闇 638(ちかバースデー編)
闇 638(ちかバースデー編)

2026/08/13 thu
※多分この時代に岩上智一郎という人間がいたという証明をしたかったから、この作品を自分の為に書いているのだろう。
前回の章

二千二十四年三月一日、金曜日大安。
三月に入り、今月いっぱいまで早番。
朝七時から昼の三時までの仕事を終え、自称俳優マンションへ戻り、風呂に入ってから眠る。
夜になり目を覚ましてから、プライベートの活動時間となり、朝方軽く睡眠を取る不規則な生活リズム。
昔から規則正しく過ごすより、こうした適当さな自由が自分に合っていると本能的に感じた。
今日も、ちかとLINEのやり取り。
ほぼ毎日連絡し合い、これが本当の事恋人関係なら何も問題ないのになと、少し複雑な心境になってくる。
俺は裏稼業のインターネットカジノの末端従業員。
ちかは池袋で働くキャバ嬢。
客と飲み屋の女というだけ。
まだそこに身体の関係が入れば違ってくるが、一体俺は毎日何をしているのだろうと思いながら、今日も返事をした。
競馬のテラ銭の暴利さ加減をちかへ説明し、そんなものへこれまで相当な金額を注ぎ込んだ愚かな俺を自虐的に語る。
さらに未だ心筋梗塞のカテーテル以降痺れたままの右脚を鬱陶しく嘆く。
『それは都合良すぎる。だから国も進めるギャンブルなんやんね。マジかあ…、天気風呂とか温泉系でよくなったりせんかなあ? そんな卑下せんで。岩上さんすごい人なんやから…! ちか』
ちゃんと俺の文面を読んだ上での返信内容。
変なところで真面目な彼女。
こうした部分はとても気に入っていた。
『ちょっと色々ヤバいよね。五輪なんて中抜きだらけだったし、自分らに都合いいようにしか世の中動かしてないもんね。ロシアも相変わらずだし、一斉に攻撃して、一回核で世の中メチャクチャにして破壊しちゃったほうがいいかもね。電気も温泉もやったけど、心筋梗塞から一年半くらい経つけど変わらないね。最近ちょっと悟ったの。俺の今世は何も報われないで終わるんだろうってね。だから物事に俺は何も期待しないようにしたの。身体も中途半端に駄目にするんなら一気に命奪ってよと思うけど、まだ何かしらやる事は残ってるんだろうね。 岩上智一郎』
彼女との会話のやり取りは、徐々に自身を甘えさせている。
酷く自己否定をしつつも、かろうじて僅かね希望がある言い方。
これは俺の悪い癖なのかもしれない。
『権力持ってる人が生きやすい世の中になってるよね…、マジ自分のことしか考えてない。罪のない人皆んな避難させてね。そうなのか…、なんか良い治療法ないんかなあ…。意味があって残されてるみたいなことかな…? でもなんで生きてるかってゆうと自分のためもあるけど、何かなしえる事があるから生かされてるのかも…。 ちか』
俺を否定しないちか。
職業柄このような客には慣れているせいか。
会話を辞められない自分。
これは一種の依存に近い行為。
『げんなりしかしない世の中になりつつあるよね。動かないわけではないし、まあいずれなるようになるでしょう。報われないと言ったのは俺自身の作品がって事で、原点に還ったら元は書きたい、作りたいだけだし、作品を完成させる以外のもの…、評価だったり金銭的なものだったり、そういったものを追いかけるのはやめようと思ってね。 岩上智一郎』
偉そうな事を言いながらも、俺は十三年間何も作品を書けていない。
過去の貯金など、とうに使い果たしているというのに……。
二千二十四年三月二日、土曜日赤口。
インカジ『レディ』の仕事を終えて、風呂上がりにベランダでタバコを吸っていると、ちかからLINEが届く。
『前も話してたけど、岩上さん立候補して世の中変えてほしい…。うん…、痺れもずっとやと鬱陶しいやろうで心配や…。なるほど…! それやと真の作りたいものが作れそうな感じするね。めちゃ素晴らしい考えとゆうか。 ちか』
立候補?
あ、以前県会議員になった須賀昭夫から出馬要請された事をまだ覚えていたのか。
始さんたちと雑談していると、県会議員になった須賀昭夫さんが入ってきた。
「なあ、智ちゃん。英幸さんとも話しているんだけど、市議会議員に出ないか?」
以前も言われたこの台詞。
俺が政治家に?
