闇 492(レスラーは逃げてはいけない編)
闇 492(レスラーは逃げてはいけない編)

2026/02/22 sun
前回の章

二千二十年五月一日、金曜日赤口、八十八夜。
五月に入り、そういえば本来ならゴールデンウイークだった事に気付く。
元々裏稼業で働く俺にとってあまり関係のないイベントではあるが、このコロナ渦により、多くの人が悲鳴を上げているだろう。
ただ季節は春。
これだけは例年変わらない。
気温が暖かくなった感じがしたので、エアコンを十八度に設定してつけ、尚且つ扇風機まで稼働させる。
せめて自然に何もせず過ごせる温度がいいなあ。
一年中四月か九月ぐらいな感じで、日本も安定してくれればいいものを。
こんな馬鹿げた事を考えながら、今日も名古屋コーチンレースをコツコツ始める俺。
引き籠もりで人生に絶望している人間がいたら、まず鶏育ててみろと言いたい。
さて今週は去年も当てている天皇賞の春。
買い目は1-3-8-9。
抑えで14番フィエールマンも。
これの三連複を買おう。
だがこの中で本命は、1番モズベッロ、3番トーセンカンビーナ、8番キセキ。
こっちは三連単も被せる。
コーチンレース同様実際の競馬も上手く行ってほしいものだ。
二千二十年五月二日、土曜日先勝。
部屋でジッとゲームをしていると禁断症状が出てくる。
これは自身が名付けた穂先メンマ欲する症候群。
こひやのラーメンを身体が欲しているという徴候でもあった。
胃袋が悲鳴を上げているのにコーチンレースで鶏に餌をやっている場合じゃない。
俺は家を飛び出しこひやへ向かう。

このさっぱりとした味わいのラーメンと、ミニ叉焼丼。

一つ麺を啜っては、暗い世の中を吹き飛ばす。
二つ炙り叉焼を嚙み千切っては、マスクなど不必要な世界。
三つ穂先メンマを食べたは、幸福とはこの為に用意されたものと気付く。
たまには鰻でもドカッと食べたいなあ……。
よく天然だ養殖だ言われるけど、正確な違いって本当によく知らないんだよな。
時間あるし調べてみよう。
まず天然とは、人力が加わっていない自然のままの状態。
つまり魚でいえば、川や海にいるものを捕獲しそのまま使っているよという事か。
次に養殖。
生物をその本体または副生成物を食品や工業製品などとして利用する事を目的として、人工的に育てる産業。
金魚、錦鯉などを鑑賞、愛玩目的で育てる事は『養魚』と称する場合が多い。
狭義及び通常は、水産業の一種で、魚介類や海藻などの水棲生物の人為的繁殖について使われる。
何だか小難しいな。
簡単にいえば人が育てたものが養殖であり、自然じゃないものがすべてそうという事か。
芸能人で例えるなら…、子供の頃と変わらない芸能人の橋本環奈は天然。

今酒井さんらと同時に捕まっている元インカジ『牙狼GARO』の店長だった猪狩が愛したAKBは子供の頃と今は違い過ぎるから養殖の部類に入る。
俺は芸能人の卒業アルバムを並べ、比較対象として画像を作成。
もう一組参考に作っておくか。

新垣結衣は昔とそう変わっていないから天然認定。
モーニング娘メンバーや、歌手の宇多田ヒカルは明らかに違うから養殖へ選別。
あくまで自己判断であるが、こんなの炎上するんじゃないのか?
まあこのコロナ渦だ。
日々必死に生きている人たちから見れば、どうでもいい事だろう。
グーグルマップで南極の氷の下に何か巨大な何かが埋まってると、とてもロマンの塊のような話題になっている記事を発見。

