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小満|少し満ちていくころ、全部を満たそうとしない

ハイサイ。
ととのえ職人、五木田穣ごきたゆたかです。

暦は、小満へ。

草木が育ち、
いのちが少しずつ満ちていくころ。

春に芽吹いたものが、
少しずつ形になっていくころ。

潤っていたものが、
ひらきはじめ、
そのひらいた先で、
少しずつ満ちていくころ。

そんな季節です。

立春のころ、
気持ちだけが少し先に春になってしまうような日がありました。

雨水のころ、
凍っていたものが、少しずつゆるみ始めました。

啓蟄のころ、
目覚めは静かにはじまりました。

春分のころ、
揺れながら、バランスを取り戻していきました。

清明のころ、
景色が澄んでくるように、
自分の内側にも、少し澄んだ感覚が戻ってきました。

穀雨のころ、
育つためには、潤いが必要だということを感じました。

そして、立夏
潤ったものが、
少しずつひらいていくころを迎えました。

そこから、また少し季節が進み、
小満です。

いのちは、急に満ちるわけではありません。

芽吹いたからといって、
すぐに花が咲くわけではない。

潤ったからといって、
すぐに実るわけではない。

ひらいたからといって、
すぐに形になるわけでもない。

少しずつ。
少しずつ。

見えないところで育ってきたものが、
ようやく少しずつ、満ちていく。

小満とは、
そんな途中にある季節です。

だからこそ、この時期は、
全部を満たそうとしなくていいのです。


満ちていく途中にいる

5月の後半。

連休が明けて、
日常のリズムに戻った人もいるでしょう。

急に暑くなって、
体がまだ夏に追いついていない人もいるかもしれません。

湿度が上がり、
少し体が重たく感じる日も出てきます。

外の季節は、
どんどん進んでいくように見えます。

緑は濃くなり、
日差しは強くなる。

夏の気配が近づいてくる。

でも、自分の内側は、
まだそこまで追いついていなかったりする。

体も、心も、思考も、
季節の変化に少し遅れてついていきます。

ですが、私たちはついつい、
自分を急かしてしまいがち。

もっと、元気にならないと。
もっと、動けるようにならないと。
もっと、整えないと。
もっと、満たさないと。

もっと、もっと、もっと。

でも、小満は教えてくれます。

今はまだ、
少し満ちていくころでいい、と。
すべてを満たしきる必要はない、と。


全部を満たそうとすると、苦しくなる

私たちは、
空白があると、そこを埋めたくなります。

予定が空いていると、何かを入れたくなる。
少し元気が出てくると、すぐに動きたくなる。
できていないことがあると、早く片づけたくなる。

何もしていない時間があると、
どこか落ち着かなくなることもあります。

でも、全部を埋めようとすると、
心と体の余白がなくなっていきます。

少し疲れているのに、
予定を詰め直す。

少し回復してきたのに、
すぐにいつものペースへ戻そうとする。

少し芽が出てきたものを、
すぐに形にしようとする。

そうすると、
せっかく内側で満ちてきたものが、
また少し疲れてしまうことがあります。

満たすことと、
詰め込むことは違います。

満ちていくことと、
埋め尽くすことも違います。

小満の季節に大切なのは、
足りないところを無理に埋めることではなく、
すでに少しずつ満ちてきているものに気づくこと。

その静かな変化を、
急がずに見守ることです。


少し元気になった時ほど、急がない

疲れている時は、
休もうと思えるでしょう。

でも、少し元気になってきた時ほど、
人は急ぎたくなります。

「あ、動けそう」
「少し戻ってきた」
「今のうちにやっておこう」

そんなふうに思って、

予定を詰めたり、
仕事を増やしたり、
後回しにしていたことを一気に片づけようとしたりする。

もちろん、それが悪いわけではありません。

でも、少し満ちてきた力を、
すぐに使い切らなくてもいいのです。

小満は、
満ちきった季節ではなく、
満ちていく途中の季節です。

だから、
少し元気が出てきたからといって、
すぐに全部を動かさなくていい。

少し動けるようになったら、
少しだけ動く。

少し余裕が戻ってきたら、
少しだけ整える。

少し気持ちが前を向いてきたら、
少しだけ外に出てみる。

それくらいでいい。

回復した力を、
すぐに消費しない。

芽が出たものを、
すぐに収穫しようとしない。

少し満ちてきたものを、
そのまま少し、内側に残しておく。

それが、
この季節のととのえ方です。


足りないものより、育っているものを見る

小満のころは、
外の景色が少しずつ豊かになっていきます。