現在インターネットカジノで働く俺。
市議会議員レベルなら出馬すれば受かる自信はあった。
しかし問題は受かった後。
すっかり便利になったこの世の中。
俺の裏稼業の事など叩けばいくらでも埃は出てしまうだろう。
そうなると支援してくれる自民党に…、いや、亡くなったおじいちゃんの顔に泥を塗るようなものだ。
「昭夫さん、俺なんてやめといたほうがいいですって」
「何で? 智ちゃん、川越にいないのに町内では人気者だろ? 出れば受かるって」
「うーん…、受かるのはいいんですけど、俺の場合埃が出過ぎるんですよ」
「いや、それを言うなら俺だって昔はね?」
「いやいや、昭夫さん。俺は今だって裏稼業で働く人間なんですって。洒落にならないし、自民党に恥かかせるだけになるんですって」
「智一郎君、お団子食べる?」
始さんの奥さんの弘惠さんは、いつも俺の顔を見るとニコニコしながら焼き団子を勧めてくる。
伊勢屋を出ると、ブラブラしながら俺が政治家に出馬した事を考えた。
俺が国会議員の中野英幸さんや、県議の昭夫さんから声を掛けてもらえるのも、自分の実力ではなく岩上家…、祖父甲子郎の血筋だから。
川越のこの辺では、俺は岩上家の長男として認知されている。
これは新宿にいようが、横浜にいようが何年経っても変わらない。
裏稼業にどっぷりと浸かった俺が、政治の世界になどあり得ないだろう。
「……」
もし、俺が市議になったら?
ちかも傍にいてくれるのか?
馬鹿も大概にしろ。
急に血迷うなよ。
『無理だよー、俺がなったところで変わらないよ。ここ一年ちょっと症状はずっと良くも悪くもならなくこんな状況だからね。いっそひと思いに心臓終わってくれれば。世に出て金稼ぐのは無理、誰も評価などしない。でも俺は作品作るよ。 岩上智一郎』
『今いる政治家の方々より私は岩上さんを応援したい…! そんな言わんで! 岩上さんのこと大事に思ってる人はいっぱいいるからさ。めちゃかっこいい…、ピカソみたいになったら凄いよね。 ちか』
うーん…、正直執筆していないのに、小説の語るのは罪悪感が出てくるな。
先日買ったマッサージ器のリリースガンの話題に切り変えよう。
『俺はただの社会不適合者に過ぎないよ。筋膜リリースガンっていうの買って、しばらく足にやってみたけど、やっぱり痺れ取れなかった。死んでから評価されるのかな。そもそもただ埋もれて終わりそうだけどね。 岩上智一郎』
無性にちかを抱きたくなった。
しかし俺が色恋のほうへ行けば、この関係は呆気なく終わるだろう。
部屋でゴロゴロしながら眠る。
起きるとまだ夜の八時。
外へ食事をしに行き、こなもんで軽く飲んでから帰宅。
最近柏原は色々忙しいようで連絡がない。
女の肌に触れたかった。
簡単に抱けるとなると、洗体エステで働くリオしかいない。
まだあの女はあの店にいるのだろうか?
『リオ、まだあの店いるの? 岩上智一郎』
『うん、いるよ。 リオ』
俺は彼女の働くラブリーハートへ行き、リオを抱く。
「おじさん、プレゼントは?」
「欲しいなら、俺の部屋まで取りに来いよ」
「面倒臭い。おじさんが持って来て」
二万円もしたミラノコレクション。
元々リオへプレゼントするつもりで買ったが、このような言われ方をされてまであげたくない。
本当に歳を取ったものだな、若い女にこのような舐め方をされるなんて。
ちかの誕生日も近いのだ。
それならちかへあげたほうがまだいい。
この中国人女は金を払ってセックスするだけの女。
そう、割り切ればいいさ。
二千二十四年三月三日、日曜日先勝。
河本マンションから持ってきただけの洗濯機。
取り付け口を何度挑戦しても上手くいかず、使うとするとホースから水が漏れる始末。
一端諦めてセブンスターに火をつける。
右斜め向かいの河本マンションメガネザル大家が、ゴミを二袋両手に持ったまま外へ出てくるのが見えた。
何やってんだ、あいつ?
