【第539回】 Agentforce : 2026 年 6 月 新機能リリース ハイライト
Data 360 と同様に、Agentforce もほぼ毎月のように新機能が追加されており、正直なところキャッチアップするだけでも一苦労です。
私自身も、「いつの間にか新機能が増えている」「結局どれが本当に重要なのか分かりづらい」と感じることが増えてきました。リリースノートをそのまま追うだけでは、全体像や優先順位が見えにくいのが実情です。
そこで今後は、Data 360 と同じように、Agentforce についても 毎月の新機能を要点だけ整理するまとめ記事 を継続していきたいと思います。
単なる機能紹介ではなく、「何が変わったのか」「どこにインパクトがあるのか」を分かりやすく整理していく予定です。
過去の記事
2026 年 6 月リリース ハイライト
2026 年 6 月のリリースでは、Agentforce を実運用しやすくするための改善が多数追加されました。
5 月は、MCP や Multi-Agent Orchestration など、Agentforce の構成そのものを広げるアップデートが目立ちましたが、6 月はそれに続いて、エージェント作成、音声対応、チャット体験、プロンプト開発、利用モデル、管理・運用面が幅広く強化されています。
主なポイントは次の通りです。
Help Agent の簡易作成・チャネル展開
Agentforce での Google Gemini 選択
Bring Your Own Channel での Citations 対応
Agentforce Voice の Dynamic Routing
Agentforce Voice の文字起こし・音声品質向上
Enhanced Chat v2 での Voice 対応
Enhanced Chat v2 のカスタマイズ性向上
Prompt Builder の Block Editor(Beta)
Prompt Builder の条件分岐(Beta)
Prompt Template の依存関係確認
Prompt Template の Metadata API 対応
Speech to Text の文字起こしモデル選択
Marketing Email Connection Inputs
Claude Opus 4.8 / Gemini 3.5 Flash などのモデル追加
LLM 生成リクエスト上限の拡大
Agentforce Observability の Analytics 統合
それでは、一つずつ確認しましょう。
エージェント本体の機能追加・改善
① Help Agent を数分で作成・展開可能に
Quick Service Agent Configuration が追加され、Knowledge をもとに Help Agent を短時間で作成できるようになりました。
※ この機能を利用するには、Help Agent Add-on ライセンスが必要です。
これまでは、Agentforce エージェントの作成からチャネルへの展開まで複数の設定が必要でしたが、今回の機能では Salesforce Go 上のウィザードに従うだけで構築できます。

作成した Help Agent は、そのまま
Self-Service Help Portal
Voice
Enhanced Chat
へ展開できるため、24 時間対応のセルフサービス環境を迅速に構築できます。
特に、Service Cloud を導入したばかりの組織でも、Knowledge を活用した AI エージェントを短期間で公開しやすくなった点が大きなメリットです。
設定方法
Salesforce Go の Resolve Issues with Self-Service を開きます。
「Turn on Help Agent」で Help Agent を有効化し、そのまま Build a Help Agent の手順に従ってエージェントを作成・チャネルへ展開します。
② Agentforce 組織デフォルトで Google Gemini を利用可能に
Agentforce が利用する組織デフォルトの推論エンジンとして、Google Gemini を選択できるようになりました。
これまで Agentforce では、
Salesforce Default(OpenAI など適切な Mix)
AWS Hosted(Anthropic)
を利用できましたが、新たに Google Gemini が追加されました。
このリリース時点では、利用されるモデルは Gemini 3.5 Flash です。
このリリース時点では、
※ Salesforce デフォルトは GPT-4o 固定ではないが GPT-4o らしい
※ AWS Hosted は Anthropic Claude Haiku 4.5 on Amazon Bedrock です
これにより、組織の方針や用途に応じて、利用する LLM を選択できるようになりました。
なお、この機能は 新しい Agentforce Builder で作成したエージェントのみ対応しており、従来の Legacy Builder のエージェントでは利用できません。
設定方法
「Einstein Audit, Analytics, and Monitoring Setup」を開き、「Select the Model for Agentforce」から Google Gemini を選択します。