草木が伸びる。
葉の色が濃くなる。
花が咲く。
実りの準備が始まる。

それは、急に起きる変化ではありません。

少しずつ、少しずつ、
見えないところで育ってきたものが、
ようやく表に現れてくる。

私たちの内側にも、
同じようなことがあります。

まだ形にはなっていないけれど、
少しずつ育っているもの。

まだ言葉にはできないけれど、
前より少し感じられるようになっているもの。

まだ大きな変化ではないけれど、
ほんの少し楽になっていること。

たとえば、

前より少し、休むことに罪悪感が減った。
前より少し、自分の疲れに気づけるようになった。
前より少し、無理をする前に立ち止まれるようになった。
前より少し、深く息が吐けるようになった。

そういう小さな変化は、
とても見落とされやすいものです。

私たちはつい、
まだ足りないものばかりを考えます。

まだ、できていないこと。
まだ、変わっていないところ。
まだ、満たされていない部分。

けれど、小満の季節は、
足りないものを責めるより、
少し育ってきたものに目を向けたい。

全部が整っていなくても、
少し整ってきたところがある。

全部が満たされていなくても、
少し満ちてきたものがある。

それに気づくことも、
自分をととのえる大切な時間です。


余白があるから、満ちていける

器は、
空いているところがあるから、
何かを受け取ることができます。

予定も、
余白があるから、
季節の変化に合わせることができます。

心も、
少し空いているところがあるから、
新しい感覚が入ってきます。

全部を埋めてしまうと、
満ちていく余地がなくなります。

だから、
小満のころは、
余白を残しておくことが大切です。

予定を少し空けておく。
すぐに答えを出さない。
気持ちを急いで言葉にしない。
少し元気になっても、全部を使い切らない。

それは、何もしないということではありません。

これから満ちていくもののために、
余白を残しておくということ。

育っている途中のものを、
急に引っ張らないということ。

今の自分を信じて、
少し待つということです。


小満のころ、暮らしを少し軽くする

小満のころは、
体も少しずつ夏へ向かっていきます。

けれど、体は急には変わりません。

暑さに慣れるまで、
少し疲れやすかったり、
眠たかったり、
集中しにくかったりする日もあります。

そんな日は、
暮らしを少しだけ軽くしてみる。

予定をひとつ減らす。
歩く速度を少し落とす。
食事を少しやさしくする。
水分を少し意識する。
早めに眠る。
窓を開けて、風を入れる。

大きく変えなくていい。
小さく調える。

そのくらいの方が、
この季節には合っています。

小満は、
全部を変える季節ではなく、
少し満ちてきたものを感じる季節。

だから、暮らしも、
大きく整えようとしなくていい。

少し軽くする。
少し空ける。
少し待つ。

その小さな調整の中で、
体も心も、少しずつ今の季節に馴染んでいきます。


小さく満ちる日

小満。

それは、
大きく変わる日ではなく、
小さく満ちる日。

全部を満たす日ではなく、
少し満ちてきたことに気づく日。

足りないところを数えるより、
すでに育っているものに目を向ける日。

そんなふうに、
この季節を受け取ってみると、
少し呼吸が深くなるかもしれません。

今日は、
全部を整えなくていい。
全部を決めなくていい。
全部を動かさなくていい。
全部を満たそうとしなくていい。

少しだけ水を飲む。
少しだけ窓を開ける。
少しだけ歩く。
少しだけ休む。
少しだけ、自分の内側に耳を澄ませる。

それくらいでいい。

季節は、少しずつ満ちていきます。

体も、心も、思考も、
少しずつ、今の季節に馴染んでいきます。

その途中にいる自分を、
どうか急かさないでください。

小満のころ。

少し満ちていく季節に合わせて、
自分の中の小さな満ち足りを、
静かに受け取ってください。

また、
次の節気でお会いしましょう。

ととのえ職人
五木田穣

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季節は、少しずつ進んでいきます。

潤うころがあり、
ひらいていくころがあり、
そして、少し満ちていくころがある。

よかったら、過去の季節の記事もあわせて読んでみてください。

また、私が信頼する栄養士の長谷川智子さんの記事もご紹介させていただきます。

私の二十四節気シリーズの記事では、食については取り扱っていませんが、季節に合わせた食があります。ぜひ、ご参考にされてください。より、ととのうでしょう😊

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