アンナ・フィッチ&バンカー・ホワイト『Yo (Love Is a Rebellious Bird)』私の親友ヨランダ・シェイの人生
2026年ベルリン映画祭コンペ部門選出作品。アンナ・フィッチ&バンカー・ホワイト長編二作目。1997年にアンナ・フィッチがヨランダ・シェイ(通称"ヨー(YO)")と知り合ったとき、アンナは24歳、ヨランダは73歳だった。二人はそこから20年近くの間、友情を育んでいく。そして、彼女が亡くなった後、アンナはバンカーと共にヨーの家を1/3スケールで完全再現した。それは、様々な要素において社会の期待を拒み、自らの意思によって人生を生きた彼女の物語を語り継ぐためだった。全てがミニチュアから始まると思っていたが、そういうわけでもなく、ヨー自身の映像も結構残っているようで、まずはアンナが彼女と対話するシーンから始まる。そして、コラージュ作家だったというヨーの手法を真似たような描写によって、ヨーのスイスでの子供時代やカリフォルニア移住後の話が語られ、大学時代に昆虫学を専攻していたアンナの思考と融合させるように、芋虫やその羽化が重要なモチーフとして登場する。ヨーの語る彼女の生き様には興味深い点も多いが、一次資料としてのヨーの映像を揃えきれなかったからなのか、そもそもの構成があまり上手くないからなのか、不足している部分をストップモーションアニメや家のミニチュアでの再現映像で補おうとしても中途半端に見えて、全く実体を持って感じることが出来なかった。寧ろ、それらの再現映像はそれだけで興味深いせいで、ノイズになってしまったのかもしれない。ミニチュアを登場させるならヨーは全部ミニチュアでも良かったんじゃないか。ヴラドレーナ・サンドゥ『Memory』みたいな手法だ。というか、基本的にヨーの人生の話なので、アンナとどう親しく過ごしたかがあまり語られないので(映像そのものがその証拠と言われたらその通りなのだが)、親友の終の棲家のミニチュア製作という巨大な愛が出所不明すぎてもはや不気味にすら見える。
・作品データ
原題:Yo (Love Is a Rebellious Bird)
上映時間:78分
監督:Anna Fitch, Banker White
製作:2026年(アメリカ)
・評価:60点
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