道路を渡り、目の前のラブホテル『甲隆閣』のゴミ箱へゴミ袋を不法投棄するのを見た。
普段ならどうでもいい事であるが、あのババアには散々煮え湯を飲まされ続けてきたのだ。
毎月手書き請求書で、一人暮らしの俺から光熱費を三万も四万も盗り続け、今のマンションへ逃げるように住むと郵便ポストにゴミ袋をぶら下げるような幼稚な嫌がらせ。
あんな余所者台湾人の無法をそのまま野放しにしておくのはムカついてくる。
『若菜さん、起きてますか? 洗濯機のホースがどうやっても取り付けられないのですが……。また河本マンションの大家、向かいのホテルにゴミ捨ててましたよ。 岩上智一郎』
自称俳優へLINEを送り、タバコを揉み消すと、また洗濯機のホース取り付け作業に没入した。
一端諦めインカジ『レディ』の出勤になったので仕事へ向かう。
何語ともなく業務を済ませ、帰り道カレーの材料を買いながら戻る。
四苦八苦しつつも洗濯機をようやく使えるようにできた。
『何とか洗濯機できました。 岩上智一郎』
本当に龍平はタカるだけで、何の役にも立たない男だ。
嫌味半分であえてメッセージを送る。
『おそようございます。寝たのが朝でした。向かいのホテルとは、甲隆閣ですか? 若菜龍平』
『そうです。あ、若菜さん、カレー食べます? 岩上智一郎』
『あそこ幼なじみだからチクっときますわ。寝起きなので、夕方位なら食べれます。 若菜龍平』
『俺、二回捨ててるの見ましたよ。カレー食べたくなったら連絡下さい。 岩上智一郎』
『二回了解す。カレー。連絡します。 若菜龍平』
ゴミ捨ての件はともかく、わざわざカレーの事まで言う必要なかったよな、俺も……。
そういえば河本マンションを出て一ヶ月以上経つが、あいつら敷金を返す素振りも何もないな。
タウンハウジングのマーへ聞いてみるか。
『まーさん、河本マンション出て一ヶ月になりますが、敷金戻ってこないんですか? 岩上智一郎』

カレーの鍋に火を通しながら煮込んでいると、ちかからLINEが届く。
『どこが社会不適合者なの! 筋膜リリースガン… 、名前とこのフォルム見るとかなり強そうやけど、そんな効き目なかったのね。絵もそうやけど、小説とか色々やってた凄い人ってので特集されそう。 ちか』
そこまで言うなら、その凄いと思う人に抱かれに来いよ、ちか。
まあそんな言葉を一つでも吐いた時点で、彼女が間違いなく去るだろう。
『前に読者から言われた事あるよ。所詮表面だけの機械だからね。家にある高周波の機械(当時二百万した)持ってくればいいんだけど、十年放置したままだしなあ……。 岩上智一郎』
俺は岩上整体の時高周波を使った映像を見せた。
『それっていい意味で普通の人とは違うからやない? す、凄い。しかも二百万って…。動くには動くんかな? 十年やと中々難しいかな? てか岩上さんがめちゃお若い。あぁ、バースデー緊張する…。コレからヘアメ行ってきます。 ちか』
明日は彼女の誕生日。
それでも三十歳か。
若いって本当にいいよな。
でもほとんどの人間は、いずれ老いる事に気付かず勢いで過ごしてしまう。
『まあ他人の評価なんて十人十色だからね。最近は周りからどう思われようが何でもいいやになってきたけど。この頃は三十半ばだからね。動いたら俺はまた人の身体をかなり高確率で治せるね。頑張って、飲み過ぎないようにね。 岩上智一郎』
本当は裏稼業のインカジなどでなく、また白衣を着ながら「先生」と呼ばれつつ整体をしてみたかった。
でも、今の仕事以上に稼げる自信も保証もない。
『岩上さん! ぼちぼちカレー頂きたいのですが、どうしましょう? 若菜龍平』
「……」
LINEすら空気が読めないのか、自称俳優め。
俺はタッパを用意して、カレーを入れる準備をした。
二千二十四年三月四日、月曜日友引。
とうとう日付けが変わり、ちかの誕生日。
リオにあげようと思って買ったミラノコレクションだが、礼儀知らずの中国人にあげるぐらいなら、ちかへあげて喜ぶ顔を見たほうがいいだろう。
『ちか、誕生日おめでとう! 岩上智一郎』
彼女へ祝福メッセージを送ってから、ゆっくり眠る。
朝になるといつものようにインカジ『レディ』へ出勤して淡々と業務を済ませた。
今日の問題はただ一つ、ちかの誕生日祝いだ。
できる事なら彼女の店にプレゼントを持って行き、目の前で祝福したいが、またいくら取られるか分からない飲み代。
果たして二万円の化粧品をあげるだけで、少なくとも五万以上の金を使う意味合いがあるかというもの。
普通にプライベートで会ってあげる分なら何も支障がないのに、こんな歪な関係を続ける事に何の意味があるのだろう。
ちかとのこれまでのやり取りを振り返る。
まず出会ったのは二千二十年の二月。
一軒目焼肉。
二軒目居酒屋。
野郎だらけの集まりが次に行くものといったら決まっている。
「言っときまですけど経費で出せるのは、ワンタイムまでですからね」
