見出し画像

選挙がミカン選びに似ている理由―印象で選ばないための冬の選挙メモ

選挙が始まる。大義なき、本来ならばやらなくても良い選挙が、雪が降り積もるこの寒い寒い真冬に始まる。地域によっては投票所までの道が雪に埋もれる。受験生は受験を控えている。親も子も共にナーバスになっている。異常円安で物価は高騰している。自販機で暖かい飲み物を選ぶ手も躊躇いがちになる。そんな中、ウグイス嬢を乗せた街宣車が、

オネガイシマース!
オネガイシマース!
自民党を!オネガイシマース!
と走り回るのだ。

たまったものではない。

この記事のポイント(読む時間がない方向け)

  • 今回の衆院解散は、国会を開かずに行われた「大義なき解散」であり、首相の施政方針や疑惑から逃げるための選挙の私物化ではないかという強い違和感がある。

  • 裏金問題、急激な円安、農政の後退、外交上の失策、そして統一教会との関係など、本来は国会で説明されるべき重要な論点が棚上げされたまま選挙に突入している。

  • SNSのアルゴリズムによって、同じ国に住んでいても印象や雰囲気だけで支持が形成される危うさがある。

  • 政治は「見た目」や「パフォーマンス」ではなく、政策とその結果で判断されるべきだが、その説明が十分になされていない。

  • SNSでいくら政権批判がバズっても、現実はなかなか変わらない。だからこそ、家族や身近な人と、穏やかに政治の話をすることが重要になる。

  • 選挙は「ミカン選び」に似ている。完璧な選択肢はなくても、なぜそのミカンを選ぶのかを考え、少しでもマシな選択をすることが、未来を左右する。


以下、本文です。

私のことどう思ってるんですか解散

先日(1/19)の衆院解散を正式に発表した首相会見で、高市総理は、「私自身の悲願」2年限定の飲食料品の消費税0%などと、今やりたいことや今後の目標をツラツラとメモを見ながらしゃべっていた。つまり、施政方針演説である。それに対して言えることは一つしかない。

だったら、
解散しないで国会開かんかい。

だが国会は開かず、衆議院を解散し、

「私が総理大臣でいいか、国民に決めてもらう」

と言うのだ。私のことどう思ってるんですか解散である。中学生か。身勝手、自己中極まりない。選挙の私物化だ。だいたい、総理になる前に掲げていた消費税云々も、総理になった後レジシステムを理由に撤回している。消費税はもはや、ただのリップサービスである。これを言っておけば、国民の多くは私を支持する。それくらい単純だと思われているのだ。

しかも、衆院選に擁立を決めた議員の中に、萩生田光一幹事長代行、下村博文元文部科学相など、統一教会や裏金に関係した現職が37人も含まれている。舐められていると言って過言ではないだろう。

しかしこの雰囲気は、中学校や高校の生徒会長選挙に似ている。生徒会長選挙はとどのつまり誰も政策のことなど意識していない。真面目なことを言ってる候補の話など聞いてはいない。聞いている層もいるだろう。しかし、結局のところ、派手に振る舞って威勢のいいことを言ってる学校のスターに票が集まるケースが多い。高市総理はスターであるうちに選挙をやってしまおうというわけである。

「私が総理でいいですか選挙」に血税700億円以上が投入され、自治体の人員が割かれる。彼女の支持者は言うだろう。

「今解散するのは、今なら勝てそうだから、より確実に地盤を固めるため、大義の論争は無駄。」

そんなことは分かりきっている。なぜなら今彼女の支持率は高い(と言われている)。だが、国会を開いて、

・裏金問題を白紙にしようとしたこと
・円安が急激に進んで1ドル160円になろうとしていること
・国防を煽る割に、石破総理が進めていた米の増産を白紙撤回したこと
・失言で日中関係がキンキンに冷え込み国益を損ったこと

これらの損失額などを具体的な数字にされたら弁明のしようがない。何より、

統一教会との癒着がはっきりしたTM(トゥルーマザー=真のお母様)特別報告。

彼女は統一教会の教祖の名前や教義を知らないと宣っていたが、これを国会で突きつけらたら溜まったものではない。これまでの説明では、到底つじつまが合わなくなる。国会中継はNHKで放送されている。全国民の前で嘘がバレる。流石に今回は「そんなことより」では済まない。

