ライン随想録 清潔好きの国・スイス
1997/10/12 ライン随想録 スイス・バーゼルレポートより
随想録
ある人が「スイス人の清潔好きはあれは一種の宗教だよ」と言っていたが、まさに その通りだと思うようになって いる。
スイスを旅行したことのある人は、観光地で も、普通の町・村でも、チリ一つなく、窓辺には花など飾り、 きれいに清潔に維持 されていることを思い出されるであろう。
国のすみずみまで、常に清掃が行き届いており、こ れが良い状態に保たれているのである。
きっと、スイス人がちりを投げ 捨てたりしないで、いわゆる公徳心が高い のではないかと思われる方がいるかもしれないが、必ずしもそうではなくて、煙草のぽい捨てなどする人が、かなり 居るのである。
結局、専門の掃除人を町や、市が雇って、常に清掃しているから、道路や 公園がきれいに維持さ れている。
後に述べるように、各家庭でもおおくのところで、専門の清掃業者、清掃人に頼んでいるようである。
清掃業者の数もかなり多い。
バーゼル市では、ほとんどの市の清掃人は国外からの単身の出稼ぎ者であるということだが、オレンジ色の制服をき て、一定の間隔で、道路、歩道などをほうきで清掃している。
落ち葉かき、ごみ掃除の清掃自動車も間断なく道路を巡回している。
雪がふると、これらのひとは、雪かきに早変わりする。
街路樹の手入れ、公園の花壇の手入れ、ゴミ集めなども、これらの人の役割である。
バーゼルのような人口18万人の小都市で清掃のため、膨大な資金を投入し、これを市民が当然のこととして、サポートしているのである。
ニューヨーク、ロンドン、パリのような大都会で町にゴミがちらかっているのも清掃のための費用が十分行き渡らないためであろう。
私は2階だてのテラス・ハウスに住んでいるが、この清掃が実に大変なのである。
家内が仕事を抱えていることも あり、昨年いらい窓ガラス、ジュータン、台所、バ スルームなどの清掃を専門の人に依頼することにした。
自分た ちだけで、掃除していたときにくらべ、さすが専門のひとは、用具、洗剤などの選定もうまく、週に一 度、午前中 2-3時間の清掃で家中がぴかぴかになってきた。
清掃の徹底ぶりが日 本のスタンダードよりかなり高いのであ る。
一旦きれいになると、あとは汚さないように心がけているだけで、かなりの清潔感を維持できるようになる。
専門の清掃人も一回ごとに、それまで手がまわらなかった、洗濯室の流し、納戸のドア・ガラ スなどとすみずみに まで清掃の範囲を広げ、最初に住み始めたときよりもかなりきれいになってきた。
清掃の人が来る日は、すこしは早 めに家を出るとか、書斎やコ ンピュータ室の机の周りは整頓しておかなければならないというプレッシャーが常にある。
オフィスでも、毎日、清掃の人が始業前に清掃してくれている。
書類を積み上げることなく、いつもきれいにしておかなければならない。
週にいちどくらいは、オフィスの整理・整頓に時間を割かなければならないような感じである。
こうしてみると、町中、家、オフィスなどあらゆるところで、専門の清掃のひとの手が入っていることになる。
わたしの住むテラス・ハウスは、バーゼル市街をみわたす丘の中腹にあるが、あたりを散歩すると、実に清掃の行き 届いた家が多い。
窓ガラスはぴかぴか、家のペン キも頻繁に塗り替え、非の打ち所もないような家が多く、やや息 苦しささえ感ずるほどである。
市の指定のゴミ袋にいれた「ゴミ」はきちんと整頓された状態で集められるのをまっ ている。
家のなかでも、ピース敷きジュータンの端の「ふさ」もきちんとそろえておくうちが多いと聞く。
町のひ とも、良い環境を維持するため、相互に注意することが多く、少々辟易することもある。
