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【2026年後半】お金の制度、まとめて変わります。8月〜年末までの改正カレンダー

今年、やたらと制度が変わってると思いませんか?

高額療養費、インボイス、iDeCo、年末調整。ニュースで名前は見るけど、結局それが自分に関係あるのかどうかは、よく分からないままだったりします。

2026年の後半は、たまたま改正が重なっている時期です。8月・10月・12月と、2ヶ月おきに何かしら動きます。しかも困ったことに、それぞれ担当している役所が違うので、まとめて教えてくれる場所がありません。

結論から言うと、2026年後半は「8月に高額療養費」「10月にインボイス」「12月にiDeCoと年末調整」という3つの山があります。このうち12月の年末調整はほぼすべての会社員に関係し、しかも配偶者控除の金額が今年また変わっているため、去年と同じ感覚で書類を出すと数字がずれます。

なので、この記事で一度並べておきます。やることリストではなく、「自分に関係あるかどうかを判別するための一覧」です。関係ないものは読み飛ばして、引っかかったものだけ拾ってください。

この記事は全文無料です。個別の制度の詳しい中身は、それぞれ別の記事にまとめてあるので、気になったところからリンクで飛べるようにしてあります。

2026年後半の改正カレンダー

2026年8月 … 高額療養費の自己負担上限が引き上げ
→ 医療費が高額になる人

2026年10月 … インボイスの経過措置が80%から70%に縮小
→ フリーランス・個人事業主と、その取引先

2026年12月 … iDeCoの掛金上限と加入年齢が拡大
→ iDeCo加入者・これから始める人

2026年12月 … 年末調整に「103万円の壁」引き上げが反映
→ ほぼすべての会社員

2027年8月 … 高額療養費の第2段階(所得区分の細分化)
→ 医療費が高額になる人

年内に動きがあるのはこの4つです。加えて、年の前半にすでに施行されていて、年末調整や確定申告で初めて効いてくるものがいくつかあります。そちらは後半にまとめます。

2026年8月:高額療養費の上限が上がりました

すでに始まっています。

高額療養費制度は、医療費の自己負担に月ごとの上限を設ける仕組みですが、令和8年8月の診療分から、その上限額が引き上げられました。2025年に一度「引き上げ凍結」で議論になった制度です。その後、令和7年12月の専門委員会と社会保障審議会医療保険部会で見直しの基本的な考え方がまとまり、令和8年5月29日に健康保険法等の一部を改正する法律が成立して実施が確定しています。

ポイントは、全員が一律に負担増になるわけではないことです。

住民税が課税されている世帯では、上限額が現行よりおおむね7%上がります。厚生労働省の公表資料で確認すると、たとえば80,100円だった区分は85,800円に、167,400円だった区分は179,100円になります。

一方、住民税非課税世帯などの低所得層は35,400円が36,900円と、引き上げ幅が抑えられています。さらに長期療養者向けに「年間上限」が新設されており、こちらは負担が軽くなる方向の変更です。

つまり、負担が増える人と、据え置きに近い人に分かれる改正です。

ここでひとつ注意があります。「年収650万円以上の人の負担が大きい」といった所得層ごとの話を見かけるかもしれませんが、それは2026年8月の話ではありません。 2026年8月の時点では、課税世帯はどの区分もおおむね7%増でほぼ揃っています。年収による差がはっきり出るのは、次に説明する2027年8月の細分化からです。

年収別にどう変わるのか、年間上限の対象になるのは誰かは、こちらにまとめてあります。

https://note.com/kura_memo/n/n33f75ce660d8

なお、第2段階として所得区分をさらに細分化する改正が2027年(令和9年)8月に予定されています。ここで年収による差がはっきり出ます。細分化後にいちばん影響が大きいのは年収約1,650万円を超える層で、上限が252,600円から342,000円へと大きく上がります。今回の8月改正で終わりではない、という点は頭の隅に置いておくといいかもしれません。