ケツの穴の小さい香川がしどろもどろに小声で話す。
それなら俺を解放しろって……。
唯一の既婚者であるオカマの木下は、家族を盾に二次会で抜ける。
それなら俺も由緒ある岩上家の長男として…、強引に連れ出された。
人数は俺、香川、橋本、ノブ、ヨッピーコレクション、山下、川崎と計六名。
もう正直飲み屋系の女にはうんざりしていた。
陽気にはしゃぐ馬鹿たちに囲まれ、ときわ通りを渡ったすぐ先の道沿いにある地下のキャバクラへ入る。
キャバクラ『インペリアル』。
一人目に俺へ着いた女はエリ。
この女はかなりいい加減な性格で、俺にインターコンチのカリュウの予約をさせておきながら、いきなりドタキャンされた。
二人目は茶色いショートカットの美人が隣りへ座る。
名刺を渡されながら「ちかです。はじめまして」と礼儀正しくお辞儀をしてきた。
彼女は兵庫県出身で、琵琶湖の話で盛り上がる。
日本一の壮大な湖。
出不精の俺でも一度はこの目で見てみたい。
関西出身なので、関西弁がまるで抜けない彼女。
俺が四十八歳の時だから、かれこれ五年越しのやり取り。
間に心筋梗塞を患ってから、飲み屋系との人間の関係を絶っていたが、神田に紹介された三十分二万五千円の手相占いの帰り、ついちかの店へ寄ってしまったのが、またこうなってしまった原因でもある。
復活後いきなり二十万円の飲み代。
あの時がもう二年前になるから、かれこれちかとはそれだけの期間、毎日のように連絡のやり取りをしていた。
ただの飲み屋女と客の関係に過ぎないので、俺は合間に色々な女を抱いた。
しかし結果的に残ってしまったのが、このちかというだけ。
せっかく悪友神田と縁を切り、守銭奴河本マンションを脱出できたのだ。
これでまたちかの店で金を散財するようでは藪蛇もいいところ。
『岩上印のカレー頂きました! めちゃ旨いです、俺好みのカレーです
ご馳走さまでした! 若菜龍平』
もう一人いたよ、危険人物が……。
この馬鹿のせいで二度梯子を外され、他の引越し先をすべて潰される。
その上で若菜ファミリー所有のマンションへ是非入ってほしいと言いながら、意味不明な面接に加え、礼金も仲介手数料もしっかり取った正規契約料金で五十万近くの金が出たのだ。
何が岩上印だよ?
そんなもんねえよ、ボケ。
あれだけ手間暇掛けて作ってんだから、不味い訳ねえだろうが。
『とんでもないです。わざわざありがとうございました。 岩上智一郎』
本当に俺は、この男が嫌いなのだろう。
自称俳優マンションにいなければ、無視してブロックをしているレベルだ。
そんな最中ちかから来るLINE。
薄っぺらい無職の自称俳優と比べると、何て癒しがある事か。
『他人の評価って割りとどうでも良かったりするよね。気にするのは、若いうちだけというか…。これそんなすごい機械なんや。初めて見たけど、なかなかレアそうな…! ありがとう。 昨日プレッシャーで疲れたなぁ。誕生日初っ端から携帯が壊れててやばすぎる。 ちか』
『普通の接骨院や整形外科に置いてある機械だよ。俺のは随分年式古くなってしまったけど。携帯壊れるって、何気に不便だもんね。こんな時代になってるのに文明の利器に頼るなといっても、もう無理だしね。 岩上智一郎』
返事をしながら今日は自分の誕生日なのに、本当に優しいよなと感心する。
『そうなんや。初めて見たなぁ… そう思うと接骨院と整形外科行ったことないな。そうなんよね…。当たり前にあるものが、壊れるとマジで不便。携帯の下半身が全然反応してくれへん。 ちか』
俺はある程度夜まで待ち、ミラノコレクションを渡しにちかの店へ行く決意をした。
今月で彼女は店を上るのだ。
それなら最後の誕生日ぐらい祝ってやりたい。
二千二十四年三月五日、火曜日先負。
プレゼントを渡したらすぐ帰るつもりだった俺。
十二時を越えてもまだ延長し、店にいる状況。
何て意思が弱く、変に格好つけてしまうのだろうか。
二時過ぎに会計をして、八万円の飲み代を払うと、タクシーで大久保まで帰る。
プレゼント代まで入れたら十万円の支出かよ……。
『無事家に着きました、おやすみなさい。 岩上智一郎』
大金を吐き出して初めて構造に気付く馬鹿な自分。
寝不足のままインカジ『レディ』へ出勤し、働いた何日分の金を使ってしまったのかと後悔しかなかった。
『岩上さん昨日はご馳走様でした。かなりバタバタしてたのに顔見に来てくれてほんまに嬉しかった。まさか岩上さんが顔出してくれると思わず、サプライズすぎたし誕生日に大事な人に会えるのがこんなに嬉しいものかと…。ほんまのほんまにありがとう。ミラノコレクションのプレゼントもほんまにありがとう。大事に使わせていただきます。最近寝付き悪い時もらってオルゴールつけて寝てるもんね。 ちか』
大事な人と会えるのがそんな嬉しかったら、俺とプライベートの約束を最初からしているはずだろ?