③ Bring Your Own Channel で引用元を表示可能に
Bring Your Own Channel に、AI の回答元を表示する Citation(引用)機能が追加 されました。
これにより、Knowledge 記事などを参照して生成された回答について、
参照元リンク
引用位置(Character Offset)
を取得できるようになります。
独自に構築したチャット UI 上で、
「この回答はどの Knowledge を参照したのか」
を利用者へ表示できるため、AI 回答の透明性や信頼性を向上させることができます。
この機能は Bring Your Own Channel の実装者向けのアップデートであり、独自チャネルを構築しているパートナー企業にとっては非常に有用な機能と言えるでしょう。
④ サブエージェントごとに利用する AI モデルを選択可能に
これまでサブエージェントで利用する AI モデルは、Agent Script の model_config を編集することでのみ設定できました。
今回のアップデートにより、Agentforce Builder の Canvas View からサブエージェントごとに利用するモデルを GUI で設定できるようになりました。
例えば、
FAQ など単純な問い合わせを担当するサブエージェントには軽量モデル
複雑な推論や高度な判断を担当するサブエージェントには高性能モデル
というように、役割に応じて最適なモデルを割り当てることができます。
これにより、応答速度と推論性能のバランスを考慮した、より柔軟なエージェント設計が可能になります。
なお、何も設定しない場合は、Einstein Audit, Analytics, and Monitoring Setup で組織全体に設定されているモデルが引き続き利用されます。
設定方法
Agentforce Builder で対象エージェントを開きます。
Explorer パネルからサブエージェントを選択します。
Canvas View の + ボタン(または /)から Model Override を追加します。
利用する AI モデルを選択します。

⑤ プレビュー開始前に初期変数をより簡単に設定
これまでは、変数の設定はプレビュー画面下部の Variables タブから行う必要がありましたが、今回のアップデートにより、新たに Context Variables タブが追加されました。
これにより、プレビュー開始前にユーザーの状況を想定した変数を設定しやすくなり、本番環境に近い条件でエージェントをテストできます。
また、本番環境では自動的に設定される Linked Variables がプレビューでは未設定の場合、警告アイコンが表示されるようになりました。
例えば、Messaging チャネルで実行時に Messaging Session オブジェクトから自動設定される値がプレビューでは存在しない場合、その不足を事前に確認できます。
プレビュー開始後は Summary タブへ自動的に切り替わり、エージェントの実行結果や動作内容を確認できます。なお、従来どおり Variables タブでは、セッション中の変数の値を確認できます。
設定方法
Agentforce Builder でエージェントを開きます。
プレビューを開始する前に Context Variables タブを開きます。
必要な変数へ初期値を設定します。
プレビューを開始すると Summary タブへ切り替わり、エージェントの動作を確認できます。

Agentforce Voice 関連の新機能
① Dynamic Routing で Agentforce Voice をグローバル展開
Agentforce Voice に Dynamic Routing が追加され、世界中から Agentforce Voice へ通話を転送できるようになりました。
これまで Agentforce Voice では、
PSTN は米国・カナダのみ対応
SIP は認定テレフォニーパートナーとの専用連携が必要
という制約がありました。
今回追加された Dynamic Routing では、これらの制約を解消し、SIP トランクや通信事業者との再販契約なしで世界中から Agentforce Voice を利用できるようになります。従来の PSTN や SIP に代わる、新しい接続方式です。
既存の電話システムから Salesforce に VoiceCall レコードを作成し、一時的なルーティング番号を取得して Agentforce へ転送する仕組みとなっています。
これにより、既存の電話基盤を活用しながら、Agentforce Voice を導入しやすくなりました。
設定方法
電話システムから Salesforce に VoiceCall レコード を作成し、一時的な Dynamic Routing 番号を取得します。
その番号へ通話を転送することで、Agentforce エージェントへ接続できます。
② Agentforce Voice の文字起こしと音声品質が向上
Agentforce Voice の音声認識と音声合成の品質が向上しました。
今回のアップデートでは設定変更は不要で、自動的に改善が適用されます。
主な改善点は以下のとおりです。
騒音環境での文字起こし精度向上
アクセントのある話し方への対応強化
専門用語の認識精度向上
より自然な音声合成
多言語音声品質の向上
英語以外でも IPA・CMU 発音辞書による発音カスタマイズに対応
これにより、音声エージェントとの会話品質が全体的に向上し、より自然な対話が可能になりました。
③ Enhanced Chat v2 で音声会話を利用可能に
Enhanced Chat v2 で Agentforce Voice を利用できるようになりました。
これにより、利用者はチャット中に テキストと音声をシームレスに切り替えながら会話できるようになります。