2026年10月:インボイスの経過措置が縮小されます

フリーランス・個人事業主と、その取引先の会社が対象です。

免税事業者からの仕入れについて、2023年10月から2026年9月30日までの3年間は、仕入税額相当額の80%を控除できる経過措置がありました。これが2026年10月から70%に縮小されます。

ここは少し補足が要ります。当初の予定では、2026年10月以降は50%に引き下げられることになっていました。それが70%にとどまったので、予定よりは緩和された格好です。「50%になる」と書かれた古い情報がまだ残っているので、そこは注意してください。

影響を受けるのは、免税事業者のまま取引を続けている人です。控除できる割合が下がる分、発注側から見た実質的なコストが上がるので、取引条件の見直しを持ちかけられる可能性があります。

なお、70%が適用されるのは2年間で、そのあとは2028年10月から50%、2030年10月から30%、2031年10月以降は0%と段階的に下がっていく予定です。

もうひとつ、発注する側に効く変更があります。同一の免税事業者からの課税仕入れの合計が年1億円を超える部分は、経過措置の対象外になりました(改正前は10億円)。取引規模が大きい会社ほど、この線引きに引っかかりやすくなります。

免税事業者のままでいるかどうかの判断材料は、こちらに整理しています。

https://note.com/kura_memo/n/nd9423d21ec11

2026年12月:iDeCoが大きく変わります

すでにiDeCoをやっている人ほど、見直す価値がある改正です。

令和8年12月1日施行で、iDeCoの拠出限度額が引き上げられます。第1号被保険者(自営業者など)は月7.5万円、第2号被保険者(会社員・公務員など)は月6.2万円です。

ここは読み方に注意が要ります。この金額はiDeCo単独の枠ではありません。 第1号の7.5万円は国民年金基金などと合わせた上限、第2号の6.2万円は企業型DCなどの企業年金と合わせた上限です。企業年金がある会社員は、その分を差し引いた額がiDeCoに回せる枠になります。

加えて、加入できる年齢が70歳未満まで拡大されます。ただし誰でも入れるわけではなく、60歳以上70歳未満の人はiDeCo加入者・運用指図者・企業年金からの移換者のいずれかであることなどが条件です(令和11年11月末までは経過措置あり)。

すでに加入している人は、掛金の設定が自動で上がるわけではありません。上限が上がっても、自分で変更しなければ今の金額のままです。ここが見落としやすいところだと思います。

掛金上限の詳細と、NISAとの使い分けはこちらです。

https://note.com/kura_memo/n/na786e0af823a

なお、企業型DCがある会社員のマッチング拠出については、2026年4月以降、従業員の上乗せが「事業主の掛金を超えない範囲」という制限から外れています。こちらはすでに施行済みです。

受け取り方についても2026年1月から変更があります。iDeCoを一時金で受け取る場合の、退職金との間隔のルールです。退職が近い人はこちらを先に見ておいたほうがいいかもしれません。

https://note.com/kura_memo/n/n6f46aff218ac

2026年12月:年末調整で「103万円の壁」の引き上げが反映されます

会社員ならほぼ全員に関係します。

話題になった「103万円の壁」ですが、令和8年度の改正で課税が始まるラインが178万円まで引き上げられました。この改正が実際に反映されるのが、12月の年末調整です。あわせて基礎控除も4万円引き上げられ、62万円になっています(合計所得2,350万円以下の場合)。

ひとつ補足しておくと、178万円という水準は令和8年・9年分の特例です。給与所得控除74万円と基礎控除104万円を足した数字で、令和10年分以後は69万円+99万円で168万円相当に戻る形になっています。今の数字がそのまま続くわけではない、という点は知っておいて損はないと思います。

結果として、去年より還付金が増える人が多くなる見込みです。何か特別な手続きが要るわけではなく、いつもどおり年末調整の書類を出せば反映されます。

ただし、年末調整だけでは終わらない人もいます。医療費控除や、住宅ローン控除の初年度は、別途確定申告が必要です。

年末調整と確定申告の違い、書類でやりがちなミスはこちらにまとめています。

https://note.com/kura_memo/n/n2cfe2d266fb0

年内に施行済みで、年末に効いてくるもの

ここからは「いつ変わるか」ではなく「年末〜確定申告で初めて気づく」タイプのものです。

配偶者控除の金額(今年、数字が変わります)