そしてここへきてあのオルゴールを出すか。
河本マンション時代に購入したあのカノンのやつを。
アマゾンで月が中に入ったガラス玉の光を発するオルゴールを目にした。
鳴る音楽はカノン。
輪唱の一種で一つのメロディを複数のパートが異なるタイミングで追い掛けるように演奏する作曲技法。
またパッヘルベルのカノンというものもあるが、ピアノでドビュッシの月の光しか弾いた事のない俺にとって、クラシック音楽は詳しくない。
ただシンプルなカノンを奏でながら、回転しながら光を発するオルゴールが、あの薄暗いベランダにあったら何となくホッとする気分になるだろう。
タバコを吸うのによく行く場所でもある。
これは無駄遣いではなく、心の平安を得るものとして捉えれば四千円しない買い物は、いい方向へ行くのではないか。
乙女座生まれなので、ロマンチックな気分に浸れるのもいい。
光を放つ月型のカノンのオルゴールを購入しようとして、ちかの顔が浮かぶ。
そういえば彼女にこれをプレゼントしたら、どんな顔をするだろう?
数日前に俺は、同じものを二つ購入する事にした。
一つは今でも俺が使用し、もう一つはちかの元へ。
『あまり無理して体調壊さないようにね。 岩上智一郎』
素っ気なく短めの返信をしてから、俺は一体何を支離滅裂な行動ばかりしているのだろうと自虐的になった。
二千二十四年三月六日、水曜日仏滅、啓蟄。
もっと自分の為になるような金の使い方をしなくては駄目だろ。
キャバクラで十万近い散財は、神田の時で嫌ってほど懲りたはずじゃなかったのかよ……。
またちかから連絡は来るだろうが、もうあまり深入りするのはやめておこう。
仕事を終え、部屋で大人しく過ごしていると、龍平から飲みに行かないかと誘いが来る。
当然断った。
この男が日頃の俺の料理に対してお礼をしたからという気持ちなど一切ないのは理解している。
また隙を見て人からタカろうとしているぐらいしか考えていないのだろう。
一人でこなもんへ行き、酒を飲む。
カウンターで会話がうるさい女がいる中、マスターとまともに話をする事ができずにお好み焼きを食べて帰る。
部屋へ戻るとちかから連絡が来た。
『金土だけかなりバタバタで体力やばかったけど、もう後は普段通りな気がするから大丈夫そう。プレッシャーがやばすぎてあんま寝れん日が続いちゃってさ。 ちか』
『それもすべてちか自身が築いてきた一連の流れだからね。一つ区切りついたら、ゆっくり身体休めるのも忘れないように。 岩上智一郎』
淡々としたシンプルな内容を送る。
『うん…、ありがとう。いつも岩上さんにメンタルケアしてもらってる気がするや…。誕生日ひと段落して、今週はゆっくりになりそうかな…。でもキャバクラ人生後二十六日しかないから、もう一踏ん張り頑張る。 ちか』
メンタルケア?
それなら何故俺のところへ時間を作って来ない?
俺はただの客に過ぎないんだろ?
『ちかの人生だし、自身の思うままに動けばいいと思うよ。計算づくではない勢いが、いい方向へ行くケースもあるしね。 岩上智一郎』
文面を打ちながら、酷く淋しい気持ちになった。
俺は溜まらずリオのいる洗体エステへ行き、彼女を指名して抱く。
「おじさん、私のプレゼントは?」
「だから欲しかったら俺のマンションまで取りに来いよ。何で客で来ているのに、プレゼントまで持ってこなきゃいけねんだよ」
もうミラノコレクションはちかへあげてしまったけどな。
おまえは黙って大人しく股だけ開いていろと、サディスティック気分になりながら彼女へ精子をぶち撒けた。
二千二十四年三月七日、木曜日大安。
昨日はリオを抱いたせいか、妙に気分がスッキリしていた。
やはり男は出すものは出さないと、変に卑屈な考えしかしなくなる生き物なのだろう。
『なるほど….、確かに自分っぽくない動きすると失敗することの方が多いもんなあ…。ただ自分を持ちすぎると失敗することもあるから難しいけど。芯だけはブレないようにしたいな。 ちか』
何もちかには罪が無いのに、俺が変に勘繰り過ぎてしまった。
『自分を持ち過ぎるというより、図に乗り過ぎた場合だと思うよ。過去の俺がそうだしね。最近過去書いた小説整理しててね、たまたま読んだら、一番俺が鬱というか狂っている時に書いた作品だった。え、俺こんなの書いてたの ヤバいなあ…、頭結構イッてるじゃん……。自分持ち過ぎて、ブレずにいたけど何やっても駄目な時期。要は物事ってなるようにしかならないし、あまりにも辛い環境ならそこから逃げる、脱出するのも一つの手だったのかなあってね。 岩上智一郎』
俺は二千十年の頃執筆した『鬼畜道~天使の羽を持つ子~最終章』のURLも一緒に送る。
『なるほど、確かに調子に乗るとなんでも良くない方向に行っちゃうもんな…。でも岩上さんの場合は調子に乗るとゆうか図に乗ってたわけじゃないよね…! 自分を持つこと信念貫くことも大事やけど、周りの環境とかでどうにもならない場合は環境を変えることも大事やもんね…。なんか人生ってこう!って正解がないから本当難しいよね…。鬼畜道今読めてないから、ゆっくり目通させていただくね。 ちか』
