品ロスを減らしたり、
・ゴミの分別に協力したり、
・食べ過ぎに気をつけたり、
・マイバッグを持ち歩いたりするだけで、
社会全体では大きな効果をもたらすことができます。
この他にも、楽しみながらできる、自分なりの活動を見つけてはいかがでしょうか。
□ 商品やサービスを購入する際は、単に安いだけではなく、環境への配慮や持続可能性、社会貢献度の高さに重点を置くことも重要です。
□ 身近な生態系を守るため、市民一人ひとりが、できる範囲で、楽しみながら、植樹や家庭菜園、地域の清掃活動や緑化運動などの環境保護活動に参加することも、地球全体の生態系を守る大きな運動につながります。
2 平和への意思表示
戦争は指導者が起こすのではなく、戦争を支持する市民の意志が集約された時に始まります。
戦争を起こさないためには、私たち一人ひとりが、機会あるごとに、戦争反対の意思表示をすることが重要です。
近隣諸国の脅威を声高に叫び、敵愾心と愛国心を煽り、戦意高揚を訴え、軍備拡張を正当化しようとする政治家に、私たち有権者がはっきりとNo!を突きつけることが、戦争への道を絶つ最も強力な手段となります。
3 社会貢献活動
□ 地域コミュニティの一員として、市民一人ひとりが、それぞれの興味に応じて、できる範囲で、楽しみながら、地域活動やボランティア、NPOなどの社会貢献活動に参加することが重要です。
□ こうした活動以外にも、地域コミュニティの一員として、隣人と挨拶を交わし、隣人を気遣い、できる範囲で互いに助け合う気持ちを持つことも、立派な社会貢献活動と言えるのではないでしょうか。
4 多文化共生
外国人労働者は大切なパートナーです。
外国人労働者は単なる労働力ではありません。一人ひとりが様々な国の多様な文化を担う国際市民であり、互いにかけがえのない大切なパートナーなのです。
私たちは、地球市民の構成員として、地域で働く外国人労働者や外国籍市民を支援し、互いの文化や生活習慣の違いを理解し、尊重しながら、共に生きる多文化共生の社会を築くことが重要です。
偏狭なナショナリズムで他者を排除することは、けっして自国の利益につながらないばかりか、他国に不信感と憎悪を植え付け、日本の孤立化を招き、日本人が海外で活躍することさえ難しくさせます。
食料でさえ他国の協力なしには手に入れることもできない、密接な相互依存関係にある今の世界では、世界中の人々と友好関係を維持することなしに、世界のどの国の国民も生きることは難しいでしょう。
第5章 中央集権から地域主権へ
これからさらに深刻化する少子高齢化に対応し、身近な地域の課題はその地域内で解決できるようにすることが重要です。
このため、補完性の原理にしたがって、国から自治体へ、これまで以上に大幅な権限と財源を移譲し、地方自治を最大限に充実させることが必要です。
さらに、地域格差を解消し、全国どこでも一定の住民サービスが受けられるよう、福祉や医療、介護などのシビルミニマム(最低限保障すべき公共的な生活基盤)や公共インフラの維持管理を充実させることも重要です。
また、地域の特性を生かし、その地域ならではの施策を展開することで、住民が「おらがふるさと」を自慢できるように、個性豊かな地域づくりを進めることも重要です。
地方自治体がこうした施策を実行するためには、この国の形を明治以来の中央集権国家から地域主権国家に変えるという、まさに明治維新にも匹敵するような大胆な地方制度改革が必要です。
そのため、現行の都道府県制度を廃止し、都道府県の持つ権限、財源、人員をすべて市町村に移すとともに、市町村が自律的に施策を実行するのに必要な権限と財源を、国から市町村に大幅に移譲することが必要です。
その受け皿となる基礎自治体の行政執行能力を強化するため、市町村の統廃合を進め、市町村の規模を人口30万人から50万人程度に再編することが必要です。
その際、特に過疎化が進んだ地域では、分散している集落を中心市街地に集約化することも必要となるでしょう。
第6章 地域主権における国家の役割
地域主権における国家の役割はこれまでより限定的となります。
補完性の原理により、国の権限の多くを地方自治体と国際機関に移管することで、国家の役割は大幅に縮小されなければなりません。
国は国内施策の大部分を地方自治体に任せることで、その役割を、
・平和を維持し
・地方自治を支え
・シビルミニマムを充実させ
・地震や異常気象などの大規模災害に備え
・市場経済の安定を図るなど
国民の安心・安全を確保するために最低限必要な内政と、安全保障のための外交に限定する必要があります。
今後、国の役割が縮小するにつれて、国家機関で働く職員の多くは、優秀なスタッフとして、地方自治体や様々な国際機関で活躍することになるでしょう。
1 戦争放棄
国民の安心・安全の確保は、ひとえに、いかにして戦争を回避し、平和を維持することができるかにかかっています。
これまでのように、隣国への不信感と恐怖心から軍事力を増強すればするほど、隣国も同様に不信感と恐怖心を募らせ、ますます軍備を増強するだけです。
軍事力に頼る安全保障政策は、かえって戦争を招きかねない危険な道であり、それがいかに悲惨な結果をもたらすかは、80年前に、私たち日本人は身をもって経験しているはずです。
今再び、力ずくで自国の利益を押し通そうとする国が増えているこの時代だからこそ、戦争放棄、戦力不保持、交戦権の否認という平和憲法を有する日本の役割がますます重要になっています。
武力によらず、日本ができる平和のための国際貢献は、けっして少なくはありません。
また、平和憲法の理念を世界に広め、戦争放棄を各国に呼び掛けるとともに、率先して軍事力を削減することが重要です。
このため、世界に先駆け、自衛隊を徐々に、国内外の災害支援や人道支援のために派遣する「戦争をしない組織」に変えていくことが必要です。
2 食料安全保障
武力によらない、日本ができる平和のための国際貢献の一環として、今後、近隣諸国との協力のもと、食料安全保障を強化することが重要となります。
昨今、気候変動がますます脅威を増すなかで、世界各地で大規模な干ばつや水害が発生し、世界の食料生産は深刻な危機に直面しています。(注1)
また、地球沸騰化による海水温の上昇は、海の生態系にも深刻な影響を与え、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の特別報告では、気候変動により沿岸小規模漁業の収穫量は2050年までに最大で約20%、2100年までに最大で約50%減少する可能性があると示唆されています。(注2)
そうしたなかで、先進国は競って食料資源の確保に乗りだし、先進国の飽食と最貧国の飢餓が同時に進行するという矛盾に満ちた世界が現出しています。
