【第456回】 Agentforce : 2025 年 10 月 新機能リリース ハイライト
Data 360 と同様に、Agentforce もほぼ毎月のように新機能が追加されており、正直なところキャッチアップするだけでも一苦労です。
私自身も、「いつの間にか新機能が増えている」「結局どれが本当に重要なのか分かりづらい」と感じることが増えてきました。リリースノートをそのまま追うだけでは、全体像や優先順位が見えにくいのが実情です。
そこで今後は、Data 360 と同じように、Agentforce についても 毎月の新機能を要点だけ整理するまとめ記事 を継続していきたいと思います。
単なる機能紹介ではなく、「何が変わったのか」「どこにインパクトがあるのか」を分かりやすく整理していく予定です。
過去の記事
2025 年 10 月リリース ハイライト
2025 年 10 月の Agentforce リリースでは、
「データ連携・チャネル拡張・モデル管理・運用監視・料金体系」 の各領域で大幅な強化が行われました。
Voice(音声エージェント)の本格展開
拡張チャット v2 による UI モダナイズ
Flex Credits 中心の新しい課金体系
データソースのマルチ統合(Ensemble Retriever)
標準 Web 検索アクションの提供
など、注目のリリースが揃っています。
それでは、各機能を順番に見ていきましょう。
データ基盤強化
データライブラリに Ensemble Retriever が追加
Agentforce データライブラリの「カスタムレトリーバー」オプションを使用して、「アンサンブルレトリーバー」を活用し、複数のデータソースを基盤として AI エージェントの応答を強化できます。
これまで、データライブラリは 1 つのデータタイプに対応する単一のレトリーバーにリンクされていました。今後は、エージェントは複数のデータタイプに対応する複数のレトリーバーから情報をクエリして収集し、より正確で包括的な回答を提供できるようになります。
複数データソースを同時検索
結果を統合・再ランキング
RAG 精度が大幅向上
より関連度の高い回答を生成
方法:エージェントに複数のデータライブラリを割り当てるには、まずアンサンブルレトリーバーを作成します。アンサンブルレトリーバーを作成したら、セットアップの「Agentforce データライブラリ」に移動し、データライブラリを作成します。ライブラリの種類として「カスタムレトリーバー」を選択します。次に、「カスタムレトリーバーの追加」でアンサンブルレトリーバーを選択します。ライブラリを保存します。

標準 Web 検索アクションが利用可能に
新しい Web 検索アクションを使用すると、エージェントは要約された結果と引用を含むリアルタイムの外部情報にアクセスできます。以前は、Web 検索を有効にするには、「ナレッジで質問に回答」アクションを含むカスタムWeb 検索トピックを作成し、Web 検索用に構成された Agentforce データライブラリに接続する必要がありました。
現在、標準の「一般的な Web 検索」トピックとアクションにより、この手動手順は不要になり、アセットライブラリですぐに使用できます。必要に応じて、新規または既存のトピックに「Web を検索」アクションを追加することもできます。
できること
リアルタイム外部情報取得
要約付き回答
出典付き
ユースケース
市場動向
競合情報
ニュース確認
最新データ取得
社内データ + Web データ を統合する
ハイブリッド RAG が簡単に実装可能 になります。
方法:Agentforce Builder で、アセット ライブラリから一般的な Web 検索トピックを追加するか、スタンドアロンの Web 検索アクションを既存のトピックに追加します。
チャネル拡張機能
Agentforce が 音声チャネルに対応
※ 現時点でテストはできますが、本番は米国とカナダのみ利用可能です。
Agentforce Voice を使用すると、Agentforce サービスエージェントは顧客と会話し、話し言葉から顧客のインテントを理解し、問い合わせを解決するためのアクションを実行できます。この機能は Salesforce Voice と連携してコンタクトセンターをインテリジェントな会話環境に変換するため、エージェントのエスカレーション機能を備えた 24 時間 365 日のサポートを提供できます。

主な特徴
音声 → テキスト → LLM → 音声 応答
Salesforce Voice と統合
PSTN / SIP 対応
24時間自動応答可能
効果
コンタクトセンター自動化
IVR の置き換え
人手削減
応答品質向上
チャットだけでなく、
コールセンター領域まで Agentforce が拡張 されました。
方法:Agentforce Builder でテレフォニー接続を追加して音声設定を定義し、音声対応エージェントを作成します。
拡張チャット v2 が登場
拡張チャット v2 は、最新のインタラクション環境と AI エージェントの使用事例に合わせて最適化された Salesforce の最新メッセージングチャネルです。Agentforce スタイルのブランド設定が更新され、オーバーレイチャットモデルとインラインチャットモデルの両方がサポートされ、モバイル Web に対応しています。この再設計されたバージョンでは、現在の拡張チャット環境が進化し、カスタム Lightning タイプなどの最新の機能が導入されています。