何で十四年前の作品なんて、俺は彼女へ送ったのだろう。
『鬼畜道は俺のただのマスターベーション的なものなだけで、作品でも何でもないんだ。だから読む価値もないよ。あれから十数年時が経ってるのに、これ読み返すと未だ息苦しくなるって、結構なトラウマだよね。前に女子レスラーの何とか花っていうのが、ネットで凶弾されて自殺したでしょ? あれね、私的な見解言うと、死ぬぐらい辛いならそのステージから降りればいいのにって思うんだよね。無理にキツいのに現状にしがみつこうとするからそうなるんであって、それで病んで死を選ぶくらいなら全部投げ出してでも生きたほうがいいだろうって。 岩上智一郎』
また俺の悪い病気が始まった。
ちかへ格好つけようと、自論を偉そうに語り優越感へ浸るだけ。
中身も何も無いくせに、見栄を張るのはやめろって自制がまるで利かない。
これじゃ自称俳優と一緒じゃん。
いや、少なくとも俺は毎日働いている。
あの男のように無職ではない。
二千二十四年三月八日、金曜日赤口。
ベランダへ出てタバコを吸おうとして、思わず声が出る。
雪降ってるし……。

三月なのに雪が降るのかよ。
朝六時だよ?
俺、これから仕事へ行くようなんだよ?
電線まで白く積もっているし。
早く暖かくなっておくれよ、まったくね。
大きく煙を吐き出すと、タバコがまだ半分も吸い終わっていないのに揉み消した。
インカジ『レディ』へ出勤すると、でったんは川越のクレアモール沿いにある町鮨とろたくの場所を分からないだろうと、彼に地図を送る。
『川越のとろたくの場所ね。サンロード沿い。 岩上智一郎』
『ありがとう。 出口貴行』
もう次で何度目の再会になるのか。
三十八年ぶりに向こうから連絡が来て、いい付き合いができている。
変な同級生が多い中、こうしてイーブンな関係でいられる人間はとても貴重だ。
「岩上さん! 鳥山明死にましたよ!」
キャッシャーに座る片屋敷が大声を上げる。
「は? 鳥山明が? 嘘でしょ?」
「本当ですって! これ見て下さいよ!」
漫画家の鳥山明さん死去、68歳 「ドラゴンボール」
「ドラゴンボール」「Dr.スランプ」などの作品で知られる漫画家の鳥山明(とりやま・あきら)さんが3月1日、急性硬膜下血腫のため死去した。68歳だった。告別式は近親者で行った。
集英社が8日明らかにした。愛知県出身。1978年に「週刊少年ジャンプ」掲載の「ワンダーアイランド」でデビューした。80年に連載が始まった「Dr.スランプ」がアニメ化されて人気を博し、82年に同作品で小学館漫画賞を受賞した。
代表作「ドラゴンボール」は84年に連載開始。累計2億部超を発行し、海外でも訳されて世界中で多くのファンを獲得した。2013年にフランス・アングレーム国際漫画祭で「40周年特別賞」を受けた。
大ヒットしたゲーム「ドラゴンクエスト」シリーズのキャラクターデザインも手掛けた。作品は日本のソフトパワー発信に貢献し、後進の漫画家やクリエーターにも大きな影響を与えた。
何か身体の大切な一部が欠けた感じがした。
彼の漫画との時代は小学生になる。
『Dr.スランプ』はいまいち好きになれなかったが、押さ馴染の安達すみれが則巻アラレの真似をして当時「うちゃっ!」と煩わしく蹴っ飛ばした思い出。
中学生に入り『ドラゴンボール』が連載された。
当時一話を見た時に、これは大人気になるだろうなと確信に近いものがあった。
第一線からフェイドアウトして、自分の好きなものだけきっと描きたかったんだろうね、あの人は。
六十八歳か、早過ぎるよ、鳥山明先生……。
今日雪が降ったのも、鳥山明の訃報を天も悲しんだからかな。
何とも遣る瀬無い気持ちで自称俳優マンションへ帰り、熱い風呂へ入る。
俺が五十二歳で鳥山明が六十八歳って事は、十六歳の開きがあったのか。
箸にも棒にも掛からぬ作家もどきと、世界的人気を誇る漫画家。
才能から何から桁外れだったよな、本当に。
片や心筋梗塞を二度も食らっても死なず、多くの人間から必要とされる方は急性硬膜下血腫で命を失う。
よく脳か心臓か癌かと言われるけど、自分の体験で言うと、心臓よりも脳をやられると一撃というイメージがあった。
脳ですぐ身近だった人間を思い浮かべると、〇〇会のヤクザ直営店のゲーム屋時代の客の飯島志穂、そしてすっかり付き合いのなくなったゴリのお袋ゴリママが出てくる。
業務中何をする事なく待機していても、携帯電話に出る事すら許されない。
さっきからポケットに入れた携帯電話のバイブが、頻繁に振動を伝えてくる。
俺はトイレへ行くふりをして、携帯電話を見た。
中学時代の友人ゴリからだった。
あいつ、何度も着信しやがって。
俺は『どうした?』と短いメールを送った。
『お袋が倒れた 岩崎努』
ゴリママが倒れたって?