こうした事態は、大規模な紛争や戦争の原因にもなりかねません。
今、食料の大部分を輸入に頼る日本だからこそ、武器ではなく、農業と食料を平和のための手段とする、食料安全保障政策を積極的に推進すべきです。
そのため、『実りの平和外交』といった新たな取り組みが重要になります。
それは、農業・食料・水・種子・生態系の共有を通じて、国家間の信頼と協力関係を築き、軍事に頼らず、持続可能な平和を実現する新しい外交方針です。
それは、日本がこれまで培ってきた農業技術・災害対応力・地域協力の実績を生かし、
「農」で国際社会とつながる平和な未来を描くものです。
『実りの平和外交』は、先進的な農業と、世界に誇るべき平和憲法を合わせ持つ日本だからこそできる“平和のための国際貢献”です。
まずは、日本・ASEAN・韓国・中国などの近隣諸国と、食料備蓄・支援のための相互協力協定を締結し、アジア地域の農業安全保障ネットワークを構築することが重要です。
3 持続可能な経済社会への転換
1972年に、ローマ・クラブの『成長の限界(The Limits to Growth)』が公表され、「無限の経済成長は有限な地球では不可能」という警告が出されてからすでに半世紀が経ちました。
このローマ・クラブの警告を「本質的に正しかった」と見る科学者は多く、その数は1972年当時より、むしろ今の方が圧倒的に多いのです。(注3)
しかし、この間、世界は警告を無視し続け、世界の実質GDPは、1970年代と比べて約4倍も増加しました。(注4)
資本主義というシステムは、近代以降、欲望というもっとも強力なエンジンで経済を爆発的に発展させてきました。
しかし、今、人類は有限な地球という越えることのできない限界に直面しています。気候変動がもたらした、激甚化する一方の自然災害は、人類の生存そのものを危うくしています。
人類は一刻も早く、現在の大量生産、大量消費、大量廃棄の浪費型経済から、生態系と調和する高品質、少量生産の循環型経済へと転換させることが必要です。
そのためには、経済成長至上主義を廃し、競争より協調を重視する社会経済システムへと、大きく舵を切る必要があります。
これまで人間は、経済というパイを、できるだけ大きくすることで豊かになろうとしてきました。パイを大きくすれば、みんなの取り分が増えて、みんなが幸せになれると、そう信じて、世界中で必死にもっともっととパイを作り続けてきました。
その結果、たしかにパイは大きくなりました。ところが、そのパイの大部分はごく一部の豊かな人間に取られてしまい、その他大勢の人々の取り分は期待したほど増えなかったのです。
パイが大きくなれば、その富が上から下に落ちるトリクルダウンによって、みんなが豊かになれるなどという、新自由主義の理論が幻想にすぎなかったことを、多くの人々が身をもって知ったはずです。
それでもまだ、懲りずにパイを大きくしようとする指導者が減らないばかりか、ますます多くの人がその幻想を信じて疑いません。
今回の衆議院選挙では、さらなる経済成長をめざす公約のオンパレードです。
しかし、現実はこのままでは、パイを大きくするどころか、パイを作りつづけることすら困難になりつつあります。
これからは、パイを大きくするのではなく、小さくても美味しいパイをいつまでも作り続けることができるようにしなければなりません。
幸いなことに、AIやロボットなどの科学技術をうまく使えば、人間は、これまでのように苦労して、必死にもっともっとと大きなパイを作るのではなく、これまでと同じ大きさでも、もっと短時間で、もっと楽に、もっと美味しいパイを作ることができるようになるでしょう。
そして、なによりも大切なのは、そのパイをこれまでのように、だれかがひとり占めするのではなく、みんなで仲良く分け合い、楽しく食べることができるようにすることです。
さらに、AIやロボットが作り出した時間と利益を社会全体で共有する仕組みを工夫すれば、その余った時間を、みんなで趣味やスポーツやボランティアなど、他の楽しみに回すこともできるはずです。
今、経済の仕組みをそのように
変えていかなければ、やがて誰も美味しいパイを作ることも、食べることもできなくなってしまうでしょう。
ローマ・クラブはそれを、半世紀も前に警告していたのです。
では、経済成長至上主義を廃し、競争より協調を重視する社会経済システムへと転換し、経済の果実を社会の全ての構成員が公平に享受できるようにするためには、具体的にどうすればよいのでしょうか。
それには、以下のような政策を実行する必要があります。
一つ目は、企業を価格競争ではなく、環境性能や持続可能性を高める質的競争へと誘導する政策です。
たとえば、
・持続可能性を促進する企業に対するインセンティブ(奨励)課税と、非協力企業に対するペナルティ(罰則)課税の導入
・投棄マネーへの課税の強化
・SDGs貢献度の高い企業の表彰とランク付け(SDGs賞)
などです。
二つ目は、分配の公正性・公平性を確保する政策です。
それは、
・所得と資産を合算する課税方式の導入
・所得税の累進性の強化
・国際機関と連携した、課税逃れ対策の強化
などです。
今、日本は、
「アメリカに次ぐ所得格差の大きい国で、トップ1%の高所得者に、全所得の45%が集中しており、その結果「家計の金融資産合計額」は、24年6月現在2214兆円」もあります。(注5)
一方、日本の「長期債務残高は、23年6月時点でGDPの2.58倍の1255兆円」に膨らんでおり、この先、深刻な財政破綻が危惧されています。
それゆえ、特に日本は、この膨大な金融資産をごく一部の富裕層ではなく、社会全体の福祉に還元し、所得格差を是正するとともに、様々な政策を実施するための恒久的な財源として確保することが急務になっています。
そのため、田村正勝氏が長年主張されてきた、「相続税・贈与税なしで10年間は転売できない無利子100年国債」(注5) の発行を、早急に実施すべきです。
この他にも、持続可能な経済社会に転換するために、やれること、やるべきことはたくさんあるはずです。(注6)
4 社会保障制度の再設計
人間は一人では生きられないことは明らかです。
今、自助努力という名のもとに、熾烈な生存競争が正当化され、他人を蹴落とし、勝ち組になることが称賛される、そんな歪んだ社会が生まれています。
その根底には、資本主義という経済システム、特に近年の新自由主義に基づく政策に、この行き過ぎた競争を促し、深刻な格差社会を生む要因があると言ってよいでしょう。
そのため、社会保障制度の再設計は、より大きな社会経済改革の一環として取り組む必要があります。
福祉は上からの恩恵ではありません。