Agentforce Builder では、Enhanced Chat v2 接続を追加するだけで Voice に対応したサービスエージェントを構築できます。
また、Voice Settings ページから、
音声設定
音声テスト
なども行えるようになっています。
チャットと音声を組み合わせた新しい顧客対応を構築しやすくなったアップデートと言えるでしょう。
設定方法
1. 設定 > Partner Telephony Setup に移動して、Agentforce Voice を有効化します。

2. 「Messaging Settings」で対象のチャネルを開き、「Allow Agentforce Voice for Enhanced Chat」を有効化します。

3. 最後に、新しい Agentforce Builder でサービスエージェントへ Enhanced Chat v2 接続を追加し、「Voice Settings」から各種設定を行います。

チャット体験・設定強化
① Employee Agent で Enhanced Chat v2 が展開可能に
これまでも Service Agent は Enhanced Chat v2 を利用できましたが、今回のアップデートにより、Employee Agent も Experience Cloud サイト上で Enhanced Chat v2 を利用できるようになりました。
これにより、社内ポータルや従業員向けサイトに AI アシスタントを組み込み、最新のチャット体験を提供できます。
また、Enhanced Chat v2 の各種機能を活用できるため、今後追加される新機能やエージェント向け機能も Employee Agent で利用しやすくなります。
設定方法
Experience Cloud サイトを作成します。
資格情報を利用したユーザー認証を設定します。
Agentforce Builder で Employee Agent を開きます。
Explorer パネルの 「+」→「Add Connection」 を選択します。
Enhanced Chat v2 を追加してエージェントへ接続します。
② Enhanced Chat v2 のデプロイをすばやく確認可能に
Agentforce Builder から、Enhanced Chat v2 のデプロイ設定へすばやくアクセスできるようになりました。
これまでは、チャネルを作成した後に設定画面へ移動して、
デプロイ内容の確認
コードスニペットの取得
を行う必要がありました。
今回のアップデートでは、Agentforce Builder の Enhanced Chat Channels 一覧から直接、
デプロイのプレビュー

コードスニペットのコピー

を実行できるようになっています。
設定方法
Agentforce Builder でサービスエージェントを開き、Enhanced Chat v2 接続を追加します。
Explorer パネルから Routing を開き、対象チャネルのメニューから Preview Deployment または View Code Snippet を選択します。

