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多文体俳句集『噴水』40句 〜文語体、口語体、会話体の作品集〜

多文体俳句集です

俳句の「使用文体の拡張」
について実作とともに探っています

文語体俳句、口語体俳句、会話体俳句
の各作品で構成しています

今回は夏をテーマに詠み分け、
各文体の作品の強みと特徴を探りました

楽しんでご覧いただければ幸いです

*作品はすべて既発表句です


『噴水』
多文体俳句集


第一部
〜口語体俳句〜

噴水よいつともちがうそらのした


尾ひれへと透けて金魚よ水のいろ


梅雨入りか傘分けて行く傘ひとつ


さそう火かゆびのさきから蛍とぶ


海をふるさと山をふるさと島は夏


アリとして立つ葉のそらよ俳句観


金魚草えだふるふると咲きのぼる


大がつくほどの昼寝のへいわこそ


ぼたとある梅干茶漬けこえが出て


街なかに神社いくつもいなりずし


虹架かる路地にひとすじ空あれば


牛たちよ牧のけしきを食べて暮夏


夜も白く流れて雲よキャンプの火


第二部
〜文語体俳句〜

鯉のぼり空をはらみてをりしかな


早乙女や世にはみにくき事ばかり


たかきおとたててをりけり岩清水


ひらく手におほなみこなみ扇かな


冷やつこ薬味のやまをほぐしけり


のばしてはたたむいのちや尺取虫


羽抜鶏ときをりたまごうみにけり


なかを吹くかぜに空蝉揺れにけり


ぽつとかげすなはちわれや夕端居


ひとすぢの龍舞ひにけり水打てば


曳く音の見えてたたきし藪蚊かな


流すまでひとりなりけり髪あらふ


われの気の分け入りにけり夏の山


キャンプの火たちまち心一つなり


第三部
〜会話体俳句〜

夏の雲つねに湧きますまつやま城


俳句のまち文学のまちかぜかおる


子規堂にたび立ちの像わか葉して


一草庵なにをさとったせみしぐれ


アイスティー所縁波郷も草田男も


今もまた歴史のなかか軒ふうりん


道後温泉灯の夕べですすだれ垂れ


清むよひとさじの薄墨水ようかん


坂の上伊予柑アイスとともに行く


みず打つよ俳句ポストに地の歴史


なつつばきさてと松山句碑めぐり


端居してそら暮れなずむ城の灯だ


歴史ごと照らされて居たなつの月


終わり


◇ 前回までの作品集 ◇

『三夏』
多文体俳句集


『夏の題詠』
多文体俳句集


『四季自選』
多文体俳句集


◯つくり分けについて

今回は夏をテーマに
各文体の作品の強みと特徴を探りました

◇今回のテーマ等

・夏をテーマに各文体の作品を詠み分ける
・自然詠と人事詠
・俳句、一行詩の両側面を探る
・切れ字、切れ、季語の活用
・格調、機知、余情、間、深みなど
・身近な出来事を中心に詠む


◯作者の個人的な考え、見解

◇その目的

多文体での俳句づくりの目的は、単なるパフォーマンスや他との競争ではなく、

自分自身の俳句やそれぞれの文体表現の可能性をさぐり、深化させていくことだと捉えています

俳句をより学び、より楽しむことを大切にしています


◯多文体俳句の主な目的

1、俳句で使われる文体の整理

各文体と各仮名遣いがごちゃまぜに使用されている俳句の現状について整理を行う提案


2、俳句同士の対立の緩和

伝統的な俳句と現代的な俳句の対立等をその両方に取り組むことで緩和すること


3、各文体の俳句の共存

文語体俳句、口語体俳句、会話体俳句等を同等の俳句として扱い、取り組んでいくこと


4、各文体の俳句を互いに高めあうこと

各文体の俳句の特徴や強み、技法などを理解し、互いに高めあうこと


5、俳句の歴史と現在、未来をつなぐこと

伝統的な俳句と現代的な俳句に同時に取り組むことで俳句の歴史と現在、未来をつなぐこと

等々


現在の試みとして、

文語体俳句、口語体俳句、会話体俳句

の3つ方向性を
順次探究しています

◇文語体俳句
「古典語・歴史的仮名遣い・古典的切れ字」を基本にした俳句

◇口語体俳句
「現代語・現代仮名遣い」「現代的切れ字」を基本にした俳句

◇会話体俳句
「現代の話し言葉」やそのフレーズ、会話、対話、独話、セリフ等を活かした句

など、個人的に大まかに分けて取り組んでいます


各文体、仮名遣い、
切れ字について短くまとめます

◯文語体が基本の俳句

◇文語体
古典語法に基づく伝統的で格調高い文体

◇歴史的仮名遣い
古典的な仮名遣いのこと
・言ふ、けふ、ゐた、てふてふなど

◇古典的切れ字18字
や、かな、けり、よ、か、ぞ、に、へ、せ、
ず、れ、け、ぬ、つ、し、じ、らむ、もがな等


◯口語体が基本の俳句

◇口語体
現代語法に基づく日常的で自然な文体

◇現代仮名遣い
現代的な仮名遣いのこと
・言う、きょう、いた、ちょうちょなど

◇現代的切れ字 の候補
よ、か、ぞ、と、に、へ、せ、で、まで、
ず、れ、け、た、が、て、は、な、こそ等


◯会話体が基本の俳句

◇会話体
話し言葉をそのままに再現した文体

◇現代仮名遣い
現代的な仮名遣いのこと
・言う、きょう、いた、ちょうちょなど

◇主な語尾の候補(要検証)
です、ます、でした、〜だ、
だった、〜ません、〜の、〜ね、〜さ等

*仮名遣いについてなど一部例外もあるようです


下記は、俳句における
文語・口語の大まかな図です

◇文語俳句―文語体―古典語―古い時代の文体

◇口語俳句―口語体―現代語―書き言葉
             ∟――話し言葉

◇仮名づかい 歴史的仮名遣い 現代仮名遣い

より詳しく細かいことは、書籍・ネット等で調べてみてください


◯使用している切れ字について

下記は
現代的な切れ字の候補についての記事です

「現代切れ字 十八字(候補)」
よ・か・ぞ・と・に・へ・せ・で・まで
ず・れ・け・た・が・て・は・な・こそ

これらは「現代の言葉」で俳句を詠む際に切れ字のような役割を果たす語はないのか、

「間」を生み出すために必要な「句を区切るための語」が現代の語にはないのかを探ったものです


◯俳句の目標

下記について、毎日の投稿などで
月日をかけて探っていければと思っています

「表現の新と万象の真」「驚きと感動の詩」

「一新一真」「都市詠の探求」「一句新世界」 

「ものごとの花」「沈黙の美」「内的宇宙」

「三物一句」「風情の継承」「平明深遠の詩」


*個人的な考え・見解をまとめた記事です

*解説について至らない点、充分に書き尽くせていない部分もあると思いますがご容赦ください

*俳句については個人・団体によって様々な考え方や見解があります


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