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存在条件工学 |Crystal Cosmology-Love Focus Approach vol.7  

目 次

第1章 オリジン編総括――3軸トリニティとプラトン立体

第2章 オリジン編総括――観察(LOOK)→認識(SEE)→洞察(WATCH)

第3章 オリジン編総括――ストラクチャーライン・モビリティライン・クオリティライン

第4章 エージェンシーレンズ(E.L.):主体策定観点

第5章 スケールレンズ(S.L.):階層判定観点

第6章 コンテキストレンズ(C.L.):背景照射観点

第7章 パーパスポジション(P.P.):動機付けによる見立て

第8章 バリューポジション(B.P.):価値観による見立て

第9章 ネイチャーポジション(N.P.):存在意義による見立て

第10章 3つのディレクション

第11章 愛の道編総括

第12章 一つのwill


これまでのところで、あなたのお家ができたところで、私があなたにこう聞いてみたら、あなたは何て、お答えになるでしょうかね。

「あなたの、お家って、何ですか?」

「??」

前回までに、あなたがお家を建てる時、もちろんそれは、借りる時でも良いのですが、3つの視点から検討すれば、自分にとって必要な、好みの家が建つということを見てきましたね。

これからは、それが「あなたにとって・・・?」、ということを考えていきたいのです。もちろん、ここでは「お家」そのもの、だけのことを言っているのではありません。いつものように、世界や社会、いろいろな現象や出来事についても、同じなのです。

 初めの問いへの答え方には、いろいろあるでしょうが、ここではわかりやすく、こんな風に聞かれたときに、あなたがどうお答えになるかを、考えてみましょう。
あなたが身内にでも、今度お家を建てる、と話したとします。その時に、こう聞かれたとしたらです。

「え、ほんと、お家を建てるの!すごいね。どうして?」

 これに対する答えは、みなさんそれぞれに、いろいろあるでしょうけれども、例えばこれが「教会」だったとします。そうすると、人はなぜ「教会」を立てているのでしょうか。ほとんどの場合、教会そのものに人は住んではいないはずです。じゃあ、なぜ。

・宗教的な役割

 洗礼(クリスチャンになる儀式)やミサ(聖体祭儀)(パンと葡萄酒を分かち合う儀式)、などの典礼を執り行ったり、聖書の言葉を伝えて、信仰を深めたり、悩みを持つ人の話を聞いて、祈りを通して心の平和を助ける役割。

・人とのつながり

同じ信仰を持つ仲間が集まり、励ましあったり、結婚式や子供の誕生など、人生の重要な瞬間を共有する。

地域・世界への奉仕

・貧困支援、孤児のケア、災害支援など、困っている人を助けたり、学校や幼稚園の運営、ゴスペルなど、地域の教育や文化を支え、社会の平和や、人権推進などのメッセージを発信したりもします。

プロテスタントの場合は違いますが、カトリックにおいては、教会にはこのように、

・福音宣教

・典礼

・奉仕

といった、おもに3つの目的があって建てられているのです。

 一つ前までの「レンズ」、というものについて考える時には、あなたのお家にたとえて、つまり世界や社会、といったものを、手のひらに乗せてみるような気持で、考えるとわかりやすいとお話ししました。これからはそのお家を、足元にそっと置いて、その前で腕組みをしながら、一緒に考えてみましょう。

今回のトピックスはその中でも、

パーパスポジション(P.P.):動機付けによる見立て

ということについての、お話です。

 先ほど一緒に見たような「教会」以外にも、人はしばしば建物を建てます。「マンション」なんかも、普段私たちがお家を建てること以外の、パーパス(動機付け)で、建てられるはずです。建築主からすると、何十室、何百室のお部屋はいらないはずです。だいたいは、その部屋に人に住んでもらって、その人たちから賃貸料を受け取りますので、マンションを建てる人からすると、ビジネスのため、ということになりますね。

 私自身この、パーパスということについて、考えさせられることがありました。ある時、一人の身内が音楽を聴きながら、私にこういうのです。

「いい音楽でしょ!ね、どう。」

しかし私は、返答に詰まりました。ジャンルということではありません。楽曲の、出来不出来ということではないはずです。なぜなら、それらの楽曲は、洗練された編曲が施され、とんでもなくおしゃれなダンスが、始終付き添っているのですから。しかし、全く私が聞くような類のものでは、ありませんでした。ですからその時の返答は、