社会のすべての構成員が、その能力に応じて作り出した富を、その必要に応じて受け取ることができるようにする社会システムの一環なのです。
自助努力の名のもとに、最低限の福祉すら受けられない社会になりつつある今こそ、この「能力に応じて、必要に応じて」という社会保障の原点に立ち返ることが必要です。
ただ、高福祉国家は重税国家でもあります。問題はいかにして、「能力に応じて負担し、必要に応じて受けとる」ことができる有効なしくみを作るかにあります。
「税と福祉の一体改革」はそのためにこそ行うべきであって、けっして福祉切り捨ての口実にしてはなりません。
それは、負担能力のある人に、今よりも多くを負担してもらい、必要がある人に、今よりも多くの福祉が届くようにすることです。
そのためには、現行の社会保障制度を、所得と資産に応じた、もっと公平な負担にすると同時に、年齢や、病気、障害の有無、出産、子育て、介護や看護、失業の有無など、その人の必要に応じて受けとることができる、充分なセーフティーネットのしくみに変えていくことが重要です。
第7章 地球主義における国際機関の役割
新しい地球文明を築くうえで、もっとも重要で、もっとも困難な課題は、どうしたら国家を超える実効性のある国際機関を作ることができるかにあります。
二度の世界大戦を経験した人類は、戦後間もない時期に、今度こそ平和な世界を作ろうと、理想に燃えて、これまでの国際連盟に代わる国際連合という新しい国際機関を設立しました。
しかし、残念ながら、その理想は未だ道半ばと言わざるを得ません。
アメリカのトランプ政権は、以前から進めていた世界保健機関(WHO)からの離脱に加えて、2026年1月に発表した大統領覚書で、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)や国連人口基金(UNFPA)などを含む31の国連機関と35の非国連の国際組織(計66機関)からの、参加停止や資金提供停止・脱退の方針を示しました。
さらに、ウクライナやガザの和平案に対して、アメリカやロシアが拒否権を行使するなど、国連は深刻な機能不全に陥りつつあります。
このまま機能不全が深刻化すれば、国連の存続さえ危ぶまれる可能性があります。
こうした状況のなかで、国連をより実効性のある国際機関に変えるためには、とてつもなく大きな障壁と想像を絶する困難を乗り越えなければなりません。
言うまでもなく、その最大の障壁は、常任理事国の持つ拒否権です。そのため、国連改革はなにをおいても、常任理事会の改革から始めなければなりません。
それなしには、国連の機能を強化しようとするどんな試みも、拒否権の前にあえなく頓挫してしまうでしょう。
常任理事国の拒否権を制限したうえで、国家レベルでは解決が困難な地球レベルの課題に対応するため、必要な範囲で、各国の権限を、国連を中心とする国際機関に委譲し、その機能を大幅に強化することが必要です。
核兵器や軍事力の拡大、国際紛争や世界大戦による人類絶滅の脅威、気候変動や パンデミック、生態系の破壊や生物の大量絶滅、マイクロプラスチックやさらに小さなナノプラスチックなどの廃棄物による環境汚染と健康被害、世界恐慌や経済格差、資源エネルギーの枯渇や食料危機、難民問題や人種差別、国境を超えた犯罪や資産隠し等々、
今、私たち人類が抱える問題は、ますます広域化し、深刻化しています。こうした問題は、各国が国の枠組みを超えて協力する以外に解決の道はありません。
ホモ・サピエンスとは、「賢い人」を意味します。
人類はその知恵で文明を築き、科学技術と経済を発達させ、生物種としてこれまでにない繁栄を謳歌する一方で、自ら絶滅の危機をも招き入れようとしています。
私たちホモ・サピエンスは、地球を壊せるほど賢くても、地球を守れるほど賢くなりきれていない存在なのです。
私たちは、私たちの代でホモ・サピエンスとしての歴史を終わらせないために、今こそ、その真の賢さを発揮し、人類の共通課題を解決できる強力な国際機関を作らなければなりません。
「われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる」
日本と世界は、この日本国憲法前文に掲げる理念を実行する責務があり、それこそが、これからの日本と世界を、破滅から救う唯一の道なのだと、私は信じます。
1 国連改革
国連をより強力な国際機関とするためには、現在の常任理事会を、より民主的で公正な意志決定機関に変えていくことが重要です。
そのためには、段階的に常任理事国の拒否権を制限し、最終的に廃止することが不可欠です。
しかし、それがどんなに困難なことかは、現在の国連の機能不全状態を見れば明らかですが、このまま手をこまねいていても、なにも改善しないことも明らかです。
第二次世界大戦の戦勝国が、戦後80年経った今でも、拒否権を通じて国連を支配し続ける構造を終わらせなければ、私たち人類は新しい時代を迎えることができません。
それができなければ、各国ばかりか、常任理事国の未来さえも危うくなるということを、なんとしてでも元戦勝国のリーダーたちにわからせなければなりません。
それを可能にするのは、各国の指導者たちによる不断の働きかけと、それを支持する全世界の市民の声です。
全世界の市民を敵に回して、なおも自国ファーストを貫くことができるような強力なリーダーなどどこにもいません。
世界中の市民が声を上げ、知恵を出し合えば、必ず解決策が見えてくるはずです。
たとえば、拒否権を行使した国のリーダーに対して、各国が共同でそのリーダーの資産凍結を行うというのはどうでしょう。
その他、拒否権の行使が常任理事国の利益を損ない、世界から信頼を失う最悪の選択であることを悟らせるあらゆる手段を、各国が共同して講じることができれば、事態は大きく変わるに違いありません。
もちろん、それが非軍事的手段でなければならないことは言うまでもありません。
そうした世界的な気運の高まりと、世界中の市民の支持を得ることができれば、国連は常任理事国の拒否権を廃止し、民主的で公正な新しい理事会を発足させることが可能となるでしょう。
2 核兵器の廃絶
この先人類がどこに向かうにしても、地球上から完全に核兵器を無くさない限り、私たち人類に未来はないでしょう。
核抑止論は恐怖の均衡論にしか過ぎません。
私たち人類は、互いの不信感と恐怖心に基づく、この危うい幻想をきっぱりと捨てて、心から安心できる、確固とした平和の基盤を作らなければなりません。
唯一の被曝国として、核廃絶にむけて果たすべき日本の役割は重大です。
日本は一刻も早く「核兵器禁止条約」に参加するとともに、各国と協力して、全ての核保有国に対して、核兵器の完全廃棄に向けた実効性のある計画を国連に提出するよう要求すべきです。
