【第541回】 Agentforce : サブエージェントごとの LLM モデルを簡単に設定
Agentforce Builder は、常に進化を続けており、2026 年 5 月のリリースでは、Agent Script を利用することで、サブエージェントごとに利用する LLM モデルをそれぞれ指定できるようになりました。
ただし、当時は Agent Script 内にモデルの API 名を直接記述する必要がありました。そのため、モデルを変更するたびに利用可能なモデルの API 名を調べ、スクリプトを編集する必要があり、手軽にモデルを比較・検証できるとは言えませんでした。
例えば、以下のように model_config へ直接モデルを指定していました。
例:model://sfdc_ai__DefaultBedrockAnthropicClaude46Sonnet
subagent GeneralWebSearch:
label: "General Web Search"
description: "Searches public information and provides concise answers, including Google Maps search URLs or driving route URLs when appropriate."
model_config:
model: "model://sfdc_ai__DefaultBedrockAnthropicClaude46Sonnet"
reasoning:
instructions: ->そこで、これが改善され、2026 年 6 月の新機能リリース では、この設定がさらに使いやすくなりました。
Agentforce Builder のキャンバス上から GUI で簡単にモデルを変更できるようになり、YAML を直接編集することなく、用途に応じて LLM を簡単に切り替えられるようになっています。
Model Override の設定方法
設定方法は非常に簡単です。
1. サブエージェントを選択し、表示される + ボタンをクリックします。

2. Model Override をクリックします。

3. 右上のプルダウンから利用したいモデルを選択します。

※ 一部のモデルが表示されない場合があります。その場合は、スクリプトモードに切り替えて API 名 を直接記述してみてください。
利用できるモデル(2026 年 7 月現在)
Agentforce では OpenAI、Anthropic、Google、Amazon、NVIDIA など、数多くの生成 AI モデルを利用できます。
現在利用可能なモデルの最新版については、以下の公式ドキュメントをご確認ください。
利用可能なモデル一覧: Supported Models for Agentforce
OpenAI
GPT-5:GPT シリーズの高性能モデル。幅広い業務や高度なエージェントに対応
GPT-5 Mini:GPT-5 の軽量版。高速な応答が求められる一般用途向け
GPT-5.1:GPT-5 を改良したモデル。より高い品質と安定性を備える
GPT-5.2:GPT-5.1 の後継モデル。高度な推論や複雑な業務に適している
GPT-5.4:品質と使いやすさのバランスが良い高性能モデル。
GPT-5.4 Mini (Beta):GPT-5.4 の軽量版。FAQ や要約などのシンプルな処理向け
GPT-5.5 (Beta):OpenAI 最高性能クラス。高度な推論や長文生成に最適
GPT-4.1:安定した性能を持つ万能モデル。Agentforce や Web Search など幅広い用途に利用可能
GPT-4.1 Mini:GPT-4.1 の軽量版。Router Agent や FAQ 向け
GPT-4 Omni (GPT-4o):マルチモーダル対応の汎用モデル。Agentforce の標準モデルとしても利用される
GPT-4 Omni Mini (GPT-4o Mini):GPT-4o の軽量版。低負荷なチャットや FAQ 向け
O3:推論特化モデル。分析や複雑な意思決定を得意とする
O4 Mini:軽量な推論モデル。推論性能と応答速度のバランスが良い
OpenAI Ada 002:Embedding 専用モデル。検索や RAG などで利用される
Azure OpenAI Ada 002:Azure 版 Embedding モデル。Models API で利用可能
Anthropic Claude
Claude Haiku 4.5:Claude シリーズの軽量モデル。FAQ、分類、ルーティング向け
Claude Sonnet 4.5:バランス型モデル。一般的な業務や Agentforce 用途に適している
Claude Sonnet 4.6:Sonnet シリーズの最新版。性能・品質ともにバランスが良い
Claude Opus 4.5:高性能モデル。高度な推論や長文生成向け
Claude Opus 4.6:Opus シリーズを改良した高性能モデル
Claude Opus 4.7:さらに性能を向上させた高性能モデル
Claude Opus 4.8:Anthropic 最高性能クラス。複雑な業務や高度な推論に適している
Google Gemini
Gemini 2.5 Flash:高速応答を重視したモデル。チャットや検索向け
Gemini 2.5 Flash Lite:Gemini 2.5 Flash の軽量版。低負荷な用途向け
Gemini 2.5 Pro:Gemini 2.5 シリーズの高性能モデル
Gemini 3 Flash:Gemini 3 世代の高速モデル
Gemini 3 Pro (Beta):Gemini 3 世代の高性能モデル。※提供終了予定
Gemini 3.1 Flash Lite:Gemini 3.1 シリーズの超軽量モデル
Gemini 3.1 Pro (Beta):Gemini 3.1 シリーズの高性能モデル
Gemini 3.5 Flash:Google 最新世代の高速モデル。チャットや検索、要約など幅広い用途に対応
Amazon Nova
Amazon Nova Lite:Amazon Bedrock で提供される軽量モデル。FAQ やシンプルな Agent 向け
Amazon Nova Pro:Nova シリーズの上位モデル。一般業務や文章生成に適している
NVIDIA Nemotron
Nemotron 3 Nano 30B (Beta):軽量な推論モデル。分類や要約、軽量Agent 向け
Nemotron 3 Super 120B (Beta):高性能推論モデル。分析や研究用途向け
モデルによって回答は大きく変わる
正直、「どのモデルを選んでも大きな違いはないのでは?」と思われるかもしれません。
しかし、実際には、回答の内容や文章の構成、提案の仕方には想像以上の違いがあります。
例えば、サービスエージェントに対して次のように質問してみます。
箱根のスポットを教えてください。
⭐ GPT-5.4