既に文春では、2週にわたって高市総理と統一教会の癒着をトップで報じている。

・高市氏が自民党総裁になることが天の最大の願い
・萩生田氏は我々と安倍首相との面談を一貫して主導してれた人物
・「総理のメイクを変えさせたのは私」と豪語する最側近佐藤啓官房副長官は、統一教会から直接選挙支援受けていながら、支援なしと虚偽解答していた(山上被告の裁判で検索側の証人)
・食口(信者)たちの勝利のための電話かけ大会

公安と統一教会がつながっていることも、さらっと書いてあって驚いた。パンチラインだらけである。蛍光ペン片手に読まれることをおすすめしたい。

統一教会問題を追求しない大手メディア

この問題を追求し、ニュースで報じれば視聴率トップに躍り出るのは間違いなしだが、何故かテレビの報道はほとんど取り上げていない。もはや、公然の秘密である。このまま選挙に突入すれば、テレあビはメディアの公平性とか言って高市総理と、統一教会の癒着を報道せず、うやむやにするのではないか。それすら彼女の計算の内と思える。

しかも、冒頭にも書いた通り、今回の選挙への道は雪に阻まれる。高齢者や障害のある人は投票行動が困難だ。つまり、物理的に投票率が下がる。しかし、高市総理を支持するカルトの信者は意地でも投票所へ行く。強烈な組織票で勝つ魂胆である。こんな選挙がまかり通って良いはずがない。彼女は言う、

「私が総理大臣でいいか、国民に決めてもらう」

あなたが総理大臣で良いわけがなかろうもんなのだ。個人のボロ隠しで解散して、血税を投じて高市早苗を好きか嫌いか決める選挙。自民党のことは嫌いでも!私のことは嫌いにならないでください!である。もう一度言う。たまったものではない。

首相会見で気になる箇所がある。

政府が提出しようとしている法律案
これはかなり『賛否の分かれる大きなもの』
だからこそ国会が始まる前に国民の皆様の信を問いたい
そう考えました。

賛否が分かれるその案がどんな案なのか、内容を聞かされていない。内容も言わずに、私(与党)が勝ったら、それをやると言うのである。白紙の委任状をくれと言っているのだ。恐ろしすぎる。そもそも日本は大統領制ではない。最近、立憲民主党と公明党がくっついて中道改革連合を結成したが、高市総理のやり方は、中道どころか、外道も外道である。

と、ここまで熱っぽく語ったが、懸命な方ならお気づきだろう。このような思いは、高市政権を批判する人ならおおよそ誰でも抱えている。XやBlueskyでは上に綴ったような文章に溢れている。

SNSは、同じ国に“別世界”を作る

Xのおすすめには高市総理や、トランプ大統領の蛮行を批判するポストが並ぶ。だが、Threadsを開くと、高市総理を支持していて、あの会見を見て涙が出たという熱狂的なポストが並んでいたりする。

だが、私が持っているThreadsのもう一つのアカウントでは高市総理を批判するポストがおすすめに出てくる。アルゴリズムの妙を感じざるを得ない。

加えて言うと、これは完全に私の体感なのだが、最近Xでは様子のおかしいネトウヨに絡まれることが比較的少なくなったように感じる。逆にThreadsには高市総理・参政推しのアカウントが非常に多い。ただ、ほとんど絡んではこない。ただただ他を下げ、高市総理を上げることばかり言っている。そして、簡単にデマに引っかかり広めている。Blueskyは全然いない。もしやXに見切りをつけて、リソースを、若年層向けのtiktok、YouTube、Threads(インスタ)に振っているのではとさえ勘繰ってしまう。内容も政策の内容ではなく、印象だけを拡散していて薄っぺらい。