3 国際環境規制
平和と並んで国際機関が真っ先に取り組まなければならない課題は、地球環境の再生と気候変動対策です。
このため、国家の枠を超えて、各国にこれまでよりも厳しい国際環境規制を義務づけることは、もっとも優先されるべき課題です。
さらに、各国と協力して、多国籍企業に対して、
・国境を超えたゼロエミッション(温室効果ガスを実質的にゼロにすること)
・サステナビリティ(利益を追求しながらも、環境・社会・将来世代に無理をかけず、長く存続できる経営)
・フェアトレード(立場の弱い生産者や労働者が、不当に搾取されず、公正な条件で取引されるしくみ)
を強制力のあるやり方で義務づけることも、国際機関の重要な役割となるでしょう。
4 天然資源の国際管理
これまでの戦争の多くは、土地や資源の奪い合いから起こりました。
もともと土地や資源は、誰のものでも、どこの国のものでもなく、人類のものでさえありません。
それは、宇宙のなかで奇跡的に生命を宿した、地球に棲むすべての生物種の共有財産なのです。
地球の限界が顕著に現れてきた今、私たちはこの原点に立ち返って、有限な共有財産をいかにして守り、次の世代に引き継いでいくのかを、真剣に議論しなければなりません。
今、人間の営みが原因で、史上6回目の生物種の大量絶滅が進行しています。
私たち人類の責任は重大です。
今すぐにでも、私たちは地球の資源を奪い合う時代を終わらせなければ、資源そのものが枯渇し、生態系が破壊され、人類も他の多くの生物種と同様に、生き残ることが難しくなるでしょう。
それを回避するために、国際機関が果たすべき役割は重大です。
国連はまず、石油やレアアースなどの貴重な天然資源について、開発、利用、再利用、廃棄の国際的ルールを定め、各国と共同で管理するしくみを作ることが必要です。
5 宇宙の平和利用
宇宙には今、人類の新たなフロンティアとして、熱い視線が注がれています。
アメリカは現在、アメリカ航空宇宙局(NASA)の主導のもとに、日本(JAXA)、ヨーロッパ(ESA)、カナダ、その他多くの国が参加するアルテミス計画(Artemis Program)を推進しています。
その目的は、人類を再び月へ送り、継続的に活動できる拠点を築き、その先の火星探査につなげることにあります。
同様に、中国とロシアも独自の計画を進めています。
宇宙はすでに、人類の夢とロマンの空間から、資源を求めて探査する資源獲得競争の場となりつつあります。
地球上の対立を宇宙に拡大させないためには、宇宙の平和利用についても、さらに厳格な国際ルールを作ることが重要です。
その宇宙については、1967年に、宇宙条約が拘束力を持つ国際条約として発効しています。これにはアメリカ・ロシア・中国・日本を含む110か国以上が締約国として参加しています。
この条約では、核兵器などの大量破壊兵器を宇宙空間や天体に配備することは禁止されていますが、禁止されているのは大量破壊兵器のみで、偵察衛星や通信妨害、宇宙軍や衛星攻撃能力については規定がなく、宇宙はすでに戦争準備空間になっていると言えるでしょう。
また、宇宙条約では、宇宙を領有することは禁止されていますが、宇宙資源の利用と所有については規定がなく、平和利用のルールとしては甚だ不十分です。
地球上の対立を宇宙に持ち込ませないためには、今の宇宙条約を南極条約並みに改定し、宇宙の軍事利用を全面的に禁止するとともに、宇宙資源を全人類の共有財産として、必要最小限の範囲で、探査、開発、利用することを明記する必要があります。
宇宙資源を奪い合うスターウォーズは、SFの世界だけにしなければなりません。
6 SDGsの完全達成
SDGs(持続可能な開発目標:Sustainable Development Goals)は、
・人間の尊厳を守りながら、
・地球の限界の中で、
・公正で平和な社会を、
・協力によって実現しようとする、まさに、地球主義を具体化するための、全人類の共通目標と言えるでしょう。
具体的には、
① 誰一人取り残さない
・極度の貧困と飢餓をなくす
・教育・医療・ジェンダーの不平等を是正する
② 地球環境を守る
・気候変動対策
・生物多様性
・海と陸の保全
・資源の使い過ぎを止める
③ 経済と暮らしを持続可能にする
・働きがいのある仕事
・持続可能な産業と都市
・責任ある生産と消費
④ 平和と公正な社会を築く
・戦争・暴力・腐敗の抑制
・法の支配と人権の保障
⑤ 協力によって実現する
・国家・企業・市民・国際機関の連携
という目標です。(注7)
SDGsは政府だけでは達成できません。市民、自治体、企業、教育の役割が重要であり、国際機関は各国政府や企業、市民のそれぞれの行動を支援し、率先して目標の達成に努めなければなりません。
そのために必要な国際法や条約の整備も、国際機関の重要な役割の一つです。
"地球文明"の夜明けは、SDGsの達成につれて、明るさを増してくるでしょう。
第8章 地域別共同体から地球共同体へ
人類の営みは共同体の歴史です。人間は一人では生きていけません。人類は生きるため、共に助け合う仲間を求めて、様々な集団を作ってきました。それは家族や地域の繋がりから、村や町へ、さらに国家から国際社会へと、次第にその規模を広げてきました。
その過程で人類は、共に生きることの重要性を学んできたのです。
しかし、それは同時に、集団同士の争いの歴史でもありました。共に助け合う仲間が、助け合いではなく、競い合い、やがて争い合うという不幸な歴史でもあります。
私たち人類は、助け合う遺伝子とともに、競い合い、争い合う遺伝子を持つ、矛盾した生物です。
それでも、まだ集団が小さく、数も少なかった時代には、互いに争っても共存が可能な小競り合いですんでいました。
しかし、科学技術が発達し、生産力が増大し、人口が増え、集団が大きくなるにつれて、争いの規模とそれによる被害も拡大し、今や、核兵器と膨大な軍事力によって、もし再び世界大戦が起きれば、人類が絶滅するのではないかと危惧されるところまで来てしまいました。
私たちは今、もう一度集団の価値を見直し、競争よりも協調を重視し、家庭や地域や国家や国際社会のそれぞれのレベルで、互いに助け合い、協働することができる、新たな共同体を作っていかなければなりません。
その過程で、地理的、文化的な共通性のある地域ごとに、EU (ヨーロッパ共同体)のような地域別共同体を作ることも考えられます。
それは、各地域の市民の意向を最大限に尊重しながら、東・西アジア、アフリカ、南北アメリカの各地域に、EUに倣って、補完性の原理に基づく共同体を、順次設立していくというプロセスです。
こうしたプロセスを経て、最終的には、地球主義を担う中心的な国際機関として、国連を再生させるのです。
