口語俳句集『朝顔』『夕顔』各30句 〜口語体混合俳句集〜
口語俳句集です。
今回は、口語俳句の
「現代の書き言葉」と「現代の話し言葉」
の各表現の作品を一つにまとめて作品集にするとどうなるのかを検証しました。
1、主に現代の書き言葉表現の作品
「口語体・現代仮名遣い」「現代的切れ字」
2、主に現代のしゃべり言葉表現の作品
「会話体・現代的仮名遣い」
俳句集『朝顔』は、
1をメインに、2を補助とした作品集
俳句集『夕顔』は、
2をメインに、1を補助とした作品集
としてそれぞれにまとめました。
「現代の書き言葉」表現の作品は、写実的な句、叙景句、写生、自然詠などを詠みやすいようです。
「現代のしゃべり言葉」表現の作品は、心情的な句、抒情句、心象、人間詠などを詠みやすいようです。
それぞれに、より得意とする領域はありそうです。
読みくらべや比較など
楽しんでご覧いただければ幸いです。
*作品は既発表句です
「朝顔」
口語俳句集
秋へんろ死よりも生のせつじつよ
うみ見えてすこぶるさびし大花野
花野道じぶんのなかへつづきます
海光よかがやいて穂のすすきはら
すじいっぽんとおしてかぜの花芒
ただなかにたたずんでこそ星月夜
過疎の谷銀河ばかりがうつくしく
十六夜よ遅れ出て観るひともまた
スケッチよ絵の具をぬれば菊日和
秋さびし黒く澄みきるコーヒーが
まちじゅうに紙垂のしろさよ秋祭
こんとんといえば国生みにごり酒
見てごらんこころのわざを松手入
水こまごま日ざしこまごま滝の秋
むすぶ手よすでに吹かれて七夕竹
光年のものしずかさよあまのがわ
消えのこります過疎村の夜学の灯
収穫よ葉かげ葉かげのあきなすび
すずめ跳ぶたがいちがいに大刈田
いねを干す戦前戦後きょうあした
なんだろうそらを聴くとき鳶の秋
そらほどにはるかな竿だ鯊を釣る
火をたけば火のしずけさの秋の浜
すでに秋こころをとおい嶺に置き
波は浜あらいつづけてあきのくれ
灯をけしてそそり立つ都市星月夜
流星群以後見あげるということを
灯のままで夜のままでよし霧の街
じんるいとむきあう月の淋しさよ
すすきみなはるかをさして一本道
「夕顔」
口語俳句集
あるがままです心とはあまのがわ
平和さよ飾りおもたくたなばた竹
季節またかわりゆきます赤とんぼ
皿あらうひとすじの水さわやかよ
米買います買いますけれど秋の風
つゆの玉地球のぞいてみてごらん
ああ揺れて飛び飛ぶひかり花野風
花野道じぶんのなかへつづきます
くちをつく「たかが俳句か」鰯雲
そえる手よ田ごと田ごとの稲の花
案山子です今日も明日も明後日も
神輿来る風のたかさをあきまつり
かたちにはかたちがないね雁渡る
フライパン火にかけどおし豊の秋
のこるのはえだまめでした送別会
枝さきよすこししなって小鳥来る
たいりんにたいりんならぶ菊手入
光るきみ黄まとうでしょう菊人形
野良ねこが伸びをしました秋日和
だまるほどおおきい月を旅に見た
流れ星きっといつかのじぶんです
そうなんだそうなのよ道秋すだれ
あめのなか立つたましいか秋草か
かもめ又飛ぶのでしょうか台風後
野菊摘むうつむき癖のあるひとだ
照紅葉ところで今日はどうしたの
文化の日ひろ場につどいます鳩が
わたつけて芒しみじみ暮れません
沿いあるく波打ちぎわは秋でした
行けるかのようですね沖秋のはて
終わり
◇ 前回までの作品集 ◇
『三春』
多文体俳句集
『三夏』
多文体俳句集
『三秋』
多文体俳句集
◯まとめてみた感想
今回は2作品をまとめました。
口語俳句の、
「現代の書き言葉」表現の作品は、写実的な句、叙景句、写生、自然詠などを詠みやすいようです。
「現代のしゃべり言葉」表現の作品は、心情的な句、抒情句、心象、人間詠などを詠みやすいようです。
それぞれに、より得意とする領域はありそうです。
口語俳句は必ずしも「現代の書き言葉」表現、「現代のしゃべり言葉」表現のどちらか片方のみで詠む必要はなく、
うまく使いわけていく存在でもあるのかもしれません。
◇
口語俳句の作品については、
◇口語体俳句
「現代語・現代仮名遣い」「現代的切れ字」を基本にした俳句
◇会話体俳句
「現代のしゃべり言葉」やそのフレーズ、会話、対話、独話、セリフ、つぶやき等を活かした句
など、個人的に大まかに分けて取り組んでいます
◯口語体が基本の俳句
◇口語体
現代語法に基づく日常的で自然な文体
◇現代仮名遣い
現代的な仮名遣いのこと
・言う、きょう、いた、ちょうちょなど
◇現代的切れ字 の候補例
よ、か、ぞ、と、に、へ、せ、で、まで、
ず、れ、け、た、が、て、は、な、こそ等
◯会話体が基本の俳句
◇会話体
しゃべり言葉をそのままに再現した文体
◇現代仮名遣い
現代的な仮名遣いのこと
・言う、きょう、いた、ちょうちょなど
◇主な語尾の候補(要検証)
〜の、〜ね、〜さ、〜だ、
です、ます、ですか、等
*仮名遣いについてなど一部例外もあるようです
◯文語・口語の大まかな図
下記は、俳句における
文語・口語の大まかな図です
◇文語俳句ー文語体ー古典語ー古い時代の文体
◇口語俳句ー口語体ー現代語ー書き言葉
∟ーー話し言葉
◇仮名づかい 歴史的仮名遣い 現代仮名遣い
より詳しく細かいことは、書籍・ネット等でしらべてみてください
◯使用している切れ字について
下記は
現代的な切れ字の候補についての記事です
「現代切れ字 十八字 候補例」
よ・か・ぞ・と・に・へ・せ・で・まで
ず・れ・け・た・が・て・は・な・こそ
これらは「現代の言葉」で俳句を詠む際に切れ字のような役割を果たす語はないのか、
「間」を生み出すために必要な「句を区切るための語」が現代の語にはないのかを探ったものです
◯俳句の目標
下記について、毎日の投稿などで
月日をかけて探っていければと思っています
「表現の新と万象の真」「驚きと感動の詩」
「一新一真」「都市詠の探求」「一句新世界」
「ものごとの花」「沈黙の美」「内的宇宙」
「三物一句」「風情の継承」「平明深遠の詩」
◯現在の主な活動内容
現代語・現代仮名遣い・現代的切れ字
を基本にして俳句を詠んでいます
① 現代俳句
俳句の「現代化」「現代文学化」
について実作を通して模索しています
② 多文体俳句
俳句の「使用文体の拡張」
について実作ととに探求しています
③ 一行詩的俳句
俳句の「詩性」「思想性」など
一行詩としての側面も探っています
個人的な
俳句の探求を楽しんでいます
*個人的な考えや見解をまとめた記事です
*解説について至らない点、充分に書き尽くせていない部分もあると思いますがご容赦ください
*俳句については個人・団体によって様々な考え方や見解があります
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