実際にその場所を自分でも見てみた。
辺り一面氷しかない状況の中、確かにみんなが言うように目を閉じた巨大な顔に見えてしまう。
まるで苦痛に顔をしかめているような表情にも感じる。
実際にこんなのがいたら世界中で大騒ぎだろうが、あくまでこれはたまたま人間の視覚でそう見えてしまうもの。
パレイドリアだっけ?
三つの点など、特定の配置の模様が顔のように見えてしまうのは、顔を見つけることに特化した人間の脳の機能が強く働く構造の為。
雲の形が動物に見えたり、壁の模様が人影に見えたりするのをシミュラクラ現象とも言うんだったっけな。
ホラーやオカルト好きな俺としては、できれば氷の中で眠り巨人が実在したら浪漫があるなとついつい妄想してしまう。
続いてアメリカのトランプ大統領の記事に目が行く。
新型コロナウイルスについてアメリカのトランプ大統領は、中国・武漢市にある研究所から流出したものだと裏付ける証拠を「見たことがある」と述べました。
トランプ大統領はこれまでも、ウイルスが研究所から流出した可能性を指摘していましたが、さらに踏み込み、その裏付けがあると初めて言及しました。
トランプ大統領「(Q武漢ウイルス研究所からウイルスが発生したと確信できる材料を見たか?)そうだ。見た」
詳細は「言えない」と根拠を示さなかったものの、「彼らがミスをしたのか、それとも故意に何かをしたのか。遠くない将来に明らかになる」としました。
また、中国がウイルスを意図的に拡散させた可能性も「ありうる」との見方を示しています。
さらに、習近平国家主席が誤った方向に導いたと思うかと記者から問われると「何かが起きた」と述べ、否定しませんでした。
大統領はまた、WHO(=世界保健機関)について「中国の広報機関のようだ。恥を知るべきだ」と改めて批判しました。
大統領選挙が半年後に迫る中、中国への批判を強めることで経済的打撃を受ける有権者の不満をかわす狙いもあるとみられます。
これを見てアメリカのボスも、本気で中国を潰しに掛かるのかと一瞬ワクワクするが、あくまで話題反らしの一環だろう。
詳細は言えないと語り煙に巻いている時点で本気でも何でもないからだ。
あー、本当に暇だなあ……。
俺は仕方なくコントローラーを手に取り、名古屋コーチンレースを再開した。
二千二十年五月三日、日曜日友引、憲法記念日。
ゲームも飽きてきた。
だいたい何で毎日鶏の世話をゲームの中でコツコツしなきゃいけないんだ。
俺はデータをロードして、元ヤクザ者の冴島大河の章を出す。
ヤクザは嫌いだが、この男の生い立ちには似たものを感じるものが多い。
裏切り騙されそれでも自身の信念を貫こうとする美学。
傍から見れば愚直でしかない。
だがそこに共感を覚えるのだ。

また脱獄して月見野という銀世界の街並みを探索するが、どう見てもこれは北海道のススキノだろう。
俺が十八歳の自衛隊の頃二度ほど遊びに行った場所でもある。
倶知安駅から汽車で四時間半ほど掛けて向かい、味噌ラーメンを食べカプセルホテルへ泊まって帰ってくるだけの往復。
でもあの頃ってそれだけで楽しく感じられたんだよなあ……。
ゲーム画面では実在する餃子の王将の店舗が背景にあり、また中で食事をする事もできた。
相変わらずセガも飲食店まで巻き込んで、こういうところは昔から遊び心が凄過ぎる。
ここへ来る前の雪山での狩猟サバイバルでマタギにも本当にハマったものだ。
当時ラッキーハウスの川崎と唯一興奮しながら会話が成立した瞬間でもあった。
しかし物事には限度がある。
何度何度も熊を倒したり、鶏を走らせるにも限界があるのだ。
俺は再びゴッドファーザーを観た。
一体これで何度目だろう?
さすがにもうずっとはジッとして観られない。
でも結構この映画好きなんだよなあ。
インターネットで面白い記事を見つける。
ゴッドファーザーについての豆知識について。
ベットに仕込まれた馬の首が本物。
その後剥製にされて保存されている。
続編小説では、トム・ヘイゲンは誘拐され溺死させられる。
その後、マイケルの元へ死んだワニの赤ちゃんとトムの財布が届けられる。
(ゴッドファーザーの復讐より)
後にパラマウント社は 小説「ゴッドファーザーの復讐」は映画の価値を下げているなどと訴えた。
結果、日本では未翻訳となった。
リンカーンとソニーが蜂の巣になるシーンは、車を中古で購入。
警察に機関銃で穴だらけにしてもらう。
その穴に火薬を詰める。
実際に撃たれたパターンを再現して火薬を爆発させるといった手法で撮影された。
パート3作成の際に トム役のロバート・デュバルはアル・パチーノと同額のギャラを要求して断られたので出演しなかった。
ソロッツォがマイケルを迎えに来るシーンのロケ地の店のオーナーは、マフィアと交流のあったボクサー ジャックデンプシーである。
パート2の公聴会は史実を元にしている。
実際にマフィアのボス達が呼び出され、大衆の目に晒された。
アル・パチーノとケイ・アダムス役のダイアン・キートンはプライベートでも恋愛関係にあった。
身も蓋もない話が多いが、本当かどうかすら真偽も分からなければ確証もない。
まあこれをまとめた人間はゴッドファーザーがかなり好きか、もしくは人気作に便乗するだけの屑、どちらかだろう。
小説も含め、作品というのは作者が一から生み出すもの。
完成した作品に群がりああだこうだ批評を言いながら同等に立ったつもりの人間は、卑しいだけ。
何故ならそこまで偉そうに言うなら、自分で一から唸るような作品を作ってみろと言えるからである。
さてそろそろ天皇賞も結果が出た頃だろう。
俺はレースの状況を調べた。
「……」
ギャンブル収支表に数字を打ち込む。
このレースも敗れ、気付けば今年度の負け額もうじきで五十万。