政治は、印象で選んではいけない

その象徴的な言葉が、先日、SixTONESの髙地優吾がTBS系「サンデー・ジャポン」で発していた高市首相とメローニ首相との首脳会談に関するコメントである。

「そうですね、ちょっとあれですけど、石破さんとは大違いだなぁ、って、正直な感想で。石破総理のときはスマホいじってだったりとか、ちょっと誰とも何もしゃべらないで座ったままとか。でも、ああやってパフォーマンスかもしれないですけど、外交のものを視聴者に届けてくれるっていうのは、すごく安心感がある、っていうか。ちゃんと気付いてくれてるな、って国の代表としてはすごく誇らしいなって思いましたね」

SixTONES髙地「石破さんとは大違いだなあって」高市首相の外交に「正直な感想」

自分も若い頃は全く政治が分かっていなかったので、あまり責めるのは酷だとは思うが、このように彼は政策とその結果ではなく見た目の印象の事しか言ってない。それしか言えないのだ。その危険性は周りの大人が説明する必要がある。と思って、彼の年齢を調べたら31歳だった。ギリギリである。

SNSでバズっても世の中はさして変わらない

懸念がある。高市支持者の多くは、文春に書かれてることがどういう事実かさえ理解できないのではないか。TikTokや、YouTubueのショート動画だけみて全てを知った気になっているのではないだろうか。文春に書かれている報道は、政治と歴史の素地がないと意味がわからない。

高市総理の裏についてるカルトは、そういう層をターゲットにし、取り込み、票に変えているのではないか。そうであるならば、文春が読めない・読まない層を取り込まないと、カルトの天下になる。

もしかしてと思って恐る恐る聞いてみたら、周りにも高市支持者がいる。身内にもいる。過去の選挙でも何度も思ったが、我々は、SNSから離れて家族や友人と話した方が良いかもしれない。 選挙の度にバズりは経験してきたが、SNSでいくら批判がバズっても、世の中はさして変わらない。これは過去の選挙で何度も体験している。

安倍晋三は息をするように嘘をつくと揶揄されていたが、高市総理の言うことは、もはやどんなご立派な公約を言っていても、当選したら全て反故にされるのではないか。どうせ全部嘘だろうというイメージすらある。高市総理が勝ったら、今度こそこの国の倫理観はズタボロになるだろう。

しかし、政治の話を周りに振るのはハードルが高い。なので、私はこれまでにも、政治に関心のない人にも届いてほしくて、選挙の話を気軽にできるよう、LINEスタンプなども作ってきた。

私にも3人の子供がいる。末っ子はまだ4歳だ。彼らが大きくなったとき、「お父さんは、あのときに何もしなかったの?」と尋ねられ、何もしなかったとは言いたくない。

未来を変えたいネコのスタンプ

以前書いた記事も、『「高市早苗が良くないことはわかるけど、順序立てて人に説明できるほどではない」という時に、大変助かるnote』という評をいただいた。

説明に困った時の地図代わりにしてほしい。

ミカンを食べながら、選挙の話をしよう

「どこの政党が今の日本にとって最良だと考えますか?」と聞かれた。難しい質問だ。私は、選挙は最良を選ぶものではなく、最悪を避けるものだと思っている。つまり、絶対に勝ってほしくない党、それ以外に入れれば良いと思う。今回の選挙は、日本がカルトの傀儡国家となるか否かの分水嶺だ。カルトの匂いがする党には入れたくない。

前回の衆院選の頃から言い始めたのだが、選挙は「ミカン選び」に似ている。自分が投票しなくても、白票を投じたとしても、他の大多数が選んだミカンを、結局みんなで食べることになる。たとえ、それがカビて腐ったミカンであっても、明らかにお腹を壊すと分かっていても、「みんなが選んだ」以上、国民みんなで一緒に食べることは避けられない。

政治は、清廉潔白は難しい、後ろめたい人なんていない、清濁合わせ飲んでやるものと言われる。一理ある。しかし、どうせならカルト宗教に汚染されていない方のミカンを食べたい。

たとえ不味そうなミカンばかりだとしても、生産者や品質を調べて、最悪お腹を壊さないミカンに一票を投じるしかない。完璧なミカンを見つけることはできないかもしれない。でもせめて、「なるべくマシなミカン」を選ぶことはできるはずだ。