「103万円」「123万円」「136万円」「201万円」と、いろいろな数字が飛び交っていて分かりにくいところです。これはどれかが嘘なのではなく、適用される年分が違う数字が並んでいるのが原因です。

そして今年、また変わります。令和8年度の改正で基礎控除と給与所得控除の最低保障額が引き上げられたことに伴い、扶養親族等の所得要件も引き上げられました

国税庁「源泉所得税の改正のあらまし(令和8年4月)」に載っている数字がこちらです。

令和8年分(改正後)

  • 配偶者控除の対象 … 合計所得62万円以下(給与収入136万円以下)

  • 配偶者特別控除の対象 … 合計所得62万円超133万円以下(給与収入136万円超207万円以下)

令和7年分(改正前)

  • 配偶者控除の対象 … 合計所得58万円以下(給与収入123万円以下)

  • 配偶者特別控除の対象 … 合計所得58万円超133万円以下(給与収入123万円超201万5,999円以下)

「103万円」は令和6年分以前の数字です。 給与所得控除の最低保障額が65万円から74万円に上がったので、同じ合計所得でも対応する給与収入の額がずれていきます。ここが混乱の正体です。

この改正は令和8年12月1日施行・令和8年分以後の所得税から適用されます。令和8年11月までの源泉徴収事務に変更はなく、12月の年末調整で精算されます。

配偶者控除と配偶者特別控除の関係や、段階的に減っていく仕組みはこちらにまとめています。

https://note.com/kura_memo/n/n8a24eb3b5a37

ふるさと納税の上限額

令和8年度の改正で、基礎控除額などを物価上昇に連動して見直す仕組みが創設されました。ただし勘違いしやすいのですが、この連動ルールが実際に適用されるのは令和10年分以後で、2年ごとに全国消費者物価指数の変化率をもとに見直す方式です。今年の引き上げは、この物価連動ルールが働いた結果ではありません。

とはいえ基礎控除そのものは上がっているので、課税所得の計算は変わります。ふるさと納税の控除上限額にも影響します。

ただし影響の出方が独特で、年収300万円以上の人にはほとんど変化がありません。むしろ変わるのは年収200万円前後の層で、課税所得が減る分、限度額がやや下がる場合があります。「制度が良くなった=上限が増えた」とは限らないところです。

駆け込みで寄付する前に、年収別の目安を確認しておくといいと思います。

https://note.com/kura_memo/n/n9549510c9974

住宅ローン控除

令和8年度の改正で、住宅の種類によって有利・不利がはっきり分かれました。

新築の省エネ基準適合住宅は、借入限度額が3,000万円から2,000万円に下がります(令和8年・9年入居分)。一方、既存住宅(中古)の認定住宅・ZEH水準は3,000万円から3,500万円に上がり、控除期間も10年から13年に延びます。

ただし「中古なら全部有利」ではありません。既存住宅でも省エネ基準適合住宅は限度額が3,000万円から2,000万円に下がります(控除期間は13年に延長)。一般の中古住宅は2,000万円・10年で変更なしです。自分の買う家がどの区分かで結論が変わります。

適用期限自体は令和12年(2030年)12月31日入居分まで5年延長されています。

入居年と住宅タイプで限度額が変わるので、去年の情報のまま資金計画を立てていると噛み合いません。

https://note.com/kura_memo/n/n297af7c9cb14

医療費控除とセルフメディケーション税制

医療費控除は病院にかかった人だけの制度だと思われがちですが、セルフメディケーション税制のほうはドラッグストアで市販薬を買っただけでも対象になります。

対象品目の一覧は厚生労働省が公表していて、必要に応じて毎月更新されます。2026年8月時点の最新は令和8年8月1日時点のものです。買った薬が対象かどうかは、その時点の一覧で確認するのが確実です。レシートを取ってあるなら、年末に照らし合わせる価値があります。