コロナ騒ぎになってから運まで落ちてしまった。
神はこのまま朽ち果てろと言うのかよ。
フェブラリーステークスの時は一七万負けくらいまでいったのになあ。
さて、次はNHKマイルチャンピオンシップか。
ここら辺で巻き返さないと。
二千二十年五月五日、火曜日仏滅、こどもの日、立夏。
雨降って外にいる人は少なく、店も早めに閉めてしまうゴーストタウン化した街。
でも近所のルンビニ食堂はいつものように営業していた。

何かありがたいなあ。
二千二十年五月六日、水曜日大安、振替休日。
ここ数日、フェイスブックでの友達申請がやたら多い。
全部承諾していたら、同じ写真の人が三人とか……。

あまり関わりなかったら、削除する事もあるのでご利用規約下さいませ。
あと今後は申請受けるの、リアルな知り合い以外辞めます。
龍が如く7を新たに開始した。
まず驚いたのが舞台が横浜だという事。

あくまでもゲーム内の風景なので正確ではないにしろ、キャラクターを動かしていてここは都橋商店街だろうと分かる場所が多い。

大岡川の向こう側にはしっかりインターコンチや大観覧車まで見えるように作ってある。
本当ならこの位置からはこのように見えないんだけどな。
それでも横浜へ三年ほど住んだ俺にとって、ゲームの風景ですら十分に癒してくれた。
フェイスブックの過去の思い出で、四年前の今日二度目の横浜へ住んでいた頃の投稿が出てくる。
吉野町駅から先にある忌々しいレオパレスのマンション。
だが、近所にあったお好み焼きこゆみへ行った投稿。
四年前の五月といえば、俺がイワカミ工業で四苦八苦しながら毎日必死に頑張っていた頃か?
ちょうど龍が如く7の舞台とリンクしたようなタイミングに、懐かしさが込み上げてくる。
今のコロナ渦でもし横浜にまだいたら、俺はどう生活しているのだろうな。
二千二十年五月七日、木曜日赤口。
ゲームのストーリーそっちのけで、横浜の街をひたすら探索する俺。

洒落たカフェテリアのテラス席のような場所に来ると、奥にはみなとみらいらしきものが見える。
俺の記憶によれば、位置的に瀬里奈ステーキドームから見える風景に近い。
数えるほどしかあの鉄板焼きには行っていないが、川端里代など今ではまったく連絡も取らなくなった女に対し、俺も随分無駄金を使ったものだ。
いい思い出も悪いものもひっくるめて、横浜には愛着が未だあるのだろう。
フェイスブックを見ると、またリーカーという女性の写真を使った人から友達申請が来ている。

同じ画像を使ったプロフィール写真がこれで四人目。
このリーカーとかって子、何がしたいの?
詐欺か何かの手口じゃないのか?
スクリーンショットを撮り記事として投稿し終えると、何故か全員いなくなっていた。
不思議だ。
一体何をしたかったのだろう?
池袋のちかからLINEが来たので、ちょうどこの件を話題に盛り上がる。
本当に彼女には感心を覚えてしまう。
こんな冴えない四十八歳相手に、営業ではなくまるで恋人のように出会ってから一日も欠かさず日常の連絡をしてくるのだから。
まあ一つ気をつけなきゃいけないのが、俺がこれに勘違いをしない事。
どう見ても二十代若くて美人な女と、四十後半の何も無い男が釣り合いなど取れるはずがない。
ちかから連絡が来るから俺は返事をしているだけ。
このぐらいのバランスがちょうどいい。
二千二十年五月八日、金曜日先勝。
天気がいいのでカントリーファームキッチンで弁当の持ち帰りをした。

グラタン焼き立てだったので、グラタン多め。
親父の分もついでに弁当を詰める。
帰ると龍が如くの続き。
そういえばゴールデンウイークもいつの間にか終わっていたが、この社会情勢じゃみんな同じだろうな。
二千二十年五月十日、日曜日先負。
今日は日曜日なので、競馬やったらまた負けた。
マルエツへ行き、弁当とドリンク買う。
同級生の篠崎と小一時間くらい長電話して、一日が終わりそうだ。
さて、龍が如くの続きでもやるか。
二千二十年五月十一日、月曜日仏滅。
道路が波打つような地震の夢を見た。
寝惚けながらゲームを開始中、突然携帯電話から警報が鳴り「地震です」と声が聞こえる。
いきなり何のホラーだよと思っていると、少しだけ本当に地震がきた。
かつて最大級の悲劇を巻き起こした311東日本大震災。
俺の住む関東周辺では、二千十一年あの規模以上の地震はない。
せいぜい去年の大型台風の猛威があったぐらいだ。
地震大国ともいわれる我が日本。
このコロナの時期にそんなものが来たら、過去最大のパニックになるんじゃないだろうか。
二千二十年五月十二日、火曜日大安。
龍が如くの伊勢佐木ロード。
おいおい、伊勢佐木モールだろと思わず突っ込みたくなる。
当時横浜の人間から聞いたのが、この通りでディオの歌手ゆずは道端ライブを始め、成り上がっていったという。
そんな事を思い出しつつゲームを操作していると、ゆずの偽者レモン発見。

さすがにレモンはないだろうと笑ってしまう。
本当にこういうあざといところがセガらしい。
大岡川から見える大観覧車やインターコンチネンタルホテル。
位置的に手前の駅は関内になるのか?
それとも桜木町?
もしくは日ノ出町か?