1 アフリカ連合(AU)の強化
アフリカにはすでにAU(African Union)が存在します。
これは、アフリカ大陸の政治的・経済的統合と、平和・安全・安定をめざすアフリカ版EUであり、現在、アフリカの55の国と地域が加盟する世界最大級の大陸連合組織です。
このAUを土台に、より強固な共同体へと発展させることが期待されます。
2 ASEANからアジア共同体へ
アジアには東南アジア諸国連合(ASEAN:Association of Southeast Asian Nations)という緩やかな連合体があります。そこを足掛かりに、日本や中国、韓国、インド、オーストラリアなどのアジア諸国も加わって、アジア版EUとしてアジア共同体(ASU:Asian Union) に発展させることができるのではないでしょうか。
このアジア共同体は、戦前、日本がアジア侵略の口実にした「大東亜共栄圏」ではなく、各国の主権と文化を尊重し、平等互恵と平和共存を基本とする共同体でなければなりません。
南北朝鮮の統一や、台湾問題の平和的解決も、その枠組みのなかで議論され、実現されることが期待されます。
アジアとヨーロッパに跨がるロシアは、アジア共同体が誕生した場合、難しい選択を迫られることになるでしょう。
ロシアは孤立化政策を取るか、EUに加盟するか、あるいはEUとアジア共同体の両方に加わるという選択肢もあるかもしれません。
いずれにしても、ロシアが孤立化するのは、地域の不安定要因となり、アジアとヨーロッパ双方にとって、好ましいことではありません。
中東問題を抱える西アジアも、難しい選択を迫られる地域です。
ここも、西アジア単独で共同体を作るか、EU、アジア共同体、AUのいずれか、または複数の共同体に加盟するという選択肢が考えられるでしょう。
イスラエルとアラブ諸国の平和共存も、こうした枠組みの中で実現されることを望みます。
3 アメリカ共同体
アフリカやアジアに比べると、南北アメリカに跨がる共同体の実現はさらに難しいかもしれません。
当面は中南米諸国が結束して緩やかな連合組織をつくり、徐々にEU型の共同体に発展させながら、北アメリカ地域に拡大していくというシナリオになるのではないでしょうか。
その前提として、トランプ大統領による中南米やカナダ、グリーンランドへの露骨な関与を抑える必要があります。
第9章 "地球文明"の夜明け
地球主義は単なる理想論ではありません。
新しい時代への動きは、既に世界各地で確実に始まっています。
多くの困難と問題を抱えながらも、国連は平和のための唯一の国際機関として、今現在もその役割を果たそうと努力しています。
私たちは人類の理想を実現するため、この国連を支え、さらに強固に作り変えていく必要があります。
気候変動はもはや待ったなしの状況を迎えていますが、国連主導によるSDGsを支持し、実践しようと、世界中の市民や企業、多くの自治体や国々が、その目標の達成に向けて、懸命な努力を続けています。
私たちは、一部の国の身勝手な行動に翻弄されることなく、連帯と協働の輪を広げていかなければなりません。
抑圧や差別や偏見は、残念ながらまだ完全にはこの地上からなくなってはいませんが、人類は長い道のりを経て、自由と人権を守り、差別や偏見を乗り越え、公正と平等な社会を築くために、国際法や憲法をはじめ、さまざまな法律や制度を確立してきました。
私たちは、先人たちのこの血の滲むような努力の成果を、しっかりと次代に引き継ぎ、さらに発展させていかなければなりません。
科学技術の進歩は、想像をはるかに超える能力を人類にもたらしました。
AIやロボット工学は、これからの人類文明を劇的に変えるほどのインパクトを持っています。ゲノム編集など生命科学の発達は、生物としての人類のあり方を根本から問い直す必要性を私たちに迫っています。
私たちはこうした科学技術の発展が、戦争や格差の拡大に繋がらないように、人類の叡知の下に適切に管理し、その恩恵が全人類に行き渡るようにしなければなりません。
世界経済は産業革命以降、生産力の発展により急速に拡大し、人々の生活は格段に豊かになりました。
かつての過酷な労働も徐々に改善され、日本でも長時間労働の見直しが進んでいます。
その一方で、今や過剰ともなった生産力が極端な浪費型経済を生むとともに、国家間や人々の貧富の格差はますます拡大しています。
私たちは、この無駄の多い経済システムを改め、地球の生態系と共存できる、持続可能な経済システムに転換させなければなりません。
また、高度に発達した生産力を活用して、社会のセーフティーネットを拡大し、貧富の格差を解消するとともに、「生きるための労働から、生きがいのための労働へ」と、働き方を変えていく必要があります。
その上で、増加する余暇時間を趣味やボランティアなどの社会貢献活動に充てることにより、社会の絆を深め、人生を豊かにするよう、社会のあり方を抜本的に変えていかなければなりません。
その先にこそ、"地球文明"の夜明けが見えてくると、私は信じます。
エピローグ
最後に大事なことは、"主義"に固執しないことです。
人間は不完全な生き物です。そんな人間が作るどんなシステムも完璧なものはありません。
はじめのうちはうまくいっていても、やがて必ずどこかに不具合が生じます。
私たちは、変化する環境の中に生きています。その変化に対応して、柔軟にシステムを変えていくことが重要です。
どんなシステムも長い間には、利益を受ける人と受けにくい人が出てきます。利益を多く受ける人は、自分に都合の良いシステムを、既得権として守ろうとします。そのために、権力者に近づいたり、自ら権力者になろうとしたりします。そこに格差が生まれ、社会は再び不安定になります。
私たちは理想に向かって努力するとともに、理想を改める勇気を持たなければなりません。
地球主義もまたそうした理想の一つであり、より良き世界を築くための手段の一つにしか過ぎません。
めざすべきは、地球主義を絶対化することではなく、地球の生態系の保全と、全人類の幸福なのです。
古代ギリシャの哲学者、アリストテレスは、人間の究極の目的は労働ではなく、善く生きること(エウダイモニア)にあり、そのために「閑暇」が必要だと考えました。
それから2300年あまり、人類はようやくこの「高貴なる閑暇」を実現できる段階に到達したのではないでしょうか。
それは、かつての奴隷制度を前提とした特権階級だけの理想ではなく、また、労働を単なる生活のための苦役と見なすのでもありません。
それは労働を生きがいとし、「閑暇」を社会貢献活動や、文化、芸術、スポーツなどの自己実現に充てる、真の意味での「高貴なる閑暇」です。