制度自体については、令和8年度の改正でスイッチOTC医薬品の部分だけ適用期限が撤廃され、それ以外の医薬品は5年延長という形になりました。「制度がまるごと恒久化された」わけではないので、そこは区別しておいたほうがいいと思います。

また、痩身・美容目的のものを対象から外し、消化器官用薬などを加えるという対象範囲の見直しも決まっていますが、こちらの適用は令和9年分以後の所得税からです。今年の確定申告には影響しません。

https://note.com/kura_memo/n/nd396cdfbe677

副業をしている人の「20万円ルール」

「所得が20万円以下なら申告不要」というルールは、所得税の確定申告についての特例です。住民税には適用されません。

つまり、副業の所得が20万円以下でも、住民税の申告は別途必要です。ここを「何もしなくていい」と思い込んで、後から追徴課税になるケースがあります。

https://note.com/kura_memo/n/ned12954eb4c0

育休を取る予定がある人

2025年4月の改正で「出生後休業支援給付金」が導入されました。両親がともに原則14日以上の育休を取得した場合に、最大28日間、育児休業給付の67%に13%が上乗せされて80%になります。社会保険料の免除や非課税を加味すると、この28日分について実質「手取り10割相当」になる、という仕組みです。

「育休中ずっと10割」ではなく、条件を満たした28日分が対象、という点は押さえておいたほうがいいと思います。

育児休業給付金そのものは、開始から180日までが67%、181日以降が50%です。上限額は毎年8月1日に改定されます。

https://note.com/kura_memo/n/ndab9fa376cbb

NISA:子ども向けの枠が2027年から始まります

これは検討段階ではなく、すでに決まっています。 令和8年度の税制改正でつみたて投資枠の年齢要件が撤廃され、令和8年3月31日に法律として公布されました。開始は2027年(令和9年)からです。

0〜17歳は、年間の投資枠が60万円、非課税保有限度額が600万円です。12歳以降は、子の同意などの要件のもとで払い出しができます。教育資金を親のNISA枠とは別に準備できる選択肢が増えることになります。

現行の新NISAは、つみたて投資枠が年120万円、成長投資枠が年240万円、生涯の非課税保有限度額が合計1,800万円で、非課税期間は無期限です。ただしこの1,800万円のうち、成長投資枠で使えるのは1,200万円までという内枠がある点は見落とされがちです。

https://note.com/kura_memo/n/n967199f5381a

まとめ:結局、自分は何を見ればいいのか?

上から順に、引っかかるものがあるかだけ確認してみてください。

  • 会社員である → 年末調整(還付金が増える可能性)

  • 配偶者がパートで働いている → 配偶者控除(今年、金額が62万円/給与136万円に変わりました)

  • 医療費が高額になりそう / 通院が続いている → 高額療養費

  • フリーランス・個人事業主である → インボイス

  • 免税事業者に年間まとまった額を発注している → インボイスの1億円の線引き

  • iDeCoをやっている / これから始める → iDeCo

  • 退職が近い → 退職所得控除とiDeCoの受け取り順

  • ふるさと納税をする予定 → 上限額

  • 家を買った / 買う予定 → 住宅ローン控除(新築か中古か、省エネ区分かで結論が変わります)

  • 市販薬をよく買う → セルフメディケーション税制

  • 副業をしている → 住民税の申告

  • 育休を取る予定がある → 出生後休業支援給付金

  • 子どもの教育資金を準備したい → 2027年からのNISAの子ども向け枠

ひとつも当てはまらない人は、たぶんいないと思います。逆に全部当てはまる人もいないはずなので、関係するところだけ拾えば十分です。

制度は毎年少しずつ動きます。全部を追いかけるのは無理なので、「自分に関係する2〜3個だけ、年に1回確認する」くらいの付き合い方が現実的だと思っています。

本記事は公開されている制度情報をもとに、2026年8月時点で判明している内容を一般的に整理したものです。検討段階の項目や、今後の政令・通達で細部が変わる可能性のある項目も含みます。個別の適用可否や金額は状況により異なるため、正確な内容は国税庁・厚生労働省などの公式情報、または税務署・年金事務所・税理士等の専門家にご確認ください。

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