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旅に来てふと感じた ― あの景色は過去か未来か

霞のかかった海岸を見て、ふと思った。
――これは、一体、何の風景だろうか。


私は今、島旅に来ている。瀬戸内海のとびしま海道。

春霞のなか、逆光の海岸の風景。

本来なら、
エメラルドグリーンの海。
青い空。
白い雲。
緑の島。

それが全て、
モノクロームの世界
になってしまった。

今なのか。
過去なのか。
それとも、まだ来ていない未来なのか。

時間の感覚が、ふっと消えた。
止まったのか、流れているのかさえ分からない。
ただ、その場に「在る」だけの感覚。


今日は、とびしま海道の、小さな宿に泊まっている。

妻と子供が実家に帰る日に合わせた、
年に数回しかない、
私一人の時間。

特別な旅にしよう、
と思ったわけではない。
ただ、海を見たいと思った。

けれど――

バイクを走らせる時間。
土地の空気。
そこで食べるもの。
出会う人。
そして、
思いがけない風景。

そのすべてが、日常の外側にある。
そして、特別になる。


そして、この風景を見たとき、思った。

もしかすると――

非日常とは、遠くにあるものではなく、
ただ、時間の感じ方が変わっただけなのかもしれない。


最後に旅行の写真を少しだけ。


(終わり)



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