五臓 完全ガイド──肝・心・脾・肺・腎から、自分の不調を辿る地図
この記事の内容を、毎朝1分で復習したい方へ。
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皆さん、こんにちは。悠々漢方です。
この一週間、五臓(ごぞう)を一つずつ見てきました。今日は全体を一本にまとめます。
そしてもう一つ、今日は少し違うことをします。悠々漢方がこれまで書いてきた記事が、五臓のどこに当たるのかを、一枚の表にします。気になる係から、関係する記事へ辿れるようにするためです。
五臓とは何か
五臓は、内臓の名前ではありません。体の働きをまとめた五つの係の名前です。
東洋医学は、解剖して形を見る道ではなく、生きて働いている体を外から観察してまとめる道を歩んできました。「食欲が落ちるとき、体は重だるくなり、便が緩くなり、思い悩みやすくなる」。この四つがいつも一緒に起こるなら、まとめて名前をつけよう。そうして生まれたのが「脾(ひ)」という係です。
だから、同じ漢字でも西洋医学の臓器とは指すものが違います。

五つの係
肝(かん)── めぐらせる係
気を全身にゆきわたらせ、感情の波を調えます。目、爪、筋にあらわれ、女性の月経とも深く関わります。
滞ったサイン。イライラと急なふさぎ込み。喉やみぞおちのつかえ。お腹の張り。ため息。脇腹の張り。症状の場所が日によって変わる。緊張の後に強くなる。
心(しん)── 眠りと熱をあずかる係
血を送り出すとともに、意識と眠りを受け持ちます。血によって静められていると考えます。
弱ったサイン。寝つきの悪さ。夜中の覚醒。夢が多い。動悸。落ち着かない。のぼせ。舌先が赤い。
脾(ひ)── 食べたものを力に変える係
消化と吸収を担い、気と血を作ります。水を捌き、内臓を上へ支える働きも持ちます。五臓のいちばん上流にいる係です。
弱ったサイン。食欲がない。食後に強く眠くなる。疲れやすい。軟便。体が重だるい。むくみ。舌のふちに歯の跡。思い悩みやすい。
肺(はい)── 呼吸と、体の表面を守る係
呼吸に加えて、皮膚、鼻、喉という外界との境目を守ります。乾燥を苦手とします。
弱ったサイン。風邪をひきやすい。空咳。喉や鼻の乾き。肌の乾燥やかゆみ。声に力が出ない。
腎(じん)── 生まれ持った力を蓄える係
「精」を蓄え、成長と老化に関わります。骨、歯、髪、耳、水分の調節を受け持ちます。
弱ったサイン。足腰の重さ。夜間のトイレ。耳鳴り。白髪や薄毛。冷え、あるいは手足のほてり。気力がわきにくい。

五臓は、つながって働きます
覚えておくと役に立つ結びつきを、三つだけ挙げます。
脾が弱ると、心が静まりません。血を作るのは脾であり、心を静めるのは血だからです。「胃腸の調子が悪いと眠れない」の道筋です。
肝が滞ると、脾が押さえつけられます。「緊張やストレスでお腹を壊す」の道筋です。
腎が衰えると、肝を養えなくなります。「年齢とともにイライラしやすく、目が疲れやすくなる」の道筋です。
こうした関係を整理したのが「五行(ごぎょう)」ですが、図を暗記する必要はありません。五つの係が影響し合っている、それだけで十分です。

五臓から、悠々漢方の記事を辿る地図
ここからが、今日の本題です。
悠々漢方はこれまで五百本を超える記事を書いてきましたが、書いた順に並んでいるだけで、どこから読めばよいのかがわかりにくい状態でした。五臓ごとに整理し直します。
肝が気になる方へ
春に不調が出やすい方、感情の波や目の疲れが気になる方が読む場所です。
「春の養生」シリーズ(全22回)/代表回:春の養生⑥ 目は「肝の窓」——疲れ目からくる春の不調をリセットする
「ゆらぐ心とからだの漢方ケア」シリーズ(全21回)/代表回:理由のない不安とドキドキ、それ「気と血」の枯渇サインかも
心が気になる方へ
眠りの浅さ、動悸、落ち着かなさが気になる方が読む場所です。
「睡眠と疲れ」シリーズ(全21回)/代表回:夜中にふと目が覚めてしまう……。その不眠、実は「胃腸」からのSOSかもしれません
脾が気になる方へ
悠々漢方でいちばん記事の多い領域です。胃腸、疲れ、むくみが気になる方へ。
「胃腸の重だるさと食欲不振」シリーズ(全22回)/代表回:胃腸の工場が「湿気」で止まっています──梅雨の食欲不振の正体
「土用の養生」シリーズ(全14回)、「夏の冷えと胃腸」シリーズ(全8回)/代表回:冷たい飲み物がおいしい季節に、胃腸だけが冬を迎えています
「梅雨の養生」シリーズ(全12回)/代表回:【Day5】梅雨の終わりに「夏バテ」に備える──秋に向けた体力の貯金
肺が気になる方へ
咳、喉、肌の乾燥が気になる方へ。この領域は、まだシリーズとしてまとまっていません。個別の記事からご案内します。
腎が気になる方へ
年齢による変化、足腰、物忘れが気になる方へ。
「認知症の養生」シリーズ(全25回)/代表回:やる気を引き出す漢方薬と、脳に嬉しい「黒い食材」
五臓に収まらないもの
天気で不調が出る方は、先週の「水滞(すいたい)」を中心に見てください。「天気痛」シリーズ(全21回)があります。代表回は水はけを良くする生薬の主役。体内の余分な水を逃がす「沢瀉」です。
季節そのものから入りたい方は、二十四節気のシリーズがあります。
この記事の要点
保存用に、まとめておきます。
五臓は臓器名ではなく、体の働きをまとめた五つの係
肝はめぐらせる係。目、爪、筋、感情、月経に関わる
心は眠りと熱をあずかる係。血によって静められている
脾は食べたものを力に変える係。五臓のいちばん上流
肺は呼吸と体表を守る係。乾燥を苦手とする
腎は生まれ持った力を蓄える係。成長と老化に関わる
脾が弱ると心が静まらない。肝が滞ると脾が押さえられる。腎が衰えると肝を養えない
五行の図は暗記しなくてよい。影響し合っていることだけ覚える
気になる係から、上の地図で記事を辿れる
※漢方薬は体質(証)や症状によって、合うものが一人ひとり異なります。ご自身に合った漢方薬を選ぶためには、自己判断をなさらず、必ず漢方に詳しい薬剤師や医師にご相談ください。また、症状が強い場合や長く続く場合、急に変化した場合は、まず医療機関を受診してください。

明日は、この一週間の内容を確かめる練習問題をお届けします。
あなたの毎日が、少しでも元気で快適なものになりますように。
悠々漢方
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