実在する景色とは違うので、そんな想像をするだけでも楽しいものだ。
都橋商店街はあるのに、俺が住んだ横浜橋商店街はないのかよ?

このゲームを作る製作過程の段階に呼んでくれればいくらでも力になったのになあ。
でもそれを言ったら、地元の横浜の人間たちから「こっちのほうが詳しいよ!」と苦情が来そうだ。
二千二十年五月十三日、水曜日赤口。
今日はジャンボ鶴田師匠の命日。
二千年の今日亡くなって、もう丸二十年経つ。

そして今年の九月十三日になれば、俺は師匠と同じ年になってしまう。
いいのかな、こんな人間が年だけ肩を並べてしまったさ。
何だかね、鶴田師匠……。
今は本当に世知辛い世の中になってますよ。
それでも俺はまだ生きている。
腹だって人並みに減る。
だから食事へ行ってきますね。
レストランシブヤへ行き、いつもならランチだが、その中でも一番お気に入りの酢豚を注文してみた。

しかしいつも一緒に食べるトンカツや串カツが無いと、どこか物足りなさを感じる。
やはりランチはバランス感覚も優れた素晴らしいメニューだったのかと再認識した。
帰り道通り過ぎる大正浪漫通りでは、スガ人形の栄治さんが商店街の人たちとつけた無数の鯉のぼりが見える。

こどもの日もゴールデンウイークも終わり、そろそろこの光景も見納めか。
三月に雪が降った時からあったもんなあ。
家に帰るとゲームの続き。
またもや見覚えのある場所に遭遇する。

過去俺が、一軒一軒の風俗店を撮りまくった親不孝通り。
まさかゲームでもここが再現しているなんて凄いなあ。

九州のひろみがしつこく写真を要求されていた去年。
自分で撮りたいと思い写真を撮影するのはいいが、何でもかんでも送ってくれと際限なく言われるのは違う。
ゲームをしながらその嫌な苦い過去と、当時の横浜の楽しかった記憶が混合する。
そういえば先輩の吉岡さん、お忍びで新宿だけでなく横浜にも来たよな。
野球観戦で。
あの時親不孝通りにある風俗店へ強烈に興味を示していたっけな。
フェイスブックで吉岡さんが自身の写真をアップしていたので、俺は保存しそれを加工してみた。

俺はフェイスブックに親不孝通りの画像を数枚投稿し、『最初の画像は龍が如く7。残りは某金物屋さんが、横浜に来て撮影したものです』とふざけて書いてみた。
案の定『馬鹿だろ!』とすぐ反応してくる吉岡さん。
始さんまで『凄いなー』と悪ノリしてくる。
地元川越に住む四十代と五十代の人間同士の幼稚な会話。
こんな事が成立するほど、世の中はコロナ渦により静かだったのだ。
二千二十年五月十四日、木曜日先勝。
食料品を買いに家を出たら、一直線に伸びた飛行機雲が見えた。

あまりにも鮮やかで綺麗だったので、俺はついカメラで撮った。
戻ると先日加工した吉岡さんの画像を使って面白い事を思いつく。

先ほどの写真に写るマンションのベランダへ、遠近感を無視した吉岡さんを合成しフェイスブックへアップしてみる。
『馬鹿だろ!』と烈火の如く怒る吉岡さん。
この合成画像に笑う地元の人間たち。
今日も川越は本当に平和だ。
二千二十年五月十六日、土曜日先負。
すごい偶然が起こった。
京都メインを買ったと思っていたら、間違って八レースだった。
携帯電話を布団に叩きつけ、自分のミスなのに八つ当たりした。
でもそれが功を奏して当たったのである。
もし三連単で買っていたなら、十一万馬券だったのになあ……。
いやいや、それでも御の字さ。
何故なら肝心のメインだったら外れていたから。
二千二十年五月十七日、日曜日仏滅。
本当に今の政治家、頭大丈夫なのか?
何故中国、韓国にそこまでしてるの?
どれだけの人が亡くなったと思ってんだ!
俺がこのように感じ激高したのは政府の決断を見てから。
政府は新型コロナウイルス感染症の収束をにらみ、抗体検査やPCR検査によって非感染が確認されたビジネス渡航者に「陰性証明書」を発行し、中国などへの渡航を容認する方向で検討に入った。政府関係者が15日、明らかにした。
新型コロナ感染拡大以降、停滞が続く経済活動を活性化させるため、国内企業から中国や韓国などへの幹部の往来再開を求める声が上がっていることを受けた措置。政府は国内外の感染状況などを見極めながら、慎重に実施時期を探る方針。
今コロナに掛かってないから大丈夫とか、そういう問題じゃないだろう。
何故自分の国がここまでの脅威になっているに、そんな処置を判断したのか不思議でならない。
せめてこの緊急事態宣言を解除してからが、本筋じゃないのか?
政府の方針を文句言う割には農林水産省主催の中央競馬はやる俺。
矛盾しているようだが、答えは簡単だ。
俺も国も狂っているだけ。
あのクラシック牝馬三冠馬アーモンドアイが出走するのだ。
有馬記念ではコケたが、あの名馬に限ってそうそう取りこぼしはない。
つまり、この馬を一着固定で買えば、ほぼ当たりなのだから。
うん、ヴィクトリアマイルゲット!
配当は安かったが、狙って三連単を取れた。
やっとこさ調子戻ってきたかな。

