おかっぱ桜の現状と奈良春の散策記~東大寺とその近傍をめぐる⑲
今期最後の東大寺訪問は、境内の桜がメインの目的です。
スタートはゆっくり目のランチスタートで、ペコちゃんは初、私は2回目の「あしびの郷」で静かな空間の中、ゆったりとランチを堪能しました。

ご馳走というわけではありませんが、基本の味付けがとにかく美味しい。
何より、ご飯がふっくらと絶妙に炊き上がっています。
それもそのはず漬物専門店なので、ご飯が美味しくなくては意味がありません。

座席は庭に面した窓が雪見障子風で、下半分から庭の様子がうかがえます。
年齢を重ねるごとに、こうした素朴な味わいが身体に染みるようになってきました。
再び”ラビリンス”で珍道中の始まり
満ち足りた昼食のあと、意気揚々と出発したまでは良かったのですが、お店を出ていきなり方向を間違えてしまい、思わぬ回り道をすることになりました。
「あしびの郷」からはいったん北へ出て、そこから北東へ進む必要があったのに、北へ向かわず、いきなり東へ。気づけば迷宮のような住宅街へと入り込んでしまいました。
途中でマップを確認すると、東大寺まで「徒歩21分」と出ます。
かなり歩いたはずのにまだ21分も??
やらかした!
過去にも奈良町では迷ったことがあるので、とたんに事の重大さに気付くも後の祭りでした。
クネクネとした道をトボトボ歩き続け、ようやく広い国道へ出ると、そこは和歌山・新宮市へと続く国道169号線。平日にもかかわらず人通りが多く、思わず人に酔ってしまうほどでした。
大げさではなく、1時間ほどは歩いたでしょうか。
気付けば「荒池園地」の見覚えのある景色だったので、ようやく安心し、思わず園内の切り株に腰を下ろしました。
しばらく休憩しながら二人でおしゃべりしているうちに、迷ったことなどすっかり忘れ、体力も回復していたのです。
目的地に着く前から、先が思いやられるスタートとなりました。
樹齢不明の老木「おかっぱ桜」

この日のお目当ての桜は東大寺の「おかっぱ桜」です。
大仏殿の北側、正倉院との間にあるシダレザクラで、枝の下部がきれいに一直線に揃い、上部がこんもりと花をつける独特の姿から、この愛称で呼ばれています。

全く咲いていない様子に、まだ早かったか!と愕然としましたが、通りすがりの男性が、「かなりの老木だからですよ」と教えてくださいました。
桜の寿命は何年?

日本では、春になれば当たり前のように桜が咲き、私たちの目を楽しませてくれます。
そのため、寿命について考える機会はあまりありませんでした。
その男性の「老木だと花がつかなくなる」という言葉に、今さらながらはっとさせられました。
人間も年齢を重ねると、見た目だけでなく体力や気力も衰えてゆくのと同じことなのでしょう。
では、桜の寿命はどれぐらいなのでしょうか?
調べてみると、ソメイヨシノで60~100年、
ヤマザクラは100年以上、野生種のエドヒガンなどは1000年以上ともいわれています。
そして、この「おかっぱ桜」のようなシダレザクラは、一般的に300年ほどとされています。
この桜がいつ植えられたのかは不明ですが、現在の様子を見る限り、300年前後の樹齢なのかもしれません。
満開の姿はこちらで↓
暖冬化が原因で咲かなくなった⁈
そういえば、我が家の近所の桜も、年々さみしい咲き方になっています。
主にソメイヨシノですが、25年ほど前は満開になると圧倒されるほどの迫力がありましたが、今ではかつての威厳が感じられません。
中にはまったく花を付けないものもあります。
樹齢はおそらくまだ40年ほどと思われますが、それでも一般的な寿命には達していないはず。
なぜ咲かないのか調べてみると、いくつかの要因が挙げられていました。
1,地球温暖化
桜は冬の寒さに当たらないと開花しない。
2,外来種による害虫被害
朝鮮・中国由来で繁殖率が高いクビアカツヤカミキリによる食害。
3,環境ストレス
剪定や栄養の不足
やはり「地球温暖化」による「暖冬」が最も基本的な要因かもしれません。
私の子供時代と比べても、夏はあきらかに暑く、冬は暖かくなっています。
環境の変化は、私たちの身近なところにも確実に影響を及ぼしているのだと感じざるを得ません。
ソメイヨシノはほぼ満開

おかっぱ桜は咲いていなくても、ソメイヨシノは一気に開花していました。
ソメイヨシノ発祥地は豊島区
日本の桜といえば「ソメイヨシノ」。
東京都豊島区が発祥のれっきとした日本生まれの桜です。
江戸時代後期から明治時代にかけて、駒込の植木職人たちが売り出したもので、当時の地名「染井」に由来して「ソメイヨシノ」と名付けられました。
奈良の吉野山に自生する山桜と区別するため、地名を取り「ソメイヨシノ」と名付けられ、奈良・吉野山のヤマザクラと区別するための命名でもあります。
ソメイヨシノは、伊豆半島や房総半島に生息するオオシマザクラと、強く樹齢が長いエドヒガンとの交配種であるといわれています。
また、自然交配の可能性は低く、人工的に作られた品種とも考えられているのです。
現在、日本全国にあるソメイヨシノは、接ぎ木や挿し木によって増やされた、同じ遺伝子を持つクローンです。
つまり、私たちが見ている桜は、すべて同じルーツを持っていることになります。

依水園も春らんまん

ペコちゃんは初めての「依水園」ですが、私は2回目です。
前回は5月に訪れましたが、3月末の今回はまったく違う表情を見せてくれました。


昨年の5月は、緑が鮮やかで眩しいほどでした。今回は緑こそ落ち着いていますが、遠くに揺れる桜が良いアクセントになっています。
ただ残念なことに、園内の2つの建物が修復中で、テントに覆われており景観を損ねていました。

特に水車は、この場所に欠かせない存在です。視覚だけでなく、水の音が空間に心地よいリズムを与えてくれるだけに、今回の修繕は少し残念でした。
二人とも疲れてはいましたが、花のある庭を見るとテンションは復活し、再び生気を取り戻しました。


「東大寺・友の会」が3月末日までなので、東大寺訪問は今期はこれが最後です。
しかしこのシリーズはあと1回あり、最終レポートと1年のまとめ記事を書きたいと思っています。
1年間、積極的に東大寺を訪問しましたが。実は行きそびれたものもあります。
それはまたの機会に取っておきます。
【東大寺とその近傍をめぐる】
①冬の「浄瑠璃寺」
②下見の春日大社
③今期初!東大寺散策「南大門と大仏殿」
④今期初!東大寺散策「西伽藍と東伽藍」
⑤noteオフ会!氷室神社と不空院
⑥noteオフ会!ミュージアムと依水園
⑦奈良博「超 国宝展」
⑧ならまち3月2日十輪院
⑨ならまち元興寺
⑩奈良の遠景と「俊乗堂」
⑪ミュージアムと吉城園
⑫五劫院と空海寺
⑬奈良博「世界探検の旅」
⑭転害会と勧進所の特別公開
⑮観音院に集った人々
⑯奈良博「正倉院展」
⑰春日大社・萬葉雅楽会
⑱4ヶ月間のレポート一挙公開!
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