存在条件工学 |Crystal Cosmology-Love Focus Approach vol.10
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目 次
第1章 オリジン編総括――3軸トリニティとプラトン立体
第2章 オリジン編総括――観察(LOOK)→認識(SEE)→洞察(WATCH)
第3章 オリジン編総括――ストラクチャーライン・モビリティライン・クオリティライン
第4章 エージェンシーレンズ(E.L.):主体策定観点
第5章 スケールレンズ(S.L.):階層判定観点
第6章 コンテキストレンズ(C.L.):背景照射観点
第7章 パーパスポジション(P.P.):動機付けによる見立て
第8章 バリューポジション(B.P.):価値観による見立て
第9章 ネイチャーポジション(N.P.):存在意義による見立て
第10章 3つのディレクション
第11章 愛の道編総括
第12章 一つのwill
これまで、クリスタルコスモロジーのこの発展編(love focus approach)では、クリスタルコスモロジーのオリジン編(polestar navigation)で発見された、宇宙の構造・骨格に対する、「姿勢」や「あり方」に焦点を当てて、話を進めてきました。
それを時には、あなたの「お家」や「車」、といったものに例えて、3つのレンズでの観点、3つのポジションでの見立てというもので、主体性をもってかかわる方法を説明してきました。先にご紹介してきた3つのレンズとは、
・エージェンシーレンズ:主体策定観点
・コンテキストレンズ:背景照射観点
・スケールレンズ:階層判定観点
というものでした。
そこでは、世界であるあなたの「お家」を、手のひらに乗せて、様々な方向性で眺めることを行いましたね。次に3つのポジションでの考察は、
・パーパスポジション:動機付けという見立て
・バリューポジション:価値観という見立て
・ネイチャーポジション:存在意義としての見立て
というものに沿って、今度はその世界であるあなたの「お家」を、足元にそっと置いてみて、腕組みでもしながら眺めてみました。そして、見立ての違いによって、かかわる方向性は様々に変わりうる、ということを学んできましたね。
今度は、その「お家」、つまりあなたの世界や、あなたを取り巻く全宇宙を、映画の中のワンシーンに登場する、一つの場面や箱物である「セット」としてとらえてみます。そうすると、現代の映画作りにおいては、あらゆる役者さん、大道具、小道具、シナリオ、資金繰り、撮影計画など、それらすべてを統括してその映画作りを進める、大切なお役をする方々がお見えになります。それは主に、
・監督:「脳」と「心」。作品のクオリティや表現、出来栄えを司ります。
・制作会社(プロダクション):「現場の責任者」。予算内でスタッフやキャストを揃え、実際に形にする実務を担います。
・スポンサー(投資家・製作委員会):「財布」と「出口」。資金を出し、いかに赤字を出さずに利益を上げるのかを重視します。
現代の日本映画では、複数の企業が出資する「製作委員会方式」が主流ですが、最近ではNetflixのように配信プラットフォームが、「単独スポンサー兼制作をする」という形で、巨大な予算を投じて、監督に大きな裁量を与えるというケースも増えています。
とはいえ、あなたが自分の「お家」を買ったり借りたりするときや、「車」やあらゆるモノやサービスを購入しようとするときにでも、この、
・監督:完成度・クオリティ
・制作会社:効率・購入や維持の見通し
・スポンサー:便益性・生活全般の維持
という方向性を見据えて、また確認しながら実行しているはずですね。さしずめ先ほどのNetflixのような例は、資産に余裕がある人が、お金に糸目をつけずに豪邸や高級外車を購入する形と、とても似ています。しかしその彼らと言えども、その後の維持修繕や税金対策、単なる所有価値としてではなく、利用価値としての取り扱いなどにおいては、やはり同じく、この三者の方向性がかかわってくるのです。
この3要素を、これまで先に見てきた3つのレンズ(観点)、3つのポジション(見立て)に対して、さらに大枠の方向性を決定づける要素として、ディレクションと呼びます。逆にみると、この3つのディレクションのもとに、あらゆる見立て(3ポジション)、あらゆる観点(3レンズ)を通して、「お家」である、あなたの世界や、あなたを取り巻く全宇宙は形づくられ、生成しているということになります。
今この章では、あなたの世界を「お家」として捉えて、そのお家を映画の中のセットとして例えながら、話を進めています。そこでこの3つのディレクション(監督・制作・スポンサー)が、ここでの例えの映画というものではなく、あなたという世界や、宇宙の中では、どのように機能しているか、少し深く掘り下げてみると、
・監督(脳と心)が、最高のクオリティで「世界」を描きたいと願う。
・制作会社(現場)が、それを実現可能なスケジュールとステップに落とし込む。
・スポンサー(生存と循環)が、その活動が持続可能であるためのリソースを確保する。
