夜職保育士さんと僕① 出会い編
〜あらすじ〜
同僚看護師が何気なく言った
「私、夜職の掛け持ちしてるんですよね」
という言葉で20年以上封印していた記憶の蓋が開いた
何もない空っぽだった専門学生の僕と、飲み会で出会った保育士のミキさん
二人の出会いからの記憶が溢れ出す
良いことだけじゃないけど大切な思い出たち
あの時、あなたにとって僕は一体何者だったんだろう?
もしかしたらその答えを見つける事が出来るんじゃないか…
20年以上の時間を越えて、今を生きている『僕』が二人の思い出を整理していく
溢れ出した思い出をこぼさないように、大切な2年間の記憶を辿る旅が始まる
この物語はたぶんフィクションです
ミキさんと僕もたぶん空想上の誰かです
でも、空想上でも良いから、2人のかけがえのない時間を残せたら良いなと思います
夜勤中の巡視もひと段落して、同じフロア担当の看護師さんとのんびりと世間話をしていた
その中で、看護師さんが不意に
「私、夜職の掛け持ちしてるんですよね」
って教えてくれた
『夜職』と言う言葉に強い引っかかりを覚えたと思った瞬間…
20年以上封印してた記憶の蓋が開いてしまった
まだ僕が19歳、専門学校に通っていたものの、やりたいこともなく無気力にダラダラ生きてるだけだった頃の話
出会いは地元連中に誘われて、数合わせに参加した合コン
「君さぁ、ウチおいでよ」
「つまんなそうな顔して、腹立つからちょっと付き合いなさい」
ってよくわからない理由をつけて、強引に連れて行かれた
こっちも断る理由もないし
女の人の家に行けるならラッキーかな位しか考えないで付いて行った
「幹子って言うの、みんなはミキって呼んでるし、ババ臭いから私もミキって言われる方が好き」
背が高くって(172センチって言ってた)いつもニコッと笑ってるような、それでいて真っ直ぐな眼をした可愛い保育士さんだった
「僕なんてメガネでヒョロヒョロで、どっから見てもオタク全開でしょ。なんでこんなやつに声かけたの?」
最初は
「なんか、変なやつセンサーに引っ掛かったんだよね。私、そういうのほっとけないんだよね」
とか言っていたが
「だって君さ、私が連れて帰らなきゃ、人殺すか自分が死ぬか、みたいな顔してたんだもん。この子は絶対にヤバいって思ったんだよね」
と最後には白状した
いくらなんでもそんな顔してたつもりはない
でも、ミキさんが言うのなら本当にそうだったのかもしれない
その日から僕はミキさんの家に居候することになった
そんな始まりから、2年とちょっと
空っぽだった僕とミキさんのちょっと変わった同棲生活が始まった
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