③ Enhanced Chat v2 のカスタマイズ性とユーザー体験が向上
Enhanced Chat v2 に、デザインやメッセージ機能に関する複数の改善が追加されました。
主な新機能は以下のとおりです。
チャットウィンドウのサイズ変更
背景色のカスタマイズ
既読・配信済み表示
メッセージ書き換え処理の改善
自動応答メッセージの改善
一定時間操作がない場合の通知(Inactivity Notification)
これにより、企業ブランドに合わせたチャットデザインを構築しやすくなるだけでなく、利用者にとってもチャットの状態が分かりやすくなり、より快適な会話体験を提供できるようになりました。
特に、既読・配信済み表示や無操作時の通知は、多くのメッセージングアプリで一般的な機能であり、Enhanced Chat v2 のユーザー体験をさらに向上させるアップデートと言えるでしょう。
設定方法
既読・配信済み表示は Messaging Settings で有効化できます。
チャットウィンドウのサイズや背景色は Embedded Service Deployment Settings から設定します。
Prompt Builder 関連
① Block Editor(ベータ版)で Prompt Builder を視覚的に編集
Prompt Builder に、新しい Block Editor(ベータ版) が追加されました。
これまでプロンプトはテキストベースで編集していましたが、今回のアップデートにより、ブロック単位で視覚的にプロンプトを構築・編集できるようになりました。
また、
ブロック選択
ドラッグ操作
コピー&ペースト
キーボード操作
などにも対応し、大規模なプロンプトでも整理しながら編集できます。
複雑なプロンプトを作成する場合でも、構造を把握しやすくなり、編集効率が向上します。
設定方法
「Prompt Builder Settings」で Conditional Logic for Prompt Templates (Beta) を有効化すると、Block Editor を利用できます。
② Prompt Builder で条件分岐(ベータ版)が利用可能に
Block Editor では、条件分岐も利用できるようになりました。
今回追加された条件分岐では、
IF
ELSE IF
ELSE
を利用して、入力値に応じてプロンプトの内容を切り替えられます。
構文は Jinja テンプレート(Pythonなどで広く利用されているテンプレート構文)を採用しており、比較演算子やマージフィールドも利用できます。
例えば、
VIP 顧客だけ追加情報を表示する
ケース優先度によって回答を変更する
商品ごとにプロンプトを切り替える
など、1 つのテンプレートで柔軟な制御が可能になります。
設定方法
Block Editor 上で / を入力すると条件ブロックを追加できます。
③ Prompt Builder の編集効率が向上
Prompt Builder の編集操作も改善されました。
今回から、
保存
プレビュー
バージョン作成
有効化
などの操作をショートカットキーで実行できます。
例えば、
Ctrl + S
Ctrl + Shift + S
などを利用できるため、マウスへ持ち替えることなく編集を進められます。
テンプレートを頻繁に更新するユーザーほど恩恵を受ける改善と言えるでしょう。
④ Prompt Template の依存関係を確認可能に
Prompt Template が組織内のどこで利用されているか確認できるようになりました。
例えば、
Flow
Agentforce Agent
Apex
その他の連携
などから利用されているテンプレートを一覧表示できます。
そのため、削除や変更による影響範囲を事前に確認できるようになりました。
また、利用中のテンプレートは削除できないなど、安全性を高める仕組みも追加されています。
⑤ Prompt Template が Metadata API に対応
Prompt Template が Metadata API に対応しました。
これにより、
Salesforce CLI
SFDX
CI/CD
Git などのバージョン管理システム
などを利用した管理が可能になります。
これまでは Prompt Template を個別に管理する必要がありましたが、今回のアップデートによって、Apex や Flow と同様にソースコード管理や自動デプロイの対象に含められるようになりました。
開発・テスト・本番環境への展開も、従来の Salesforce 開発プロセスへ組み込めます。
設定方法
Salesforce CLI の project retrieve start や project deploy start を利用し、genAiPromptTemplate メタデータタイプを取得・デプロイします。
エージェント開発・拡張
① Speech to Text の文字起こしモデルを選択可能に
Speech to Text アクションで、文字起こしに利用する AI モデルを選択できるようになりました。
これまでは利用するモデルを意識する必要はありませんでしたが、今回のアップデートにより、用途に応じて文字起こしモデルを切り替えられます。
現時点では以下の 2 つのモデルに対応しています。
Whisper V3 Turbo
ElevenLabs Scribe V2
例えば、
音声品質
対応言語
データ処理要件
などに応じて最適なモデルを選択できます。
なお、指定しない場合は Whisper V3 Turbo が既定で利用されます。
設定方法
Agentforce Builder や Flow の Speech to Text アクションで、Transcription Model パラメーターを設定します。
② connected_subagent により他の Agentforce エージェントへ処理を委譲可能に(ベータ版)
Agent Script に connected_subagent が追加され、他の Agentforce エージェントへ処理を委譲できるようになりました。
これにより、1 つのエージェントですべてを処理するのではなく、専門エージェントへ役割を分担させる設計が可能になります。
例えば、
FAQ エージェント
注文管理エージェント
Web 検索エージェント
などへ処理を引き継ぎ、それぞれの回答結果を利用できます。
また、呼び出し時には Input Binding を利用して、呼び出し元エージェントの値をサブエージェントへ受け渡すことも可能です。
これまで Builder 上ではサブエージェントを接続できましたが、今回の機能では Agent Script から接続を定義できるようになった点が特徴です。
③ Marketing Email 接続で共通入力を管理可能に
Marketing Email 接続に Connection Inputs が追加されました。
この Connection(接続)とは、エージェントが利用するチャネルとの接続設定です。Marketing Email Connection を追加すると、エージェントは Unified Messaging のメールチャネルを利用できるようになります。
また、各接続には、チャネルに応じた適応型レスポンス形式が用意されています。これにより、エージェントは画像、ボタン、リンク、動画などのリッチコンテンツを含む応答を、利用するチャネルに合わせて適切に配信できます。双方向メールでは、現在プレーンテキストのみに対応しています。