人類はこれまでに手にした十分過ぎるほどの生産力と、科学技術の進歩を基に、競争から協調へと、世界をより公正なしくみに変えることで、この「高貴なる閑暇」を、だれもが公平に享受できる時代を迎えることができるはずです。
地球主義はそうした人類の理想を、地球という奇跡の星の上に、全ての生態系と共存しながら実現しようとする、平和と共生のための理念です。
私たちは未来の子どもたちのために、今、何をしなければならないのでしょうか。
私はこれからも、地球文明のあり方について、考え続けていきたいと思っています。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
皆さんの忌憚のないご意見、ご感想をお寄せいただければ幸いです。
【注】
(注1)
A-PLAT
(注2)
1 海水温上昇と海洋熱波
2023年には 世界の海の約96%で海洋熱波(極端な高水温状態)が観測され、これは生態系ストレスや魚類の分布変化など、漁業・水産資源に重大なリスクをもたらしています。
https://www.livescience.com/planet-earth/rivers-oceans/96-percent-of-oceans-worldwide-experienced-extreme-heatwaves-in-2023-new-study-finds?utm_source=chatgpt.com
2 漁獲可能量への影響予測
IPCCの特別報告
https://www.ipcc.ch/srocc/chapter/chapter-5/?utm_source=chatgpt.com
(注3)
ローマ・クラブ『成長の限界』
を正しいとする文献
1. Graham M. Turner (2008) — “A comparison of The Limits to Growth with 30 years of reality”
掲載誌: Global Environmental Change(査読付き国際学術誌)
内容: 1970〜2000年の実データと、1972年の『成長の限界』の世界モデル(World3)の主要シナリオ(特に「そのまま成長する場合」)を比較したもの。
実際の人口、工業生産、汚染などの推移が、『成長の限界』のシナリオのうち “Business as Usual (BAU)” に比較的良く一致していることを示している。
技術革新や政策介入を想定したシナリオより、何も手を打たなかった場合のシナリオが実データと近い。
学術的意義: モデルの「予言」ではなく、モデル構造の妥当性を検証した代表的論文で、『成長の限界』の警告が現実のデータに一致しているという実証的な議論になっている。
(ScienceDirect)
この論文は、科学者・研究者の間で「成長の限界の主要仮説が現実の経済・環境データと整合している」と評価される際の中心的な根拠の一つになっている。
2. “Limits to growth, planetary boundaries, and planetary health” — Colin D. Butler et al. (2019)
成長の限界の基本概念が、「プラネタリー・バウンダリー(Planetary Boundaries)」の考え方と密接に関連することを解説している。
気候変動、生物多様性の損失、汚染などの地球システムの限界が、成長の限界の概念と科学的に繋がっていることを整理している。
『成長の限界』が「古い予言」ではなく、現代の地球システム科学のフレームワークにつながっているという理論的・概念的な位置づけを示す文献
(PMC)
「プラネタリー・バウンダリー」はヨハン・ロックストロームらによって提唱され、現代の環境科学・持続可能性科学の最重要コンセプトの一つであり、成長の限界と科学的に関連づけられる代表例。
(JSTOR)
3. Planetary Boundaries Framework(Rockström et al. 2009)
「地球の安全運営空間(Safe Operating Space)」を示す9つの境界を定式化した概念論文。
明確に『成長の限界』の考え方を受け継ぎつつ、気候、窒素・リン循環、土地利用など複数の環境限界を定量化している。
『成長の限界』が示した「人間活動は地球の限界に接近している」という洞察を、科学的に具体化したフレームワークとして位置づけられる。
実証研究を多数引用する形で、様々な環境政策議論・研究に影響を与えている概念モデル。
(注4)
国際連合食糧農業機関(FAO)「世界のGDPおよび農業付加価値の長期的推移(1970~2013年)」
https://www.fao.org/fileadmin/templates/ess/documents/GDP/IND_NewsRelease_EN__27Apr2015_.pdf?utm_source=chatgpt.com
(注5)
野放図な財政拡張と日銀の無謀な金融緩和策(田村正勝研究室)
(注6)
持続可能性
1 Post-growth Economics and Society: Exploring the Paths of a Social and Ecological Transition
編集:Isabelle Cassiers, Kevin Maréchal, Dominique Méda(Routledge, 2018)
経済成長を終わらせる意味・指標再設計・ガバナンス変革の道筋を体系的に整理。Routledge
2 「人新世の『資本論』」斎藤幸平(インタビュー解説)― 経済成長に依存しない価値観・豊かさの再定義を提示。
3『ドーナツ経済学が世界を救う:人類と地球のためのパラダイムシフト』
著者:ケイト・ラワース
訳者:黒輪篤嗣
出版社:河出書房新社
(注7)
SDGsの17の目標
1 貧困をなくそう
・あらゆる形の貧困を終わらせる
2 飢餓をゼロに
・食料安全保障と持続可能な農業
3 すべての人に健康と福祉を
・生涯にわたる健康の確保
4 質の高い教育をみんなに
・包摂的で公平な教育
5 ジェンダー平等を実現しよう
・女性・女児の権利と機会の拡大
6 安全な水とトイレを世界中に
・水と衛生の持続可能な管理
7 エネルギーをみんなに そしてクリーンに
・再生可能で安価なエネルギー8 働きがいも経済成長も
・人間らしい雇用と持続可能な経済
9 産業と技術革新の基盤をつくろう
・強靭なインフラとイノベーション
10 人や国の不平等をなくそう
・国内外の格差是正
11 住み続けられるまちづくりを
・安全で持続可能な都市
12 つくる責任 つかう責任
・持続可能な生産と消費
13 気候変動に具体的な対策を
・気候危機への緊急行動