「う、うん、良いね。」

といった具合の、ある意味でお茶を濁すようなものだったのです。しかしその後、今度は、また別の身内の車に乗せられた時です。車内では、行きから帰りまで、ずーっと音楽が流れっぱなしです。もちろん選曲は、すべて運転手であるの彼のホルダーのものです。私の聞かない、全く知らない楽曲がほとんどです。ラジオはかかりません。景色を眺め、同乗者と会話もしながら、聞くとはなしに聞いていたその一連の曲を聴きながら、私は「センスいいな。」と、つぶやいていました。

 そこで私は気が付いたのです。ひとが音楽を聴く時に、そこに求めるものがそれぞれ違う、ということに。考えてみると、私はいつも自分で聞く音楽には「詩を、つまり文学性」を求めていたのです。今この車に乗せてくれている彼は、私の求めるものとは違うのですが、センスの良い選曲ばかりです。そういえば、彼がいつも着る服も、高くはなくてもセンスが良いのです。つまり彼は音楽を聴く時も「センス」を求め、運転してどこかに遊びに行くときも、車内を常にセンス良く満たしたいのだな、と気づいたのです。

先に出てきたもう一人は、音楽を聴く時に、私のように歌詞そのものに、気を使っているようには思えませんでした。なぜなら、英語や韓国語でも、気にせず常に「ノリノリ」でご機嫌でした。それで私は、「あ、この人は音楽を聴く時にいつも、自分に対するノリを求めて聞いているな」と、理解できました。それを聞いてみるとやはり「そうだよ。」という返事がかえってきました。

「なるほどね。」よくわかりました。

 この、動機付けということについて、本当に感心させられるようなこともありました。「平成の花咲か爺さん」とも呼ばれた、お菓子メーカーの竹田製菓(現・竹田本社)の創業者であった、竹田和平氏

事業で得た富を元手に投資をはじめ、「日本のウォーレンバフェット」とも称されました。一時は100社以上の上場企業で大株主となり、資産評価額は数百億円に達したといわれています。

・「花咲か爺さん」としての活動

「愛と感謝」をモットーに掲げ、独自の「旦那道」を貫きます。毎年立春生まれの赤ちゃんに、純金製コインを送る活動を亡くなるまで続け、その数は2500人以上に上りました。この慈善活動や、多くの人に幸せを還元する生き方から、「平成の花咲か爺さん」、とも呼ばれました。

竹田氏は、自社の製品「たまごボーロ」には、「赤ちゃんが最初に口にするものだからこそ、本物でなければならない」、という考えの下、国産原料を厳選して使っていたのらしいです。
ある時、従業員から「食べる人は見ていないのだから、材料の卵をもっと安いものにすれば?」、という提案を聞かされるのですが、それに対する答えは、

「自分が見ているがね。(名古屋人ですので!)」

だったそうです。また、作家の本田健さんがあるとき、投資のスタイルを尋ねたそうです。どうやったら竹田氏のようになれるかを期待して。そうすると、

「真心のある会社に投資しなさい。」

と言われるのですが、本田氏は「竹田さん、じゃ、どうすればその会社がわかるのですか」、と尋ねます。そうすると、

「自分に真心があれば、わかるがね。」

と、答えられたそうです。「いやはや」。

その竹田氏の投資スタイルとは、

・長期保有と「応援」

企業の本質的な価値を認め、株を「応援券」や「感謝券」と呼び、将来の成長を信じて長期保有しました。短期的な株価の変動には動じず、会社の成長を見守る姿勢を貫きました。

・「物言わぬ株主」の姿勢

経営陣に口出しすることはほとんどなく、むしろ「お預けしたお金を増やしてくれてありがとう」、という感謝の気持ちで接していました。この姿勢が多くの経営者から信頼され、歓迎されました。

・「旦那」としての振る舞い

投資を通じて社会貢献するという、「旦那道(だんなどう)」を実践していました。利益を独り占めせず、従業員や社会全体に還元する姿勢は、多くの企業から感謝されました。

 このように、竹田氏の投資は、企業の成長を促し、社会全体の発展につながるという動機付けにより行われ、そのため、上場企業の経営者たちからも非常に尊敬され、特別な存在として、扱われていたといわれているのです。

これの話を知ったときは、株式投資に対する動機付けには、このような見立てもあるということを知り、同時に、自分が世界に対して関わる「動機付け」、というものについても、大変考えさせられたものでした。







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