幼稚園児に未来を教えられた。 「ロボット買おうよ」
画面に出てきた人物を見て、息子が言った。
「あ、おっちゃんや」
は?
お前、イーロンマスクを「おっちゃん」と呼ぶ仲なのかい。
「川崎のおっちゃんや」
ああ、そういうことか。
義理の弟は、なんと
顔がイーロンにそっくりなのだった。
(日本人だけど)
それを言いたいらしい。
そして、息子は私の膝に陣取って、
動画を見始めた。
息子とエンタメではない動画を
一緒に見られることがとても嬉しい。
動画は最近のインタビューだった。
イーロンは言った。
・2027年にはAIが人間の知性を超える
・2030年には自律型AIを搭載したロボットが300万円で販売される
すると、隣で見ていた息子が聞いてきた。
「お父さん、300万もっとん?」
「一応もってるけど…」
続けて息子は言った。
「じゃあ、このロボット買おうよ」
はぁ!? 予想外の方向に話が進む。
「いやー、面白そうだけどさ。おもちゃじゃないし、さすがに買えないかなー」
そう言って、やんわりと返す。
すると、息子は少しだけ考えてから、続けた。
「でもさ」
「このロボットに料理させたら、お父さん料理しなくていいんだよ」
「そしたら、一緒に遊べるじゃん」
なに、そう来たか!?
土日の夕食は、私の担当だ。
毎週、台所に立っている。
その時間がなくなれば、確かに一緒に遊べる時間は増える。
しかし。
「ロボットに雑用をさせて、
人間は本当にやりたいことをやればいい」
息子は、そう言ったのと同じだった。
難しい言葉なんて、一つも使っていないのに。
正直、考えさせられた。
便利になることの意味は、
「楽になること」ではなくて、
「時間を手に入れる」なのかもしれない。
私たちは、何のために働いているのだろう。
そして、その時間で、何をしたいのだろう。
幼稚園の息子に、
そんなことを、教えられた気がした。
(おわり)
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