【はじめに】記事まとめ・索引
【注意】本ウェブサイトは現在、仮公開(公開告知前)の段階にあり、事実確認を目的として関係者間で内容を共有するために設置しています。閲覧に支障はありませんが、学術的な検討・検証以外の目的でリンクを共有することはご遠慮ください。
「ヒロシマ写真表現史検証会」は、ヒロシマの写真表現史における、歴史的事実や写真史・写真技法に基づかない誤った論説、記事、発言等についての事実確認調査を有志にて行っている団体です。
(はじめに)
2025年は被爆80年にあたり、前年の日本被団協によるノーベル平和賞受賞の影響もあり、節目の年として「ヒロシマ・ナガサキ」に対する社会的関心が非常に高まりました。その結果、被爆80年をテーマとする展覧会や関連イベント、ならびにメディアでの発信が数多く行われました。当会では、1970年代以降、ヒロシマの「人(被爆者・原爆の子)」「風景(被爆遺跡)」「物(広島平和記念資料館所蔵の被爆資料)」を継続的に撮影してきた土田ヒロミの〈ヒロシマ〉シリーズ(〈ヒロシマ三部作〉)に着目します。2025年には同三部作に関する大小7件の展覧会が開催され、2冊の写真集が刊行されたほか、被爆者取材に関するNHKドキュメンタリー番組の制作・放送や多数の新聞記事の掲載などを通じて、約50年にわたる土田の〈ヒロシマ〉に関わる写真活動が改めて注目を集めました。(>>2025年メディア掲載一覧)
〈ヒロシマ三部作〉の各シリーズは、1970年代の発表当初から現在に至るまで、国内外の美術館や国際美術展において高い評価を受けてきました。しかしながら、土田の〈ヒロシマ〉の表現は、その展示・収蔵実績にも関わらず、広島市の美術館においてのみ意図的に排除されているという現状があります。一方、ヒロシマの表現を収集方針の一つに掲げる広島市現代美術館では、土田が1982年以降撮影してきた広島平和記念資料館所蔵の被爆資料を、2008年に撮影・発表した石内都の〈ひろしま〉のみが、複数回にわたり継続的に展示、制作委託、ならびに所蔵の対象とされてきました。さらに、多くは被爆者の遺品を撮影した〈ひろしま〉の作品が、ギャラリーやオークションを通じて国内外で高額に販売されている実態も指摘されています。このような「ヒロシマを売る」行為は、広島平和記念資料館の撮影許諾や遺品寄贈者の意向に基づくものではなく、「ヒロシマを売る」という行為の中で「ヒロシマ」という世界的なテーマとその重要度が、個人や私設ギャラリーの利益のために利用されている点において、モラルの観点から問題視されています。
ヒロシマの表現史において、写真界では土田ヒロミの〈ヒロシマ・コレクション〉(1982–)と石内都の〈ひろしま〉(2008–)との構図やコンセプトの一部類似性が、比較的早い段階から指摘されてきました。しかし、主として石内の評価を形成してきた美術界においては、写真史に関する専門的知見を欠く学芸員を中心に、ヒロシマの写真表現や土田の〈ヒロシマ・コレクション〉に関する事実誤認や歪曲された解釈に基づく評価、ならびに論文・論考が多数存在することが確認されています。それらに共通するのは、石内の作品を評価する目的のもと、先行して広島を撮影した全く異なる複数の写真家の特性や作品、時代背景をほとんど検証せぬまま「(実態を欠く)ステレオタイプなヒロシマのイメージ」に集約・矮小化させ、比較対象とする姿勢です。さらに、新聞や雑誌の記事、文学、映画などの分野においても、こうした誤った写真史認識に基づく石内都の評価が広く浸透している状況が見受けられます。これらの事実誤認が事実として引用・再生産されることで、誤認が連鎖的に拡散し、結果として写真史の改変やデマに近い「虚構の物語」が実しやかに語られています。史実に沿わない虚偽の内容が、作家との利益相反関係が推測される美術館学芸員や大学教授などの研究者、新聞記者等によって流布され続けているという事実、虚偽発言や事実誤認をベースにした大学や美術館での教育や研究が行われているという問題視すべき現状があります。
また、フィルムカメラや暗室といった、かつて主流であった写真技術に接した経験を持たない世代が多数派となり、当時の写真技法や印刷技術の状況を想像すること自体が困難になっています。カメラ雑誌が主要な情報媒体であった時代に発表された作品調査においては、後年刊行された写真集のみの閲覧では不十分であるにもかかわらず、それらへのリサーチを完全に欠いたまま論考が執筆される例も少なくない現状があります。
当会とこのサイトの主な目的は、事実誤認を含む論文・論考・記事・インタビュー等に対してファクトチェックを行うことです。同時に、ヒロシマというテーマを写真家たちがどのように記録・表現してきたのか、それぞれの写真家の作品における方法論を改めて認識すること、そして被爆80年が経過し「ヒロシマ」の事実と記憶が希薄化しつつある現状において、いかに後世にヒロシマを伝えていくかを問い直すことも目的としています。
【情報求む】ヒロシマの写真表現に関し、以下のファクトチェックに類似する記事や論考についての情報をお持ちの方は、ぜひ当会までお知らせいただけますと幸いです。各担当者までお知らせください。
ヒロシマ写真表現史検証会 Eメール: hiroshima_photo◻︎outlook.jp(◻︎を@に変更して送信ください)
⚫︎ファクトチェック
・ファクトチェック#01 教育出版『中学国語3』収録 梯久美子「薔薇のボタン」
・ファクトチェック#02 青土社『現代思想』 2016年8月号/広島を「私物化」する 石内都インタビュー
・ファクトチェック#03 【著者から論文取り下げ意向有り】萩原弘子(大阪府立大学名誉教授)「ヒロシマからひろしまへ―石内都の写真シリーズ『ひろしま/hiroshima』に促される視線」
・ファクトチェック#04 石内都インタビュー等での発言:事実誤認 【性差/写真史他】
・ファクトチェック#04-2 石内都 ヒロシマに関する発言:事実誤認
・ファクトチェック#05 モノクロとカラー:事実誤認 【被爆地写真表現史】
(準備中)
・ファクトチェック#05-2 モノクロとカラー:土田ヒロミ〈ヒロシマ・コレクション〉と石内都〈ひろしま〉
・ファクトチェック#06 写真表現におけるジェンダー問題
(準備中)
⚫︎事例
・事例#01 ヒロシマを売る:ヒロシマの美化と矮小化
【関係者内限定共有】
・事例#02 広島市現代美術館:収蔵展示の偏向性・不透明性
・事例#02-2 ヒロシマ賞(広島市現代美術館・朝日新聞)
・事例#02-3 広島市/広島文化財団への情報開示請求
・事例#03 海外メディア、英文記事
・事例#04 東京都写真美術館(ファクトチェック含む)
・事例#05 石内都の「ヒロシマ」に関する発言
・事例#00 〈ヒロシマ・コレクション〉報道の変遷
⚫︎基本概要
・#01 写真技術史/写真表現史
(準備中)
・#02 被爆地(ヒロシマ・ナガサキ)写真表現史:写真家
・#03 被爆地(ヒロシマ・ナガサキ)写真表現史:写真集他出版物
・#04 被爆地(ヒロシマ・ナガサキ)写真表現史:被爆資料撮影
・#00 土田ヒロミ〈ヒロシマ・コレクション〉/石内都〈ひろしま〉
(準備中)
