【2026年最新】医療費控除、実は病院に行かなくても使えるって知ってました?セルフメディケーション税制との使い分けを解説
「医療費控除は縁がない」と思ってませんか
医療費控除って聞くと、「大きい手術でもしない限り関係ないでしょ」って思ってませんか?私も最初はそう思ってました。
でも実は、医療費控除には「セルフメディケーション税制」という特例があって、こっちはドラッグストアで市販薬を買っただけでも対象になるんです。しかもこの制度、令和8年度の改正で適用期限や対象範囲に動きがありました。
結論から言うと、医療費控除とセルフメディケーション税制は選択適用の別制度で、入院・手術がない年でも市販薬の購入額次第で控除を受けられる可能性があります。
というわけでこの記事では、医療費控除の基本と、意外と知られていないセルフメディケーション税制について、サクッと整理していきます。後半では、どっちを選ぶべきかの判断基準や、確定申告での実務的な注意点まで踏み込んで解説します。
医療費控除とは?対象になる費用と対象外の違い
医療費控除は、1年間(1月〜12月)に支払った医療費が一定額を超えた場合、その超えた分を所得から控除できる制度です。本人だけでなく、生計を一にする配偶者や親族の医療費も合算できます。
対象になるのは、病院での診察費・治療費だけではありません。以下のようなものも対象になります。
通院のための交通費(公共交通機関)
出産費用
一定の歯科矯正費用(治療目的のもの)
処方された薬の代金
一方で、美容目的の施術や、健康診断の費用(異常が見つからなかった場合)などは対象外です。「治療目的かどうか」がひとつの境目になります。
医療費控除は年末調整で対応できる?確定申告が必要な理由
以前の記事でも触れましたが、医療費控除は年末調整の書類には項目がなく、必ず確定申告が必要です。「年末調整を出したから大丈夫」と思って忘れてしまう人が多いポイントなので、改めて注意してください。
年末調整と確定申告の違いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
「【2026年(令和8年)最新】年末調整、還付金が増えるかも?103万円の壁引き上げと年末調整・確定申告の違いを解説」
https://note.com/kura_memo/n/n2cfe2d266fb0
セルフメディケーション税制とは?医療費控除との違い
これが今回一番伝えたいポイントです。セルフメディケーション税制は、医療費控除の「特例」にあたる制度で、通常の医療費控除とは別の入り口として使えます。
健康の維持増進や疾病予防に取り組んでいる人が、対象となる市販薬(OTC医薬品)を年間で12,000円を超えて購入した場合、その超えた部分(上限88,000円)が所得から控除される、という仕組みです。風邪薬、頭痛薬、湿布、目薬、整腸剤など、ドラッグストアで日常的に買うような市販薬の多くが対象になります。レシートに「セルフメディケーション税制対象」のマークが付いているかで判別できます。
つまり、入院や手術がなくても、市販薬をそれなりに買っている家庭なら対象になる可能性がある制度です。
2026年(令和8年)セルフメディケーション税制、対象品目の変更点
令和8年度の税制改正で、この制度に2つの動きがありました。順番に整理します。
① 適用期限。恒久化されたのは一部だけです
「セルフメディケーション税制が恒久化された」という説明を見かけるかもしれませんが、正確ではありません。財務省の税制改正大綱によると、恒久化(適用期限の撤廃)はスイッチOTC医薬品の部分のみで、それ以外の医薬品の部分は5年延長です。制度まるごとが恒久化されたわけではない、という区別は押さえておいてください。
② 対象範囲の見直し。適用は令和9年分からです
対象になる医薬品の範囲も見直されます。痩身または美容目的の医薬品が対象から外れ、消化器官用薬、一定の生薬を含む鎮咳去痰薬、一定の体外診断用医薬品、同等成分の薬局製造販売医薬品が加わります。
ただしこの見直しが適用されるのは、令和9年分以後の所得税からです。今年(令和8年分)の確定申告には影響しません。「2026年から対象品目が入れ替わる」と読める情報がありますが、実際に効いてくるのは来年分からです。
では今年は何を見ればいいのか
対象品目の一覧は厚生労働省が公表していて、必要に応じて1か月に1回更新される予定とされています。2026年8月時点の最新は令和8年8月1日時点のものです。
月単位で見直されるので、「去年は対象だったのに今年は違う」というケースは起こり得ます。購入するタイミングによって扱いが変わることもあるため、レシートのマークをその都度確認するのが確実です。
ここまでで、医療費控除とセルフメディケーション税制、2つの制度があることはつかめたと思います。ただ、実はこの2つ、同時には使えません。どちらか一方を選ぶ必要があるので、自分の場合はどっちが得なのか、次で詳しく見ていきます。
医療費控除とセルフメディケーション税制、どっちが得?
まず大前提として、この2つの制度は選択適用です。同じ年に両方を併用することはできません。年末に1年分の実績が出そろったタイミングで、どちらが得かを計算して選ぶことになります。
医療費控除が有利になりやすいケース
入院・手術など、まとまった医療費がかかった年
出産をした年
歯科矯正など、高額な治療を受けた年
家族の医療費を合算すると、年間10万円を超えそうな場合
セルフメディケーション税制が有利になりやすいケース
大きな病気やケガはなかったが、市販薬(風邪薬、花粉症の薬、湿布など)をコンスタントに購入している家庭
健康診断や予防接種など、健康維持の取り組みをしている
医療費の合計が10万円には届かないが、市販薬の購入額が12,000円は超えている
「10万円」は誰でも同じ基準ではありません
医療費控除でよく言われる「年間10万円」ですが、これには例外があります。その年の総所得金額等が200万円未満の人は、10万円ではなく総所得金額等の5%が基準です(国税庁 No.1120)。
たとえば総所得金額等が150万円なら、基準は7万5千円。10万円に届かないから諦めていた人でも、対象になる場合があります。パート勤務の方や、年の途中で退職した方は、ここを確認してみてください。
なお医療費控除の控除額は最高200万円、セルフメディケーション税制は最高88,000円が上限です。
判断のコツ
年末に、1年間の「病院代・処方薬代の合計」と「市販薬(OTC医薬品)の合計」の両方を集計しておき、それぞれの制度で控除額を試算して、大きい方を選ぶのが確実です。感覚で決めず、実際に両方計算してみることをおすすめします。
医療費控除・セルフメディケーション税制の確定申告での書き方
どちらを使うか決まったら、次は確定申告です。どちらの制度も、申告しなければ1円も戻ってきません。ここからは、実際に書類をどう書くかを見ていきます。
ここから先は
¥ 500
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?