今回の機能追加により、メール送信時に共通で利用する情報を接続単位で管理できるようになりました。Inputs を使用すると、同じ接続を利用する複数のエージェントで共通の設定値を管理できるため、一貫した動作を維持できます。 Inputs は会話中に変更されることがないため、セッション全体を通して同じ値が使用されます。また、特定のエージェントでは Inputs を個別に上書きすることもできるため、共通設定を維持しながら、必要なエージェントだけ柔軟にカスタマイズできます。
追加された主な入力項目は次の 2 つです。
① signature(メール署名)
メールの末尾に付与する署名を設定します。
例えば、以下のような署名を設定できます。
RBA Company Agent (Sent by AI Agent)Summer '26 時点のデフォルト値
Sent by AI Agent② legalDisclosure(免責事項・法的通知)
「法的免責事項」や「注意事項」など、メールに共通で付与したい文言を設定します。
例えば、以下のような免責事項を設定できます。
This email is intended only for the named recipient. If you received it in error, please delete it immediately.
日本語訳:このメールは、宛名に記載された受取人のみを対象としています。誤って受信された場合は、直ちに削除してください。Summer '26 時点のデフォルト値
This email was generated with the assistance of generative AI, which can produce inaccurate responses. Review responses carefully. To unsubscribe, reply STOP or use the unsubscribe header.
日本語訳:このメールは生成AIの支援を受けて作成されました。生成AIは不正確な回答を生成する可能性がありますので、内容を慎重にご確認ください。配信停止をご希望の場合は、「STOP」と返信するか、配信停止用のヘッダーをご利用ください。これまでは、上記のようなデフォルト値が表示されるだけでしたが、編集可能になりました。
また、この変更内容は現在実行中のエージェントにのみ適用され、同じ接続を使用している他のエージェントがあったとしても影響しません。
設定方法
Agentforce Builder で Marketing Email Connection を追加します。
Settings ブロック の Inputs セクションで signature と legalDisclosure を設定します。
考慮事項
新規のエージェントには自動的に付与されますが、以前から存在するエージェントに対しては自動的に付与されませんので、inputs を追加して下さい。
例:
connection unified_email:
outbound_route_type: "OmniChannelFlow"
outbound_route_name: "flow://Escalation_Flow"
escalation_message: "One moment, I'm transferring our conversation to get you more help."
adaptive_response_allowed: True
inputs:
legalDisclosure: string = "This email was generated with the assistance of generative AI, which can produce inaccurate responses. Review responses carefully. To unsubscribe, reply STOP or use the unsubscribe header."
signature: string = "Sent by AI Agent"Summer '26 時点では signature および legalDisclosure は複数行文字列をサポートしていませんでした。|、\n、文字列内への直接改行を試しましたが、いずれも Agent Script の構文エラーまたはコミットエラーとなりました。そのため、現時点では 1 行の文字列として設定する必要があります。
Inputs はエージェント内から内容を参照できますが、会話開始後にその値を変更することはできません。
④ Action の必須入力を自動補完(Automatic Slot Filling)
Agent Script で Action を呼び出す際、指定しなかった必須入力を LLM がユーザーの発話から自動的に補完できるようになりました。
これまでは、Action に必須入力がある場合、その値を Agent Script 内で明示的に指定する必要がありました。
今回のアップデートでは、必須入力が指定されていない場合でも、LLM がユーザーとの会話内容から適切な値を推測し、自動的に入力を補完します。
これにより、Agent Script で毎回すべての必須入力を宣言する必要がなくなり、よりシンプルに Action を呼び出せるようになりました。
例えば、ユーザーが「明日の東京の天気を教えて」と入力した場合、Action に必要な location や date の値を、LLM がユーザーの発話から抽出して自動的に渡すことができます。
そのため、Agent Script の記述量を減らしながら、自然な会話で Action を実行しやすくなります。
テストセンター
① Testing Center で Prompt Template をテスト可能に
Agentforce Testing Center で、Prompt Template をまとめてテストできるようになりました。この機能は、現時点では ベータ版 です。
これまで Prompt Template のテストは、Prompt Builder 上で個別に確認することが中心でしたが、今回のアップデートにより、複数のテストケースをまとめて実行し、結果を一覧で確認できるようになります。
テストタイプとして Prompt Template を選択し、テストファイルをアップロードすることで、最大 1,000 件 のテストケースを一括実行できます。
また、テスト結果はスプレッドシートのような画面で確認できるため、どの入力で問題が起きたのか、どの回答が期待とずれているのかを把握しやすくなります。
評価には、以下のような Scorer を利用できます。
Coherence(一貫性)
Conciseness(簡潔さ)
Completeness(完全性)
Factuality(事実性)
Adherence(指示への準拠)
Response Assertion(期待回答との照合)
これにより、少数の手動テストでは見つけにくかったパターンやエッジケースを、大量テストで発見しやすくなります。
設定方法
Agentforce Testing Center で新しい Test Suite を作成し、テストタイプとして Prompt Template を選択します。
その後、テストファイルをアップロードし、利用する Scorer を選択してテストを実行します。