ただの過労とかでではないだろう。
尋常ではない何かが起きたのだ。
「すみません…、家族が倒れたみたいでして……」
俺は嘘をつき、二日目にしてソープランドを退職し、川越へ戻った。
まずゴリへ会いに行く。
状況を聞くと、ゴリが仕事を終え家に戻るとゴリママが倒れて鼾を掻いていたそうだ。
何をやってんだよと、近付くと下半身は水まみれ。
おそらく尿も漏らしていたのだろう。
すぐ救急車を呼び、病院へ。
病名脳溢血。
意識は戻っていないが、下手したら植物人間のままかもしれないと告げられる。
ゴリの家は親父さんが二十歳くらいの時に病気で亡くなっていた。
母親も倒れ、残るはゴリと一回り大きな身体の兄貴ウッシーだけ。
不器用な二人は料理一つできない。
俺は金もそんな無かったが、小麦粉を溶いて冷蔵庫にある野菜などを勝手に使いチヂミを作った。
途中叔母さんのピーちゃんが台所へ降りてきて「また勝手に使いやがって、この泥棒野郎が!」と怒鳴られたが、どうでもよかった。
作ったチヂミを持って、ゴリの家まで持っていく。
「何も食ってないんだろ? 出来合いのものしか作れなかったけど、これ食え。兄貴の分もあるから」
俺がそう言って手渡すと、ゴリはお袋の症状を伝えてくる。
説明している途中、ゴリの目から涙が流れだした。
「あれ…、何だろ…。おかしいなあ」
懸命に涙を拭いながら、ゴリは話を続けた。
「俺にできる事があったら言え。腹減ったら言えよな」
家へ帰り、ミクシィで記事を更新する。
二千十年五月三十一日。
もうちょっとで三沢さんが亡くなって一年になる。
鶴田師匠が亡くなって先日で十年の時が過ぎた。
この十年間で色々やってきたつもりだったけど、一つ今になって気付いた事がある。
俺は『小説』というものに甘えてきたのだ。
たまたま書き始めたものに対し、つまらないプライドを持つようになり、毎日のように様々な事を考えていたつもりだった。
だけどそれは単なる自己防衛と甘えに過ぎない事を痛感した。
もう一度、裏社会へ……。
そう思い、地元を離れ、歌舞伎町へ向かった。
吉原で用心棒の仕事。
胸の奥が高鳴っていたが、やってみて分かったのが、執筆する時間など何も取れないという事実だった。
そして昨日、仕事中に中学時代の友人から着信があった。
しかし仕事中なので、当然電話に出れない。
隙を見てメールでシンプルに『どうした?』と返す。
するとお袋さんが脳溢血で倒れ、運ばれたらしい。
とても心細かったのだろう。
だけど仕事中の俺は、電話で話をする事さえ許されなかった。
終わるのが夜中の二時近くだったので、朝になってから電話を掛けてみる。
今まで当たり前のように思ったいた事が、突然当たり前でなくなってしまったという現状。
俺は三沢さんが亡くなった時の一年前を思い出していた……。
鶴田師匠の時もそう。
人間、亡くなった、そして倒れてしまってからでは、もう何もかも遅いのだ。
格好つけるとか、プライドを持つとか、そういう事なんかじゃなくて、日々を必死に一生懸命生きる。
それこそが本来人間が生きる意味合いなんじゃないだろうか?
『鬼畜道 ~天使の羽を持つ子~』を執筆しだし、己の過去を振り返り、日々葛藤していた。
もちろんこれからだって大いに葛藤しながら書くつもり。
でも、本当に大事なもの。
一生懸命生きる。
そんな初心を忘れ、言葉で自分を取り繕っていた。
そんな事を考えながら、チヂミを作って友人のところへ持っていくと、とても喜んでくれた。
俺たちは生きているのだから、共に苦楽を分かち合い、そして共に泣き、共に時を過ごす。
グダグダとつまらない事なんて考えず、毎日を必死に生きてみよう。
そして患者が求めてくれるのなら、また一から整体をやり直せばいいじゃないか。
執筆をしながら……。
リングへ復帰するしないとかじゃなく、身体もまた鍛え始めよう。
つまらない打算的なものなんかじゃなく、生きているのだから、そうやって頑張りたい。
無職のままじゃ駄目だ。
アルバイトでも派遣でも何でもいい。
とにかくまずは働こう。
金も何も無ければ、知人が困っていても何一つできる事など無い。
俺は求人雑誌からインターネットを使った求人募集から、色々調べた。
結果御徒町での仕事が決まる。
上野の隣か。
ゴリのお袋さんはどうなったのか?
