幼稚園児が言った。田んぼ買ってよ!!
昨日、幼稚園から帰ってきた息子が言った。
「お父さん、土と水買って!!」
何のことか分からない。

幼稚園で疲れて、眠くて、
少し言葉が怪しくなっている。
「土と水?」
私は首をかしげた。
泥遊びでもしたいのだろうか。
「そう。土と水」
理由を聞いても、いまひとつ要領を得ない。
しばらく話を聞いて、ようやく分かった。
幼稚園で田植えをしたらしい。
そして、泥のなかで、
とても面白かったらしい。
だから、
「土と水が欲しい」
だったのである。
なるほど。
しかし、そこで話は終わらなかった。
息子は続けて言った。
「田んぼが欲しい」

そう来たか。。。。。
私はマンション暮らしである。
しかも8階。
ベランダはあるが、田んぼを作るには少々無理がある。
実は私は以前から、
庭のある戸建てに憧れがある。
家庭菜園をしたり、木を植えたり。
そういう暮らしが私の夢だ。
しかし妻は、違う。
「マンションが楽でいい」
管理は楽だし、防犯面でも安心。
その結果、
我が家はマンション暮らしを続けている。
そんな家庭事情など知る由もない息子は、
幼稚園で一度田植えをしただけで、
「田んぼが欲しい」
と言い出した。
要求の飛躍がすごい。
子供というのは面白い。
一度楽しい経験をすると、
「またやりたい」
ではなく、
「全部欲しい」
になる。
「ちょっと難しいね」
私は優しく答えた
「えー、」
「なら、お風呂にさー、
土と水入れて、田んぼしようよ」

「ダメっ!」
母は厳しい。
結局、田んぼは無理なので、
「ミニトマトを育ててみるか?」
と提案した。
息子は意外とあっさり納得した。
彼が欲しかったのは「田んぼ」
そのものではなく、
楽しそうであれば、
なんでもよかったのだ。
それにしても、
幼稚園で半日田植えを
しただけで田んぼを欲しがる。
子供の興味というのは、実にまっすぐである。
そして、
その興味の向く先は親には予想できない。
今は田んぼと言っているが、
来週には昆虫博士になりたいと
言い出しているかもしれない。
あるいは宇宙飛行士かもしれない。
とりあえず
我が家の田んぼ計画は見送られた。
まずはベランダのトマトから始めることにしよう。

おしまい。
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