データライブラリー
① Intelligent Context Processing を ON/OFF 可能に
Agentforce Data Library で、Intelligent Context Processing を有効・無効に切り替えられるようになりました。
Intelligent Context Processing は、ファイルを読み込む際に AI が内容をより深く解析する機能です。
例えば、
表(Table)
インフォグラフィック
図表を含むドキュメント
などの内容を理解しやすくなるため、Agentforce がより適切な情報を検索・回答できるようになります。
これまでは常に Intelligent Context Processing が利用されていましたが、今回のアップデートにより、Data Library 作成時に ON / OFF を選択できるようになりました。

メリットと注意点
Intelligent Context Processing を有効にすると、検索精度は向上しますが、その分 Data Cloud クレジット を多く消費します。
一方、無効にするとクレジット消費を抑えられますが、表や図表を含むファイルの検索精度は低下する可能性があります。
そのため、
精度を重視する場合は ON
クレジット消費を抑えたい場合は OFF
というように、用途に応じて選択できるようになりました。
設定方法
Agentforce Data Library を新規作成する際に、Intelligent Context のトグルを設定します。
この設定は Data Library 作成時のみ変更可能であり、保存後に ON / OFF を切り替えることはできません。
② データライブラリーの構築状況をリアルタイム表示
データライブラリーの作成時に、構築状況を段階ごとに確認できるようになりました。
これまでは、データライブラリーの作成中に内部で何が進んでいるのか分かりづらく、エラーが発生した場合も原因箇所の特定に時間がかかることがありました。
今回のアップデートでは、データライブラリーの構築ステータスが以下のような処理段階ごとに表示されます。

