存在条件工学 |Crystal Cosmology-Love Focus Approach vol.2
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目 次
第1章 オリジン編総括――3軸トリニティとプラトン立体
第2章 オリジン編総括――観察(LOOK)→認識(SEE)→洞察(WATCH)
第3章 オリジン編総括――ストラクチャーライン・モビリティライン・クオリティライン
第4章 エージェンシーレンズ(E.L.):主体策定観点
第5章 スケールレンズ(S.L.):階層判定観点
第6章 コンテキストレンズ(C.L.):背景照射観点
第7章 パーパスポジション(P.P.):動機付けによる見立て
第8章 バリューポジション(B.P.):価値観による見立て
第9章 ネイチャーポジション(N.P.):存在意義による見立て
第10章 3つのディレクション
第11章 愛の道編総括
第12章 一つのwill
前回お伝えした、正八面体での宇宙観想ワークは、十分に取り組めましたでしょうか。最もお伝えしたい点は、宇宙を感じる方法は、何もこの方法に限ったものではないということです。これまでもすでに、あなたなりに世界を眺めてこられ、この世界に存在し、今もこうして、実際に息づいていらっしゃいます。クリスタルコスモロジーでいう世界の把握というものは、そのたった一つしかないと思われた世界というものを、一度ある要素に分けて考え、そのうえで、もう一度それらを統合して眺めてみようという試みです。
例えばあなたが、ある一人の女性であるとしましょう。あなた自身はたった一人です。それでも、30代であったり、会社勤めで事務職をされていたり、東北地方のご出身であったり、お父さんとお母さんがご健在であったり、お子さんが一人いらしたり……というように、いくつもの顔をお持ちのはずです。
性格判断で照らしてみても、B型であり、しし座であり、酉年であり、四緑木星であり、カバラの誕生数が2であったり、算命学では樹木、キーンナンバーは30、そしてMBTIではISFJの擁護者であったりします。こうして、キャラクター一つを取ってみても、分類の仕方によっては、それぞれ違う側面をお持ちになるはずです。しかし実際は、それらをすべて統合した、複雑でありながらも多彩な色を放つ存在が、あなた自身のはずではないでしょうか。そんな存在を、決して一言で言い表せるはずはありませんよね。
あなたが取り組まれた、クリスタルコスモロジーにおける、ある要素を用いた世界の分類とは、つまり6つのパラメーターを使った宇宙の展望とは、世界そのものの客観的な物理法則ではなく、「認識の視点」「経験の構造」「思考の形式」に着目した――人間の意識や経験が世界をどのように秩序立てて見ているか――という方法による、最も基本的な「認知領域」での分類である、ということです。
そうすると、先のワークというものは、どのような世界にも、つまりどの「認知領域」にも遍く、それは、ある時には一つをどこまでも深く見つめ、またある時にはそれぞれを等しく評価することによって、その存在や現象、ひいてはあなた自身というものを、ありのままに把握する、という行いなのです。
これはちょうど、お母さんが赤ちゃんを見つめるまなざしと同じです。子育ての真っただ中のお母さんは(お父さんでも)、赤ちゃんの、文字通り頭の先からお尻の穴まで、寝ているときも起きているときも、泣き出したときは、ミルクが欲しいのかな、おむつを換えてほしいのかな、抱っこしてほしいのかな、部屋が暑かったのかな、と、あらゆることに思いを巡らせて、気に掛けるものですよね。この心構えで、あなた自身の世界を見つめていただきたいのです。
さらにいえば、私たちが直面する宇宙、世界、そして自分自身という存在は、あまりにも膨大で複雑なため、ロジック(論理)ではすべてを見渡しきれず、センス(感性)では語りつくせないものです。それをここでは、従来人間が獲得してきた、認知能力(コグニティブリテラシー)というものを使って、それらを結び付け、意味ある形として捉えることができるようになってもらおうと願っています。しかしそのためには、どうしても「頭でわかった」もしくは、「直感的に見えた」という次元での理解ではなく、「体感」として身に着けてもらう必要が生じてきます。
「体感」として身に着けるとは、どういうことかというと、前にもお話しした、+−×÷の四則演算を思い出してみてください。
「1+1=2」となることを説明するとき、主に次の3つの方法があります。
・「順番」による説明(ペアノの公理):数字を背の順や、リレーのバトンのようにとらえる考え方。
数とは、「次の数はこれ」と決まっている鎖のようなものです。「1」の次の数は「2」である、と定義します。すごろくの駒を想像します。今「1」のマスにいて、サイコロで「1」が出たら、「1つだけ次」のマスに進みます。その進んだ先の場所を、私たちは「2」と呼ぶことに決めています。つまり、「1+1」とは、「1の、1つだけ次の数は何ですか?」という質問に対する答えとなります。
・「集まり」による説明(集合論):数を「箱の中に入っているものの数」として捉える考え方。