さて、龍が如くの横浜紀行へトリップしよう。
二千二十年五月十九日、火曜日赤口。
今日は雨が降っている。
昨日はクレアモールの餃子の王将まで遠征したが、あの程度の距離で遠出した気分になるから不思議だ。

経済的な事を思うと、ついつい食事にも必然的に金を掛けたくないという心理から、安い王将の日替わりランチを求めてしまった自身が情けない。
しかしラッキーハウスが休業してから二ヶ月以上経つんだよな……。
酒井さんは逮捕されたままだし、一体どうなる事やら。
俺にできるのは、それまでジッと耐え抜いて生き延びる事だけ。
なので生活水準の低下を気にするのは当然の行為でもある。
傘も差さずに立門前通りの冨久屋へ入った。

イカフライ定食を注文してから、また同じものを頼んでしまったと思う。
俺、こんなイカ好きだったっけ?
いや、そうでもない。
では何故?
携帯電話が鳴る。
ラッキーハウスの香川から。
明日新宿へ来てほしいそうだ。
電話で詳細は語らなかったがこのタイミングでの招集は、店の再開の話に違いない。
少しは明るい兆しが見えてきた。
そんな事を考えている内に、イカフライ定食が置かれる。

蕎麦屋なのに毎回来てはイカとうどんばかり頼みやがって、岩上の子倅はなんて思われていないだろうな?
優しい冨久屋さんの事だ。
変な妄想はやめろ。
家に帰るとゲームで時間を潰し、明日のミーティングに備えて早めに睡眠を取る事にした。
二千二十年五月二十日、水曜日先勝、小満。
新宿も久々来たら、かなり過疎化してるな。

