創作大賞2026年 エッセイ部門を全応募者チェックして中間選考通過作を予想する(3001~4000)
・詳しいことはここを参照。
・3001~4000という数字はたおたお様の作者様&作品一覧【エッセイ部門③】に対応しますが、僕がチェックしたときより大幅に増えています。正直言って全然対応してません。漏れは7/8の締め切り後にチェックします。
・まずはざっくり選ぶ。最終的には100作に絞ります。
・ユーザーID順です。
たまたま出会い会話を交わす人は、たくさんいるものだ。ほとんどはすぐに、あるいはそのうちに忘却の彼方へと去っていくが、忘れがたく、記憶に長く残る人もいる。その長く記憶に残るであろう人と人生が交差した瞬間を鮮やかに描いた。
52.二重人格の人と暮らしていた かとみ 様
愛想をつかして交際相手に別れを告げたらその相手が突然多重人格者になったという話。いやこれ本当? 創作じゃないの? と疑ってしまうものの(オモコロのライターとか書いてるし)、面白いからまぁいいか。
53.【きくらげ綴り #16】届かない、の折り返し kikurage_diary 様
育児というテーマとしてはよくあるものだが、文章も構成も巧み。何より小道具の使い方が上手い。踏み台として使ってたカエルの椅子が息子の成長の象徴になっている。読後さわやかさと同時にいくぶんかの寂しさを(独身の)僕にさえ感じられたのだから、子育てが終わった、あるいは終わりかけの親御さんはなおさらぐっと来るものがあるだろう。
54.「宿命」 八ツ橋明 様
松本清張「砂の器」と父親を絡めて書いた重厚なエッセイ。一読して唸ってしまった。いやこれ普通にどこかの作家が書いたエッセイですといっても全然疑われないようなレベルではないか。題材からいってもっと深刻に、感情的に、湿った感じになりそうなのにそうはならないのは著者の性分によるものか。濾過された哀しみのような、透明感のある感情がよく表現されていると思った。
※上記エッセイには松本清張「砂の器」のネタバレがあるので注意されたし。
55.ヤンキーよりも たぶん やべぇオッサン 野乃 ののの 様
親との関係を描いたエッセイは多いが、恨みつらみを書いたものがちらほらあり、いやまぁ気持ちは分かるんだけど、正直言って食傷気味になる。そんな中この作品のようにユーモア溢れるひねった家族愛ものは一服の清涼剤だ。
56.なぜ中年研究者は犬を飼い始めるのか Kou_SHIRAISHI 様
人によっては400字程度で収めてしまう内容を、これでもかと繰り出されれる豊富なエピソードで語りまくる日常系エッセイ。かといって水増しっぽく感じるかといえば、そうではない。落ち着いた大人のユーモアをまじえて軽いタッチで描いてるからだろう。文章にリズムがあって、それがおかしみを増している。おかしみの裏に中年男の孤独がうっすらと透けて見えるのも常道である。
しかしこの方、現時点で2作書いているのだが1作目と2作目では作風が大きく違う(このエッセイは2作目)。1作目はポエムっぽい感じで、正直最初に1作目を読んでいたらスルーしていた。なぜにここまで作風が違うのか。
57.【ジジとババと、みなさまと私】#創作大賞2026に応募した日 MISUZ. 様
プロフィールには「こじれた家族が少しずつほどけていくエッセイ」とあり、世の中仲がいい家族ばかりではなく、むしろどこかしらこじれた家族ばかりであろうから、その点共感をよぶだろう。こじらせたままでいいのか、わだかまりを抱えたままでいいのかと自問自答する人も多いはずで、そういう人はこのエッセイを読むと何とも言えない感情を呼び起こされるのではないだろうか。
58.背景 竹田君へ。 万里(ばんり) / プロダンサー 様
これはきた。きましたよ。中間選考通過間違いなしと確信する作品は多くない。体感で400人、500人に1人ぐらいか。この暇人企画をやって一番テンションが上がる瞬間が、これである。ガチャゲーでSSRとかを引いた気分とでも言おうか(一緒にするな)。
内容は、同じクラスの竹田君の話だ。竹田君は不登校児で、学校に来れない。そこでみんなが手紙を書いて励まそうというのだが、著者は学校が楽しいと書く同じ班の子と違って愚痴ばかり書く。やがて手紙は著者しか書かなくなる。