⭐ Claude Sonnet 4.6

⭐ Gemini 3.5 Flash

このように比較してみると、別人のような回答であることは明らかです。
同じ質問であっても、紹介するスポット、説明の詳しさ、文章のトーンや雰囲気などはモデルごとに異なっていますね。
そのため、最終は担当者の好みになるかもしれませんが、「どのモデルが自社のサービスエージェントに最も適しているか」を実際に比較・検証することが非常に重要になります。
今回のアップデートによって、その比較が Agentforce Builder 上からすぐに行えるようになったことは、大きなメリットと言えるでしょう。
注意:モデルによって、回答品質や得意分野、コスト、応答速度(レイテンシー)は異なり、同じプロンプトであっても生成結果やアクションの実行方法が変わる場合があります。そのため、本番環境へ適用する前に、自社のユースケースに合わせて十分な比較・検証を行うことをおすすめします。
なお、Beta モデルを利用する場合は、Salesforce が推奨するようにSandbox や開発環境での評価を行ってから本番環境へ適用してください。
デフォルトではどのモデルが使われるの?
「Model Override を設定しない場合は、どのモデルが使われるの?」と思う方もいるかもしれません。
デフォルトのモデルは、設定 > Einstein Audit, Analytics, and Monitoring Setup から確認できます。

ここでは次のいずれかのプロバイダーが選択されているはずです。
Salesforce Default
AWS Hosted
Gemini(2026 年 6 月から利用可能になりました)
2026 年 7 月現在では、Gemini を選択している場合は Gemini 3.5 Flash が利用されています。
また、AWS Hosted では、現在は Claude Haiku 4.5 on Amazon Bedrock が使用されています。
一方、Salesforce Default は Salesforce が管理する複数の信頼されたモデルを組み合わせたデフォルト設定です。現在は GPT-4o を含むモデル群が利用されていますが、Salesforce によって最適化・管理されるため、利用されるモデルは今後変更される可能性があります。
最新の Agentforce モデルに関しては、こちら を確認してください。
いかがでしたでしょうか。
これまでリリースノートで「新しい LLM モデルが追加されました」と紹介されても、「実際にはどこで使うのだろう?」と感じていた方も多かったのではないでしょうか。
しかし、今回のアップデートによって、その答えがようやく明確になったように感じます。
Model Override の追加により、サブエージェントごとに最適なモデルを簡単に切り替えられるようになり、用途に応じたモデル選択や比較・検証がこれまで以上に手軽になりました。
今後も新しい LLM モデルは継続的に追加されていくと思われます。そのたびに Agent Script を編集することなく、Agentforce Builder 上で簡単にモデルを切り替えながら検証できるようになったことは、エージェント開発の効率を大きく向上させるアップデートと言えるでしょう。
これからは、新しいモデルがリリースされた際には、ぜひ自社のユースケースで試しながら、それぞれの特徴や違いを比較してみてください。きっと、エージェントの品質向上につながるはずです。
今回は以上です。