数える程度の人間しか歩いていない新宿歌舞伎町一番街通り。
かつて若い頃の俺が長年いた場所。
あまりにも珍しい事なので写真を撮っておく。
あの四十四人亡くなった歌舞伎町雑居ビルの火災以来ぐらいじゃないか?
あれは確か俺が総合格闘技出た翌年だから二千一年だったから、十九年ぶりぐらいか、こんなひと気がないのは。
いや、あの時は夜で入口という入口がバリケードで封鎖して中へ入ってこれなかったからああなっただけで、今回は違う。
本当に出歩いている人の絶対数が少ないのだ。
すっかり閑散としてしまった歌舞伎町。
世界一の繁華街と謳われたこの街でもこの有様。
まだ川越と新宿しかこの目で見ていないが、普段なら人がわんさかいる状況なのにこれだ。
他所の土地などもっと悲惨だろう。
ラッキーハウスへ行くと、店内には俺と香川と橋本しかいない。
番頭と店長と責任者のみのミーティング。
他の従業員たちにはまだ知らせていないようだ。
香川の話では、今回の休業で離脱者は無し。
酒井さんの側近金太郎と話をした上で、みんながやる気あるなら来週の月曜日から店を再開したいと告げられる。
カレンダーをチラリと見た。
二十五日の赤口か。
あと五日後。
別にこの程度の用件なら、わざわざこのコロナ渦を呼び出す必要性があるのか疑問に感じる。
誰もが暇を持て余し、収入が無い状況に四苦八苦しているのだ。
店の再開に異を唱える者などいるはずもない。
それならはなっから休業の時点で、この店を離脱しているはずである。
ボスである酒井さんが捕まったままの現状。
しかし組織としてのシステムは活きたまま。
あとはまた常連客たちが戻ってくれば、営業は可能な状況ではある。
こればかりは客次第であるが、戻って来てくれるなら居心地いい空間を提供するだけ。
遅番は店長の橋本が見るだろうから、俺は早番の責任者としてラッキーハウスを切り盛りしなければならない。
橋本がまた香川に金の無心をしている姿を気にせず、セブンスターに火をつける。
確か橋本は日払いで二万円もらっていたはずだよな?
コイツ、こんな金銭感覚で大丈夫なのかよ……。
「赤崎さん…、ちょっといいですか」
二本目をタバコを取り出し、口に咥える。
火をつけようとすると、香川が強い口調で俺に声を掛けている。
あ、そうか…、ラッキーハウスで俺は赤崎という偽名だったっけ。
二ヶ月以上そう呼ばれていないから、すっかり自分の事だと忘れていた。
「何でしょう?」
「赤崎さんは月曜からこの店の早番の責任者としてやる訳ですが、ちゃんとやれますか?」
「……」
これまで静かな流れの中にいた感覚が、一気に煮え滾るような怒りに変化する。
このクソ丸メガネ、今何て抜かした?
ちゃんとやれるかだ?
そもそも酒井さんが捕まった際、俺の機転があったからこそ、警察の手から逃れられたんだろうが!
そんな俺に対し、何て言い草を聞きやがる……。
「赤崎さん、ちゃんとやれるかと聞いているんですが」
「やれますよ……」
どんなに感情的となったところで、今の俺には逆らう権利すら無い。
少し不貞腐れた感じでぶっきらぼうに返答するのが精一杯な俺。
本当に情けない。
金銭管理の杜撰な橋本へ言うのならまだ分かる。
これから店を再開しようという時に、わざわざ確認するような事馬鹿と思う。
このボンクラ野郎め……。
しかし今怒りを露わにしたところで、何一つ生まれないのも現状なのだ。
俺は帰り道、亡き盟友斉藤弘一の言葉を思い出す。
「岩上さん…、その香川って男…、私は名前ぐらいしか知りませんが、最低な人間ですね。大倉は確かに今ジョーカーの店長という名目ですよ。ただそれをどう思いますなんて、いちいち聞いてくるなんて、人間の所業じゃありません。少なくとも私はそういった人間は本当に真から軽蔑するし、大嫌いですね」
そうだよな、斉藤さん……。
香川という男は、元々軽蔑するようなレベルの低い人間なんだ。
いちいち気にしないよ。
俺はまだ生きていくだしさ。
まだまだ修行不足だな。
亡くなってからも、あんたに頼るなんて。
家に帰ると、二つのものが届いていた。
一つはひろみからの現金書留の十万円。
元々俺が酔った勢いで渡した金であるが、律義にまた返してきてくれたのだ。
橋本のように金が無い訳ではないが、このタイミングの十万円の副収入は、本当に助かる。
メッセージで例だけは伝えておく。
だが、これでひろみへの好意が戻る事はないだろう。
金に対し真面目なのが分かったというだけで、男女間の事とは別問題である。