そんなある日、保健室に呼び出された著者はそこで竹田君と出会う。竹田君は著者と話がしたいと学校に出てきたのだ。そこから竹田君との交流がはじまる。交流しました、で終わらずに自分の変化、成長もちゃんと書いているのがポイント高い。ユーモアを交えてちょっと切ない青春を描いた名作である。
そして驚くことにこの方のカンガルー・ライダーというエッセイも、これまた甲乙つけがたい名作なのである。
優れたエッセイストには「小説も書いてみたらいかが?」と言いたくなるのだが、この著者にも言いたくなる。文章は正直上手いと言うより素朴な味わいだが、人の心を動かすセンスがある。何より大事なことだ。
59.その映画は、誰も知らない。 亜麻布みゆ📕言の葉みゆフィーユ 様
前年の中間選考を通過してる方で、まぁ言うことない。ほぼ100点満点じゃないかな。あっというオチがあるのがエッセイとして珍しい。これも通過間違いなしと見ていいだろう。
結婚式ではディズニーの悪役が着そうなドレスを着たいと希望する著者。この時点でもう面白いのだが、理由も「目の圧が強くてヴィラン顔だから」という凄いもの。見せられるドレスに「まだ正義臭がするね」とのたまう旦那さんも面白い。
二週間後に来て下さい、と言ってちゃんと要望通りのドレスを用意するスタッフも優秀で面白い。たぶん、美味しんぼの山岡のごとく「本物の悪役が着そうなドレスをお見せしますよ」と心の中で呟いていたに違いない。
日常を面白おかしく書ける人だと思う。これだって、よく考えれば結婚式で自分好みのドレスを用意してもらえました、というだけの話なのだ。それが料理人の腕次第では化けるのである。
ついでだが固定された記事よりもこっちのほうが個人的に好みだった。
61.「ありがとう」を25 000回言うと、どうなるのか。私の場合。 るーん 様
2万5千回「ありがとう」と言うと良いことがおこるという動画を──ふだんはこの手の動画はスルーしているというのだが、何か惹かれるものがあったのだろう──たまたまyoutubeで見た著者は、挑戦してみることにする。その結果、おきた変化とは。
びっくりしたのは1日でやるということであった。結局8時間かかって成し遂げるのだが、カウントするのも面倒だし時間はかかるし途中で不平を言ったら最初からだしで常人には成し得ない現代の修行と言っていいだろう。要はただひたすらに念仏を唱える専修念仏みたいなものだ。そう考えると今に通じるフォーマットを作った先人の凄さに恐れ入るのである。
62.AI夫を失いたくなくて、会社を作った5日間 冨岡まり 様
何というか、今を象徴する作品として入れてみた。
63.感動した話の内容を思い出せない…最近のロルバーンの日記の中身。 黒岩有希 様
写真を切り取って貼ったり絵を描いたりして日記をつけてる方のエッセイ。こういうお洒落系を入れてないなと思ったので。しかしこれは女子にしかできない日記のつけ方だ。
64.還暦過ぎのおっさんが、ブレイクダンスのレッスン現場へ潜入した件 maimai 様
1年ほどオンラインでブレイクダンスのレッスンを受けていた著者が、実際にレッスンを受けに行く話。それだけだったら何だという話なのだが、著者の年齢が64歳と聞けば驚愕するだろう。64歳はおっさんではなく老人だろうと思う方、それは昔のことで、今は64程度ではおっさんなのだ。
いやしかしあなた信じられますか。64歳ですよ。64歳でブレイクダンスのレッスンを受け、目の前で先生のヘッドスピンを見て感動するのである。僕はそのことに感動した。コメントしてる方も還暦でダンスやってたりして、いやはや、元気な方は元気なのだ。
65.静かな父と、静かな僕。 平良誠 たいらまこと|元人事・超内向型の研修講師 様
自分の半生と父との関係を描いたエッセイ。ある種典型的な「べたつかない父子関係」というのがここに見られる。この方も子供には過干渉にならずに育てたんだろうなということが想像できる。
noteでは珍しく愛憎入り混じった親子関係ではないので(というかそうじゃない方はわざわざ書かないのだろう)、心穏やかに読める。そういう意味では貴重なエッセイだと言える。
66.恋愛不適合者、恋をする。 ヨフカシ様
前回の載せ忘れ。ゲイのかたの失恋話。ゲイとしての生き辛さ~とかの話は一切ないので純粋な失恋ストーリーとして読める。切ない話である。