14 海の豊かさを守ろう
・海洋資源と生態系の保全
15 陸の豊かさも守ろう
・森林・生物多様性の保全
16 平和と公正をすべての人に
・暴力のない社会と法の支配
17 パートナーシップで目標を達成しよう
・国際協力と実施手段の強化
【参考文献】
⬜『文明の危機と日本の針路
希望に繋がる人・企業・社会・政策』
田村正勝著
西海出版 2020.12
⬜『世界システムの「ゆらぎ」の構造』
田村正勝 /著, 臼井陽一郎 /著 早稲田大学出版部 1998.2
⬜ 『社会科学原論講義』
田村正勝 /著
早稲田大学出版部 2007.1
⬜『スミス・へーゲル・マルクス』
難波田春夫 /〔著〕
講談社 1993.11
⬜『危機の哲学』
難波田春夫 /著
経済往来社 1974.9
⬜『地方の時代と自治体革新』長洲一二 /著
日本評論社 1980.11
⬜『新・廃棄物学入門』
田中勝 /著
中央法規出版 2005.5
⬜『素顔の環境行政
健康、くらし、自然、経済、そして地球環境 元次官覚書き 』岡崎洋 /著
エネルギージャーナル社 199.10
⬜『沈黙の春』
レイチェル・カーソン /著
青樹簗一 /訳
新潮社 1987.5
⬜『プランB エコ・エコノミーをめざして 』
レスター・ブラウン /著
北城恪太郎 /監訳
ワールドウォッチジャパン2003.13
⬜『不都合な真実
切迫する地球温暖化、そして私たちにできること』
アル・ゴア /著
枝廣淳子 /訳
ランダムハウス講談社 2007.1
⬜『これでわかるごみ問題Q&A ここが問題!日本のリサイクル法』
熊本一規 /著
合同出版 2000.11
⬜『地球温暖化防止の市民戦略』気候ネットワーク /編
中央法規出版 2005.9
⬜『日本よ、森の環境国家たれ』安田喜憲 /著
中央公論新社 2002.3
⬜『21世紀の歴史
未来の人類から見た世界 』
ジャック・アタリ /著
林昌宏 /訳
作品社 2008.8
⬜『非暴力の精神と対話』
ガンディー /著
森本達雄 /訳
第三文明社 2001.9
⬜『再びの生きがい
特捜検事からボランティアへ 』堀田力 /著
講談社 1993.7
⬜『NPO新時代
市民性創造のために』
田中弥生 /著
明石書店 2008.12
⬜『NPO再構築への道
パートナーシップを支える仕組み』
原田晃樹 /著, 藤井敦史 /著
,松井真理子 /著
勁草書房 2010.4
⬜『人類が絶滅する6のシナリオ もはや空想ではない終焉の科学 』
フレッド・グテル /著
夏目大 /訳
河出書房新社 2013.9
⬜『2050年の世界
英エコノミスト誌は予測する』英『エコノミスト』編集部 /著
東江一紀 /訳, 峯村利哉 /訳
文藝春秋 2012.8
⬜『シンギュラリティは近い
人類が生命を超越するとき』
レイ・カーツワイル /著
NHK出版 /編
NHK出版 2016.4
⬜『ゲノム解析は「私」の世界をどう変えるのか?
生命科学のテクノロジーによって生まれうる未来』
高橋祥子 /〔著〕
ディスカヴァー・トゥエンティワン 2017.9
⬜『ホモ・デウス
テクノロジーとサピエンスの未来』
ユヴァル・ノア・ハラリ /著
柴田裕之 /訳
河出書房新社 2018.9
⬜『利己的な遺伝子 40周年記念版』
リチャード・ドーキンス 〔著〕
日髙敏隆 /訳, 岸由二 /訳
,羽田節子 /訳, 垂水雄二 /訳
紀伊國屋書店 2018.2
⬜『 魂に息づく科学
ドーキンスの反ポピュリズム宣言』
リチャード・ドーキンス /著
大田直子 /訳
早川書房 2018.10
⬜『サピエンス全史
文明の構造と人類の幸福』
ユヴァル・ノア・ハラリ /著
柴田裕之 /訳
河出書房新社 2016.9
⬜『ビッグ・クエスチョン
〈人類の難問〉に答えよう』
スティーヴン・ホーキング /著
青木薫 /訳
NHK出版 2019.3
⬜『危機と人類』
ジャレド・ダイアモンド /著
小川敏子 /訳, 川上純子 /訳
日本経済新聞出版社 2019.10
⬜『感染症はぼくらの社会をいかに変えてきたのか
世界史のなかの病原体』
小田中直樹 /著
日経BP 2020.7
⬜『見えざる敵ウイルス
その自然誌』
ドロシー・H.クローフォード /著
寺嶋英志 /訳
青土社 2002.11
⬜『動き始めたゲノム編集
食・医療・生殖の未来はどう変わる?』
ネッサ・キャリー /著
中山潤一 /訳
丸善出版 2020.1
⬜『わが子をAIの奴隷にしないために』
竹内薫 /著
新潮社 2019.12
⬜『100年後の世界
SF映画から考えるテクノロジーと社会の未来』
鈴木貴之 /著
化学同人 2018.5
⬜『国連って誰のことですか
巨大組織を知るリアルガイド』
岩谷暢子 /著
信山社 2020.7
⬜『複製されるヒト』
リー・M.シルヴァー /著
東江一紀 /〔ほか〕訳
翔泳社 1998.5
⬜『答えのない世界に立ち向かう哲学講座
AI・バイオサイエンス・資本主義の未来』
岡本裕一朗 /著
早川書房 2018.11
⬜『 「独裁者」との交渉術』
明石康 /著
木村元彦 /インタビュー・解説 集英社 2010.1
⬜『戦争というもの』
半藤一利 /著
PHP研究所 2021.5
⬜『暴力の人類史』
スティーブン・ピンカー /著
幾島幸子 /訳, 塩原通緒 /訳
青土社 2015.2
⬜『世界史のなかの昭和史』
半藤一利/著
平凡社 2020.7
⬜『独裁体制から民主主義へ
権力に対抗するための教科書』
ジーン・シャープ /著
瀧口範子 /訳
筑摩書房 2012.8
⬜『ひとはなぜ戦争をするのか』アルバート・アインシュタイン /著, ジグムント・フロイト /著
浅見昇吾 /訳
講談社 2016.6
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⬜ 世界は無法地帯なのか?
⬜ トランプ大統領がもたらす"怪我の功名"~今は歴史の転換点
⬜ 親愛なるアメリカ大統領 様
⬜ 親愛なる大統領候補者様
⬜ 外国人労働者は大切なパートナー
⬜ 国民は政治の舞台監督
⬜ 二度と戦争をしないために
⬜ 核抑止論は恐怖の均衡論
⬜ ノーベル平和賞受賞
⬜ 憲法は空気のよう!?
⬜ 戦争の火種は私たち一人ひとりの心の中にある
⬜ 私たちは地球という奇跡の星に棲む同じ生命体
⬜ 非暴力
⬜ ガザに恒久平和を!
⬜ ハマスとイスラエル
⬜ 平和が遠のく世界
⬜ 終戦記念日
⬜ 「平和ぼけ」ではなく、「平和認知症」
⬜ 核融合は夢のエネルギーか?―― 技術の裏に潜むリスク
⬜ 生ごみバイオマス発電のすすめ
⬜ 過ぎたるは猶及ばざるが如し
⬜ 1.5℃の衝撃
⬜ 「コロナパンデミック」とは、いったいなんだったのか!?