もう一つの荷物は、通信販売で購入した小型ゲーム機『ポケットゴー』。
これはミニSDカードへゲームデータを入れれば、アーケードゲームでもファミコンでもゲームボーイアドバンスでも、この一台ですべてできるという優れもの。

元々八インチモニターと書いてあったが、実際に手にしてみると本当に小さな画面だった。
とりあえず本当にゲームができるかどうか試してみる。
プレイはできたものの、見づらくてスーツのポケットへ入れておく。
ラッキーハウスが始まり、暇な時間ぐらいしか活用する場面がなさそうだ。
二千二十年五月二十一日、木曜日友引。
優駿牝馬…、オークスが今週はある。
店の再開前に当て、弾みをつけておきたいものだ。
俺はフェイスブックへ自身の予想を投稿する。
多分三連単で軸から散らしていきます。
2-4→6.10
4-2→6.10
あとふと頭に浮かんだのが、馬連配当44倍。
この馬連44倍2頭軸から三連複総流し。
二頭軸三連単総流しマルチも有りかなと。
さすがにゲーム屋とはいえ、裏稼業なので昨日の再開の件は一切このようなSNSの場で出す事もできない。
投稿をすると、いつものようにヤスのカガヤカフェへ行きコーヒーを飲んで過ごした。
二千二十年五月二十二日、金曜日先負。
どんどん予想が変わるコロナオークス。
俺はどうでもいい予想をまた投稿。
先週のヴィクトリアマイル込みの土曜日用を勝っているので、運気は間違えなく戻りつつある。
当てて気分いい状態で出勤したいものだ。
二千二十年五月二十三日、土曜日仏滅。
和菓子のくらづくり本舗の県会議員中野英幸さん。
その弟である正剛さんから珍しくメッセージが届く。
しばらく会ってもないし、やり取りもないのにどうしたのか?
そう思うのも無理はない。
何故なら俺と正剛さんが実際に会ったのは、これまでの人生で過去一度だけだからだ。
俺が二度目の総合格闘技DEEPでの試合を終え、時間が経ってからの時期。
先輩の須賀栄治さんが、新宿クレッシェンド出版祝いで連れて行ったもらった店で、偶然会い紹介してもらったのが最初で最後。
「智ちゃん誰だか分かる?」
メガネを掛けたカチッとした細身の男性を紹介される。
「いや…、えーと……」
「智ちゃん家にとても縁のある人だよ」
「余計分からないですよ」
「中野英幸さんの弟の正剛さん」
「あー、英幸さんの弟さんでしたか。自分とははじめましてですよね?」
菓匠くらづくり本舗の中野一族。
父親に中野清衆議院議員。
川越きっての名家である。
久しぶりに楽しい宴を過ごせた。
亡きおじいちゃんは、英幸さんの父清さんの名誉会長をしていた縁から、岩上家と中野家は随分前から深い繋がりを持つ。
長男の英幸さんはこの繋がりがあったからこそ、県議へ初出馬する際、わざわざ俺に声を掛けてきたのだ。
中野三兄弟の中で、英幸さんや妹の友紀子さんとはたまに会い親しく話をするような仲であるが、一体正剛さんからのメールの内容は何か?
恐る恐る開いてみた。
お疲れ様です。
Facebookの写真、イイね、押してしまいましたね。
【押さないで!絶対に】って書いてあったでしょ。
それでも「いいね」を押してしまったあなたは、24時間以内に幼少期、若かりし頃の写真をUPしなくてはなりません。
このゲームにはルールがあります。
①必ず自分の写真を
②24時間以内にUP
③このゲームの事は絶対秘密
④「いいね」を押した人には、このメッセージを必ず送る
罰ゲームと言うよりは「コロナウィルスを吹き飛ばせ。
ってことで、お家チャレンジです。
あなたの幼少期・若かりし頃の写真をお待ちしてます。
というメールによって、あの写真をアップしました(笑)。
ということで、よろしくお願いいたします。
あ、スルーしてもいいですよ。
「……」
思わず吹き出してしまう。
おいおい、何てこったいセニョリータ。
いや、正剛さんは男だからセニョリータは変か。
まあこのコロナ渦に、わざわざこんなメッセージ来たのだ。
俺もせっかくだから乗ってみよう。
まず写真を何枚かセレクトしないといけない。
こういう時、フェイスブックやミクシィに載せてあった自身の画像があるのは便利だな。
えーと…、二歳のと、次は五歳ぐらいの写真かな?
あとは全日本プロレス目指す前の二十歳。
総合格闘技に出た二十九歳。
春美から当時受け取った写りの悪いほうでいいか。
最後に二度目の試合の記者会見の時の三十六歳。

