ヘミシンク開始半年 – フォーカス21、そのおそろしさと変化
フォーカス12、15には、苦労せずに入ることができた。
しかしフォーカス21は、違った。
フォーカス20、21へ近づくにつれ、
空間は暗くなっていった。
耳鳴りのような、ざらついた砂嵐のノイズ。
視界の奥に重く沈む圧迫感。
やがて霧の中に、一本の古い木造の桟橋が現れた。
どこまで続いているのか分からない。
足を踏み出せば、板は軋みそうだ。
桟橋の下を覗く。
そこには水があるのか、
それとも底のない奈落なのか。
濃い煙のような霧が、すべてを隠している。
進めば、途中で途切れ、
霧の中へ落ちてしまうのではないか。
そのとき、ふと浮かんだ言葉。
三途の川。

背筋が冷えた。
フォーカス21は「境界の領域」と説明される。
もしそうなら──
フォーカス1~20が物質世界なら、
21以降は非物質。
「生」と「死」
理屈が通ってしまう。
ここは、
戻れない場所なのではないか。
踏み込んではいけない領域なのではないか。
フォーカス12や15にはなかった種類の緊張があった。
それでも、私は何度もそこを訪れた。
怖さよりも、
「向こう側に何かがある」という感覚のほうが強かった。
やがて、桟橋のたもとに小さなカフェのような場所が現れた。

最初は無人。
何度か訪れるうちに、
人影が現れた。
しかし、声をかける勇気がない。
さらに数回後、
思い切って話しかけた。
会話ができた。
感動だった。
内容は覚えていない。
だが、「接触した」という事実は確かだった。
それだけで十分だった。
しかし風景は不安定だった。
意識を集中していないと、消える。
少しでも注意が逸れると、
桟橋もカフェも、霧の中へ溶けていく。
意識の濃度が保たれているときだけ、存在する。
だから私は、繰り返し訪れた。
ガイドに会えるかもしれない。
答えがあるかもしれない。
いま振り返ると、
フォーカス21は「あの世」ではなかった。
いつの間にか、
霧は晴れていた。
ざらつきも消えた。
いまそこにあるのは、
澄み切った青空の下、
静かで広大な湖。
桟橋も、カフェも、消えている。
なぜ変わったのか。
風景が変化したのか。
それとも、
霧が晴れただけなのか。
あの桟橋とカフェは、
いまもこの湖のどこかにあるのかもしれない。
ただ、見えなくなっただけで。
フォーカス21は、
向こう側の世界ではなかった。

それは、
そのときの私の意識のかたちだった。
心が変われば、風景も変わる。
そう思う。
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(続く)
このnoteは、
「意識」と「身体」、そして「その先」を探る記録です。
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