俺はアメ横でマグロを買って、ゴリの家へ持っていった。
二千十年六月六日の朝。
ゴリから連絡があり、お袋の容態が急変して峠だと連絡があったらしい。
泣きながら朝っぱらに電話をしてきた。
俺は医者でも何でもないから、何一つできない。
ゴリの話を聞いてやれるくらいしか……。
せめて神頼みしてみよう。
そしてこの心境を記事に書き、一人でも多くの人が祈ってくれるように。
もしこの世に神という存在が本当にあるのなら。
俺は宗教にはまるで興味がない。
でも、神というあやふやな存在を信仰する人間は多い。
何故なら人間はとても弱くて脆い生き物だから。
神という存在に救いを求め、時には救われ、時には裏切られ、人間は人生を終える。
しかし一つ分かった事がある。
神という存在があると仮定して、思った。
神は救いの手など貸してなんてくれない事を。
人間の命なんて誰も救っちゃくれないのだ。
どんなに強く願ったところで結局は自己の力ですべてを乗り切るしかない。
何かに直面して初めて人間は気付く生き物。
だけど無情にも時間だけは平等に容赦なく過ぎていく。
今一度考えてみよう。
何故この時代に産み落とされたのか?
神様は無情だ。
この記事を書いている途中に、ゴリからお袋さんが亡くなったと訃報が入る。
神は救いの手など差し伸べてくれやしない。
通夜、葬儀…、おばあちゃんの時で手順はある程度分かっている。
俺はゴリへ手伝える事は遠慮なく言うよう伝えた。
三十八歳で、あいつは両親がいなくなったのだ。
傍若無人だけど健全な親父と、子を捨てて出て行ったお袋もおそらく健全だろう。
俺とゴリ、どっちが不幸なのか?
親が亡くなって涙を流す当たり前の感情。
親父かお袋が亡くなった時、果たして俺は泣けるのだろうか?
一つだけ感じた事がある。
ゴリは兄貴とこれからの医療費に対し覚悟を決めてはいたが、頭を抱えていた。
あいつのお袋さん…、ひょっとしたら長い間意識が戻らない状態で医療費だけ掛かる現状ならと、自ら死を選んだのかな、息子たちの為に……。
何となくそんな気がした。
最後の最後で息子の事を想って、亡くなったんだ。
「……」
あれだけ仲良かったはずなのに、何でゴリは俺のおじいちゃんが亡くなって十年近く経つのに、線香一本あげに来ないのだろう?
一番馬が合っていた同級生だった。
だからこそ今でも許せないものがある。
馬鹿でドジで迷惑を掛けるだけだったら、ずっと笑って済ませられた。
でも、情を無くしたら、もうそれは人間じゃない。
ベランダへ出て、右斜めにある因縁の河本マンションを睨みながらセブンスターに火をつける。
少しでもヤニだらけになればいいと、煙をその方向へ向かって吐き出した。
部屋へ戻ると、ちかからのLINEが届いている。
『自分の体験を重ねて書いてるんやんね? 確かに…、多分プライドが邪魔しちゃってるよね、芸能人になりたいからとか有名になりたいからとか…。 ちか』
『そうだったね。よくあんな地獄のような環境にいたなあって、もっと早く抜け出しとけば良かったと思うよ。生死に比べたら、そんなもの何の役にも立たないのにね。 岩上智一郎』
『絶対辛かったよね…。若い時やとその世界しか知らんか、抜け出し方わからんやろうし…。でもそこから今の考えを習得できたのもあるよね。間違いない…、やっぱ歳が若いと考え方が凝り固まっちゃうのはあるんやろうね。ほんまに可哀想や…。 ちか』
ん、何か噛み合わないな?
あ、俺が前にプロレスラーで自殺した木村花の事を話したからか。
今の俺だって本当に何だか淋しく辛いよ。
ちか、キャバクラ辞めたら、俺の元へ来いよ……。
『俺がもっと脆く作られていて、あの時点で頭おかしくなってたら楽だったのにとか、変な事ばかり考えていたね。時には逃げ出す臆病さも大事な時ってあるだろうね。 岩上智一郎』
キャバ嬢と分かっているのに、自分の内面を話す俺。
報われないと自覚をしつつ止められない。
こんな愚直な俺にはいつしか審判の日が訪れるのだろう。

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