俺はこれらの写真をアップして、正剛さんの悪ノリに付き合う。
いいねした知り合い共め、同じような辱めを受けるがいい、フヒヒ。
投稿のあとに七年前の今日の思い出が出てくる。

この頃って俺は初期横浜で毎日のようにトレーニングしていたっけな。
ベンチプレス購入して部屋に置き、毎日のように大通り公園を走って。
待望のベンチプレスを始めた。
重さは七十キロに設定し、何度も上げ下げを繰り返す。
身体を動かす事自体かなりのブランクであるが、そこまで筋肉が落ちた感覚はない。
俺は自身の肉体の耐久力を確認する上で、真上に放り投げ落下するバーベルを胸で受け止める。
「グッ…、痛っ!」
鈍い音と共に想定以上の重さと衝撃を受け、思わず声を出しながら身をよじる。
変な受け方をしたせいで、胸から少し血が出ていた。
トレーニング一日目、変に張り切り過ぎて無茶してしまい、胸から出血。
今後バーベルを放り投げ、身体で受け止めるのだけはやめておこう。
今思うと馬鹿だったけど、ある意味一番平和で安定して、幸せだった時期でもあった。
それが今じゃ、プレステーション4の龍が如くで、横浜の中をゲームで探索しているなんて劣化もいいところだな……。
二千二十年五月二十四日、日曜日大安。
女子プロレスラーの木村花の自殺という暗いニュースが、インターネット上で話題になっていた。
テラハ出演中の木村花さんが死去、所属先が発表 ネットで誹謗中傷を受けていた
木村花さんは、人気リアリティーショー「テラスハウス」に出演しているプロレスラー。海外でも人気の番組で、アメリカのTwitterトレンド1位は「#RIPHanaKimura」になっている。
人気リアリティーショー「テラスハウス」に出演してるプロレスラーの木村花さんが5月23日に亡くなったと、所属先のスターダムが発表した。
発表では「詳細につきましては、いまだ把握出来ていない部分もあり、引き続き関係者間の調査に協力してまいります」と説明している。
「テラスハウス」の公式サイトによると、木村さんは横浜市出身の22歳。
2015年にプロレス練習のために高校を中退し、プロレス総合学院に入学。2019年からスターダムに所属していた。
2019年5月からNetflixなどで配信されている『TERRACE HOUSE TOKYO 2019-2020』には、途中から入居者として出演している。番組は、公式Twitterの4月13日時点の発信によると新型コロナウイルスの影響で撮影は中止している。最新の配信回時点では、木村さんはテラスハウスを卒業していない。
このニュースに対し、自分なりの見解を書く。
俺はこの子の存在を今日まで知らなかったが、一つ言えるのはレスラーってもんは攻撃受けてなんぼ。
逃げちゃいけないんだよ。
ネットの誹謗中傷が原因でとか言われてるけど、それなら現状のステージから降りてしまえば良かったのに。
自身の命を摘むなんて選択肢するよりも、ステージ降りちゃえば地味な生活になるかもしれないけど、人生楽しい事もありながらもっと生きられたんだぞ。
人間には欲があるから中々現状が辛くても現立ち位置を捨てられない。
でも今回のコロナ騒ぎで、色々な人の価値観根底から変わったんじゃないかな。
これを見てる人、どんなに辛い現状下にいたとしても、自殺なんて選択肢は絶対に取るな。
辛かったらステージを降り、欲を捨てればいいのだ。
インターネットが普及したからこそ起きてしまった進化の上での惨事。
これがもし昭和や平成初期だったら、こうはなっていなかったかもしれない。
厳しい事を書いてしまったが、レスラーは死という道で逃げちゃ駄目だろ。
そして心無い誹謗中傷を浴びせられるのは辛いだろうが、それなら本当に外界との連絡手段など絶ってしまえばいいのだ。
自殺を選ぶ事より酷い事など何もないのだから。
世の中で最もいけない禁忌とは?
殺人と自殺と言われている。
何故か?
答えは簡単だ。
人は命が無くなれば、それで人生は終了してしまうから。
つまり自身の命を摘む行為と、他人の命を奪う行為こそが一番いけない事なのだろう。
俺がそこへ近付いた時を思い出す。
やはり横浜の二俣川…、戸田の旭総建工業の時が一番死に近づいた時だった。
人の拘束を奪い、仕事を与えない。
辺鄙な場所へ隔離され、金も無いから植えていく絶望しかなかったあの頃。
人間は極限状態の飢餓に陥ると錯乱してしまう。
もちろん俺もそうだった。
もちろんそれだけが原因ではない。
二度目に新宿歌舞伎町から逃げるように救いを求めた横浜。
立て続けに屈辱に見舞われ、必死に頑張った積み木を崩され、肉体の限界まで働き、金を騙し取られた。
地元川越へ逃げ帰ろうとした時、声を掛けてきたのが戸田というだけ。
思い留まった俺は、最後に地獄の火炙りに遭ったような目に。
当時の感覚で例えると、海外旅行で飛行機乗ったら墜落しました。
海に落ちて何とか泳いで渡って陸地へ辿り着いたら、そこは北朝鮮の土地でしたという表現がピッタリ合う。
そう…、俺はあの時の地獄をいつか必ず小説として書き残さねばならない。
このまま黙って終われるかよ……。
だから俺はまだしぶとくこうして生きているのだ。
金も無い。
地位も無い。
何も無くなった俺。
先日新宿で香川から言われた台詞に、屈辱を覚えグッと堪えた。
だが、以前後輩のター坊には怒鳴り散らしている。
仕事だと我慢しなきゃならない俺は、セーフティーな環境の中でしか怒れなかった卑怯者であるのだ。
いわば理不尽な行為。
自分に都合よく言動や行動を変えてしまうもの。
まず自身を恥じるべき。
理不尽に対し、正当性なんて絶対に持ってはいけない。
おそらく人間が他人の命を奪うのと、自決する以外の次にしてはいけない事だ。
何故なら泥棒して、人を犯して、人を騙して、人を裏切って、『でも、俺の怒りは本物なんだよ』で誤魔化すのか?
人間として駄目だろ?
だから法律というものがある。
コロナで苦しむこの日本は法治国家。
そして俺は日本人である。
だから俺は俺として生きる事で、俺は俺の証明をしなきゃならない。
SNSの死刑とも表現すべき、テラハウスの木村花の自決問題。
俺と花、それぞれ立ち位置も人気もすべてまるで共通点などない。
だが、二俣川から俺は生還し、花はそこで終わったという事実。
自分が正しいという訳ではない。
こうして裏稼業で世の中の何にも役に立たず、自分が生きる事に必死な醜い生き方をしているのだから。
だが、俺はまだ生きている。
藻掻き苦しみ、足掻きながらもまだ挽回のチャンスはあるのだ。
しかし木村花には、そこですべてが止まったまま。
誰がどんな情愛込めて気持ちや言葉を伝えても、二度と覆る事はないのである。
これが死という人生最大の禁忌。
間違っているか正しいかではない。
終わるぐらいなら生きろ。
禁忌を侵さない限り、人間にはいくらでも可能性がある。
人生はチャレンジだ。
生前鶴田師匠はそう言った。
もう今じゃいなくなってしまったジャンボ鶴田師匠、三沢光晴さん。
無償の愛をくれたおじいちゃんとおばあちゃん。
盟友斉藤弘一。
税理士の大野和道さん。
この人たちと関わりを持ち、背中を見てきた人間として……。
生きている限り、俺は苦しみながらでもその答えをいつか見つけるよう努力しよう。
明日から新宿歌舞伎町で、ラッキーハウスが再開する。
今の心境を胸に秘め、必死に生きようじゃないか。
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