先日もわたしが空いていた 列車の向かい側の座席に足を乗せていたら、窓ガラスをコンコンとたたいて「足をのせるな」とホーム側から注意 してくれたひとが居た。
アパートでは、夜10時以降 や、早朝6時以前のシャワーは禁止されるなど、住環境維持 のための締め付けも厳しい。
わかい共稼ぎのひとなどは、大変である。
イタリアなどに遊びにいって、町はごみがちらかっているが、人々がおおらかに生活を楽しんでいるのをみると、な ぜかほっとした気になるのも、私だけではあるまい。
老齢プログラマの所感
確かに、スイスの町は美しい。
だから、2019年のスイスではたくさんの写真を撮りました。
この随想録のトップ画像を捜すのに苦労しなくて済んでいます。
この美しさは不断の努力で維持されていたのですね。
でも暮らしはちょっと窮屈そうです。
補足
上の記事は1997年頃の「ライン随想録(井浦幸雄さん)」の復刻版です。
当時、私の故郷の住職の遺作「おふくろの味」を井浦さんがWebに載せて下さり、今は住職の息子によって公開されています。
当時、このようにお世話になったことを思い出し、復刻していました。
ある日突然、「ライン随想録」の目次が検索で見つかるようになりました。
しかし、ここから記事へのリンクが途切れています。
これが理由で、今まで検索しても表示されなかったのかもしれません。
そのため、復刻作業は今までどおり続けることにします。

【ライン随想録】
ライン随想録 清潔好きの国・スイス(本記事)
ライン随想録 地震・台風・・災害ニッポン(その2)
ライン随想録 地震・台風・津波高潮・火山噴火の日本(1)
ライン随想録 欧州結婚事情
ライン随想録 賢い旅行情報の集め方
ライン随想録 ヨーロッパのひまわり
ライン随想録 歯の健康維持について
ライン随想録 QE2航海記・その6 食事と会話
ライン随想録 QE2航海記・その5 スコティッシュ・キッパー
ライン随想録 QE2航海記・その4 QE号・カラオケ大会は大盛況
ライン随想録 観光立国・ニッポン
ライン随想録 ロンドン・ヒースロー空港
ライン随想録 QE2航海記・その3、豪華船のあらましと船上セミナー
ライン随想録 QE2航海記- その2(大西洋上およびスイスから)
ライン随想録 クイーン・エリザベス二世号航海記- その1
ライン随想録 内なる国際化
ライン随想録 欧州人の休暇の取り方
ライン随想録 欧州盆栽事情
ライン随想録 ビジ・カジ
ライン随想録 旅行、お好きですか?
ライン随想録 たまごっち パート2
ライン随想録 結婚まえの同居
ライン随想録 外国語学習と日本人
ライン随想録 イギリス人とフランス人
ライン随想録 ちかごろ・みやこではやるものータマゴッチ
ライン随想録 最後の授業
ライン随想録 海外日本食事情
ライン随想録 荷物なくしたことありませんか
ライン随想録 フランス・リモージュ地域
ライン随想録 駅前・放置自転車
ライン随想録 インターネットと私(その3)ブラウザー
ライン随想録 インターネットと私(その2)電子メール
ライン随想録 インターネットと私(その1)概況
ライン随想録 ヨーデルテープありますか
ライン随想録 危ない目にあったことありますか
ライン随想録 スイス・ドイツ語
ライン随想録 人の行く裏に道あり花の山
ライン随想録 円高はこわくない
ライン随想録 規制緩和本当にお好みですか
ライン随想録 中世都市バーゼルの路面電車
ライン随想録 エジプト旅行と体調
ライン随想録 ごみ処理とリサイクル
いいなと思ったら応援しよう!
よろしければサポートお願いします! いただいたサポートは全て『「思い出の場所」の記事とGoogle地図を関連付けるWeb地図アプリ』のLancersでのプログラミングの外注に使わせていただきます。
よろしくお願いします。