⬜ 人類絶滅の3つの危機
⬜ 全生命の共有財産
⬜ 現代の危機
⬜ 未来のためにできること
【参考記事】
参考となる記事を、著者の許可を得て掲載しています。
Dawn of “Earth Civilization”
~ A New Century Opened by Earthism ~
Prologue
Last year, 2025, was a year in which wars and conflicts continued in various parts of the world, including Ukraine and Gaza. Climate change intensified, infectious diseases and hunger took the lives of many children, movements seeking freedom were suppressed, divisions and inequalities widened, and people came to hate one another—resulting in a world of confusion and turmoil.
At the beginning of this year, the U.S. President Trump resorted to the outrageous act of using military force to detain Venezuela’s President Maduro and bring him to trial by force. President Trump’s interests extend to strategic regions and resources, including Greenland, and his actions carry a dangerous resemblance to the paths taken by 20th-century authoritarian regimes.
In recent years, the rise of populism and the shift to the right symbolized by anti-immigration movements in Western countries have also been felt in Japan. Amid such circumstances, Prime Minister Takaichi suddenly dissolved the House of Representatives to seek the public’s mandate. This election may become a crucial touchstone in determining the future shape of this country and its relations with neighboring nations.
“If this rightward shift continues, Japan may once again repeat the mistake of war.”
“If divisions and confrontations deepen, the world may truly plunge into World War III.”
“If climate change and ecological destruction continue, humanity may face extinction.”
Am I the only one gripped by such fears? I believe it is no exaggeration to say that our actions in the coming years will determine the future of humanity. The 20th century is often called the “century of war.” How will the 21st century be recorded in history? Now that a quarter of it has already passed, can we transform it into a “century of hope and coexistence” rather than one of despair and destruction?
Precisely because force and violence prevail today, we must fundamentally rethink the structure of our society and seriously discuss how to build a peaceful and sustainable world. If things continue as they are, we likely do not have much time left. Therefore, I seek a compass for the coming new century in the concept of “Earth Civilization.”
Chapter 1: What is “Earth Civilization”?
Earth Civilization is a new form of human civilization that regards the Earth as a single community, transcending differences of nation, race, ethnicity, religion, culture, and ideology, and aims for coexistence with the Earth’s ecosystems.
To usher in this new era, humanity must fundamentally reconsider modern civilization and shift:
From nation-centered to Earth-centered community
From military security to non-military security
From growth-first economics to sustainable socio-economic systems
This requires transforming our anthropocentric worldview into an ecosystem-centered worldview—Earthism.
Chapter 2: The Worldview of Earthism
Earthism aims to create a new Earth Civilization through the realization of the following:
1. Restoration of Ecosystems and the Global Environment
Humanity must overcome global warming, preserve ecosystems, and restore the Earth’s environment so that we can coexist with nature.
2. Complete Peace
Not peace through force, but peace achieved through trust and dialogue.
3. A Fair and Sustainable Society
Abandon growth-first economics that leads to mass production, consumption, and waste, and establish a fair and sustainable socio-economic system that coexists with ecosystems.
Chapter 3: Methodology of Earthism
Partnership
Citizens, corporations, local governments, nations, and international organizations cooperate as members of the Earth community.
Principle of Subsidiarity
Local issues should be solved locally, national issues by states, and global issues by international institutions.
Diversity and Inclusion
Respect for differences in culture, ethnicity, gender, and ideology.
Freedom and Democracy
Maintaining universal values gained through human history.
Fairness and Equity
Contribution according to ability, distribution according to need.
Chapter 4: The Role of Earth Citizens
1. Environmental Actions in Daily Life
Reduce waste through the 3Rs, conserve energy and water, reduce food waste, and act with the spirit of “mottainai.”
2. Expressing the Will for Peace
War begins when citizens support it. We must clearly say “No” to those who promote militarization.
3. Social Contribution
Participation in community activities, volunteer work, and mutual support.
4. Multicultural Coexistence
Foreign workers are partners. Respect diversity and build inclusive communities.
Chapter 5: From Centralization to Regional Sovereignty
To address aging and population decline, local issues must be solved locally. Authority and resources should be transferred to municipalities, strengthening local autonomy.
Chapter 6: The Role of the State
The role of the state should shrink, focusing on:
Peace
Disaster response
Minimum welfare
Economic stability
1. Renunciation of War
Military buildup breeds more insecurity. Japan should lead in reducing military reliance.
2. Food Security
Promote “Peace through Agriculture Diplomacy” and build regional cooperation networks.
3. Transition to Sustainable Economy
Shift from mass consumption to circular, sustainable systems.
4. Social Security Reform
Return to the principle:
“From each according to ability, to each according to need.”
Chapter 7: Role of International Institutions
The greatest challenge is building effective global institutions.
1. UN Reform
Limit and abolish veto power.
2. Abolition of Nuclear Weapons
Nuclear deterrence is an illusion.
3. Environmental Regulation
Enforce global sustainability standards.
4. Resource Management
Treat Earth’s resources as shared assets of all life.
5. Peaceful Use of Space
Prevent militarization and resource conflict in space.
6. Achievement of SDGs
A universal framework for human dignity, sustainability, and cooperation.
Chapter 8: From Regional Communities to a Global Community
Human history is the history of communities. We must shift from competition to cooperation.
Strengthen the African Union
Develop ASEAN into an Asian Union
Build an American regional community
Ultimately, these lead to a global Earth community.
Chapter 9: The Dawn of Earth Civilization
Earthism is not mere idealism. Movements toward it are already underway worldwide.
We must:
Strengthen international cooperation
Reform economic systems
Use science responsibly
Expand social safety nets
Shift from labor for survival to labor for fulfillment
Epilogue
No ideology is perfect. Systems must evolve with changing conditions.
The goal is not to absolutize Earthism, but to protect ecosystems and ensure human well-being.
Aristotle taught that the ultimate purpose of life is not labor, but living well—eudaimonia—and that leisure is essential for it.
Today, humanity may finally be reaching a stage where such “noble leisure” can be realized—not just for elites, but for all.
By shifting from competition to cooperation, and ensuring fair distribution of wealth, we can create a world where everyone shares in this fulfillment.
Earthism is one path toward that future—a vision of peace and coexistence on this miraculous planet.
What must we do now for future generations?
I will continue to reflect on the future of Earth Civilization.
Thank you for reading.