Data Lake Object の作成
Data Lake Object と Data Model Object のマッピング
Search Index の作成
Search Index から Retriever の作成
ファイルのインデックス化
各ステージの進捗がリアルタイムに更新され、完了した処理については関連する Data 360 のオブジェクトへのリンクも表示されます。
そのため、もし構築中に問題が発生した場合でも、どの段階で失敗したのかを確認し、関連オブジェクトへ直接移動して原因を調査しやすくなりました。
設定方法
特別な設定は不要です。
データライブラリーを作成すると、ステータスカードに構築ステージが順番に表示されます。
データライブラリーは内部的に Data 360 のオブジェクトや検索インデックスと連携しているため、構築エラーが発生したときに「どこで止まったのか」が見えるだけでも、トラブルシュートのしやすさが大きく変わります。
③ Web Search データライブラリーの新規作成が終了
Web Search データライブラリーを新規作成できなくなりました。
なお、これまでに作成した Web Search データライブラリーは引き続き利用できます。
今回の変更は、Web 検索機能が廃止されたわけではありません。
現在は、より標準的な方法として、
Agentforce エージェントでは Search the Web 標準アクション
Prompt Template では Web Retriever
を利用して Web 検索を実行できるようになっています。
そのため、Web Search データライブラリーを経由しなくても、同様の機能を実現できるようになりました。
これは、新しい Web 検索の仕組みへ移行するための仕様変更と考えると分かりやすいでしょう。
設定方法
新たに Web 検索を利用する場合は、データライブラリーを作成するのではなく、
Agentforce エージェントでは Search the Web 標準アクション
Prompt Template では Web Retriever
を利用してください。
私はこの変更を見て、「Web Search Data Library が役目を終えた」という印象を受けました。以前は Web 検索を利用するために専用の Data Library が必要でしたが、現在は Agentforce や Prompt Builder から標準機能として Web 検索を利用できるようになっています。
つまり、Web 検索を Data Library として管理する設計から、必要なときに標準アクションで検索する設計へ移行していると考えられます。
この変更により、構成もシンプルになり、今後は新規構築でも Web Search データライブラリーを意識する必要はなくなりそうです。
利用可能モデル・LLM アップデート
① Claude Opus 4.8 が正式リリース
Einstein Platform で Claude Opus 4.8 が利用可能になりました。
Prompt Builder や AI Models、Models API など、対応する機能から利用できます。
Claude Opus は Anthropic の高性能モデルであり、複雑な推論や AI エージェントのような高度なタスクに適しています。
② Claude Opus 4.7 が正式リリース
これまでベータ版として提供されていた Claude Opus 4.7 も正式リリース(GA)となりました。
補足:Claude Opus 4.8 は、Claude Opus 4.7 をベースに、長時間のエージェント処理やツール呼び出しの精度、回答の信頼性(不確かな内容を無理に断定しないなど)が改善された最新版です。Agentforce のような AI エージェント用途では、より安定した動作が期待できます。
③ Gemini 3.1 Flash Lite が正式リリース
Gemini 3.1 Flash Lite がベータ版から正式リリースされました。
軽量モデルであるため、高速な応答やコストを重視する用途に適しています。
④ Gemini 3.5 Flash が利用可能に
Einstein Platform で Gemini 3.5 Flash が利用可能になりました。
Prompt Builder や AI Models、Models API などから利用でき、Google の最新世代モデルを Salesforce 上で活用できます。
⑤ LLM の利用上限が拡大
組織単位の生成 AI リクエスト上限が拡大されました。
今回のアップデートでは、
Requests Per Minute(RPM)
1,000 → 2,000
一部モデルの Tokens Per Minute(TPM)
が引き上げられています。
これにより、大量の生成 AI リクエストを行う組織でも、より余裕を持って利用できるようになりました。
管理・運用
① Agentforce Observability の Insights ページが廃止予定
Agentforce Studio の Insights ページ が、2026 年 7 月に廃止されます。
今後は、これまで Insights ページで確認していた情報を Analytics ダッシュボード から確認するようになります。
Analytics ダッシュボードでは、
セッション分析
インテント分析
Agentforce の利用状況
などをまとめて確認できるため、分析機能が一元化されます。
分析機能自体が大きく変わるわけではありませんが、今後は Analytics ダッシュボードが Agentforce の標準的な分析画面となります。
設定方法
2026 年 7 月以降は、Agentforce Studio の Insights ページではなく、Analytics ダッシュボード を利用します。
② Agentforce Observability も組織の LLM 設定を利用
Agentforce Observability が利用する LLM も、組織(Org)で設定した LLM プロバイダー に合わせて動作するようになりました。
これにより、Prompt Builder や Agentforce と同じモデル設定を利用できるため、組織全体で一貫した AI 環境を構築できます。
なお、LLM の上書き設定(Provider Override)が構成されている場合は、その設定が優先されます。
Government Cloud(Civilian)では、引き続き Claude Sonnet 4.5 が利用されます。
設定方法
特別な設定は不要です。
組織で選択している LLM プロバイダーが、自動的に Agentforce Observability にも適用されます。
いかがでしたでしょうか。
新しい大型機能の追加というよりも、Agentforce を実運用するための完成度を高めるアップデートが数多く追加されました。エージェントの構築、チャネル展開、プロンプト開発、利用モデル、管理・運用まで幅広い改善が行われており、Agentforce 全体がより実践的なプラットフォームへ進化していることが分かります。
また、Marketing Cloud ユーザーとしては「署名」や「免責事項」の機能が追加されたことは要注目だと思います。しっかりとチェックしていきましょう。
今回は以上です。
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