Blueskyでこんなコメントがついた。

市井の大半の人は政治に興味がないことも、SNSから離れて周りの人と話をしたほうがいいのもその通りだと思う。 だけど、SNSを見ない多くの人は(中略)罵り合いの雰囲気が嫌で、Xから離れたり、政治に興味をなくしたりした人も多いよ。

選挙で勝たなきゃいけないんだから、どうやって人に関心を持たせるか、どんな言葉で話したら賛同してもらえるか、選挙で票を入れてもらえるか、を考えて働きかけたほうがいいと思う。

SNSで政権批判する人は、無関心な人や、深く考えずに政権に賛同している人のことを「何もわかってない」「思考停止」みたいにいうことがある。バカだと思われてる雰囲気。それでは支持者は増えないよ。バカ扱いされて話を聞く気になんないもん。 票を集めて選挙に勝つための活動をしてほしい。それが下手だからいつまでたっても政権交代できないのよ。

確かにそうだと思う。職場、学校、美容室、居酒屋、あらゆる場所で政治の話をしてほしいが、SNSでどっぷり政治の知識を得た人間は、その知識のない人、陰謀論にハマった人を叩きがちだ。叩かれた側は意固地になってしまう。何故、そういう考えなのか。どうしてそう思ったのか、批判の前にそこから話してみるといいかもしれない。

重要なのは、
「誰に入れるか」ではなく、
「なぜ、そのミカンを選ぶのか」だ。

冬の選挙なので、ミカンでも食べながら、
ミカン選びの話をしていただきたい。

あなたの選ぶミカンが、
みんなの明日を決めます。

それでは、長文読んでいただきありがとうございました。もしこの記事が、誰かと話すきっかけになりそうだと感じたら、シェアしてもらえたら嬉しいです。

高市総理が何故批判されるのかを、順序立てて説明したい方は、こちらの記事をご一読ください。

🗳【投票の方法について】

  • 衆議院選挙の投票日は、2026年2月8日(日)です。

  • 期日前投票は、1月28日(水)から全国の自治体で始まる予定です。

  • 仕事や受験がある方は、最寄りの期日前投票所で済ませることも可能です。

  • 旅行や出張中でも、不在者投票の制度を使えば、滞在先の自治体で投票できます。

※詳細は、お住まいの市区町村の選挙管理委員会ホームページなどでご確認ください。

『選挙はミカン選びにちょっと似ている』のイラストを、セブンイレブンのネットプリントに登録しました。期日前投票の呼びかけ、お店に貼ったりなどで、ご活用ください。
予約番号:87795064
有効期限:2026/02/27 23:59
著作権保持/改変禁止

X

Bluesky

『選挙はミカン選びにちょっと似ている』 note.com/ulaken/n/nd6... セブンイレブンのネットプリントに登録しました。期日前投票の呼びかけ、お店に貼ったりなどで、ご活用ください。完璧なミカンはなく。なるべくマシなミカンを選ぶしかないですが。ただ、自分は統一教会と癒着したミカンは食べたくないです。 予約番号:87795064 有効期限:2026/02/27 23:59 ⚠️著作権保持/改変禁止 #衆院選2026 #差別に投票しない bsky.app/profile/ulak...

ウラケン・ボルボックス『だいたいヒトがやらかしました🦤絶滅生物事典』好評発売中 (@ulaken.bsky.social) 2026-01-28T01:30:50.476Z

Threads

書籍・LINEスタンプ・SUZURIなど

・新刊が出ました

・LINEスタンプ

・SUZURI


過去の注目オススメ記事

政治に興味を持った方に一度読んでいただきたい記事が『表現を仕事にする人が、歴史と政治を学んだ方がいい理由』です。ちょっと長いですが、政治より先に歴史を学ぶ必要性をまとめました。政治は歴史の文脈にあります。そして、歴史は同じようなことを繰り返します。私たちの立ち位置が今どこにあるのか把握するためにも歴史の学びが必要です。



いいなと思ったら応援しよう!

ウラケン・ボルボックス 記事をご覧いただきありがとうございます!チップで応援していただくと、嬉しさのあまり、ウラケンがジャンピングジャックで跳ねます!どんどん痩せます!

この記事が参加している募集