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核融合は夢のエネルギーか? ―― 技術の裏に潜むリスク

近年、世界中で頻発する異常気象は、地球沸騰化がいよいよ臨界点に近づきつつあるという厳粛な事実を、私たちに突きつけているのではないでしょうか?

ところが、アメリカのトランプ大統領は、気候変動問題を「史上最大の詐欺だ」と主張してはばかりません。
(2025年9月23日の国連総会での演説)

世界第二の温室効果ガスの排出国であるアメリカは、今年のCOP30(国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議) に政府代表団を派遣しませんでした。

COP30では、気候変動に適応するための途上国向けの資金目標はなんとか合意文書に盛り込むことができたものの、化石燃料からの脱却に向けた工程表は盛り込むことができないまま閉幕しました。

これでまた、2015年のパリ協定で定められた、地球の平均気温の上昇を産業革命前と比較して1.5℃に抑えるとした目標の達成は、いっそう遠のいたように思います。

増え続ける温室効果ガスを減らすために、私たち人類に残された時間はごくわずかです。

にもかかわらず、これまで世界の再生可能エネルギーの導入は期待されたほど進んでいません。
かといって危険な原発への依存度をこれ以上高めることには、多くの人々が不安を感じているのではないでしょうか。

しかし、新潟県の花角知事は今月21日に、福島第一原発の事故以来止まっていた東京電力柏崎刈羽原発の再稼働を容認すると表明しました。

福島原発の事故で故郷を追われ、いまだに避難生活を余儀なくされている2万3千人を超える避難者の方々は、このニュースをいったいどんな思いで受け止めたのでしょうか。

「喉元過ぎれば熱さを忘れる」
東電は今、この諺の効力を実感しているのでしょうか?

こうしたなか、クリーンなエネルギーとして最近注目されているのが核融合エネルギーです。
地上に太陽を作るという「夢のエネルギー」として、現在、ITER(国際熱核融合実験炉)をはじめ、世界各国が実用化に向けて、開発にしのぎを削っています。

高市首相は先の所信表明演説のなかで、エネルギー安全保障の一環として、フュージョンエネルギー(核融合エネルギー)の早期の社会実装を目指す、としています。

核融合エネルギーは化石燃料と違い、温室効果ガスを排出しないクリーンなエネルギーであり、原子力発電のように危険性や核廃棄物の問題も少ない、まさに「夢のエネルギー」として宣伝されているのです。

これが実用化されれば、人類は永遠にエネルギー問題から解放され、バラ色の未来が実現すると期待されています。

でも果たして、本当にそうでしょうか?

これまで人類は、石炭や石油、原子力など新たな燃料が開発される度に、夢のエネルギーとして積極的に導入してきました。
その結果、人類は豊かさと同時に、地球環境の破壊と生態系の危機という深刻な事態に直面しています。

私たちは今、核融合エネルギーについても、その問題点を洗い出し、それがもたらす利便性と危険性をきちんと評価すべき時期にきているのではないでしょうか?

こうした観点から、私は生成AIと対話しながら、現時点で危惧される核融合エネルギーの問題点をまとめてみました。

------

1. 核融合は「絶対安全な技術」ではない

【¹】【²】

核融合炉内部では、1億度を超える超高温プラズマを強力な磁場で閉じ込めています。これは人類が扱うエネルギー環境としては前例のない極限状態です。
もしプラズマ閉じ込めが破綻すれば、

・大規模な設備損傷
・放射性物質の漏洩

などのリスクがあります。【³】

2. トリチウムは“都合のよい燃料”でも“無害な廃棄物”でもない

【⁴】【⁵】

核融合炉の主要な燃料であるトリチウムは弱い放射線を出すだけでなく、
・金属やコンクリートを透過しやすい
・水・空気に拡散しやすい
・生物濃縮はしないが、体内水分と容易に結合する

などの性質があります。【⁶】

また、トリチウムは核兵器の「ブースト型核分裂兵器」や水爆に不可欠な材料です。【⁷】

3. 核融合炉は新たな放射性廃棄物を生み出す

【⁸】

ITERや各国の研究機関は、核融合炉の中性子照射による構造材の放射化(activation)を認めており、商業炉では大量の中レベル放射性廃棄物が出ると見込まれています。

4. 核融合は軍事利用のリスクを内在している

【⁹】【¹⁰】

トリチウムは核戦略上の重要物質であり、核融合の実用化によりトリチウムの大量製造能力を持つことは、国家の軍事的ポテンシャルを高め、核兵器拡散のリスクを増大させる可能性があります。

5. 商業化の時期は依然として不透明

【¹¹】

核融合は多くの技術課題(材料、熱負荷、トリチウム増殖、プラズマ制御)が未解決であり、これまで幾度となく、「実用化まであと30年」と言われてきました。

今後、実用化に向けては、それまでの研究開発費に加えて、建設費や維持管理費、廃棄物処理費、安全対策費、事故発生時の補償費用などのトータルコストを精査し、その経済性と費用対効果をきちんと検証することが必要です。