1つのものが入った箱Aと、1つのものが入った箱Bがあります。この2つの箱の中身を、新しい1つの大きな箱に全部入れたとき、その中にあるものの個数を「2」と定義します。
左手にリンゴが1個、右手にリンゴが1個あるとします。この両方をカゴに入れると、カゴの中は「リンゴ・リンゴ」という状態になります。この「1個と、もう1個が一緒にある状態」を、まとめて「2個」と呼ぶことにしています。
・「定義と計算ルール」による説明(論理学・演算):数を「約束事(プログラム)」として捉える、最も厳格な考え方。
まず「0」を定義して、「0の次は1」「1の次は2」と決めます。そして「足し算とは、ある数だけ次の数に進むこと」というルールを厳密に作り、そのルール通りに手続きを進めると、答えが「2」にたどり着くという証明です。
「1+1」を言葉で言いかえると、「1の次の数」になります。次にルールを当てはめます。「1の次」は何でしたでしょうか。そう「2」です。
思い起こしてみると、私たちはこれほど複雑な思考の結果を経て、「1たす1は2」ということを、いとも簡単にやってのけているのです。あなたももうすでに、学校でどのように教えてもらったのか、そしていつの間に「えーっと」と悩むことなく、四則演算を縦横無尽に操っていたのかを、遥か忘却の彼方へと、置き去りにしてしまったことでしょう。
つまりこれは、「身に着けている」ということにほかなりません。
もちろん、ここで完璧を求める必要はありません。それは本当の子育てでも同じです。お母さん自身が、体力、気力の全精力を傾けて赤ちゃんに向かってしまい、その結果、燃え尽きてしまうようなことがあってはいけません。自然のままに生きている野生動物を見ても、それは同じはずです。
また、今まで自分が全く気にしてもいなかったような世界に対して、いきなりすべてを受け入れる必要もありません。初めて出会った人と、いきなりきつく抱きしめ合うことはありませんよね。それと同じです。少しずつ付き合いを深めていけばよいのです。
自分が苦手だと思う世界や、分野に対してでも同じです。それは、2025年10月に逝去された、国連平和大使であり環境活動家で、チンパンジーの研究で世界的な動物行動学者であった、ジェーン・グドール博士の在り方が参考になります。
ジェーン・グドール博士は26歳からアフリカに渡り、タンザニアにある国立公園で、チンパンジーの生態を詳しく研究しました。その結果、彼らが「道具を使う」ことを発見し、人間と動物の境界を超える新たな知見をもたらします。晩年には若者への啓発活動などを通して、世界の環境保護と平和のために尽力されました。
なぜここで、彼女を引き合いに出すのかというと、未知なるものと触れ合う時に、彼女がとった行動にその理由があります。ドキュメンタリーなどで、ご覧になったことがあるかもしれません。
・最初の数か月、チンパンジーたちは彼女を見て逃げてしまうため、毎日同じ場所に座り、双眼鏡を使って遠くから観察することから始め、自然の中の一部であるかのように感じてもらい、警戒心が解けるのを待つ。
・チンパンジーが逃げなくなることを確認して、非常に長い時間をかけながら、少しずつ距離を近づけ始める。
・たとえばチンパンジーが草を食べると、それをまねすることで、敵意のないことを粘り強く示し続け、最終的に、一部のチンパンジーが彼女の近くでえさを食べるようになり、受け入れられることになる。
同じようなことは、虐待されて体にも傷を負い、人間不信に陥ったペットの動物を、再び世話をして、新しい飼い主を探すことに携わる動物保護施設のスタッフの方にも見受けられます。目を見つめても暴れられ、触っても噛まれたり、引っかかれたりするので、グドール博士のように、実に忍耐強く、安心できる環境と一貫した愛情を示しながら、つながりを深めていきます。
精神療法やカウンセリングで推奨される、自分自身の心のトラウマをケアするときにも共通する姿勢であり、願望を実現するために、自分自身のマインドセットを塗り替える時にも、同じようなことが言われます。「ベビーステップ(よちよち歩きから少しずつ)」です。ダイエットでは、リバウンドを避ける賢い方法です。
人はそれが例え「新しいもの」や「良きもの」であっても、今の自分と「違う」もしくは現状から「遠く」感じるものに、恐れを抱くものであり、それらを取り込み、慣れ親しむためには、時間と手間をかけて、すり合わせをすることが、最も効果を上げるということを物語っています。
認知領域の拡大、宇宙の把握というものは、オリジン編でお伝えしたようにまさに
観察(LOOK)→認識(SEE)→洞察(WATCH)
という順番で進んでいきます。たとえそれがあなた自身の「認知領域」であったとしても、難しいと感じる時は、いきなり抱きしめては、「無理、ダメ、キ・ケ・ン」です。
心は赤ちゃんを見守るようなお母さんであっても、まずはそっと、見つめることから始めてください。それでもすでに、これまで気づかなかった世界と、あなたとのあいだには、コミュニケーションが始まっているのですから。
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