このように、この三者が手を取り合ったとき、あなたの「お家」という世界は、単なる物理的な箱ではなく、あなたの魂の輝きを全方位に放つ「生きた舞台」へと変貌するのです。
これまでに学んだ「3つのレンズ」で状況を緻密に観察し、「3つのポジション」で自分の立ち位置を確定させ、そしてこの「3つのディレクション」によって、実際に現実を駆動させていく。
この三層構造(3×3×3)を駆使して描く世界こそが、私たちが目指す「主体性を持って自分自身の宇宙をクリエイトする」という姿勢の完成形に近いものです。
いまこの、3つのディレクションというものを、ここでの例えであった映画製作での舞台から、オリジン編でみてきたあなたの世界、あなたを取り巻く全宇宙の成り立ちに関する言葉で言いかえると、クリスタルコスモロジーにおける、3つのディレクションの定義となります。それはすなわち、
・真
・善
・美
この3ディレクションが、あなたの世界、あなたの人生舞台を作り上げる、最も大切な方向性であるということです。なぜなら、この「真・善・美」という三つのディレクションは、単なる道徳的なスローガンではありません。クリスタルコスモロジーにおいて、これらはあなたの宇宙を形づくるための、極めて実務的な「設計・行動指針」であり、現実を駆動させるための「OS(オペレーティングシステム)」そのものなのです。既存の哲学的な概念を超え、人生という映画を完結させるための「具体的役割」として再定義されます。
先ほど提示した時とは、ここでの順番は変わりますが、映画制作の場合での役割と照らし合わせてみると、その繋がりがより鮮明に見えてくるはずです。
「真(Truth)」= スポンサー(生存とリソース)
それは「真実」であり、ごまかしのない「現実」です。予算や物理的な制約、あるいは自分自身の純粋な動機(本音)に嘘をついていないか。この「真」の視点が欠けると、どんなに立派な計画も砂上の楼閣となり、持続可能性を失ってしまいます。つまり「真」とは、外側の物理的なリソース(財布)であると同時に、内側の純粋な源泉(本性)でもあるという、表裏一体の現実を指しているのです。
「善(Goodness)」= 制作会社(現場と調和)
それは「善きプロセス」であり、世界との調和です。効率性だけでなく、関わる人や環境にとって「善い状態」であるか。この「善」の視点が機能することで、あなたの世界は摩擦を減らし、スムーズに、かつ倫理的に具現化されていきます。
「美(Beauty)」= 監督(クオリティと表現)
それは「美意識」であり、魂の衝動です。単に機能的であるだけでなく、そこに「美しさ」や「感動」があるか。この「美」の視点こそが、あなたの人生という映画に唯一無二の輝きを与え、見る人(そしてあなた自身)の心を打つクオリティを決定づけます。
これまでの「3つのレンズ(観点)」で世界を捉え、「3つのポジション(見立て)」で自らの立ち位置を定め、そしてこの「3つのディレクション(真・善・美)」によって舵を取る。
この「3×3×3」のグリッドがあなたの中に確立されたとき、あなたは自分の人生の「観客」であるだけではなく、名実ともに自分の宇宙の「完全なるクリエイター」へと変貌を遂げるのです。
また、今回ご紹介した3つのディレクションと、先に学んだ3つのポジションは、それぞれが明確な境界線で区切られた「箱」ではなく、互いに重なり合い、力学的に入れ替わる「動的なグラデーション(ゾーン)」と捉えるのが本質的です。
つまり、どの視点(主観か客観か、静止か運動か)に立つかによって、その要素が「真・善・美」のどこに位置づけられるかが変化するのです。ここでさらに、もう一つ大切なことに触れておきましょう。
三者の「範囲」と「循環」
3つのポジションは、それぞれ独立した点ではなく、次のような円環的な構造(ゾーン)として解釈できます。
ネイチャー(Nature): 生まれてきた「種(たね)」や「土壌」。(過去・根源のゾーン)
バリュー(Value): 育っていく過程での「形」や「振る舞い」。(現在・プロセスのゾーン)
パーパス(Purpose): 咲かせようとする「花」や「結実」。(未来・目的のゾーン)
これらが循環し、「本性(真)に基づき、美しく(美)振る舞い、善を成す(善)」という状態が一体化したとき、境界は消滅します。
状況による「重心」の移動
ここでも固定的な対応ではなく、「今はどこに重心があるか」という捉え方が有効です。
危機に際して: 「我々の真実(バリュー/ネイチャー)は何か?」と「真」に重心が寄る。
成長に際して: 「何のために進むのか(パーパス)」と「善」に重心が寄る。
成熟に際して: 「どうあるべきか(スタイル)」と「美」に重心が寄る。
このように、「静的な定義」よりも「動的なバランス」として真善美を捉えることにより、複雑な現代の社会や、個人の主体的な生き方には適合しやすい、クリスタルコスモロジーという、実践体系、本質学、全宇宙論としての性質が立ち上がるのです。
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