6. 核融合は経済成長を加速し、地球環境への負荷を増大させる恐れがある

【¹²】【¹³】

核融合への過度な期待は、無限のエネルギー消費と経済成長を正当化し、大量生産による資源の枯渇や廃棄物の大量発生、生態系の大規模破壊など、地球環境システムへの負荷を極限にまで増大させる恐れがあります。

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以上、現時点での問題点を挙げてみましたが、なかでも私がもっとも危惧するのは、「核融合が実現すればエネルギー問題は解決する」として、これまでの経済成長至上主義が正当化されてしまうのではないかということです。

そうなれば、現在の大量生産、大量消費、大量廃棄の浪費型経済システムが際限なく拡大してしまうでしょう。
その行きつく先には、想像を絶する規模の地球環境の破壊と生物の大量絶滅、ついには人類文明の終焉が待っているのではないでしょうか?

人類は永遠のエネルギーを手に入れる前に、国際社会が共同して、世界から戦争をなくし、地球の生態系と共存できる、持続可能な社会経済システムを築くことが不可欠です。

人類はたとえ核融合炉という"プラズマの器"を作ることはできても、その無限のエネルギーを受け入れるだけの“文明の器”を、まだ用意できていません。

その文明の器は、これまでの"人間中心主義"ではなく、地球の生態系を第一に考える"地球主義"の器でなければならないでしょう。

未来の夢のエネルギーを悪夢のエネルギーに変えてしまわないために、今こそ人類の叡智が問われているのだと、私は思います。

ありがとうございました。


【参考文献リスト】

¹ プラズマ閉じ込め・安全性

ITER Organization, Safety Approach and Design Requirements, ITER Technical Reports, 2020–2023.

Stacey, W. M., Fusion: An Introduction to the Physics and Technology of Magnetic Confinement Fusion, Wiley-VCH, 2010.

² 核融合炉における事故リスク

Abdou, M. et al., “On the Safety and Environmental Characteristics of Fusion Power,” Fusion Engineering and Design, 2001.

IAEA, Fusion Safety Standards and Guidelines, IAEA Nuclear Safety Standards Series.

³ プラズマ破断(disruption)とリスク

Hender, T. et al., “Disruption Mitigation in Tokamaks,” Nuclear Fusion, 2007.

ITER, Disruption Risks and Mitigation Systems, Technical Brief, 2022.

⁴ トリチウムの性質

IAEA, Tritium Handling and Safe Storage, Safety Series.

DOE (U.S. Department of Energy), Tritium Primer, 2021.

⁵ トリチウム漏洩・環境影響

UNSCEAR, Sources and Effects of Ionizing Radiation, Annex B: Tritium, 2016.

Kim, J. et al., “Environmental Behavior of Tritium,” Journal of Environmental Radioactivity, 2013.

⁶ トリチウムの生体影響

Health Canada, Human Health Fact Sheet: Tritium, 2020.

Little, M. P., “Tritium Risk Reassessment,” Radiation Research, 2009.

⁷ 核兵器におけるトリチウム

Cochran, T. et al., Nuclear Weapons Databook, NRDC, 1987–2014.

International Panel on Fissile Materials (IPFM), Tritium and Nuclear Weapons, 2015.

⁸ 核融合炉の放射性廃棄物

IAEA, Radioactive Waste from Fusion Facilities, Technical Reports Series.

Federici, G. et al., “Fusion Materials and Activation,” Journal of Nuclear Materials, 2014.

⁹ 核融合と軍拡リスク

IPFM, Fusion Energy and Nuclear Proliferation Risks, 2017.

Krivit, S., Fusion Fiasco, 2014(核融合開発と軍事予算の歴史的関係を解説)。

¹⁰ トリチウム生産の安全保障上の含意

U.S. Congressional Research Service, Tritium Production and National Security, CRS Reports.

Pellaud, B., “Nuclear Fusion and Proliferation,” IAEA Bulletin, 1983.

¹¹ 実用化見通しの不確実性

ITER, Roadmap to Fusion Energy, 2023.

U.K. Royal Society, Prospects for Fusion Energy, 2021.

¹² 核融合とエネルギー需要拡大の関係

Smil, Vaclav, Energy and Civilization: A History, MIT Press, 2018.

Heinberg, Richard, Our Renewable Future, 2016.

¹³ 経済成長と地球システムの限界

Rockström, J. et al., “Planetary Boundaries,” Science, 2009.

Meadows, D. et al., Limits to Growth: The 30-Year Update, 2004.



【生成AI  英語版】

□  Is Nuclear Fusion a Dream Energy? — Risks Hidden Behind the Technology


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