拡張チャット v2 には、次の主要な機能があります。
最新のインタラクションエクスペリエンス:標準でモダンに設計された、更新された Agentforce スタイルのブランド設定を採用します。
カスタムコンテンツ:標準およびカスタム Lightning タイプを定義して表示し、チャット内でカスタム Lightning Web コンポーネントを紹介できるようにします。
エージェント機能:トークンストリーミングなど、エージェント向けの高度な機能をサポートします。
パフォーマンス:チャットウィンドウの読み込み時間が短縮されました。
コンテキストイベント API:新しい API (utlAPI) でコンテキストイベントをサポートすることで、ユーザーセッションの詳細(現在のページ URL や検索活動など)をエージェントに渡すことができます。
拡張機能とモデル管理
モデルプロバイダーへのアクセスの管理
管理者が 利用可能な LLM を制御可能 になりました。
組織でモデルプロバイダーを選択的に有効化および無効化できるようになりました。モデルプロバイダーへのアクセスが有効になっている場合、エージェント、プロンプトテンプレート、API、および生成 AI ソリューションのほかの機能でその言語学習モデル (LLM) を使用できます。モデルプロバイダーを無効にして、組織でそのモデルへのアクセスをブロックします。
できること
プロバイダー有効/無効切替
組織ポリシー統制
ガバナンス強化
不要なモデルを遮断し、
セキュアで統制された AI 環境を構築 できます。
方法:[設定] で、[Einstein 設定] に移動し、Einstein がまだ有効になっていない場合は有効にします。[モデルプロバイダーを設定] に移動して、個々のモデルプロバイダーのオン/オフを切り替えます。

Agentforce のモデルオプションの変更
Agentforce には [Salesforce デフォルト] オプションを使用することをお勧めします。このオプションを使用すると、Salesforce はエージェントの精度とパフォーマンスに最も適したモデルの組み合わせを選択できます。ただし、AWS でホストされるモデルも代わりに選択することができます。
新オプション
Salesforce Default(最適モデル自動選択)
AWS Hosted(Claude Sonnet)
すでにエージェントを使用している場合、動作に変更はありませんが、ドロップダウンの表示ラベル名が更新されています。エージェントを引き続きこれまでどおりに動作させるために、システム管理者が行う必要があることは何もありません。
理由:更新されたモデルオプションにより、Agentforce でモデルがどのように使用されるかがわかりやすくなりました。推論エンジンとエージェントアクションは、選択されたオプションを使用してモデルの使用方法を決定します。
Agentforce の [Salesforce デフォルト] モデルオプションは、Salesforce が精度、信頼性、およびパフォーマンスのために最適化した、管理された信頼モデル (現在は GPT-4o を含む) の組み合わせです。
[AWS でホスト] オプションでは、Amazon Bedrock の Anthropic Claude Sonnet 4 が使用されます。どちらのオプションでも、トピック分類や引用などの特定のタスクで TextEval などの Salesforce が所有するモデルを使用できます。
方法:Agentforce のモデルオプションを変更するには、[設定] の [Agentforce エージェント] ページに移動します。[(省略可能) Agentforce のモデルを選択] セクションで、[Salesforce デフォルト] または [AWS でホスト] のオプションを選択できます。

Anthropic Claude 最新モデル が統合
Amazon の Anthropic Claude Sonnet 4.5 と Claude Haiku 4.5 がベータモデルとして追加されました。ベータモデルを使用するには、まず [Einstein 設定] ページでベータ生成 AI モデルを有効にする必要があります。ベータ生成 AI モデルを有効にしたら、プロンプトテンプレートなど、特定の機能でこのモデルを使用できます。
特徴
Sonnet:高精度・高度推論
Haiku:高速・低コスト
用途別最適化がさらに進み、
モデル戦略の選択肢が拡大 しました。
方法:ベータ生成 AI モデルを有効にするには、[Einstein 設定] ページに移動します。

監視と運用
Agentforce Studio を使用したエージェントの監視の簡易化
Agentforce Studio を使用して、エージェントのパフォーマンスとインタラクションデータを 1 か所で探索します。Agentforce Studio アプリケーションでは、Agentforce 最適化(ベータ)と Agentforce 分析(ベータ)によって収集されたインサイトが一元化されるため、エージェントの改善機会を簡単に見つけてアクションを実行できます。以前は、Agentforce 監視機能のダッシュボードとレポートは Salesforce のさまざまな領域に分散していました。
機能
パフォーマンスダッシュボード
セッショントレース
会話分析
最適化提案
分散していたツールを統合し、
運用・改善サイクルを高速化 できます。
方法:開始する前に、[Einstein 監査、Analytics、モニタリングの設定] ページで Agentforce 最適化(ベータ)と Agentforce 分析(ベータ)を設定します。Agentforce Studio でこれらの機能のダッシュボードとレポートを表示するには、アプリケーションランチャーから Agentforce Studio アプリケーションを選択します。
料金体系
課金体系が Flex Credits 中心へ統一
現在、Agentforce 1 Edition または Agentforce アドオンライセンスのいずれかを使用している場合、大規模言語モデル (LLM) ゲートウェイへのコールで Flex Credits が消費されるようになりました。Agentforce サービスで会話を使用している場合、引き続き Einstein 要求を消費します。
新しい Flex Credits 利用状況の種別は AI の使用に対して使用できます。これらの利用状況の種別は、AI の使用により引き続き Einstein 要求が消費されるインスタンスでも適用されます。
スタータープロンプト
標準プロンプト
基本プロンプト
高度なプロンプト
今回は以上です。
次の記事はこちら
前回の記事はこちら
私の note のトップページはこちら
